2023年03月26日 19:22
3月26日、日本代表は同28日のコロンビア戦(ヨドコウ桜スタジアム)に向けてトレーニングを実施。一般公開され、100人近いファンが見守るなか、怪我のため離脱が決まった前田大然を除く、25人全員が姿を見せた。 ストレッチなどの後、まずは2グループに分かれての鳥かごでウォームアップ。堂安律や板倉滉が積極的に声を出して盛り上げるなどし、終始和やかな雰囲気を感じさせた。 やがて、連係の確認を兼ねたクロス練習へ。初招集のバングーナガンデ佳史扶(カシーフ)や、ウルグアイ戦でもピンポイントパスで西村拓真の決勝点をアシストした伊東純也らが鋭いクロスを送り込み、中央の上田綺世らが次々にネットを揺らした。 森保一監督が「ナイス、カシーフ!」と称えれば、ピッチの中央で指示を送っていた名波浩コーチからも次々と賛辞の声が飛んだ。第二次森保ジャパン初勝利へ、仕上がりは順調だ。取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)【PHOTO】日本代表のコロンビア戦出場17選手&監督の採点・寸評。MOMは…
2024年04月19日 14:51
来シーズンから変更となるFAカップの新フォーマットに、イングランドの下部クラブから批判の声が上がっているようだ。18日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。
今回、FAとプレミアリーグはFAカップのフォーマットを強化し、新しい独占的なカレンダーウインドウを設けるという締結に合意。FAカップのフォーマットが変更となり、全ラウンドが週末開催になったことなどに加え、来シーズンからの最低6年間はこれまで4回戦まで採用されていた再試合制度が1回戦から廃止されることになった。
過密スケジュールが問題視されている現在のサッカー界に一石を投じる今回の変更は、日程緩和や負傷リスクの軽減などの観点から評価を受ける一方、主にEFLリーグ1(イングランド3部)以下の下部カテゴリーに所属するクラブからは批判の声が上がっている模様。EFLリーグ2(イングランド4部)のトレンメア・ローヴァーズFCは18日にクラブ公式サイトで声明を発表し、「EFLリーグ(3〜4部)のクラブ、ナショナルリーグ(5〜6部)のクラブ、アマチュアクラブにとって、この大会はサポーターの生涯の思い出を作る最高の機会であるだけでなく、非常に重要な収入源でもある」と述べつつ、「この決定とその方法は、フットボールピラミッドとそのファンに対する敬意をまったく欠いている」と厳しい言葉で批判した。
また、多くのクラブが経済的損失を危惧するなか、EFLリーグ1のスティヴネイジFCで会長を務めるフィル・ウォレス氏は、「ナショナルリーグのクラブがプレミアリーグのクラブと引き分け、ホームでドローになったときのことを想像してみてほしい。それがFAカップの“魔法”であり、もうそんなことは起こらないだろう」と主張。さらに、ナショナル・リーグ・サウス(6部)のファンボローFCは、「プレミアリーグのクラブがまだ大会に参加していないのに(※プレミアリーグのクラブは3回戦から参加)、1回戦から再試合を中止するのはさらに奇妙に思える」と疑問を投げかけている。
2024年04月19日 14:33
マンチェスター・シティがバイエルンに所属するドイツ代表MFジャマル・ムシアラへの関心を強めているようだ。18日、イギリス紙『ガーディアン』が伝えている。
前人未到の4連覇を目指すプレミアリーグのタイトルレースが佳境を迎えるなか、既に来シーズン以降のチーム編成にも着手しているマンチェスター・シティ。各ポジションに豊富なタレントを揃えているものの、ベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネが6月で33歳となり、ポルトガル代表MFベルナルド・シルヴァの去就が依然として不透明なことから、今夏の移籍市場では前線の補強に乗り出す可能性が高いと報じられている。
ウェストハム所属のブラジル代表MFルーカス・パケタやクリスタル・パレス所属のイングランド代表MFエベレチ・エゼらが獲得候補として浮上するなか、マンチェスター・シティは現在ムシアラへの関心を強めている模様。チームを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督も、攻撃に複数のオプションをもたらし得るプレーヤーとしてムシアラを高く評価しており、今夏の移籍市場における“トップターゲット”に据えているとも報じられている。
現在21歳のムシアラは2019年夏にチェルシーユースからバイエルンのアカデミーに加入し、翌年6月にクラブ史上最年少の「17歳115日」にしてトップチームデビューを飾った。徐々に出場機会を増やし、攻撃の主軸に成長すると、昨シーズンのブンデスリーガ最終節ではチームを11連覇に導く決勝ゴールをマーク。ここまで公式戦通算161試合に出場し、43ゴール30アシストを記録している。
なお、移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、バイエルンも2026年6月末までとなっているムシアラとの契約を延長するべく、交渉開始に向けた準備を進めているとのこと。近日中に提示されるであろう新たな契約には、大幅な昇給が含まれる見込みだという。
