2022年07月02日 10:45
○ ロッテ 6 − 4 楽天 ●<12回戦・ZOZOマリン>◆ きっちり初球で送りバント ロッテは1日の楽天戦に6−4で勝利し、4月16日以来となる勝率5割に復帰した。 攻撃で随所にマリーンズらしさが光った。初回先頭の荻野貴司が二塁打で出塁し、2番・郄部瑛斗がきっちりと初球で送り、3番・中村奨吾がセンター前に先制の適時打。2−4の7回は先頭の代打・角中勝也、代打・山口航輝の連打で無死一、二塁とすると、1番・荻野が1球目で送りバントを決め、郄部が同点の2点適時二塁打を放った。ロッテは2度の犠打機会、1球目に決めて攻撃のリズムを作り、適時打を放った初回の中村、7回の郄部も初球を弾き返した。 ロッテの攻撃において犠打は、得点を挙げていくうえでは重要な攻撃パターンのひとつ。開幕直後こそ犠打失敗が目立ったが、直近では6月22日の西武戦から5度の犠打機会全て成功し、全てファーストストライクで送っている。そのうち得点につながったのは3度と高い確率で得点に結びつけている。◆ 1つ先を狙った走塁 そして、ロッテの武器といえば“1つ先の塁を狙った”走塁だ。1日の楽天戦でも佐藤都志也の本塁打で勝ち越した8回、一死走者なしから途中出場の茶谷健太が内野安打で出塁し、暴投で二塁へ進むと、山口の三塁へのゴロで楽天の三塁手が一塁へ送球したのを見て、二塁走者の茶谷は三塁へ進んだ。茶谷は続く荻野のライト前の適時打で生還。5−4の8回に追加点となる適時打を放った荻野も素晴らしいが、山口のボテボテの三塁ゴロで判断よく三塁へ進んだ茶谷の走塁も追加点に繋がる大きな走塁だった。 茶谷は今季開幕からファームで過ごす時間が長かったが、ファームでもなんども次の塁を狙う走塁を見せてきた。3月21日の西武戦では1−2の8回一死満塁から吉田裕太のライトへの犠牲フライでライトがホームに投げるのを見て、二塁走者の茶谷も三塁へタッチアップ。4月21日の西武戦では、3−3の7回二死一、三塁から柿沼友哉の三塁へのゴロを三塁手が悪送球。ボールが転々としているわけではなく、一塁手がベースから足が離れただけだったが、一塁走者の茶谷は三塁へ進んだということもあった。 茶谷に限らずファームでも“1つ先の塁を狙った”走塁が多く、チーム全体で徹底されている。試合前の練習でも“試合に向けての練習、準備”が打撃や守備だけでなく、走塁でも意識高く行われている印象だ。 時に失敗もあるが、犠打や走塁といった細かい部分は、何年も積みあげてきており、一軍でも二軍でも当たり前のようになってきている。得点に結びつけばいやらしい攻撃と評価され、得点できなければ“なんで送りバントさせるんだ”、“走者を無理に次の塁を狙わせるんだ”という厳しい声も飛ぶ。ただ、チームとして点を取るためにランナーが出た後、どういう攻撃をするかという軸のようなものはある。ブレずにマリーンズらしい攻撃で得点を奪っていって欲しい。文=岩下雄太
2024年04月24日 07:00
◆ 「中継ぎ陣が頑張れば勝ちを拾える」1点差ゲームで5連勝!
