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2025年02月03日 17:01
プロフィギュアスケーターの浅田真央が31日、東京・立川駅北口エリアの複合施設「グリーンスプリングス」で開幕したプロジェクションマッピングイベント『Tachikawa Twinkle Garden(タチカワ・トウィンクル・ガーデン)』に登場した。
このイベントは、東京都が推進するプロジェクションマッピングを活用した地域活性化の一環として開催され、多摩地域では立川市で初の試みとなる。1月31日から2月2日までの3日間、18時から21時の間に計6回、幻想的な映像が投影される。テーマは「1冊の絵本」。多摩地域の自然や伝統、アール・ブリュット作品などを織り交ぜたコンテンツが展開される。
さらに、今回のイベントではプロジェクションマッピング映像に加え、二つのコンテンツも追加で用意されている。一つ目は、日替わりパフォーマーによるプロジェクションマッピングと連動したパフォーマンス。二つ目は、観客が参加できる「お絵かきマッピング体験」だ。
浅田もこの体験に挑戦し、自身が描いたイラストが巨大な壁面に投影された。「私の絵のタイトルは『フィギュア』です。左上にはスケート靴を描きました。背景の模様は、フィギュアスケートがもともと正確な図形を描くスポーツであったことを表現しています」と説明した。
また、「フィギュアスケートの歴史を多くの方に知ってもらえたら嬉しいです。この体験はお子さんに、おすすめしたいです。絵を描く楽しさに加え、自分のイラストが大きな壁面に映し出される感動も味わえます。私もこの体験を通して、皆さんの仲間入りが出来たと思っています」と笑みを広げた。
▲ 演技を終えたかのようにポーズを決めた、浅田
▲ 壁面に映し出された浅田のイラスト。左上の箇所にスケート靴が描かれている
▲浅田は、大勢集まった ファンに手を振って挨拶した
2024年12月20日 16:20
「フィギュアスケート・全日本選手権」(20日、東和薬品ラクタブドーム)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、2010年バンクーバー五輪代表の織田信成(37)=大阪スケート倶楽部=が11年ぶりの出場を果たし、会心の演技で今季ベストの84・53点をマークし、堂々5位につけた。フリーも最終グループでの演技となる。今季限りの引退を表明しており、21日のフリーが全日本ラストダンスとなる。
最終組の6分間練習で名前が呼ばれると、この日1番の大歓声に包まれた。SPは「国民的盛り上げソング」の「マツケンサンバ2」で盛り上げた。冒頭の4回転−3回転の連続トーループを降りると、その後もトリプルアクセル、3回転ルッツとジャンプも決め続けた。サンバのリズムに引き込まれた観客も手拍子とともに大熱狂。圧巻の内容で演技を終えると、両手を突き上げるマツケンサンバのポーズをしながら歓声に応えた。得点を待つキス&クライで思わず男泣きした。ジャンプはすべて加点付きで決め、構成点も上々のスコアを並べた。取材エリアでも「家族も見に来てくれてたくさん応援にきてくれていた。歓声がすごく力になってたくさん手拍子をいただいて感謝。4回転ジャンプを成功したいというプレッシャーで終わったあと感極まってしまった」と涙。37歳の挑戦に「年齢はただの数字。年を取ったからできないことはないとやってきた。今日は一歩近づいた」と、うなずいた。フリーでも4回転ジャンプに挑戦する予定で「若い子たちの力を吸収しつつ負けないように頑張りたい。入賞を達成できるようにフリーも頑張りたい」と、見据えた。
今大会の男子最年少は10年1月29日生まれの14歳・高橋星名(木下アカデミー)。天下統一を示す10年10月1日に生まれた長男信太朗くんも14歳で、37歳の“戦国武将”は息子とおない年の選手と銀盤で鎬を削った。
19日の公式練習の後には、取材中に子供の話題になるとまさかの号泣。「ちょっと待ってなんで泣いてるの〜。ここで泣くつもりじゃなかった。ちょっと嫌や〜」と自身に突っ込んでいた。“泣きキャラ”として知られるが、開幕前日から涙腺が緩んでしまったことで、「(選手が得点発表を待つ)『キスアンドクライ』が「『クライアンドクライ』になるかも」と苦笑いだった。
2024年12月19日 16:15
12月16日、2024年5月に現役を引退し、プロに転向したフィギュアスケーターの宇野昌磨(27才)が『ネプリーグSP』(フジテレビ系)に出演した。話題を集めているのは、宇野との交際を公言しているフィギュアスケート女子の2016年世界ジュニア女王・本田真凜(23才)と初共演を果たしたことだ。