2024年04月19日 13:45
今から11か月前、高井幸大(川崎)はアルゼンチンの地で奈落の底に突き落とされた。
若き日本代表の一員としてU-20ワールドカップに臨み、右SBで全3試合に出場。高さとフィジカル対策で、冨樫剛一監督(現・横浜ユース監督)から本職ではないポジションを任された。しかし――。
グループステージ突破が懸かったイスラエル戦。1−0でリードしていたが、残り15分を切ってから2失点し、ノックアウトステージ行きを目前にして日本はその権利を手放した。
アディショナルタイムの逆転ゴールは高井の目の前で奪われた。もう一歩だけ前にいればオフサイドが取れていたかもしれなかった。試合翌日に話を聞けば「自分のせいだと思っている。ラインのところはボールを見すぎた」と自責の念に駆られていた高井。だが、その経験は今思えば無駄ではなかった。
4月16日に行なわれたU-23アジアカップのグループステージ初戦。中国との一戦で、大岩剛監督が率いるU-23日本代表は、開始8分にMF松木玖生(FC東京)のゴールで先制。だが、17分にCB西尾隆矢(C大阪)が相手に肘打ちを見舞ってしまい、一発退場に。
まさかのアクシデントで、日本は数的不利での戦いを余儀なくされる。そこで存在感を示したのが、スタメンで起用されていた高井だ。
チーム最年少の19歳は、192センチの高さを活かした空中戦の強さと身体を張った守りで、中国攻撃陣を封殺。押し込まれる時間帯が長くなり、得意のビルドアップはあまり見せられなかったが、MOM級の活躍を見せたGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)とともに奮闘。1−0の完封勝利に大きく貢献した。
かつての高井であれば、雰囲気に飲まれて、冷静さを欠くプレーが見られたかもしれない。しかし、この日はそんな姿は微塵も見せず、“ディフェンスリーダーは俺だ!”と言わんばかりのパフォーマンスだった。なぜ、高井は安定感が増したのだろうか。
まず、着実に実績を詰めていることが大きい。昨季はU-20代表でアジアと世界の舞台で戦い、ひとつのミスが敗戦に直結する怖さを知った。その経験をクラブに持ち帰り、J1で14試合に出場。今季は開幕から先発に名を連ね、ここまで5試合で出番を得た。しかも、得意としている右ではなく、左CBでの起用。プレーの幅を広げる要因になった。
【PHOTO】U-23日本代表の中国戦出場16選手&監督の採点・寸評。無失点に貢献の小久保、高井を高評価
さらに、思考力が高まった点も見逃せない。高井は言う。
「あまり自分のプレーに満足していないし、そうなった時に自チームでどれだけやれるかがキーだなと思って、去年も今年も考えながらやってきた。そこが良いサイクルになっている。ダメな試合もあれば、良い試合もある。そのなかで考えたことがたくさんあるし、それを続けられたことが良かった」
日々のプレーを振り返り、トライ&エラーを繰り返してきた。もちろん、今までも考えていなかったわけではないが、より高いレベルで戦うために、向上心を持って常に自分に矢印を向けてきた。その結果、一つの答えとして辿り着いたのが、コーチングの部分だったという。
「集中する際の声かけをすごく意識するようになった。声を出すことで集中するし、周りも見えるので自分にとって良いこと」
集中力の維持は課題のひとつだった。ふとした時に切れてしまう癖があり、それがプレーの不安定さに繋がっていた。だが、自ら発信することが集中力のキープにつながり、パフォーマンスが大幅に改善された。自信も深まったことで、国際舞台でも堂々と戦えるようになった。
顔つきが変わり、精悍さが増したように思える。それを高井に伝えると、「本当ですか? じゃあ、良かったです」と笑顔を見せた。その表情からは充実感が見て取れる。
19日のUAE戦はグループステージ突破を左右する大事な一戦。西尾不在の最終ラインを取りまとめ、守備陣の要として日本を勝利に導く使者となる準備は整った。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
2024年04月19日 13:36
ジュビロ磐田に所属する元日本代表GK川島永嗣が、4月18日に自身のインスタグラムを更新。
2024年04月19日 13:20
18日に行われたサッカーヨーロッパカンファレンスリーグ(UEFA Europa Conference League)準々決勝第2戦で、アストン・ビラ(Aston Villa、イングランド)にPK戦の末に敗れたリール(Lille OSC、フランス)のオリビエ・レタン(Olivier Letang)会長が、相手GKエミリアーノ・マルティネス(Emiliano Martinez)の態度がふさわしいものではなかったと苦言を呈した。試合は2戦合計3-3で迎えたPK戦を4-3で勝利したビラが、4強入りを決めた。
