2024年11月14日 10:00
今季の国内女子ゴルフツアーは2試合を残しているが、年間女王は8勝を挙げ、圧巻のシーズンを送った竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が初めて射止めた。米女子ツアーの2年シードを手に入れた竹田を含め、来シーズンは多くのトッププロが同ツアー進出を狙う。勢力が大きく変化するとみられる来季、記者が“ネクスト竹田”として推す小林夢果(21)=ヨコハマタイヤジャパン=とは。
来季の国内女子ツアーの勢力図は間違いなく変わる。年間女王の竹田は10月末からのTOTOジャパンクラシックの優勝特典で米女子ツアーの2年シードを獲得し、出場を明言していた12月の同ツアー最終予選会を回避。新女王が早くも海外進出するからだ。
米女子ツアー本格参戦を目指しているのは竹田だけではない。2年連続年間女王の山下美夢有や、姉妹合わせて今季6勝の岩井明愛・千怜、原英莉花も最終予選会に出場する。シーズンの約半数の勝ち星を挙げたトッププロが主戦場を移す可能性があるだけに、来季の国内組には大きなチャンスが訪れる。
“ネクスト竹田”を狙う逸材は多い。その中で、記者は竹田と同世代の小林夢果を筆頭候補に挙げる。平均飛距離約260ヤードを誇る飛ばし屋で、男子ツアー通算94勝の尾崎将司に師事するジャンボアカデミー1・5期生の大器。ジャンボの長男で、小林のコーチやキャディーを務める智春氏は、そのポテンシャルを「竹田さんにも劣らない」と評する。
レギュラーツアー初のフル参戦だった今季は、3月のアクサ・レディースでいきなり優勝争いを演じて3位。予選落ち11度と浮き沈みは激しいものの、トップ10は8度と爆発力があり、ポイントランキング33位で初のシード権を当確させた。小林は「思っている以上に調子が良かった。うまくまとめられた一年間だった」と手応えを得たシーズンを振り返った。
今季開幕前の1月24日、ジャンボの誕生日に小林は師匠の前で「シードを取れるように精いっぱい頑張ります」と宣言した。見事に有言実行。師匠との誓いを果たし「すごくうれしい。やっぱりジャンボさんという存在は大きい。絶対シードを取らないとという気持ちだった」と笑顔で胸を張る。
同学年で女王に上り詰めた竹田については「いい刺激をもらえる」という存在。ただ、今季は自身との違いを痛感させられた。「ドライバーは一緒くらいだけど、そこからは全く違う」。新女王の飛躍の鍵になったショートゲームの向上は小林も求めているものだ。
昨季はステップアップツアー初優勝、今季は初シードと着実に成長の階段を上る21歳は「同い年のみんなが優勝しちゃった。でも自分のペースで1勝できたら」と焦らない。「(師匠の)誕生日も近いので、また来年の目標を考えないと。初優勝って言おうかな」。来季はさらなる誓いを立てて、有言実行してくれるはずだ。(デイリースポーツ・中谷大志)
2024年11月14日 10:00
恒例の“一気試打”は年イチの人気企画だが、今年は夏以降にイチ早く紹介したい“Newアイアン”が多数発売!