先週から引き分けを挟んで4連勝と波に乗る日本ハムは23日、楽天と対戦し延長12回の死闘を4−3と勝利で飾った。先発の山粼福也が6回2失点と試合を作ると、金村尚真・河野竜生・北浦竜次・田中正義・杉浦稔大の中継ぎ陣が6回1失点リレーで繋いだ。打線は延長12回に1番田宮裕涼が二塁打を放つと、2番松本剛が犠打を決め一死三塁とチャンスを作る。3番万波中正が四球、4番マルティネスが見逃し三振で二死一・三塁とすると、途中出場の5番上川畑大悟が値千金の適時打を放ち、勝ち越しに成功した。
日本ハムはこの勝利を含め、今季1点差ゲームで5連勝。先発陣の成績に注目が行きがちだが、23日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では、好投が続く中継ぎ陣に称賛の声が上がった。
平松政次氏は「先発投手が早く崩れることもあるが、中継ぎ陣がそこで頑張ることによって、勝ちを拾える。今年の日本ハムは良く抑えている」と勝利を呼び込む中継ぎ陣の力投に高評価。今後のチームの順位について問われると「今の形を継続していけば、良い結果になる」と太鼓判を押した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:50
◆ 借金もワーストの6…「毎年のことだが」と指摘した打順とは?
先週までの9試合で1勝8敗の西武は23日、巻き返しを狙う今週のカード初戦でオリックスと対戦し、2−1と僅差で敗北した。打線は2点を追う4回、先頭の2番中村剛也が二塁打を放つと、3番佐藤龍世と4番アギラーが連続四球で無死満塁とチャンスを作る。この場面で5番炭谷銀仁朗が相手の失策で出塁し1点を返すも、6番若林楽人と7番外崎修汰が痛恨の空振り三振。二死満塁で8番長谷川信哉が中飛に倒れ、好機を生かせなかった。その後も打線は振るわず、今季2度目の3連敗を喫した。
12三振と拙攻が目立った西武打線に対して、23日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』でも厳しい声が上がった。
笘篠賢治氏は「(チャンスの場面で)当てにいって、ボール球に手を出してしまう」と分析し「点が取れない負の連鎖」と嘆いた。この試合でも2番に中村が入るなど安定しない打順については「毎年のことだが、結局1・2番が決まらない。そこが解消されないかなと思う」と苦言を呈した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:40
◆ 「4回はフォーク、7回は直球」軽打でチャンス拡大し天敵・佐々木に勝利!
ソフトバンクは23日、ロッテと対戦し4−2でカード初戦を勝利した。打線はロッテ先発・佐々木朗希の前に3回まで無得点に抑えられたが、4回にこの試合で通算1500試合出場となった2番今宮健太が安打を放ち出塁。3番柳田悠岐も安打で続き、無死一・二塁と先制のチャンスを作る。4番山川穂高は左飛となるも2塁走者今宮が進塁。一死一・三塁の場面で、ここまで佐々木に対して18打数無安打12三振の5番近藤健介が三塁線を破る適時打を放ち、先制に成功した。その後相手の失策もあり1点を追加した。
7回には9番牧原大成が二死から安打で出塁すると二盗に成功。今季支配下登録を勝ち取った1番川村友斗が適時二塁打を放ちリードを広げた。ソフトバンクは昨季2敗と完璧に抑え込まれていた佐々木から3点を奪い、2季ぶりの勝利を収めた。
今季初の最速160kmを記録した難敵・佐々木を見事攻略したソフトバンク打線に、フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』でも注目が集まった。
笘篠賢治氏は、4回の攻撃について「(打順)二回り目から追い込まれるまでは普段のスイングで打ちにいくが、追い込まれたときにチーム皆で長打を捨てて軽打で食らいついていく。佐々木のフォークボールについていくという徹底した攻めで攻略できた。良い繋がりだった」と、今宮・柳田・近藤の三者がフォークを安打にした点を高評価。