マルティネスはアルゼンチンがPK戦の末にフランスを下した2022年のW杯カタール大会(2022 World Cup)決勝で挑発的な喜び方をしており、この姿を忘れていないリールのファンから終始敵意を向けられていた。PK戦ではナビル・ベンタレブ(Nabil Bentaleb)とリールの主将バンジャマン・アンドレ(Benjamin Andre)のキックをセーブしたが、その際に観客を黙らせるポーズを取ったり、キッカーを動揺させようとしたりするなど、おなじみのしぐさでサポーターを再び挑発した。
レタン会長は「この若者のことを話して時間を取られたくないが、彼は非常にハイレベルなアスリートの態度ではない」「勝っても負けても、冷静でつつましい態度を維持するべきだ。従って私たちは自分たちのことに集中し、ポジティブな面を出していきたい」と述べた。
リールでPKを決めた3人のうちの1人であるジョナサン・デイヴィッド(Jonathan David)は、マルティネスのふざけた態度を気にしないようにしていたといい、「マルティネスは気を散らすのが好きなんだ。最初のPKで見たように、ボールを奪いに走ったりとかね」と話すと、「普通ならただ自分のゴールに向かうはずだ。あれは、彼にとって戦術的なゲームであり、自分にとっては試合中のPKの一つだ。とにかく自分は覚悟を決めて、そのことに集中していた」と振り返った。
一方、マルティネスは試合前半に警告を受けた後、PK戦の途中でもイエローカードを提示されてひやりとする場面があった。ビラを率いるウナイ・エメリ(Unai Emery)監督は、マルティネスが退場になるかと思ったと明かしたが、数シーズン前のルール改正でイエローカードはPK戦には持ち越されないことになっていた。
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2024年04月19日 12:52
[ルヴァンカップ1stラウンド2回戦]YS横浜 0−4 FC東京/4月17日/ニッパツ三ツ沢球技場
「積み上げていくしかないですね。今日は完敗です」
J1レベルを痛感させられた一戦が、プロ3年目の19歳にとって、キャリアのターニングポイントになるかもしれない。
4月17日、Y.S.C.C.横浜はルヴァンカップの1stラウンド2回戦でFC東京とホームで対戦し、0−4で完敗した。
J1クラブのFC東京に試合巧者ぶりを見せつけられたゲームだった。13分にセットプレーから小柏剛に先制点を許すと、39分に原川力のミドルシュートで被弾し、前半を折り返す。
YS横浜は後半のスタートから3−5−2の左右のウイングバックを入れ替えるなど、巻き返しへの策を講じたが、アウェーチームの勢いを封じられず。61分に遠藤渓太、90+3分にジャジャ・シルバのゴールで突き放され、3回戦進出は叶わなかった。
昨夏に東京ヴェルディからの期限付き移籍期間を延長し、今季もYS横浜で戦うMF橋本陸斗は、右ウイングバックで先発したFC東京戦をこう振り返った。
「力の差を見せつけられました。対面したジャジャ・シルバが想像以上に速くて、自分だけ守備のラインが下がってしまう場面もあったし、自分の対応だけで頭がいっぱいになって、周囲の選手への声掛けもできなかった。今年、ウイングバックでディフェンス面のタスクも任されているなかで、守備力が自分に足りていないのは分かっていましたが、今日、高いレベルの相手とやったことで、改めて弱点を痛感させられました」
【厳選ショット】ジャジャ・シルバのダメ押しゴールでFC東京が貫禄の勝利!|ルヴァンカップ1stラウンド 2回戦 YS横浜 0−4 FC東京
橋本は2021年に当時J2の東京Vの2種登録として、15歳10か月26日の若さでJデビューを果たした。22年にはプロ契約を結んだが、1年半でわずか3試合の出場に留まり、成長を期して23年夏にJ3のYS横浜へレンタル移籍する。
新天地で徐々に持ち味のテクニックを出せるようになってきたなかでJ1クラブと戦えた経験は、今後のサッカー人生に大きな影響を与える可能性があると言える。
橋本もFC東京戦の黒星を次につなげたいと考えているようだ。
「攻撃面で自分の良さを出せた場面も何度かあったとはいえ、すべてが足りないと思わされた試合でした。難しさを感じたジャジャ・シルバも、試合前に映像を見て分析はしていましたが、それでも対応できなかった。彼が気になって前に出られず、自分のサイドからの攻撃が少なくなってしまいました。
ただ、上の舞台に行けば、あのレベルの選手はゴロゴロいる。明日から意識を変えて練習に取り組みたいですし、1試合ずつ全力で戦っていくしかないです。今日のゲームを良い経験だったと言えるように、頑張っていきたいです」
橋本はFC東京戦で味わった悔しさを糧に、飛躍を遂げられるか。久保建英(15歳5か月1日)、森本貴幸(15歳10か月6日)に次ぐJリーグ史上3番目の最年少出場記録を持つテクニシャンがどんな成長曲線を描くのか、楽しみだ。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
2024年04月19日 12:50
マンチェスター・ユナイテッドに所属するブラジル代表MFカゼミーロが、レアル・マドリード退団時の秘話を明かした。19日、スペイン紙『マルカ』が同国のテレビ番組『エル・チリンギート・デ・ジュゴネス』内でのコメントを伝えている。