ということで、鹿又芳典と編集部が試打インプレッションする「アイアン一気試打“秋の陣”」をお届けします。 テーラーメイド P7CB (’24)
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鍛造(S25C)、内蔵タングステンウエイト、内蔵セラミックコア、フェース:軟鉄鍛造(S25C)
●ロフト角/ 33度(#7)●長さ/ 37インチ(#7)●重さ/ 425g(MODUS³ 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105(S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など
●価格/ 14万8500円~(#6-PW・5 本セット)、2万9700円~(#3、4、5・1 本) 鹿又:期待度MAXの想像を超えてきた
PGAツアーの選手が使いはじめたころから「よさそうなアイアン」だなと思って期待がふくらんでいましたが、その期待を超えるくらいよかったです。
とにかく打感がソフト!ボールがフェースに食いつきスピンが効くので、ボールコントロールが容易にできる。フルショットもライン出しもしやすい。テクニックがあるアスリートにとっては、いろんな球筋を安定して打てるアイアンです。 編集M:10点、10点、10点……合計、満点に近い逸品
テーラーメイドって、アイアンはシンプルにいいクラブを作りますよね。
シャープな美顔、ソフトな打感、球の高さなどのマイ評価の全項目で10点満点に近い点がつきました。アスリート系キャビティのなかでは、1、2歩抜け出しているアイアンです。 テーラーメイド P770 (’24)
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:軟鉄鋳造(8620)、内蔵タングステンウエイト、SPEEDFOAM AIR™、フェース:クロモリ鋼鍛造(4140)
●ロフト角/ 33度(#7)●長さ/ 37インチ(#7)●重さ/ 421g(MODUS³ 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ TOUR 105 (S)、ダイナミックゴールド MID 115(S200)など
●価格/ 15万9500円(#6-PW・5 本セット)、3万1900円(#3、4、5・1 本) 鹿又:シャープに見えても寛容性はP790と互角
最近のアイアンのなかではかなり小振りでシャープな印象ですが、決して難しくはありません。モデル名にあるとおりブレード長は77mmですが、寛容性はP790とほとんど変わらない印象。中空構造ですが、軟鉄素材なので打感はソフト。
ロフトはP7CBと同じですが、より打球が高く上がりやすかったので、平均スコア90前後のゴルファーであれば十分に使いこなせます。 ライターN:中空構造とは思えない打感のよさ
P7CB同様に、P770もすごく打感がいい。中空構造にありがちな弾きすぎる打音や感覚は一切なく、軟鉄鍛造のマッスルバックを打っているようなフィーリング。
ロフトがしっかりあるので打ち出しが高い。決して難しいアイアンではありませんね。 マスダゴルフ JM-H2
SPEC
●ヘッド素材/軟鉄鍛造(S20C)●ロフト角/ 31度(#7)●長さ/ 37インチ(#7)
●重さ/ 420g(MODUS³ TOUR 105 S・#7)
●シャフト(フレックス)/ N.S.PRO MODUS³ 105・125(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)
●価格/ 19万9320円~(#5-PW・6 本セット)、3万3220円~(#4) 鹿又:ジャンボ尾崎が求める“やさしさ”
軟鉄単一素材でありながら、徹底的にやさしさを求めたジャンボ尾崎さん監修のアイアン。ジャンボさんのこだわりが随所にあり、ヘッドサイズはやや大きめで、グースネックになっています。
昔からジャンボさんは“やさしいツアーモデル”が好きでしたが、JM-H2はそれが具現化されています。歴代のマスダのアイアンのなかではもっとも飛距離性能が高くて、飛ぶのも魅力のひとつです。 編集M:ジャンボ、不動、横峯の使用アイアン
かつてツアーで勝ちまくっていたプロたち(ジャンボ尾崎、不動裕理、横峯さくら)が使用中。
歴戦の雄が愛用する理由は、キャビティバックやきつめのグースネックによるやさしさの長所がありつつ、操作性も高くボールコントロールがしやすいからでしょうね。 PXG BLACK OPS
SPEC
●ヘッド素材/ボディ:431 ステンレス中空+ XCOR2 ポリマー、フェース:HT1770 マレージング鋼
●ロフト角/ 28度(#7)●長さ/ 37.5インチ(#7)●重さ/ 405g(Ture Temper Elevate MP 95g S・#7)
●シャフト(フレックス)/Ture Temper Elevate MP 95g、Diamana V2 PXG 60・70(R、S)など
●価格/ 2万6400円(#4-LW・1 本) 鹿又:歴代のPXGで最高のアイアン
今まで打ったPXGのアイアンのなかで一番いい!ロフト以上に打球が高く上がりやすいから、ヘッドスピード40m/秒前後のゴルファーが打ってもやさしいし、飛距離性能が高くて、打感がいいので、日本人ゴルファーに好まれるアイアンだと思います。
ヘッドサイズと重心のバランスもよくて、すごく振りやすかった。ダウンブローに打ち込んでも、払い打ちでも上手に打てます。 ライターN:飛び系アイアンといってもいい飛び!