7回については「二死から牧原が出て足を絡めて揺さぶる。どうしても次の1点が欲しい場面で、チャンスが巡ってきた川村が貴重な1点を挙げる。牧原も川村も打者が有利なカウントに持っていって、この回は直球を狙って見事に捉えた。非常に良い攻撃だった」と4回と異なり佐々木の直球を捉えていった攻撃を称賛した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:40
指名打者の歴代最高打率は.356、OPSは1.107…エドガー・マルティネスが君臨する
“史上最高のDH”の称号を、ドジャース・大谷翔平投手が手にするかもしれない。
2024年04月24日 06:30
◆ 力投する先発・吉村を援護できず…
ヤクルトは打線が振るわず広島に0−2で敗戦。今季3度目の完封負けで3連敗となり、借金は今季ワーストを更新する「5」に膨れた。
ヤクルト打線は初回、1番の塩見泰隆が安打と盗塁で二死二塁の好機を演出するも、4番・村上宗隆が空振り三振。2回以降は広島先発・床田寛樹からチャンスすら作れず、力投する先発・吉村貢司郎を援護できなかった。
その吉村は0−0の7回に痛恨の被弾。二死一塁で広島の7番・宇草孔基に真ん中に入った直球を右翼席へ運ばれ、7回2失点の好投も実らず2敗目(1勝)を喫した。
23日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では、8回無失点で勝利投手になった広島・床田の安定感を絶賛しつつ、沈黙したヤクルト打線についても言及。この日は3番のオスナが4打数無安打1三振、村上は4打数無安打3三振、5番のサンタナは4打数1安打と、中軸3人が計12打数1安打に封じられたことを敗因として挙げた。
3選手ともここまで3割近い打率を残しているものの、中軸が沈黙した日にカバーする選手もおらず、チームは計4安打で完封負け。噛み合わないチーム状況に番組MCの高木豊氏は、「とにかくクリーンアップが打たないと。今日はクリーンアップで(安打が)わずか1本だから、オスナ、村上、サンタナが打ちまくるしかない」と指摘した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:20
◆ 3日前にも豪快な代打弾、非凡なパンチ力健在!
広島はヤクルトに2−0で勝利し、2引き分けを挟み4連勝。勝率を5割に戻した。
試合はヤクルト・吉村貢司郎、広島・床田寛樹の両先発による投手戦。床田は立ち上がりからテンポ良くアウトを重ね淡々とゼロを刻んだ。遊撃・矢野雅哉が好守を連発するなどバックも堅い守りで左腕の好投をアシスト。床田は今季最長の8イニングを4安打無失点に抑え防御率は0.93となった。
打線は6回まで無得点だったものの、7回に7番・宇草孔基が会心の一撃。二死一塁で追い込まれたあとの直球を右翼席へ運び、これが決勝の2号2ランとなった。
2点リードの9回裏は守護神・栗林良吏がパーフェクト救援で締め、今季2度目の完封勝利。好投の床田は2勝目(1敗)、最後を締めた栗林は5セーブ目を手にした。
23日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では決勝アーチを放った宇草にフォーカス。解説者の笘篠賢治氏は「今年やれなかったら終わってしまう、という危機感を持ってやっている。自主トレでは秋山について、そういったアドバイスも生かしながら、瀬戸際だと思ってやってますから」と5年目外野手の心境を代弁した。
昨季は一軍出場なしに終わったが、今季は20日の巨人戦でも豪快な代打弾を放つなど、ここまで8試合に出場し打率.385、2本塁打、4打点と活躍。2年目だった2021年には43試合の出場で4本塁打を放つなど非凡なパンチ力を秘めており、番組MCの高木豊氏は「いいバッターが戻ってきた」と表現し、今後のさらなる活躍に期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:18
敵地での試合前にファンサービス