現在32歳のカゼミーロは、母国ブラジルの名門サンパウロの下部組織出身で、2010年にトップチームへと昇格を果たした。2013年にレアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム)に加入し、ポルトへのレンタル移籍を経て2015−2016シーズンに復帰すると、以降はトップチームの主力に定着。“白い巨人”に帰還してからは公式戦通算310試合出場31ゴールを記録するなど、クラブのラ・リーガ制覇やチャンピオンズリーグ(CL)3連覇に大きく貢献し、2022年8月にマンチェスター・ユナイテッドへの完全移籍を決断した。
番組内でレアル・マドリードの“DNA”について問われたカゼミーロは、「説明するのは難しい」と前置きしながら、「CLで豹変するチームなんだ。そのスター性がある」とコメント。「CLでのこのチームは信じられないようなものだ。DNAは勝つこと」と述べつつ、「要求に疲弊することなく常にハードにプッシュしなければならない。マドリードでプレーするということはそういうことなんだ」と名門ならではの重圧を打ち明けている。
また、「CLで優勝した少し後に退団を決めたんだ。マドリードでの時間は終わったと思ったし、退団するにはいい年齢だった。決断は簡単ではなかった」と移籍を決めた際の心境を告白。続けて、「マドリードからマンチェスター・ユナイテッドに移籍することを迷ったのは1度だけだった」と語り始めると、「その日は金曜日で全てが終わっていた。トレーニングをしなければならなかったのにトレーニングをしなかった。(カルロ・)アンチェロッティに話をしに行くと、彼はすでに僕が去ることを知っていた。オフィスに行くと彼は振り返って泣いていたよ。アンチェロッティは僕に去ってほしくない、僕をとても愛していると言った」と指揮官とのやり取りを振り返り、「それで僕は躊躇したんだ。マドリードは僕をとても求めていたけれど、僕はすでにユナイテッドと約束をしていたし、それが何よりも大事だった」と回想した。
2024年04月19日 12:35
湘南ベルマーレに所属している韓国人GKソン・ボムグンが、かつてガールズグループ「LOVELYZ」メンバーであったイ・ミジュと交際しているとのことだ。
2024年04月19日 12:30
リヴァプールはヨーロッパリーグ準々決勝で2戦合計1-3と敗れ、大会から姿を消した。7分にモハメド・サラーのPKで先制したが、敵地で3点のビハインドをひっくり返すのはやはり容易ではなかった。
チャンピオンズリーグ準々決勝ではマンチェスター・シティがレアル・マドリードに、アーセナルがバイエルン・ミュンヘンに敗れ、プレミアでタイトルを争っている3強は揃って敗退してしまった。今季のUEFAコンペティションの結果によっては、イングランド勢の来季のCL出場枠が「5」となる可能性があったが、プレミア3強の敗退によっておそらくその権利はイタリア、ドイツに持っていかれることになる。
英『Daily Mail』は、「イングランドサッカーの混雑がチャンピオンズリーグ敗退の一因となった」と、過密日程による疲労が選手たちの足を止めたことを指摘した。CLでイングランドのクラブが準決勝に進出できないのは4年ぶりとなる。
昨季のCL王者はマンチェスター・シティであったが、今季はイングランド勢がCLで結果を残せない悩みを抱えていた時代に逆戻りしてしまったようだ。同紙はジョゼ・モウリーニョの「休息や準備のための24時間、48時間といった、きわめて重要な保護をほとんど与えてくれない」というかつての発言を引用しているが、ペップ・グアルディオラ、ミケル・アルテタ、ユルゲン・クロップの3名はそれに同意するにちがいない。プレミアリーグでは史上稀に見る強度での熾烈なタイトルレースとなっていて、わずか1度のドローが致命傷になりかねない状況。選手の心身の疲労は察するにあまりある。
単純な試合数も他国のクラブよりも多くなっている。3月に入ってから、シティはレアルよりも2戦多く戦っており、アーセナルはここ6週間ではバイエルンよりも1戦多くの試合をこなしていることを同紙は指摘している。リヴァプールも3月に入って以来11戦を戦っており、これもアタランタよりも1戦多い。シティMFロドリは「休みが必要」と訴えており、アーリング・ハーランドとケビン・デ・ブライネはレアルとの試合中に交代を懇願したという。シティ×レアルの延長戦では、シティの選手たちの運動量は明らかに落ちていた。
おりしも来季からFA杯の再試合が廃止になったばかりで、過密日程はやや緩和される流れにあるが、イングランドの選手たちの負担は軽減されるだろうか。
2024年04月19日 12:00
「内田篤人、浅野拓磨、堂安律といった、優れた日本人選手がドイツでは活躍してきた。その筆頭が香川真司だ。ドルトムントで活躍していた頃の彼は世界最高峰に近いレベルにいたし、日本人の価値を大いに引き上げたと思う」
ドイツサッカー界に精通しているサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督がこう語ったように、ドイツで強烈なインパクトを残した日本人選手の代表格として、今もなお今も名前が挙がり続けるのが香川だ。同国を離れてから5年の月日が経過するのに、輝かしい活躍は決して色褪せることがない。偉大な足跡を残したアタッカーの一挙手一投足は、多くの人々の脳裏に焼き付いて離れないのだ。