オーソドックスな形状で、決してクラブ長も長くないのに飛距離性能はトップクラスで飛び系といってもいいほど。薄いマレージングフェースを採用しているので反発性能が高い。ソール幅が広く、少しダフったときでもソールが滑ってくれて飛距離が落ちません。
いかがでしたか? 自分にあったアイアンをぜひ見つけてくださいね。
試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一、編集部
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール
2024年11月14日 09:26
国内ゴルフツアーもいよいよ終盤。女子は残り2試合、男子は3試合となった。
低迷する国内男子ツアーどう再建?「世界の青木功」からバトンを受けたJGTO新会長に聞く
今年も人気で女子に圧倒された男子ツアーも、今週だけはゴルフファンの熱い視線が注がれるのではないか。14日開幕の「ダンロップフェニックス」(宮崎・フェニックスCC)には、2年連続で松山英樹(32)が出場。2014年以来の優勝を狙う。
松山と予選ラウンドで同組になったのが、前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」を制した石川遼(33)と今年の「日本アマ」のタイトルを手にした松山茉生(16・福井工大福井高1年)だ。
昨年の大会は、2021年マスターズ覇者の松山が参戦。初日は8アンダーで単独首位に立った。2日目以降は失速したものの、国内開催の米ツアー「ZOZO選手権」を除けば、4年ぶりの国内ツアーとあって、前年を延べ1万人以上も上回る1万7658人のギャラリーが来場。最終日は杉浦悠太(当時日大)が日本男子ツアーで史上7人目(8回目)となるアマチュア優勝を達成して幕を閉じたが、大会は大盛況だった。
「今年は昨年以上の盛り上がりが期待されます」と、ツアー関係者がこういう。
「6年間行われたZOZO選手権を見ても、松山人気はすごい。松山のプレーを生で観戦するため全国からファンが高額チケットを買って会場(千葉・アコーディア・ゴルフ習志野CC)にやってくる。その松山と、前週に劇的な逆転優勝を遂げて健在ぶりをアピールした同学年の石川が予選で同組。そこに、16歳で圧倒的な飛距離を誇るアマ王者が一緒に回るわけですから、ゴルフファンにとって見逃せませんよ」
女子ツアーは前週、竹田麗央(21)の年間女王が決まり、今週の話題といえば、シード選手の決定と、今季限りで休養宣言した上田桃子(38)の最終戦の切符取りぐらいだ。
「石川が勝った先週の大会は、最終日の平均世帯視聴率は関東も関西も今季初めて5%を超えた(ビデオリサーチ調べ)。
今週は松山と石川が優勝を争えば、ギャラリー数だけでなく、テレビも前週以上の数字が見えてきます」(ツアー関係者)
初日の松山組のスタートは午前9時15分(10番)だ。
2024年11月14日 09:00
スイングはポジションごとに最適な形があり、その形をつなげていくことが美しいスイングをマスターする近道だ。
2024年11月14日 08:00
ラウンド中、調子がいいクラブと悪いクラブがある。番手別の調子の良し悪しは、なぜ起こるのか?
マスター今野に原因を聞くと、「7番アイアンを基本に、全番手同じスイングをしたほうがベター」という話をしてくれた。 ドライバーからパットまで全部いい日がないのはなぜ?
テル ドライバーが調子いいとアイアンが悪い。なんで両方いいってならないの?
