2022年07月02日 08:36
ゴルフのトーナメント会場は“ネタの宝庫”。ただ、そのすべてを伝えることはなかなか困難なこと…。そこで現場記者がコースを歩くなか“見た”、“聞いた”もののなかからちょっと気になった1つのテーマ、すなわち“ヒトネタ”をご紹介! 今回は「資生堂 レディスオープン」が行われている戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)から。 海が大好きという原英莉花。「気分が高まっているときも行きたくなるし、落ちているときも行きたくなる」と心のオアシスとなっているようです。 なかでもお気に入りだというのがレインボーブリッジ。「私のおうちはレインボーブリッジの上って思っています。通ったときに叫ぶんですよ。気持ちいい。あそこに住みたーい!って(笑)」。練習拠点であるジャンボ邸に行くときに正規ルートでは通らないのだが、たまには遠回りをすることも。 とはいえ気分が落ちているときはちょっと違うようで…。「落ちているときはもっと近い海がいいですね。目の前にある海がいいです(笑)」と笑っていた。
2024年04月20日 06:00
方向性抜群のアイアンショットでグリーンに乗せて正確なパッティングでカップにボールを入れる。これができれば、大幅なスコアアップが可能になります。
山田彩歩プロがパッティングの練習法について解説してくれます。 ボールの手前にティーを挿してアッパーに振る
ボールの転がりが悪いときは、バターとボールの間にティーを深く挿し、その頭の部分(台座)に触れないようにボールを打つ練習をします。ほんの少しアッパーに振り、フェース面の下側でボールの中心をヒット! すると、グリーン面にボールがくっついたまま、跳ねることなく順回転になる。フォローでヘッドを無理に大きく出す必要はありません。 インパクトはゆるめない!
ボールの中心をしっかりヒットすることが大事。フォローは意識せず、「打って終わり」くらいのイメージでOK
ややアッパーに振ると順回転になる
アッパー軌道を作り、フェース面の下側でボールをとらえるのが山田流。順回転で転がりがよくなる
上から打つとボールが跳ねてしまう
ややダウンブローに打つ方法もあ るが、ボールが跳ねると回転が悪 くなり、きれいに転がらない テークバックをしないでカップ方向にボールを押す スタート前に行なうと効果的です!テークバックをとらずにフォローだけでボールを打つ
練習グリーンで平らなストレートラインを見つけて、カップまで1メートルの距離にボールを置く。そして、パターでボールを押してカップに入れる。この練習は、テークバックをしないことが最大のポイントです。
手首を使わずにヘッドをカップ方向に真っすぐ出すと、フェースの向きが安定し、低くて長いフォローになる。この理想的なフォームを体感し「こういうイメージで打つんだよ」と、脳と筋肉にしっかり伝えましょう。 1メートル先のカップを狙う
テークバックをとらずに確実にカップインさせるには、1メートルくらいが最適。遠いと難しくなってしまう 手首を使って押すのは NG !
手首を使ってボールを押すと、フェースの向きが安定せず、フォローの形が毎回変わってしまうので注意しよう
構成=小山俊正
写真=田中宏幸
2024年04月20日 05:45
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)
初優勝したばかりの21歳には、すでにトッププロの風格があった。竹田はスコアが伸びやすい前半に5バーディーを奪い、難しい後半は1ボギーで耐えた。最難関の17番パー3では第1打をグリーン右の崖下に落としたが、第2打を約3メートルに寄せてパーパットをねじ込んだ。攻めるホールでは攻め、守るホールでは守る。安定したプレーで首位に立った竹田は「前半はいいリズムで回れた。後半は風の判断ミスがありました」と冷静に振り返った。
93、94年の賞金女王で叔母の平瀬真由美(54)は今大会でも2勝。この日、テレビ中継の解説を務めた叔母には「17番はナイスパー」と褒められた。
今大会は兄の有男(ゆうた)さん(23)がバッグを担ぐ。兄は熊本城北高と日体大の野球部でプレーしたが、ゴルフは競技経験がなくスコアは90前後という。竹田も「私はプロキャディーさんに頼り過ぎることがあるので、今週は自分で(ラインやクラブを)判断しています」と実戦での向上を図っている。
今季、先週までの平均ストロークは唯一の60台(69・95)。確かな実力と勢いがある竹田はツアー史上4人目の初Vからの2週連続優勝へ好発進した。さらに、その先には叔母に続いて年間女王になれる可能性も秘めている。(竹内 達朗)
■ワンウェー方式全選手1番から 〇…今大会は全選手が1番からスタートする「ワンウェー方式」で行われている。第1組は午前7時、最終組は午後1時7分のスタートで6時間以上も離れていた。最終組のホールアウトは午後6時前。初日は穏やかな天候で、条件面では大きな違いはなかった。
2024年04月20日 05:00
「女子ゴルフ・フジサンケイ・レディース・第1日」(19日、川奈ホテルGC富士C=パー71)