■ナショナルズ ー ドジャース(日本時間24日・ワシントンDC)
ドジャース・大谷翔平投手は23日(日本時間24日、試合開始7時45分)、敵地・ナショナルズ戦に「2番・指名打者」で先発出場する。試合前には三塁側ベンチ前で3分ほどサインを行う場面もあり、敵地のファンも大喜びだった。
20メートルの距離で58球のキャッチボールを終えた後だった。サインを求めるファンの前で足を止めると、約3分程の“サイン会”を開催。ドジャースやナショナルズのキャップを被ったファンのためにペンを走らせた。「オオタニ! オオタニ!」とサインを求めた子どもたちは大喜びだった。
21日(同22日)には、松井秀喜氏を抜き、日本選手単独最多となる米通算176本塁打を放っていた。移動日を挟み、この日は今季初の2試合連発に期待がかかる。(Full-Count編集部)
2024年04月24日 06:00
「ヤクルト0−2広島」(23日、神宮球場)
勢いが止まらないんじゃ!広島・宇草孔基外野手(27)が、0−0の七回に今季2号となる決勝2ランを右翼スタンドにたたき込み、試合を決めた。
2024年04月24日 06:00
◆ 4回一死三塁の場面の判断について言及
中日は巨人との3連戦の初戦に敗れ、今季ワーストの5連敗。3位に転落した。
先発の小笠原は7イニングを4安打2失点と粘りの投球を見せるも、打線は20日の阪神戦から、23イニング連続無得点と援護がなく今季初黒星を喫した。
23日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では、4回、先頭で三好大倫が中越え二塁打、続く田中幹也の犠打で一死三塁でカリステの遊ゴロで、本塁突入を自重した場面に注目。
番組MCの高木豊氏は「4回はワンアウト三塁で最大のチャンスだったんですが、カリステの内野ゴロでサードランナーは(本塁に)突っ込まないんですよね。次が中田(翔)ということもあるので非常に難しい判断だと思うんですが…点が取れていない状況ならば積極的に突っ込んでほしかった」と、点を奪う積極性が欠けていたのではないかという見解を示した。
解説の笘篠賢治氏は「私も走塁コーチの経験をしたことがあるのですが、ギャンブルスタートとかゴロ・ゴーとか、もちろんベンチの指示が出るんですけど、逆にコーチのほうから『ここはギャンブルで行かせませんか?』とかベンチに匂いを出してランナーの背中を押してあげるようなことも、やってもいいのかなと思いましたね」と、ランナーに積極性を促すようなベンチワークの必要性を説いた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年04月24日 06:00
巨人2―0中日(セ・リーグ=23日)――巨人が7試合ぶりに白星を挙げた。
一回に坂本の適時打で1点を先行し、四回に萩尾の適時打で1点を追加。4投手の零封リレーで反撃をかわした。中日は5連敗。
◇
打線が湿り、勝利から遠ざかっていた巨人の阿部監督が言葉に力を込めた。「坂本が最初に打ってくれたので、チームに勢いがついた」。3番に入ったチームリーダーが一回の好機に先取点をたたき出した。
一回一死、2番オコエが左前への当たりを放つ。左翼手の隙を突く走塁で二塁を陥れ、坂本が打席に入った。1ボール1ストライクから高めに浮いた変化球を見逃さず左前へはじき返すと、手をたたいて笑顔を見せた。この1本が通算2339本目の安打となり、歴代14位の山本浩二に並んだが、「何とか打てて良かった」と、先制機に役割を果たせたことを喜んだ。
開幕から岡本和の後ろの5番を任されたが、打撃の状態はなかなか上向かなかった。13日の広島戦からは5試合連続無安打。試合前時点で得点圏打率は0割5分6厘と勝負強さも欠いていた。「何とかしないといけない」。中軸として十分に働けていないことへの苦悩にもがいてきた。
練習では二岡ヘッド兼打撃チーフコーチらの助言に耳を傾け、試合の打席でも、左脚の上げ方を変えるなど試行錯誤をしてきた。阿部監督に「気分転換を」と上位打線で起用されると、当たりが出始めた。3番に座った20日の広島戦では、24打席ぶりの安打を含む3安打を記録した。