今野(マスター) その逆の日もありますよね。さらに細分化すると、ドライバー、アイアン、アプローチ、パットの4つある。
テル そのうちのふたつでもいいと狙ったスコアが出る。
今野 でも、そろわないんですよね。
テル そうなのよ。3つも調子がよかったら、ベストスコア更新も見えてくる。全部そろったら更新さ。
今野 まず、テルさんはドライバーとアイアンを分けて考えていますか?
テル あ~それ「同じが理想か、違うか」論争ね。俺の場合、違う派だから分けている。
今野 その「違う」が原因で、調子の差が出てしまうのでは?と思いますが。
テル 全番手、同じスイングで打つって試したことあるけど、うまくいかなかった。だって、ティーアップする・しない。クラブの長さもヘッド形状も違うんだから、違っていいという結論だよ。
今野 そうなると、スイングで意識する点も異なりますね?
テル 異なるね~。ドライバーはアッパーブローで、アイアンはダウンブローで打つ。ここからすでに違うじゃない。
今野 「全部、同じスイング」というのは厳密には違っていても基本や原点であり、一貫性をもつことでシンブルにする。これすなわち、好不調の波が生まれない極意だと思うんですよ。
テル う~ん。マスター自身はどうなのよ?本当に全番手、同じスイングで打ってる?
今野 私はドライバーが得意なので、パットのストロークまでドライバーの感覚と振り方と同じ。クラブの長さとヘッド形状が変わっても「これは飛ばせないドライバーだ」と思って打っています。
テル パターまで!?
今野 はい。調子が悪いときはドライバーを練習する。ドライバーがよくなればほかもよくなる基本のクラブです。
テル それはマネできないな!俺、ドライバーが得意じゃないもん。
今野 私の「ドライバーが基本」というのは特殊です。基本、原点に返るとなればアイアンをベースにするのがいいと思います。ビギナーのころ「練習は7番アイアンから。コースでもとりあえず7番アイアンを持って走れ」を思い出して。
テル ビギナーのころは練習では7番で基本を作ってから、それより長いも短い番手も打てるようにしていたわ。コースでもセカンドショットは7番、林やフェアウェイに入っても距離に関係なく7番って時代があったね。
今野 7番アイアンって万能なんですよ。扱いやすく、上げるも転がすもしやすい、さまざまな要素が集約されたクラブだと思います。
テル マスターは「全番手、ドライバーのように」だけど、俺は全番手「7番アイアンのように」は、早速やってみたいね。ちなみに、短い距離のアプローチはどうすんの?
今野 7番アイアンのスイングを抑えて打つ。それをウエッジにしたら、数ヤードの飛距離になりますよね。
テル たしかに。プロが「番手によってスイングは変えない。全部一緒」という意味もわかっ
た気がする。
今野 ただ、プロって無意識で自然にやっていることが多いので、いっていることとやっていることが全然違ったりしますが、それがプロゴルファーっていうものですよ(笑) 松山英樹の名言
「ロングアイアン練習してたらアプローチもうまくなるでしょ」 試合期間中にあまりアプローチの練習をしない松山英樹に、その理由を聞いた人かいたそうだ。すると松山は「ロングアイアンの練習しておけばアプローチもうまくなるでしょ」とのこと。これについて「アイアンショットとアプローチを区分していない。アイアンで届く距離はすべて、遠くても近くてもアイアンと同じ感覚で打っているのでしょう」と今野。スイングに一貫性をもたせることの重要性がうかがえる
いかがでしたか?
マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ・RainbowFM(88.5MHz)の「サタマ二♪」(第2土曜15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace
2024年11月14日 07:30
今季限りで第一線を退く女子ゴルフの上田桃子(38)=ZOZO=は、大王製紙エリエールレディス(14〜17日、愛媛・エリエールGC松山)に出場する。2017年からコンビを組み、2勝を挙げた新岡隆三郎キャディー(51)が見てきた新人のような姿や、忘れられない一戦など、8年間の思い出を語った。今週は最終戦のメジャー、JLPGAツアー選手権リコー杯(21日開幕、宮崎=報知新聞社後援)出場へ向け、タッグ3勝目に挑む。(取材・構成=富張 萌黄)
上田は3日に自身のインスタグラムで休養を発表した。7日には記者会見を行い、「そろそろ次のステップに行く時期がきた」と語った。だが、第一線を離れる考えは以前からあったと新岡氏は明かす。
「2年くらい前から『今年でちょっと(引退)かなって考えてます』とは言っていた。でも、今年になって本当なんだと」今季の上田は序盤に3試合連続予選落ちなど、思うような成績が残せずにいる。トップ10入り3度は、14年の日本ツアー復帰後ワースト記録。けがにも悩まされていたという。
「春先に左手首を痛めて実際、あまり良くなかった。練習量も少なくなって、腰も痛めてトレーニングもできなくなって、今年のシーズンは良くなかった」ツアーを離れることについて、相談はなかった。新岡氏は上田の意志を尊重。走り続けた20年間は常に全力だったという。「『(離れようと)思っています』と言われて。でも結局、話したところで『頑張りなよ』と言うこともないし、本人が決めることだから。いつも新人のようにやっていた。中途半端じゃないし、20年やり尽くした。逆にめちゃくちゃやったでしょ。体も元気だし、(飛距離も)飛ぶし」
6月に38歳を迎えた上田。プロ20年目のベテランになっても、心は常にルーキーのようだったという。今年の苦しい時期も気持ちの面は、何一つ変わることがなかった。「試合の準備中に『今週はこういうテーマでいきたいです』と。新人かよ(笑い)。終わってからも「私なんでこんな下手なんですかね」と課題を作って、全部に全力投球。技術、練習法もインスタで見つけてきたり。一打一打も全力。17勝も全部気持ちで勝っていると思う」
上田との思い出の試合を聞くと、「19年のTポイント×ENEOS」と即答。1打差2位で最終日を迎えるも、前日の夜に右手中指の激痛に襲われた。最終日の朝、コースに来たものの、棄権するつもりだったという。そんな中で優勝をつかみ取った一戦。新岡氏にとって忘れられない大会となった。
「右手に包帯を巻きながらやって優勝した。それが衝撃過ぎて。朝は『棄権するんで』とあいさつだけ来た。それでも練習場で『桃ちゃん、やってみない? ちょっと打って』と言った。スタートして1番でパー取って次のホール、次のホールとやっていった。そしたらどんどん距離が普通に戻ってきて。しまいには、ロング(パー5)の2打目で『スプーン(3ウッド)ですかね、クリーク(5ウッド)ですかね』みたいに迷ってて『迷うなよ、スプーンだよ』と。そこで優勝してというのは一番、思い出に残ってる。しかも次の日『治りました』と連絡が来たので」
タッグを組んで8年目。2人で手にした勝利は、19年のTポイント×ENEOSと、22年の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの2回のみ。上田にかけたい言葉にも、申し訳ない思いがあふれているという。「結局、2勝しかしてないから、最後は『力不足でごめんね』と言おうかな。本当はもっと2人で勝ちたかったから、あるとしたらそういうのかな」
今週は上田のバッグを担ぐ新岡氏。やはり最終戦出場をターゲットにすると話す。メルセデス・ランクは46位と厳しい状況だが、37位程度に浮上させれば出場も視野に入る。指標まで70・21ポイント差。今週、単独8位以上(70・5ポイント)なら、上田の雄姿を来週も見ることができる可能性が高まる。気合いの入る一戦だが、普段と変わらない気持ちで臨むと新岡氏はいう。