プロ2年目の大須賀望(22)=フリー=が69で回り、首位と2打差の6位と好発進を決めた。ツアーの登録上では歴代最小の146センチながら、昨季、ステップ・アップ・ツアーで2週連続Vを果たし、今季からレギュラーツアーに主戦場を移した注目の若手。だが、大会前時点の7戦で予選通過は1度だけと振るわなかった。
不振にあえぐ中、今週の練習ラウンドで助言をくれる救世主が現れた。ツアー通算41勝のレジェンド・森口祐子から、スイング時の骨盤の動きを指南されると、ばらついていたショットがすぐさま改善傾向に。「まずは予選を通過したい」と小柄な体を目いっぱい使って、優勝を争える位置を狙っていく。
2024年04月20日 05:00
「女子ゴルフ・フジサンケイ・レディース・第1日」(19日、川奈ホテルGC富士C=パー71)
前週のKKT杯バンテリン・レディースで、ツアー初優勝を果たした竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が5バーディー、1ボギーの67をマーク。
2024年04月19日 17:10
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)
前週に地元のKKT杯バンテリンレディス(12〜14日、熊本空港CC)で悲願の初優勝を挙げた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)が5バーディー、1ボギーの4アンダー、67で回り、首位でホールアウトした。ツアー史上4人目の初優勝からの2戦連続優勝に向けて絶好のスタートを切った。
1番パー4。スタート前の選手紹介で「先週に初優勝した竹田麗央」とアナウンスされた。「こういう感じなのか」と気分よくコースに出ると、2番から4連続バーディー。8番でもバーディーを重ねて、前半の9ホール(パー35)は30をマークした。後半はバーディーなしの1ボギーでスコアを落としたが、4アンダーで首位に立った。難関の17番パー3では第1打をグリーン右の崖下に落としたが、第2打を約3メートルに寄せてパーパットをねじ込んだ。
「前半はいいリズムで回れました。後半は風の判断ミスがありましたけど、4アンダーは良かったと思います」。竹田は笑顔で18ホールを振り返った。
1993、94年の賞金女王で叔母の平瀬真由美プロは、今大会でも2勝を挙げている(1990年、2000年)。この日、テレビ中継の解説を務めた叔母には「17番はナイスパーだったね。しっかり休んで、また、明日、頑張って」と激励を受けた。
先週に地元で、うれしい初優勝。「祝福の連絡は100件以上、いただきました」と笑顔で話す一方で「次に気持ちは切り替えています」と冷静さを保っている。今季、先週までの平均ストロークは、唯一の60台(69・9487)でランク首位。飛距離ランクは3位(254・55ヤード)。確かな実力と勢いを備える21歳がツアー史上4人目の初Vからの2戦連続優勝の快挙を成し遂げる可能性は十分にある。
◇日本女子ツアーの初優勝からの2戦連続優勝(1988年のツアー制施行後)
▽西田智慧子(1990年10月、宝インビテーショナル〜富士通レディース)
▽表純子(2005年7月、シャトレーゼクイーンズカップ〜スタンレーレディス)
▽岩井千怜(2022年8月、NEC軽井沢72〜CATレディース)
2024年04月19日 16:00
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)
今季1勝でポイントランク2位の小祝さくら(ニトリ)が難関の17番パー3で、もう少しでホールインワンのナイスショットを放ち、バーディーを奪った。
打ち上げで、グリーンの左右に深い崖がある17番パー3は、日本有数のシーサイドコースの中でも名物の最難関ホール。大会期間中は達成者全員に600万円の特別賞金が贈られる。大会前日(18日)のプロアマ戦で、小祝は実測154ヤードを6アイアンでホールインワンを達成。「今まで右にも左にも(崖下に)落としたことがあります。難しいホールですが(きょうのホールインワンで)ああいうふうに打てば入るんだな、と思えた。明日(19日)もこういう感じでプレーしたいです」と、にこやかに話していた。
その言葉通り、17番で、ギャラリーに快挙再現の夢を見させた。この日のピン位置は実測177ヤード。小祝が6アイアンで放った第1打はピンに向かった。「打った瞬間というより、グリーンに乗った時『きょうも入るかも』と思った。本当に惜しかったです。でも、バーディーが取れてよかったです」と、いつも通りに、柔らかな笑みをたたえながら話した。わずか約30センチだけ届かなかったが、悠々とバーディー奪取。ツアー屈指のショットメーカーが有言実行のプレーを見せた。
小祝は2バーディー、1ボギーの1アンダー、71で回り、ホールアウト時点で12位。まずまずのスタートとなった。
先週のKKT杯バンテリンレディス(4月12〜14日、熊本空港CC)で初優勝を挙げた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)が5バーディー、1ボギーの4アンダー、67で回り、首位でホールアウト。初優勝からの2週連続優勝に向けて好スタートを切った。