香川の存在を日本中に知らしめる大きな契機となったのが、2008年5月のコートジボワール戦(豊田)での日本代表デビューだろう。当時19歳、セレッソ大阪でプロ3年目を迎えたばかりの若手だった。「平成生まれ初の代表選手」という看板を引っ提げ、頭角を現した若武者は持ち前の高い技術と創造性を前面に押し出し、ゴールに突き進んだ。同年はJ2で16ゴールを挙げ、さらに2009年には27ゴールをゲット。類まれな得点センスは見る者を大いに魅了した。
とはいえ、2010年夏のドルトムント移籍は一つのサプライズに他ならなかった。というのも、当時はまだ2部リーグで活躍する若手で、ワールドカップの大舞台にも立っていなかったからだ。実際、移籍発表前日に明らかにされた南アフリカW杯の日本代表メンバーからは落選。サポートメンバーとして帯同することが決まったばかりだった。「メンバー落ちして悔しい思いをしたけど、気持ちを切り替えて世界で戦っていきたい。夢が叶いました」と本人は気丈に前を向き、代表に合流。練習でキレキレのパフォーマンスを見せつけ、「岡田武史監督は、香川をメンバーに入れた方が良かった」と報道陣に言わしめたほどだった。
ドルトムントで大ブレイク! 名門マンチェスター・ユナイテッドへ
南アフリカW杯後に渡独した香川は勢いに乗って10-11シーズンの開幕からスタメンを確保。背番号23をつけ、ルーカス・バリオスの背後のセカンドトップで強烈な存在感を示し、前半戦だけで8ゴールをマークする。同世代のケヴィン・グロスクロイツやヌリ・シャヒンらと奏でる見事なハーモニーはまさに圧巻というしかなかった。未来を嘱望されたタレントの力を引き出したのが、ご存じの通りユルゲン・クロップ監督だ。「日本にいた頃の香川はボランチや中盤で使われたけど、セカンドトップが適正だということをクロップが証明した」と当時解説者を務めていた名波浩(現日本代表コーチ)も強調。自身の潜在能力を引き出してくれる名将との出会いによって、香川は一気にブレイク。世界のサッカー関係者の注目の的となったのである。
日本代表で10番を引き継いだのもこの頃。2011年のアジアカップから正式にエースナンバーを襲名し、「点の取れる新たな10番像を作っていきたい」と意気込みを示した。同大会の準決勝・韓国戦で右足第5中足骨骨折という重傷を負ってしまったのだが、日本がアジアタイトルを取れたのも、彼の躍動感あるプレーがあってこそ。10番・香川への期待感は一気に高まった。このケガでドイツ1年目後半は棒に振ったものの、2年目の11-12シーズンはロベルト・レヴァンドフスキとのコンビで躍動。公式戦通算17ゴールをマークするのと同時に、ブンデスリーガ2連覇、DFBポカール制覇を達成した。ポカール決勝・バイエルン戦では1ゴール1アシストと異彩を放ち、まさに世界最高峰クラスのアタッカーの仲間入りを果たしたと言っていい存在になった。
この成長株に目を付けたのが、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督。超一流指揮官から声をかけられた男がイングランド行きを躊躇するはずがない。2012年夏にはプレミアリーグ参戦に踏み切った。そこでは主力の座を掴むには至らなかったが、1年目はウェイン・ルーニーらとの好連携を披露し、プレミア制覇に貢献した。しかし、名将が退任した13-14シーズンは出番が激減。プロ入り後初の無得点という不名誉な結果のまま、ブラジルW杯に向かうことになり、惨敗を喫してしまった。
本人の挫折感も凄まじいものがあったが、同年夏には心機一転、古巣ドルトムントへ復帰する。14-15シーズンはコンディションが思うように上がらず苦しんだが、指揮官がクロップからトーマス・トゥヘル監督に代わった15-16シーズンはポジションを中盤に移して再ブレイクを果たした。イルカイ・ギュンドアンとの両インサイドハーフ、アンカーのユリアン・ヴァイグルのトライアングルが見事なまでに機能し、香川自身も公式戦通算13ゴールをゲット。新境地を開拓することができた。トゥヘル体制では総じて安定したプレーを見せていたと言っていい。自信を取り戻し、ドルトムントとの契約を延長。2017年夏にやってきたピーター・ボス監督の下では再び前線で起用されることが増えた。一方で、その頃は日本代表での立場が微妙になりつつあり、本人もロシアW杯出場に向け、パフォーマンスを上げようと躍起になっていた。30歳が近づき、ケガも増え、フィジカル的にも厳しい時期が少なくなかったが、何とか2度目のW杯に滑り込んでトップ下の定位置を確保する。初戦のコロンビア戦では開始早々のPKを確実に決め、長年苦しみ続けてきた背番号10の呪縛を解き放つことができた。ロシアで下馬評の低さを覆し、16強入りを果たしたことは、彼の代表キャリアにとっても大きな意味があったと言えるだろう。
紆余曲折の連続。「自分が思い描く通りのキャリアを歩めるやつなんて滅多にいない」