「どうにかリコーまで行ければ。そしたら本当に最高。でも、今週も普段と変わらないと思う。やり始めたら絶対(普段通りのスイッチが)入るから」
リコー杯出場を果たせば、上田の初メジャー制覇へのラストチャンスにもなる。次週での有終の美へ―。2人でまずは今週4日間、18勝目に挑む。
2024年11月14日 07:20
女子プロゴルフツアーの大王製紙エリエールレディスは14日から4日間、愛媛・エリエールGC松山で行われる。今季限りで第一線を退く2007年賞金女王で通算17勝の上田桃子(38)=ZOZO=は13日、プロアマ戦で最終調整。現状で出場権のない次週の最終戦メジャー、JLPGAツアー選手権リコー杯(21日開幕・宮崎=報知新聞社後援)へ今週8位以上が必要条件。今大会を“ラストマッチ”にしないためにも「自分の持っているものを全部出し切って、来週につなげたい」と誓った。
上田は「いつもと変わらない」と心境を語った。前週は予選落ち。調子について「なかなか上がらない、うーん。今は試行錯誤」と首をかしげたが、自身の残り試合に話が及ぶと声のトーンも上がった。「最終的には泥臭く、戦うしかない。楽しんでやろうというより、何とか頑張る気持ちが強い」と強い覚悟を口にした。
20年目のプロ生活でも最後まで最高のプレーを追い求める。「プロゴルファーは結果ありきなので、そこに集中したい」。今週大きくポイントを稼げば、次週は通算61度目のメジャーで初優勝の可能性も出てくる。今大会は17年前に香川開催で女王を手にしたトーナメント。38歳のベテランは、勝負師としての生きざまを貫く。(岩原 正幸)
2024年11月14日 07:00
球筋や球質をアレンジしないとピンに寄らない状況が多々あるのがアプローチの難しいところ。
2024年11月14日 06:00
各ツアーでトップレベルの飛距離を放つ飛ばし屋と自らのスイングを、ドラコンプロである小井土峡太が解説。
飛ばしのポイントを分析するとともに、アマチュアが参考にできるポイントレッスンつきなので読むだけで読むだけで飛距離が伸びるぞ! 【ジョン・ラーム】コンパクトトップからシャフトに負荷をかけて飛ばす!
ジョン・ラーム選手はコンパクトでフラットなトップが印象的ですが、シャフトに強い負荷をかけてしならせ、そのエネルギーを利用しています。写真⑤のしなりはすごいですね。
トップがコンパクトですし、体の動きも静かで、スイング自体は飛ばすというよりも方向性重視に見えます。しかし、重厚な体格から生まれるパワーとこのシャフトの使い方のうまさで、300ヤードを超える飛距離を出しつつ、方向性を両立させているのだと思います。
ウィークグリップから左手首を掌屈させ、フェースターンを抑えているのも特徴的です。 タテのコックはほとんど使わずヒンジングのみ
左手をウィークグリップで握り、タテのコックをほとんど使わず手首はヒンジングの動きのみ。フェースのローテーションを抑えた「左に行かない」動き。 手首の動きはほぼ手のひら・甲方向に折るヒンジングのみなのが特徴 始動直後からダウンスイングの準備を開始
バックスイングがはじまった直後には、体はもうダウンスイングの準備を開始しており、このテンポの速さがコンパクトトップとタメの強さの一因になっている。 釣り竿みたいにシャフトをしならせる
体は締めたまま腕や手首をしなやかに使って、釣竿を振るようにシャフトをしならせているので、コンパクトトップでも大きなエネルギーを生むことができる。 体幹がゆるんで体が右に傾くと、シャフトに負荷がかからない(×)
Jon Rahm
●ジョン・ラーム/1994年生まれ、スペイン出身。188㎝、100㎏。米国11勝、欧州10勝をあげ、21年には全米オープン、23年にはマスターズも制する。今年はLIVゴルフに転向し、年間王者に輝いた。
解説・レッスン=小井土峡太
●こいど・きょうた/1997年生まれ、長野県出身。180㎝、92㎏。東北福祉大を卒業後、ドラコンの道に入り活躍。2020年PLDA世界大会で421ヤード飛ばし4位に入賞。自己ベストは443ヤード。