【写真】宇野昌磨との交際は継続中!ほっぺハートのポーズをする本田真凜。他、笑顔でファンに手を振る羽生結弦なども
出演したネプチューン・堀内健(55才)に「2人でテレビ出るの初めて?」と質問されると、顔を見合わせアイコンタクト。本田さんが「だね」とうなずくなど、ラブラブな一面を見せた。
一方、とあるフィギュアスケート関係者が指摘するのは、宇野のお疲れ顔だ。
「宇野さんは12月に入り、本田さんと共演したバラエティ番組以外にも、『ぽかぽか』(13日)、『すぽると!』(15日)、『ホンマでっか!?TV』(18日)と多くのテレビに出演しています。慣れない環境での仕事が続き、疲弊しているのでしょう。彼が出演しているのは、すべてフジテレビの番組。精力的にフジテレビの番組に出演するのは、番宣のためなのです」
宇野は、12月19日に開幕が近づいている、『全日本フィギュアスケート選手権(フジテレビ系・以下、全日本フィギュア)』のスペシャルアンバサダーを務めているのだ。前出のフィギュアスケート関係者が話す。
「フジテレビがここまで全日本フィギュアの宣伝に積極的なのは、現役選手にパッと目をひくスター選手が不在だからではないかと……。実力的には粒ぞろいですが、お茶の間にまで浸透している選手が少ないのです。
かつては放送すれば2ケタの視聴率は固く、“ドル箱コンテンツ”ともいわれた全日本フィギュアですが、ここ2年ほどで視聴率はがた落ち。昨年は6〜7%を推移する結果となりました。原因のひとつが、羽生結弦さん(30才)や浅田真央さん(34才)など、誰もが知るスケーターの不在だといわれています」
2012〜2023年の全日本フィギュア男子シングルでは、羽生と宇野がそれぞれ6回ずつ優勝を飾っており、実に12年もの間、この2人だけで優勝を奪い合ってきた。
「宇野さんは男子シングルを率いてきた2強の1人です。彼が宣伝をしてくれることは本当に頼もしいのですが、関係者のなかには、羽生さんにも協力してほしいという思いを持っている人が、少なくないと思います。羽生さんは、現役時代、試合にいるといないとではチケットの倍率も視聴率も格段に違う、といわれたほど『数字を持っている』方ですから」(スポーツ紙記者)
しかし、当の羽生は、競技会への未練は少しもないようだ。
「羽生さんは、ルールに縛られず、思いのすべてを自由に表現できるいまの環境に、充実感を覚えているようです。日々自己研鑽を積む羽生さんが、競技のアンバサダーとして活動するということは、いまの時点ではなかなか難しいかと思います」(前出・スポーツ紙記者)
現役引退後の進路は人それぞれだが、羽生が競技会にもたらしていた熱狂が恋しい。
2024年12月14日 18:29
フィギュアスケート女子で10年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央さん(34)が14日、自身のインスタグラムを更新し、ともにフィギュアスケート界の時代を築いたレジェンド3人でテレビ番組に出演したことを報告した。
2024年12月02日 11:00
転売ヤーが商材にするものといえば「PS5」や「ガンプラ」などを思い浮かべるが、実は日本を代表するフィギュアスケーター「羽生結弦」グッズもその標的になっていたことはご存知だろうか。ここでは羽生結弦グッズを中心に狙う「ある中国人女性L」の転売ビジネスに密着。300万円を荒稼ぎしたその手口とは? ライターの奥窪優木氏の新刊『転売ヤー 闇の経済学』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
【写真】高額転売された「羽生グッズ」、赤いマフラー姿が美しすぎる「離婚した妻」の写真をすべて見る
転売ヤーが羽生結弦グッズに目をつけた理由とは? ©getty
◆◆◆狙われた「羽生グッズ」
転売のターゲットになるのは、PS5のようなメジャー商品ばかりではない。一部の層で熱烈な需要がある、いわゆる「ニッチ商品」こそ、転売によって大きな利ザヤを得ることができる。
“柚子”グッズもそのひとつだ。といっても柑橘類ではない。柚子とはフィギュアスケーターの羽生結弦の、中国での愛称だ。