しかしながら、ここからの道のりはそれまで以上に紆余曲折の連続だった。ドルトムントでは2018年夏から指揮を執ったルシアン・ファブレ監督から構想外のような扱いを強いられ、2019年1月にはトルコ1部の名門・ベシクタシュへ半年間のレンタルに赴く。そして同年夏には長年の夢だったスペインへ。2部のサラゴサで昇格請負人と位置づけられたが、2020年2月から始まったコロナ禍の影響もあり、変則的なリーグ日程、コンディション調整に苦慮。最終的に1部昇格を逃し、契約延長を勝ち取れなかった。そこから約4か月間はフリーの状態。メンタルもかなり追い込まれたはずだ。苦境から脱するべく、2021年1月にはギリシャ1部のPAOK入りを決断するも、またしても不本意な状況に。同年12月に双方合意の上、契約解除することになってしまう。「PAOKの時は自分の中の炎が消えかけた」と、のちに本人は苦しい胸の内を吐露していた。
この頃になると、古巣・セレッソ大阪復帰が何度も取りざたされることになるが、カタールW杯挑戦への意欲は強く、ラストチャンスを掴むべく2022年1月にベルギーのシント。トロイデン入りを決めた。そこでは奇しくもスペイン時代に励まし合った岡崎慎司とチームメートになり、2人で代表復帰に全力を注いだ。しかし、完全復活を果たすことができず、最終的にはカタールW杯選外という現実を突きつけられた。
「この何年間はうまくいかないことがほとんどだった。でも、自分が思い描く通りのキャリアを歩めるやつなんて滅多にいない。クリスティアーノ・ロナウドだって苦労してる。最終的には自分の中の戦いかなと思って、僕は忍耐を続けてきました」とシント・トロイデンに在籍していた2022年秋、香川は毅然と前を向き、次なる目標に向かおうとしていた。
古巣セレッソ大阪に復帰。再び輝きを放つ
常人には想像を絶するほどの数々の浮き沈みを経て、欧州挑戦に区切りをつける気持ちが固まっていったのだろう。2023年2月には12年半ぶりにJリーグ復帰。古巣・セレッソでは自らをスカウトしてくれた小菊昭雄監督の下、ボランチとしてチーム全体を司る役割を託された。「今も個人とチームのバランスには難しさを感じるけど、やりがいもめちゃくちゃある。チームメートもいいやつばっかりだし、みんなでコミュニケーションを取って、勝つ確率を上げるサッカーを確立させたい」と本人も目を色を変えて取り組んだ。
その結果が2023年のJ1全34試合出場である。チームは終盤に失速し、タイトル争いから脱落してしまったが、百戦錬磨のボランチのコンスタントな働きは大きな安定感をもたらした。Jリーグ優秀賞という結果も、当然と言えば当然。クラブが最後まで上位にいたら、ベストイレブンに選出されてもおかしくない出来だった。
そして35歳を迎えた今、香川が目指すのは悲願のリーグタイトルしかない。セレッソにとって2024年はクラブ創設30周年。今季は森島寛晃社長以下、本気でJ1王者を取りに行っている。第8節終了時点で首位に立ったのはまさに朗報だ。3月末から少し試合から遠ざかった香川も完全復帰目前で、ここから一気にパフォーマンスを上げていくはずだ。
そして7月24日(水)には、ヤンマースタジアム長居にて古巣ドルトムントと対戦する。力試しという意味でも千載一遇のチャンス。香川擁するセレッソがJ1の頂点に立てるかどうかを占う一戦になるだろう。そこで世界中を魅了したかつてのようなプレーを見せてくれれば最高だ。そうなるように心から願いたいものである。
文=元川悦子
セレッソ大阪 vs ドルトムント
■開催概要
正式名称:EUROJAPAN CUP 2024
対戦カード:セレッソ大阪 vs ドルトムント
試合会場:ヤンマースタジアム長居
開催日時:2024年7月24日(水)19:15試合開始/16:15開場予定
2024年04月19日 12:00
毎週木曜日に『DAZN』で新作が配信されている「内田篤人のFOOTBALL TIME」。
今回はかつて川崎フロンターレや日本代表で活躍した中村憲剛がゲスト出演。その中で町田ゼルビアなどが頻繁に使っている「ロングスロー」の話題があった。
このところ各カテゴリーの様々な試合で有効性が示されているロングスローであるが、それが守りにくい理由はなんなのか。内田篤人と中村憲剛は以下のように話していた。
内田「僕は守る側なので…足で蹴られたボールをヘディングするのと、手で投げられたボールを頭で当てるのは違っていて、落下地点を読むのが難しいんですよ」
中村「軌道とか、球速とかね。ちょっと違うんですよ」
内田「だから被っちゃったり(後ろに逸らすこと)、キーパーが前に出てきても触れなかったりするんです」
中村「なんか伸びたりもするんですよ。キックだと必ず最後は落ちてくるんだけど、ロングスローはなぜかぐっと上がってくる。しかもその前でコースが変えられたりもする。
オープンプレーでも、簡単にタッチラインへと逃げられなくなる。少し遠くに蹴らなければならなくなると、踏み込んで空振りや蹴り損じが出る。あと、全員がゴール前に帰らなければならないんですよ。それが厄介ですね。
町田は間違いなくいろいろなところに選手を配置して、練習通りに動いていますね。しかもオ・セフンとか、すごく大きい選手がいる。
中に背が高い選手がいるので、そこに守る選手を集めなければならない。だから囲むようにブロックを作っている町田の選手がセカンドボールを拾いやすい」
内田「町田を真似してみようと思っても、そう簡単にはできない。賛否はあるだろうけど、ルール違反をしているわけではない」