2024年04月19日 14:42
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)
2011年大会覇者の金田久美子(スタンレー電気)が前半の9ホール(パー35)を6バーディー、1ボギーの30で回り、絶好のスタートを切ったが、後半の9ホール(パー36)はバーディーなし、4ボギーの40と苦戦し、1アンダーの70でホールアウトした。前半と後半で10打も違う「大波」のスコアで、金田がホールアウトした時点では、15位となった。
先週のKKT杯バンテリンレディス(4月12〜14日、熊本空港CC)で初優勝を挙げた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)が14ホール終了時点で5バーディー、ボギーなしの5アンダーで首位に立っている。
2024年04月19日 14:12
【シェブロン選手権】第1日
【もっと読む】渋野日向子に未曾有の危機…昨季以上に精神的ダメージ大きい「5戦連続予選落ち」
◇ ◇ ◇
日本勢は最多の10人が出場する女子の海外メジャー初戦が開幕した。
2024年04月19日 13:02
◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第1日(19日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)
2011年大会覇者の金田久美子(スタンレー電気)が前半の9ホール(パー35)を6バーディー、1ボギーの30で回り、絶好のスタートを切った。1番パー4でバーディー発進すると、4番から4連続バーディーを奪った。この日は晴天で、日本有数のシーサイドコースはさらに映える。34歳になった金田はツアー初優勝を飾った思い出の大会で健闘。大会13年ぶり、ツアー2年ぶり(2022年・樋口久子三菱電機レディス以来)の優勝を目指す。
金田は11番のボギーでスコアをひとつ落として、12番まで消化して4アンダーで首位。先週のKKT杯バンテリンレディス(4月12〜14日、熊本空港CC)で初優勝を挙げた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)も7番まで4バーディー、ボギーなしの4アンダーと好スタートを切った。
2024年04月19日 10:22
◆米女子プロゴルフツアー 今季メジャー第1戦 シェブロン選手権(18日開幕、米テキサス州カールトンウッズ・クラブ=6889ヤード、パー72)
国内で2年連続年間女王の山下美夢有(みゆう、加賀電子)は3バーディー、3ボギーの72で回り、31位で発進した。この日は後半組のスタートで、日没間際のホールアウトとなった。
ラウンド後はWOWOWのインタビューに応じ、イーブンパーの内容を「前半は(2バーディーと)いいスタートが切れて、ショットが安定していたけど、後半につれてショットも曲がり、ショートゲームで拾えなかった部分が悔しいバックナインとなった」と総括した。
気温30度を超える暑さの中でのプレーだったと振り返り「暑さ対策は考えながら、集中できた」という。グリーンが硬く、傾斜もある中で感触については「まだまだだと感じた。3パットでもったいないボギーも打ってしまった。グリーンの(芝)目がきつかったり、そういうところがポイントになる」と分析した。風についても「非常に難しかった」としたが「本当に楽しくラウンドできた」と充実した表情を浮かべた。
第2日へ「考えるところは考えて、思い切ってプレーして、まずはしっかり予選通過できるように」と意気込んだ。
日本ツアーを主戦場とする山下は今季7試合に出場し、3月のアクサレディス宮崎の2位が最高。ここ2戦は5位と上位で戦い、シェブロン選手権は初出場となる。パリ五輪代表争いでは日本勢で4番手の世界ランク26位で、6月下旬までにポイントを稼ぎ、逆転での切符獲得を狙う。
2024年04月19日 10:02
【ウッドランズ(米テキサス州)=平沢祐】女子ゴルフの今季メジャー第1戦、シェブロン選手権が、米テキサス州ウッドランズのクラブ・カールトンウッズ(パー72)が開幕して第1ラウンドが行われ、勝みなみが4バーディー、1ボギーの4アンダーで回り、首位と2打差の2位と好発進した。
畑岡奈紗、岩井明愛、古江彩佳が1アンダーで18位、山下美夢有、笹生優花がイーブンパーの31位、西郷真央は1オーバーの54位、稲見萌寧と西村優菜が2オーバーの68位、渋野日向子は4オーバーの101位と出遅れた。ローレン・コーグリン(米)が6アンダーで首位に立った。
勝みなみ「すごくいいゴルフができた。最初のティーショットからいい感じで振れていた」
2024年04月19日 09:53
◆米女子プロゴルフツアー 今季メジャー第1戦 シェブロン選手権(18日開幕、米テキサス州カールトンウッズ・クラブ=6889ヤード、パー72)
古江彩佳(富士通)は3バーディー、2ボギーの1アンダー、71で18位で発進した。
2024年04月19日 09:00
ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす!