構成=鈴木康介
写真=相田克己、田辺安啓、ゲーリー小林
協力=南茂原カントリークラブ
撮影トーナメント=ニチレイレディス、ワールドレディスサロンパスカップ
2024年11月14日 06:00
◆2年連続2度目出場 平田 憲聖 (23)=エレコム= 長嶋茂雄招待セガサミーカップ、フジサンケイクラシック、シンハンドンヘ・オープン、パナソニックオープン優勝
9月に驚異的な記録を打ち立てた。フジサンケイクラシックで今季2勝目を挙げると、ツアー23年ぶりとなる月間3勝を達成。7位だった賞金ランクは瞬く間にトップに浮上した。「今のところはいいシーズンを送れている」と好成績も淡々と今季を振り返った。ダンロップフェニックス開幕前日の13日はプロアマ戦で最終調整し、2位以下との差が詰まったことについても「焦りはない。自分のゴルフをするだけ」。冷静そのものだった。
自宅では4歳のミニチュアシュナウザー「ププ」と「ビビ」に癒やされる、ゴルフ界きっての愛犬家だ。「ププちゃんの方が内向的で、他の人には見せないようなことを家族に見せてくれる。ビビちゃんは誰にでもフレンドリーで、みんなにほいほい行くような感じ」。米大リーグのドジャース・大谷翔平投手(30)が愛犬「デコピン」と行った始球式を見て「すごい賢いなと思う。いつかゴルフでもできるように特訓させたい」と静かに対抗心を燃やしている。
日本シリーズではメジャー2勝目を目指す。「去年出て、このフィールドで勝ちたいと思った。グリーンは傾斜が強いし速いけど、コースは自分には向いている」と自信をのぞかせた。主要スタッツでほとんど1ケタ順位を記録するオールラウンダー。優勝で今季を締めくくり、大阪で待つ愛犬2匹に賞金王の吉報を届ける。(富張 萌黄)
2024年11月14日 05:00
「女子ゴルフ・大王製紙エリエール・レディース」(14日開幕、エリエールGC松山=パー71)
女子ゴルフの大王製紙エリエール・レディースは、14日に松山市のエリエールGC松山(6575ヤード、パー71)で開幕する。今季限りでツアー撤退を発表している上田桃子(38)=ZOZO=は13日、プロアマ戦でコースを回り、最終調整を行った。
今週が“ラストゲーム”になるかもしれない。最終戦は今季優勝者や、ポイントランキング上位の40人までが出場できるエリート大会。上田は今大会で8位以内に入らなければ次週に進めない可能性が高い。
それにもかかわらず感傷的になるわけでもなく「プロゴルファーだから、結果はありき」とゴルフに向き合う姿勢はいつも通り。不調に首をひねりながらも「泥くさく、自分は元々そうやってきたので、それで戦うしかない」と力強く語った。
あくまでも精いっぱい上田らしく戦い抜く。最後を楽しむのではなく、最後まで真剣勝負。「自分の持っているものを全部出しきって、何とか来週につなげたい」と表情に覚悟をにじませ、最終戦まで駆け抜ける。
2024年11月13日 17:58
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス プロアマ戦(13日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
今季初の日本ツアー出場で2014年大会覇者の松山英樹(LEXUS)は開幕を翌日に控えたこの日、プロアマ戦で18ホールを回り、調整した。
2024年11月13日 17:30
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス プロアマ戦(13日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
今季4勝で賞金ランクトップの平田憲聖(エレコム)はプロアマ戦後に取材に応じ、「自分のベストを尽くして、上位で争いたい。ビッグスコアをバンバン出すようなコースじゃないと思うので、60台をコンスタントに出し続けたい」と意気込みを語った。