町田のロングスローは高さがある選手を中心として相手の守備を引き付け、それを囲んだ選手たちがセカンドボールを拾いやすくなっているとのこと。
ロングスローが「反則的だった世界のサッカー選手」5名
中村憲剛は「ルールを正しく使っているだけ」と話しつつ、町田ゼルビアのように有効性を高めるためにはそれに合わせた構造が必要だとも語っていた。
またその対処法については「難しい」と言いながらも、2巡目の対戦になってくると他のチームもやり方に慣れてくる可能性はあるとも。
2024年04月19日 11:55
日本サッカー協会は18日、7月13日(土)に石川県の金沢ゴーゴーカレースタジアムにて、なでしこジャパン(日本女子代表)の国際親善試合を開催することを発表した。
2024年04月19日 11:52
2024年J1リーグは、開幕から間もなく2か月が経とうとしている。過去2シーズンは連続3位のサンフレッチェ広島が、今季は非常に安定感のある戦いを見せ、8節終了時点で2位と好位置につけている。
それも就任3年目を迎えたミヒャエル・スキッベ監督の手腕によるところが大だろう。かつてドイツのシャルケやドルトムントで指揮を執り、2002年の日韓ワールドカップではルディ・フェラー監督(現ドイツ代表チームディレクター)のもとで参謀役を務め、ギリシャ代表なども率いた多彩な指導歴を持つ指揮官に今回、単独インタビューを実施。まずは広島でのチーム作りについて語っていただいた。
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今季の広島はエディオンピーススタジアム初の公式戦となった2月23日の浦和レッズ戦で2−0の完勝。前評判が高かった相手を撃破し、幸先の良いスタートを切った。
しかも、2点を叩き出したのが、湘南ベルマーレから加入したばかりの新戦力FW大橋祐紀。彼はその後も得点を重ね、目下、得点ランキングで2位の6ゴールをマーク。一気にブレイクしつつあると言っていい。
昨夏にセレッソ大阪から獲得した加藤陸次樹にしても、今年3月のJリーグ登録期限ギリギリに加わった新井直人にしても、広島の一員になった途端に目覚ましい働きを見せている。新戦力が次々と結果を出す理由を、スキッベ監督に問うと、こんな回答が返ってきた。
「彼らはそれぞれ前所属先でも活躍していました。加藤に関して言えば、2022年ルヴァンカップ決勝で我々を相手にゴールを奪っています。大橋も昨季のアウェー湘南戦で広島から点を取っていますし、新井も昨季のアウェー新潟戦でゴールしています。ウチから点を取れば、広島に来ることができるし、伸び伸びとサッカーができるんじゃないかと思いますね」と、指揮官は冗談交じりに笑う。
「それは偶然かもしれませんけど、やっぱり彼らが広島の一員になれば、これまで以上に機能し、結果を出せるという確信があったのは事実です。そういう人材を獲得したいという考えを常に念頭に置いて、対戦相手や他チームをチェックしています。
大橋と陸次樹、(川村)拓夢にしてもそうですけど、彼らは複数のポジションをこなせる有能な選手。主戦場としているポジションとは異なるところに入っても、そこで強烈なキャラクターを発揮する。私も個々のストロングを出してほしいと考えて起用していますが、本当にうまくフィットしている。彼らの万能性がチームのプラスになっているのは確かでしょう」
“万能性”というのは、スキッベ監督率いる広島の1つのキーワードと言っていいかもしれない。満田誠もシャドー、ボランチ、右サイドを自由自在にこなしているし、ウイングバックが主戦場の東俊希もいざとなれば最終ラインにも入ることができる。
4月3日のFC町田ゼルビア戦で3バック中央の荒木隼人が負傷した際も、右ウイングバックの中野就斗が穴を埋めている。彼らのユーティリティ性がスムーズな戦いの原動力になっていると見てよさそうだ。
「我々は戦術をベースに選手個々の良さを出せるチームを目ざしています。ゆえに、誰かがいなくなっても大丈夫。どのポジションもしっかりバックアップが揃っていますし、自信を持って選手を送り出しています。
彼らに口癖のように言っているのは、『ミスをしても構わない』ということ。ミスに怯えていたら、決して良いパフォーマンスはできない。常にチャレンジしていく姿勢を示すことで、一番良いパフォーマンスを引き出せると私は考えています。そういうマインドでピッチ上で戦えなかったら負けと同じ。必ず力を出し切ってほしいと選手たちには伝え続けています」と、スキッベ監督は語気を強める。
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2024年04月19日 11:32
J2で現在2位と好調のV・ファーレン長崎は、4月17日に行なわれたルヴァンカップの1stラウンド2回戦でJ1のジュビロ磐田と対戦。1−0で勝利した。
6−1で大勝した13日の徳島ヴォルティス戦(J2第10節)からスタメンをターンオーバーして臨み、シュート22本を打たれるなど苦しんだが、後半から途中出場したDF櫛引一紀がCKから挙げた1点を最後まで守り抜いた。
【動画】長崎が磐田に1−0勝利! 櫛引一紀の決勝ヘッド弾!