今月は、ロブショットに関しての説明です。ロブショットはフェースを開いてロフトを増やし、高く上げて止まるショットだと認識している人が多いと思います。ところが調べてみると、そういう説明もあるが「フェースをインパクトとともに立てて、フェースの上部で包み込むように打ってフック回転をかける」という説明も多くある。というよりも、こういう打球を求めるのが、そもそもアプローチショットだというのです。 ロブショットは高く上げるだけが目的ではない これまでのインナーカウンターでは、左手ブロックによってヘッドを加速することを主眼にしていた。今回はこのブロックによる衝撃を主にフェースの起き上がりに使う。外側からボールを包み込むようにとらえながら、弾道から逆算したインパ クトでのフェースの状態をゴールとしてしっかり狙って打つことを心がけたい
高さのあるボールは、カットするようにリーディングエッジを差し込めば打てるのですが、ちょっと間違えればフェースがボールの下をくぐってしまう。フェースを起こしながらインパクトしてボールつかんですり抜けを防止するとともに、フック回転を与えることで距離感が出しやすい。落ちてからの転がりも計算しやすいということで、私が観たムービーでは石川遼プロも距離感がつかみやすいことから、アプローチでは8割はこの系統のボールを打っているそうです。
フェアウェイのようなボールが浮いているようないいライで打つのが前提ですが、打ち方としてはオープンスタンスにして、さらに フェースを開いて寝かし、時計の文字盤の1時から2時方向(かなり右斜め方向)にインサイド・アウトの軌道で払うように振り抜く。このとき右側から包み込むようにフェース(ロフト)を起こしながら打つことで、フェース上部が起き上がり、ボールをとらえてフック系の回転をかけるらしいのです。
しかし、これはボールがインパクトの際のフェース方向に飛び出すことを説き、インパクト前後でフェースがローテーションすることから距離をおいた本連載の考え方とは相容れないもののように思われました。 インナーカウンターをフェースローテーションに応用
ところが、考え方をちょっと変えてやるだけで、矛盾なく対応できることがわかりました。フェースローテーションをして打っているといっても、これまで説明してきたようにインパクトの際のフェースの方向にボールが打ち出されることは真理ですから、ローテーションの途中でなんとなく打っているのではなく、フェースの方向を事前に決めて、その状態を作って打っていることになります。つまり、インバースキネマティクスがここで適用できるのです。
これまで、インナーカウンターでは左手のブロックによる衝突の衝撃によってヘッドを一気に加速することを目的としてきましたが、今回は、イラストのようにブロックの反動とヘッドの慣性力を用いて、開いて寝かせていたクラブヘッドを一気に旋回させる一方、この旋回のいきついた先に出球方向を意識したフェースの状態をイメージし、そこをゴールとしてフェースローテーションを完了させます。こうすることで、飛球線方向よりも極端に右方向を向いたインサイド・アウトのスイングでフェースローテーションを行なっているにも関わらず、しっかり狙った方向へ打つことができることになります。これによって「フェースローテーション」をこれまで連載のなかで繰り返し説明してきた「インバースキネマティクス」「インナーカウンター」と矛盾なく共存させることができるのです。
実際に打ってみて早速「これはどこかで経験したことのあるものだ」と気づきました。なんとそれは、イラストのようなテニスでの逆クロス(コートの左サイドから相手の左サイドに斜めに打つショット)を打つと見せかけながら、コートの左サイドにストレートに決めるパッシングショット(パス)だったのです。パッシングショットのキーポイントは、インパクトでしっかりストレート方向を狙ったフェースが作れるかどうかなのですが、ロブショットもスイング方向とは全然違うところを狙って打っているという意味でセンス的に非常によく似ているのです。
テニス経験のある人であれば、そのあたりを意識するとすんなり理解できると思います。さらに、このフェースの回り込みによって生じるフック回転ですが、実際にやってみるとフェースがローテーションしてボールがフェース上を転がり上がって高いところでとらえられる感覚が、テニスの上方スライドによってトップスピンをかけているときと似た安定感があって、距離感がつかみやすいというのはとてもよくわかるような気がしました。
ただ、ロブといっても特段ボールの高さが出るわけではないので、これがロブショットだと断言はできませんが、落ちてから左にボールが転がっていくフック回転がかかっているので目的は達成していると思っています。