彼が中国で人気者になった理由については諸説あるが、きっかけのひとつとされるのは2017年にヘルシンキで行われた世界選手権だ。入賞者の写真撮影の際、優勝した羽生は3位の中国人選手が持つ中国国旗が裏返しになっていることに気づき、直すのを手伝った。その映像が中国のネット上で広がったことで、好感度を一気に上げたといわれている。2022年の北京五輪前には、彼の動向が中国のSNS「微博(ウェイボー」でたびたびトレンド入りするほどの注目ぶりだった。
そして迎えた2022年の北京五輪。2014年のソチ、2018年の平昌と、2大会連続で金メダルを獲得した羽生だったが、4位に終わる。しかし、羽生の中国での人気は衰えるばかりか、ますます高まったようだった。
そんなタイミングで開催されたのが、「羽生結弦展2022」だ。羽生の写真や衣装、獲得したメダルなどを展示するイベントで、2022年4月から5ヶ月間にわたり、全国6ヶ所を巡業するものだった。
もちろん日本国内でも羽生人気は相当のもので、熱狂的なファンたちにとって、この展覧会はビッグイベントだった。展示内容だけでなく、会場内で販売されるという限定グッズも、垂涎の的だった。
2018年の平昌大会の直後にも、「応援ありがとうございます!羽生結弦展」なる展覧会が開催された。その際には、多数の転売ヤーが会場に詰めかけていたことが、SNSなどで報告されている。フリマサイトでも、定価800円台の展覧会限定販売のオリジナルフィギュアの4種組み合わせが、会場配布のチラシ付きで5万5000円で出品されるなど、転売ヤーの暗躍ぶりがうかがえた。
今回は、コロナ禍の真っただ中で、人数制限が実施され、入場には公式サイトでの事前予約が必要になった。会場の日本橋郄島屋では、開催期間の20日間、朝から夜まで15分刻みで予約枠が設定され、開幕の3日前には、すべて予約済みとなっていた。羽生グッズを買い漁る「中国人女性L」
その限られた予約枠を手にしたのは、純粋な羽生ファンだけではなかったようだ。
日本橋郄島屋での羽生展の最終日、入場のための受付へと続く日本人マダムたちに紛れ、一人の中国人女性の姿があった。
在日中国人のL(30代)。アニメ関連グッズからアパレルブランドの限定商品など幅広いジャンルの転売を行っている。
L自身は、フィギュアスケートにも羽生にも全く興味がない。羽生グッズに目を付けたのは“マーケティング”の結果だった。
中国のSNS・微博には『超話』という機能がある。趣味や嗜好、悩みなど、ありとあらゆるテーマごとにコミュニティが作られており、参加者は自由に書き込みすることができる。Lはかねてから、このコミュニティを転売ビジネスのマーケティングに利用している。アニメやアパレルブランド新商品の販売情報をいち早く得ることができ、またどのくらいの人がその商品に興味を持っているか、需要の規模も手に取るようにわかるからだ。
北京五輪直後、Lは羽生結弦のコミュニティに150万人もの参加者がいることを知り、金の匂いを嗅ぎ取った。そして羽生結弦展の開催や、限定グッズが販売されることもそのコミュニティ内で知ったのだ。
〈仕入れ額は600万円、すべて売りさばいたときの利益は…日本で「200点の羽生結弦グッズ」を買い漁った中国人に見た「転売ビジネスのからくり」〉へ続く
(奥窪 優木/Webオリジナル(外部転載))
2024年12月01日 16:15
日本勢最多出場も、グランプリファイナルはゴールデンのTV放送なし
今シーズン、フィギュアスケート女子は日本人選手の独壇場だ。シニアの国際大会であるグランプリシリーズ(15か国の選手がエントリー)の上位6名で行われるグランプリファイナルに、5人の日本選手が出場することが決まったのだ。一つの国の選手が6人中5人を占めるのは史上初で、ロシア女子が席巻していた時代でも、4人の出場が最多だった。
【写真】期待の新星、上薗恋奈。14歳とは思えない艶と凄みを表現する
グランプリファイナルに出場を決めたのは、坂本花織(24)、樋口新葉(23)、吉田陽菜(19)、千葉百音(19)、松生理乃(20)、そして唯一の日本以外の選手は、アンバー・グレン(米国、25)である。
世界選手権3連覇中の坂本花織を筆頭に、強すぎる日本女子フィギュア。今シーズンは、国際大会がまるで「全日本」のような様相を呈しているが、強さに比例する盛り上がりを見せているかといえば、不思議なことに、そうともいえない。
人気の陰りを証明する一つが、地上波のゴールデンタイム枠の放送がなくなったことだ。浅田真央さんや羽生結弦さんらが競技者として戦っていたころは、グランプリシリーズの各大会はゴールデンタイム枠に地上波(NHK杯以外、テレビ朝日系列)で放送されていた。しかし、数年前から、深夜帯や朝などに移動した。とはいえ昨年まで、グランプリシリーズのハイライトである「ファイナル」だけは、ゴールデンタイム枠に放送されていた。