「長いことやっているから、(不振から)どう切り抜けるかは知っている。必死にやってくれているのは分かっている」と阿部監督。チームを7試合ぶりの勝利に導いた坂本は「もうちょい打てるように頑張ります」と表情を崩さなかった。本格的に復調すれば、打線の原動力になる。(浜口真実)
2024年04月24日 05:01
「ウエスタン、阪神9−7中日」(23日、鳴尾浜球場)
阪神のミエセスが約1カ月ぶりに帰ってきた。3月下旬に右脇腹痛で別メニュー調整となってから初の実戦復帰。「5番・DH」で2打席目に豪快なスイングで適時打を放ち、チームの連敗ストップに貢献した。
「今日はしっかりとスイングできるっていうところを試したかった。どんどんスイングしていく中で自分の感覚を確かめたかったんで、それが今日はできてよかった」
初回は初球をスイングして遊ゴロ。三回は2死一、二塁から根尾の投じた145キロ直球を力強く打ち返した。「(ゾーンに)来たときに対してどう反応できるかってところも素直にできたかな」と右前適時打を喜び、代走が送られてベンチに下がった。
18日から鳴尾浜での全体練習に合流しており、「一日一日良くなっていっているなと実感しながらできているよ。試合の日も楽しみ」と話していた通りの順調さを見せた。24日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)では守備にも就く予定で、和田2軍監督は「少しずつ打席、イニング数を増やしていこうかなと。伸ばしていく段階なんでね」と慎重に段階を踏む方針を示した。
「状態よく終われてよかった。試合の機会を重ねて、1軍の試合で貢献できるように」とミエセス。完全復活へ着実に駆け上がっていく。
2024年04月24日 05:01
「DeNA1−1阪神」(23日、横浜スタジアム)
4イニング連続でサヨナラのピンチをしのぎ、価値あるドローへ持ち込んだ阪神・岡田彰布監督は「負けへんことが大事やからな」と語った。
2024年04月24日 05:01
「DeNA1−1阪神」(23日、横浜スタジアム)
本塁さえ踏まさなければいい。鉄壁リリーフ陣は腹が据わっている。阪神は4イニング連続で得点圏に走者を背負いながらも無失点リレー。今季2度目のドローに持ち込んだ。
先陣を切ったのはゲラだ。「全員、三振を狙いにいった」。1−1の九回、1死二、三塁のピンチで代打・伊藤をスライダーで空振り三振。続く山本も遊ゴロに打ち取り、パナマ出身の剛腕はホッと胸をなで下ろした。
「村上投手が粘り強くいいピッチングをしてくれたからね。最後は自分の球を信じていた。みんなでゼロを並べることができたので、勝てなかったけれど、いいゲームができたと思うよ」
移動休みとなった前夜は横浜市内で、今季初の「ブルペン会」が開催された。新助っ人・ゲラは初参加。ソースの香りが漂う店内でお好み焼きをほお張れば、仲間との結束も自然と強くなる。
ゲラの後は桐敷、島本がつなぎ、延長十二回は5番手・岩崎がマウンドへ。四球と安打などで2死二、三塁とされたが、左腕は表情一つ変えない。最後は度会を空振り三振に斬り「ランナーは出ちゃいましたけど、落ち着いていた」とうなずいた。
投手陣は13試合連続被本塁打なし。2リーグ制以降での球団最長記録は55年の14試合連続。安藤投手コーチは「それぞれが自分の役割を果たしてくれたおかげです」と最敬礼だ。昨季の日本一を支えた自慢の中継ぎ陣は今季も健在だ。
2024年04月24日 05:01
「DeNA1−1阪神」(23日、横浜スタジアム)
雨が降っても、敵地の大声援の中でも、集中力は途切れなかった。今季最多の112球。「負けないことが一番なので」。阪神・村上は援護を信じて腕を振り続け、6連勝中の流れをつないだ。
二回2死三塁から、2日の対戦でも3点適時三塁打を浴びた山本に先制の右前適時打を許した。それでも大崩れはしない。六回に打線が同点とした後、七回に迎えた最大のピンチでも冷静だった。