昨年は3日目に4位に順位を上げた末の7位だった。コースとの相性は悪くない。「広いコースよりは狭いコースの方が好き。その点は相性がいいのかなあ。苦手意識はあんまりないけど、明日から苦手になっているかも」と笑いを誘いつつ、攻略の鍵にティーショットを挙げた。「林に行っちゃうとボギーが濃厚。フェアウェーから打てれば、ある程度スコアを作っていけそうなコースなので、そこは大きいポイントになる」と話した。
前週の三井住友VISA太平洋マスターズは47位に終わり、賞金王レースで2位の金谷拓実(Yogibo)に約700万円差まで詰め寄られた。「焦りとかはない。あんまり2位以下(の金額や差)も見ていない。自分のゴルフをするだけ。自分のゴルフをして、いい順位で終えたら結果は必然的についてくる。今はそこだけを目標にやっている」。ポーカーフェイスを崩すことなく、目の前の一打に集中する。
2024年11月13日 16:45
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス プロアマ戦(13日、宮崎・フェニックスCC)
前年覇者でツアー史上初のアマとプロでの2年連続優勝を狙う杉浦悠太(23)=フリー=が会場で会見に出席し、「この試合に早く行きたいなと思っていた。この大会は連覇自体が少ないと聞いているので、連覇したい」と意気込みを語った。4大メジャー覇者でもあるタイガー・ウッズ、ブルックス・ケプカ(ともに米国)らに続く大会史上6人目の連覇を目指す。
アマチュアとして参戦した昨年とは、立場が大きく変わった。11日に宮崎空港に到着した際、歓迎セレモニーでブーゲンビリアのレイをかけてもらった。12日の前夜祭では、ディフェンディングチャンピオンとして登壇した。「すごく去年の優勝を思い出させてくれるイベントがたくさん。またここに戻ってこられてよかった」と感慨深げな表情を見せた。
昨年の優勝直後にプロ転向を宣言した。この1年で飛距離は伸び、ショットの精度も向上した。「しっかり振って距離を合わせることができるようになった。緊張した時に大きい番手で合わせがちだったが、番手通りの飛距離をしっかり打っていくようなスイングができるようになった」と成長を実感。3週前に千葉で開催された米ツアー、ZOZOチャンピオンシップでは、日本勢最上位の6位と健闘した。
現在の賞金ランクはトップの平田憲聖に約4700万円差の7位につけている。今大会を含む残り3試合はいずれも優勝賞金が4000万円の高額大会のため、逆転の可能性を十分に残す。「今年、賞金王を目指してやってきた。いい状態で残りの試合を迎えられるので、目指したい。この大会のイメージはすごくいいので、優勝だけを目指して。無謀なことはしたくないけど、できる限り攻めたい」。日本勢では尾崎将司以来2人目の連覇から、逆転キングへと加速する。(高木 恵)
◇過去の大会2連覇以上
・ラリー・マイズ(米国) 1989、90年
・尾崎将司 94、95、96年
・タイガー・ウッズ(米国) 2004、05年
・ルーク・ドナルド(英国) 12、13年
・ブルックス・ケプカ(米国) 16、17年
2024年11月13日 15:09
◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス プロアマ日(13日、愛媛・エリエールGC松山=6575ヤード、パー71)
前週、21歳222日の年少3位で初の年間女王を決めた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)は「初めて年間女王を取れたのでうれしい気持ちでいっぱいですが、今週はリセットしてまた頑張りたい」と意気込んだ。
先週の伊藤園レディスは今季4度目の予選落ちで、ツアー史上初めて女王が会場に不在の中、異例のリモート会見が行われた。「最終日にいなかったので、そこは悔しかった」。
今季は8勝を挙げ、年間獲得賞金は2億5263万16円で、単年でのツアー最高額となっている。シーズンでは、20―21年の統合シーズンに稲見萌寧が記録した最高記録に、あと約256万円に迫っており、今週8位(300万円)で更新となる。
「まずは4日間、しっかり自分の力を出して、最終日に優勝争いをできればと思う」と気を引き締めていた。