それが、今年、ついになくなったのだ。日本勢の表彰台が確定しているにもかかわらず(6人中5人出場なので)、公式サイトの発表によると、グランプリファイナルはゴールデンタイム枠に放送されない※。
※グランプリファイナルの放送予定 テレビ朝日系列
女子ショート・ペアショート/12月6日(金) 深夜0時15分〜
男子ショート・女子フリー・ペアフリー/12月7日(土) 夜10時10分〜
男子フリー・エキシビション/12月8日(日)夜 11時15分〜
ちなみに今年から、シーズン開幕戦という位置づけで2006年から開催されてきたジャパンオープンが中止になってもいる。浅田真央さん、羽生結弦さんら、アイスショーは活況
日本女子のかつてない「強さ」が盛り上がりや人気の広がりに結びつかないのはなぜなのか。フィギュアスケートに詳しいライターの土田亜希子さんはこう解説する。
「東京で行われたNHK杯の会場はほぼ満席で、変わらず熱心なファンがいることは間違いありません。また、いまは有料の配信もあるので、地上波の放送よりも、配信を選択するファンも多いと思われます。
一方で、全盛期に比べて、フィギュアスケート競技のファンが減っているのは確かだと思います。理由には大きく3つあると考えられます。一つは、アイスショーの増加です。趣向を凝らし、競技さながらのジャンプを披露するなど、質の高いアイスショーが増えたことで、競技よりショーを見るようになった、という人がいます。浅田真央さん、羽生結弦さん、高橋大輔さん、宇野昌磨さんら、競技から引退した人気スケーターを見たい、という人も少なくありません」
この11月に、浅田真央さんは自身の拠点となる『MAO RINK』をオープンした。また、グランプリファイナルと同時期に、羽生結弦さんが出演&制作総指揮のアイスショー、ICE STORY第3弾「ICE STORY 3rd―Echoes of Life―TOUR」が開催される(12月7日から埼玉、広島、千葉で開催)。ロシアの不在、紀平梨花はケガで長期離脱の不運
しかし競技には、アイスショーにはない、スポーツとしての魅力がある。世界最高峰の戦いであるがゆえの緊張感やプレッシャーのなかで、選手たちが高みや勝利を目指して演技する姿に、ファンは心を揺さぶられ、応援するのだろう。だが今、さまざまな理由から、「世界最高峰の戦い」が揺らいでいると石田氏は指摘する。
「一つにはロシアの不在です。ロシアによるウクライナへの侵攻後、国際スケート連盟は、ロシアとベラルーシの選手の国際大会への出場を禁止しました。女子フィギュアを牽引してきたロシア選手が国際大会に出ていないから、日本選手が勝てているのではないか、という声はSNS上にも見られます」
昨年のロシア選手権(国内大会)で優勝した4回転ジャンパーのアデリア・ペトロシャンや、ジュニアの世界最高得点を持つソフィア・アカチエワは、現在ともに17歳で、成熟したスケーターに成長しつつあるものの、シニアの国際大会に出場できていない。彼女たちと坂本らの戦いを見たい、と思うファンがいてもおかしくはない。日本選手の活躍はうれしいものの、日本選手以外の活躍も見たいというのも、ファンの本音なのだ。
また、ロシア女子に対抗してきた紀平梨花選手は、ケガによって競技から長期離脱している。紀平の復活を待ち望む声も大きい。17歳ルールにより、ハイレベルな戦いはジュニアの舞台へ
石田氏がポイントとして挙げるもう一つが、シニアの主要国際大会に出場できる年齢が上がったことだ。これまでは「15歳」だったが、昨年の段階的引き上げ(「16歳」)を経て、今シーズンからは「17歳」になった。17歳以上でないと、グランプリシリーズや世界選手権、オリンピックなどの主要国際大会に出場できなくなったのだ。
「ISUは『選手の心身の健康を守る』ために、年齢制限を引き上げました。これによって女子の選手寿命が延びることは期待できますが、一方、若くして台頭した選手は、ジュニアだけで戦うジュニア時代が長く続くことになります。
たとえば浅田真央さんは、14歳のときにグランプリファイナルを制して、一躍スターになりました。アメリカの国民的スターだったミシェル・クワンさんも15歳で全米選手権、世界選手権を制しています。女子のフィギュアスケートは、若い選手の活躍が見る者に鮮烈なインパクトを与え、ライトなファンを取り込んできたという歴史があったのですが、年齢制限の引き上げによって、こうしたドラスティックな展開は起こりにくくなるでしょう」