これまで説明してきた厚く拾いにいき、極力サイドスピンをかけないようなきれいなバックスピンをかけようとするアプローチと、あえてフック回転をかけてスピンで安定性とランさえもコントロールしようとするロブショット。どちらがいいということではなく、アプローチの引き出しを増やすという意味でマスターしておくことが、さまざまな状況に対応できる精神的な図太さを生むのだと思います。
いかがでしたか? ぜひサンドラー博士の解説を参考にしてみてください。
イラスト・文 = サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者 。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。
2024年04月19日 08:00
今回は、米女子ツアーで戦っている畑岡奈紗選手から、スイング軌道を安定させたり、飛距離を伸ばす世界で渡り合えるテクニックを解説していく。 インパクトでジャンプしてクラブを走らせて飛距離を出す トップの姿勢は抜群の安定感を生み出す最高のお手本
米国ツアー8年目の畑岡選手は、海外で戦う日本人女子プロのリーダー的存在でもあり、世界ランキングも日本人トップの選手です。
アマチュアの参考になるのは、スイングの前半部分。❶のアドレスでは腕と上半身に余計な力が入らず、リラックスした姿勢で構えています。そして、❷のハーフウェイバックではヘッドが腕と一直線になるように上げ、フェース面はほぼスクエア。❸のトップはコンパクトで右ヒジが真下を向いている、多くのゴルファーがお手本にしてほしい教科書どおりの姿勢です。一流選手でも調子の波は必ずありますが、畑岡選手はトップまでをシンプルな動きで安定させることによって、10年近く世界最高峰のツアーで好成績を出しています。
一方、ダウンスイングからインパクトにかけては畑岡選手ならではの個性があります。陸上をやっていたこともあり、足の強さを活かしてジャンプするような動きでボールを打っています。これは切り返しからヒザと腰がボールに近づくことで、上半身の前傾が解け、フェースが開いて下りてくる。その状態からフェースをスクエアにするために下半身のジャンプ動作とフェースローテーションのタイミングを合わせ、飛距離を伸ばしています。
いかがでしたか? ぜひ畑岡選手のトップまでのシンプルな動きを参考にしてください。
畑岡奈紗
●はたおか・なさ / 1999年生まれ、茨城県出身。158cm。2016年にプロ入りし、2017年から米ツアーを主戦場にし、18年のアーカンソー選手権で初優勝。現在国内では5勝、米国では6勝を挙げている。アビームコンサルティング所属。
解説 = 河野勝成
●こうの・かつなり / 1996年生まれ、山口県出身。国内有名ツアープロコーチから指導方法を学び、現在は東京都港区のファイブエレメンツを拠点に、多くのアマチュアをレッスン中。
写真=ゲーリー小林
2024年04月19日 07:00
ボールを転がすには、ヘッドを低く出して、低い位置に収めるフィニッシュをとる。
それによって打球を転がすスイングになるが、単にヘッドが低いだけではいけない点をレッスン! “転がし”のフィニッシュはヘッドを低い位置に収める! 【ヘッドが低いフィニッシュをとるときの注意点!】インパクトでヘッドを止めない
ヘッドを低い位置に収めるが、パンチショットのようにインパクト後にヘッドを止めるイメージではない。ヘッドを止める動きは体の回転も止まり、ヘッドが先行してしまう(×写真)。
手先だけの動きでヘッドを低く出すのもNG。打ったあともきちんと体を回したフィニッシュをとろう。 【ヘッドが低いフィニッシュをとるときの注意点!】手首をロックしすぎない
フィニッシュでヘッドを低く出すには、手首を固めるイメージがあるが、手首はやわらかく使わないとウエッジの刃から入りやすくなってしまいチャックリやトップが出る(×写真)。
また、ヘッドの重みを使えないので、アドレスの位置にヘッドが戻りにくくなってしまう。
手首の力を抜く感覚を得るには、両手の人差し指と親指を離した素振りをしよう。どうしても力が入ってしまう人は、離したまま打ってもOK
レッスン=樋口貴洸
●ひぐち・よしひろ/1997年生まれ、埼玉県出身。JGTOツアーメンバー。花咲徳栄高校、東京国際大学ゴルフ部を経て、現在はツアープロを目指しながら東京都港区の「Golf&FitnessPoint 芝浦」でアマチュアを指導。コースでのスコアメイクに役立つレッスンに定評がある。
写真=相田克己
協力=サザンヤードカントリークラブ