下平隆宏監督は「90分を通して非常に苦しいゲームだった」と認めたが、ここまでリーグ戦に絡めていないメンバーが磐田を相手に戦い抜き、勝利をもぎ取ったことで、「チーム全体の底上げにもつながったと思いますし、何よりもしっかりとリーグ戦の良い流れを継続できたこと、これが今日の勝利で一番大きかった」と収穫を語った。
もちろん、今年からJ2とJ3の全クラブに開放された大会で、次のステージに進めることも重要だが、新スタジアムが秋に完成することに伴い、公式戦のメインスタジアムとしてはラストイヤーとなるトランスコスモススタジアム長崎(通称トラスタ)をホームに、必ずJ1昇格を勝ち取るためのマイルストーンとなるゲームだった。
磐田の横内昭展監督は「去年も対戦して、戦力を見てもJ1でやっていてもおかしくないチームだと思ってますし、我々もやっぱりJ1に上がりましたけど、J2でも長崎みたいな強いチームもある。我々もJ1でやっているから安泰ではなくて、そういうクラブの後ろからの突き上げがある。我々もしっかりしたビジョンで取り組んでいかないと、また苦い経験をしなきゃいけない」と語る。
長崎は開幕直前に不測の事態で監督が代わり、難しいスタートとなったが、昨シーズンまで大分トリニータを率いた下平監督がチームをうまく統率して、ここまでの10試合で6勝3分1敗の戦績で勝点21を積み重ねてきた。ただ、短い期間でチーム作りをしていく流れで、ある程度、固定的なメンバーで戦ってきた側面もある。
ここからの長いシーズンで夏場だったり、過密日程も想定されてくるなかで、今回のルヴァン杯は1つのチャレンジでもあった。新戦力でも、これまで途中出場が多かったMF山田陸やDF成瀬竣平、そして愛媛FCとの激闘を制したルヴァン杯1回戦以来となる公式戦で、磐田の猛攻を守り抜いたGK若原智哉などの奮闘は、チーム内競争の活性化という意味でも大きいだろう。
若原は自身を含めて、苦しい試合を勝利で終えた手応えについて「やっぱり普段、試合に絡めてなかったので。僕自身もそうですけど、今日、試合に出ていた人は基本的にそういう人が多くて。みんな、この試合に懸けるものは大きかった。そのなかで、ジュビロさんは本当に良いチームで。クロスからの得点もリーグ戦で多かったので。そういうところを警戒しながら90分を通してやれたんじゃないかなって」と振り返った。
J1の京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入した若原は、長崎に来て、第一に選手のレベルの高さに驚いたという。
「一人ひとりの能力が高いなって。サンガの時もシュートはみんなうまかったんですけど、それ以上にコースが良かったりとか。何て言うんですかね...なんでずっとJ2にいるんだろうという感じに思っていた」
そこに横浜FCでJ1昇格も経験している下平監督が来て、ボールポゼッションをベースとした戦術はもちろん、個性的なタレント集団の高い競争意識、そしてチーム一丸の姿勢を植え付けることで「みんなも今までJ2にいて、今年こそは絶対に上がるっていう気持ちが、より一層上がった」と実感している。
そして「ここに来るって決まった時から、J1に昇格させるという思い」を抱いていたが、磐田戦の成功体験によって、リーグ戦のポジション奪取への気持ちが強まったようだ。
磐田戦の終盤に投入されて、中盤を引き締めたMF加藤大は、ここまでリーグ戦の全試合にスタメン起用されているが「うちは本当に選手層が厚いと思いますし、リーグで出ている選手もポジションは確約されていない。勝ち続けていても、次の試合で替えられるかもしれない危機感を持ちながらプレーできていることが、毎試合、良い内容でやれている要因でもある」と語り、良い意味での危機感を表わした。
これまでのリーグ戦で主力として勝利に貢献してきたメンバーと、ルヴァン杯の勝利で自信を強めたメンバー。J2屈指のタレント力に、チームとして勝利を目ざす確かなベクトルを加えて、長崎はルヴァン杯でのさらなる躍進、そして今シーズンの最大目標となるJ1昇格に向かっていく。
取材・文●河治良幸
2024年04月19日 11:30
15日から開幕したU23アジアカップ。今年の大会はパリ五輪の出場権がかかった予選を兼ねていることから、各国のチームがより強力なチームを形成して戦っている。
そのためいくつかの有力なクラブからは数多くの選手が招集対象となり、UAEではアル・アインやアル・アハリが代表に協力することを拒否するという事件もあった。
そして今回サウジアラビアでもU23アジアカップが国内のコンペティションに影響を与える事態になっているよう。
『mz-mz』によれば、サウジアラビア1部リーグの名門として知られるアル・イティハドがサッカー連盟に公開書簡を送り、4月30日に行なわれるカップ戦の準決勝アル・ヒラル戦を延期するよう求めたという。
カリム・ベンゼマやエンゴロ・カンテ、ファビーニョらが所属しているアル・イティハドは、今回のU23アジアカップで5名の選手(アワド・アル・ナシリ、ファイサル・アル・ガムディ、アハマド・アル・ガムディ、ザカリア・ハウサウィ、マルワン・アル・サハーウィ)が招集されている。
アル・イティハドは、FIFAが定めるインターナショナルマッチウィークの期間外に選手を抜かれたことでチームに損害が与えられているとして、その間に試合を行うことは不公平であると訴えているそう。
AFCチャンピオンズリーグのアル・アイン対アル・ヒラルが気象条件のために16日から17日に延期されたことを受け、19日に行なわれる予定だったサウジアラビア国内リーグのアル・ヒラル対アル・アハリも延期された。
U-23日本代表、U23アジアカップに招集できなかった「海外日本人」の逸材たち12名
これは日程上開催が困難になったための延期であるが、『filgoal』によればアル・アハリやアル・イティハド、アル・ナスルなどのライバルクラブはアル・ヒラルに利益をもたらす不公平な判断だとして反対の声を上げているとのこと。
ちなみに今回のU23アジアカップでアル・ヒラルの選手は1人も招集されておらず、アル・アハリとアル・イティハドが最多の5名を派遣している。