先頭の佐野に10球粘られてこの試合初めての四球を与え、1死後には宮崎にも四球。2死二、三塁から山本を申告敬遠して満塁とした。代打・大和を迎えても表情に変化はない。1ボールから外角低めへ制球した147キロ直球で一邪飛に仕留めると、悠然と歩いてベンチへ戻った。
昨季11打数6安打、打率・545と打ち込まれた宮崎にも仕事をさせなかった。二回無死一塁は1−1からの3球目にこの試合初めてのカーブを投じた。暴投となって牧に二進を許したが、4球目もカーブを続けてボテボテの三ゴロに仕留めた。四回2死はカウント2−2からの5球目にスタンドがどよめく84キロの超スローカーブを見せ、9球目のフォークで右飛に打ち取った。
宮崎や佐野にはクイックでフォークを投じるなど的を絞らせず、今季最長の8回を投げて3安打1失点。「クイックを使ったり、変化球を低めに集めたりできた」と納得の表情。岡田監督が「村上に勝ちをつけたかったけどな」と振り返る好投だった。
村上はDeNA戦通算7試合目の登板でも初勝利を逃したが、今季初登板の2日に3回5失点で黒星を喫した借りは返した。さらに同戦での乱調後、3試合連続で7回以上を投げて1失点以下。「しっかりゲームはつくれてきているので、これをしっかり継続できるようにしたい」。昨季のMVP&最優秀防御率右腕が、本来の姿を取り戻し始めた。
2024年04月24日 05:01
「DeNA1−1阪神」(23日、横浜スタジアム)
首位陥落の危機を救った。阪神・森下翔太外野手(23)が1点を追う六回1死一塁から、左翼線二塁打。相手守備が乱れる間に中野が同点の本塁を陥れる貴重な一打を放った。昨季は打率・158と苦手としたハマスタで初回に中前打を放つなど、自己最長の7試合連続安打。2年目の躍進が頼もしい。
横浜で、森下が笑った。もう1年前の姿はない。「新たに進化した自分をハマスタで見せたい」。そう誓った通り、2年目の成長をしっかり証明した。
「2安打して、勝てはしなかったですけど、すごい粘りの野球で展開できたのでよかった」
またもチャンスで躍動した。1点を追う六回1死一塁。「真っすぐタイミングで入って。その前の打席でチェンジアップがタイミング取るの難しかったので」と冷静だった。
1打席目ではインコースを攻められていたが、この打席では2球外れていた。それだけに「引かずに踏み込んでいこう」とフルカウントからでも思い切って、ど真ん中に来たジャクソンのスライダーを強振。打球は左翼線へ抜け、森下は二塁へ到達。さらにラッキーなことに左翼・楠本が悪送球し、遊撃・京田がファンブルしたの見て、中野が一気に生還。打点は付かなかったが、貴重な1点をもぎ取った。
「ボールが甘かったので、うまく芯で捉えられたのでよかった」。二塁ベース上で、アイブラックをなぞり、下を指さすようなポーズを披露。「アイブラックを引いてるので、そのポーズみたいな感じ」としか明かさなかったが、仲間と喜びを分かち合った瞬間だった。
ハマっ子の森下にとって、横浜スタジアムはなじみ深い球場。東海大相模時代にも何度もプレーしてきた。しかし、プロ入り後は“鬼門”となりつつあった。昨年4月16日の同戦では見逃し2つを含む3打席連続三振し、プロ初の2軍行きが通告された。9月29日には3打数無安打2三振。途中交代を命じられ、ベンチで涙を流したこともあった。
そんな苦い思いをしてきた球場で2安打、1点差を追い付く活躍。自己最長タイとなる7試合連続安打を記録し、4月2日の同戦終了時は・071だった打率も・253まで上昇。うまくいかなかった日でも自身の動画を見直し、修正できていることが結果につながっているという。オフやキャンプではフォームやバットも試行錯誤を繰り返してきた。「オフシーズンやってきたことがまだ序盤ですけど、いい形になって出てきてくれてる」。2年目の進化を自身でも実感している。
延長戦の末、6連勝中のチームが負けなかったことは大きい。ただ、もちろん追い求めるのは勝利だ。「あとはチームが勝てば最高だと思うので、それを引っ張れるように頑張りたい」。もう苦手意識はない。今季は地元でも森下らしさを100%発揮する。