プログラムに組み込むジャンプの難易度で言えば、いま、日本選手の中でトップは15歳の島田麻央だ。トリプルアクセルと4回転を跳ぶ。ほかにもエモーショナルな滑りをする14歳の上薗恋奈など、ジュニア勢には次世代のスターがひしめいているが、17歳ルールによって彼女たちの国際大会デビューはしばらくない。そして島田は「17歳」に3か月満たないために、次のミラノオリンピック(2026年)に出場できない(五輪出場には、開催前年の7月1日時点で17歳以上がルール。島田は10月生まれ)。4回転時代は終焉し、遅咲きの選手が初表彰台の快挙も
過去7回のオリンピックを振り返ると、フィギュア女子は、17歳以下の選手が、7回中5回の大会で金メダルに輝いている。17歳ルールは、長年続いてきた女子フィギュアスケートの在り方を大きく変えたと言えるだろう。
「これまで以上に、成熟・安定した技術と表現を競う競技になったと言えます。ですから、高難度ジャンプに挑戦する選手を見たいと考えるファンには物足りない面があるかもしれません。とくに日本には伊藤みどりさん、中野友加里さん、浅田真央さんらがつないできたジャンプの歴史がありますから。もちろん、今もトリプルアクセルや4回転ジャンプを跳び続けている選手もいますが、必ずしも高難度ジャンプがなくても勝てる競技になりました。そうなると、リスクをとって高難度ジャンプを跳ぶよりも、演技の質や安定感を追求する方向へシフトするようになるでしょう。実際、先の中国大会で、4回転ジャンパーの住吉りをん選手は、「勝つために」4回転を封印する決断を下しました。
一方、グランプリシリーズ(NHK杯)で初メダルを獲得した22歳の青木祐奈選手のように、遅咲きのスケーターが活躍するようになったのは、ISUのルール改正の狙い通りなのではないでしょうか」
北京五輪までの4回転時代は終わりをつげ、フィギュア女子は成熟・安定を競う時代へ。人気選手の競技引退のみならず、ルール改正や世界情勢によっても、フィギュアスケート競技は大きく変化している。
2024年11月24日 06:00
〈「お高くとまっていては、廃れていってしまう」引退から10年…元フィギュアスケーター町田樹(34)が研究者になった理由とは〉から続く
2014年末にフィギュアスケート競技者を引退後、研究者をはじめとして言語表現の分野で広く活躍する町田樹さん(34)。“氷上の哲学者”と呼ばれた町田さんが、「競技する身体」を支える言葉の力について語った、「文學界」のインタビューを特別公開します。
【画像】現在は大学教授!黒タートルにジャケットを着こなすスマートな姿&現役時代の秘蔵写真も…町田樹さんの写真を全部見る(写真多数)
現在國學院大學で教鞭を執る町田さんを驚かせた、学生たちのある反応とは……?(全3回の2回目/続きを読む)
初出:「文學界」2024年3月号 2023年12月21日収録
町田樹(まちだ・たつき)/1990年生まれ。スポーツ科学研究者。國學院大學人間開発学部准教授。フィギュアスケート競技者としては、2014年ソチ五輪個人戦・団体戦でともに5位入賞、同年世界選手権で準優勝を収めた ©文藝春秋 撮影/石川啓次
◇◇◇大学で、町田さんの“持論”を揺るがす出来事が…
町田 私は競技者としても、研究者としても、言語表現が至上……と言うとやや語弊がありますが、少なくとも、言語がすべての表現のベースになっている、という意識があります。ですが時折、そうした持論を揺るがされる事例に出くわすことがあります。
例えば、私が教えている國學院大學の健康体育学科の学生たちの中には、現役のアスリートがたくさんいるのですが、彼ら・彼女らからリアクションペーパーを取ってみると、私の考えに概ね納得してくれるものの、「言語で理解する」ということに対して「言語に縛られてしまう」という感覚を抱く人も決して少なくないことが判明したんです。私は、間違ったコツを言語化することでパフォーマンスが低下する、という可能性は考えていましたが、言語によって自身の身体が固定化してしまうという発想はまったくなかった。なるほど、そういう考えもあるのだなと目から鱗な体験でした。
言語や表現の精度をターゲットに向けて絞っていく
――それは、「言語を信用し切れない」ということなのでしょうか? 最終的に使うのは自身の身体なわけで、そちらの方への信頼が大きい、というような。
町田 日本ではよく、何かを体得することを「身体で覚える」「身体に叩き込む」と表現するので、やはりそうした感覚が優位なのかもしれません。また、そもそも言語表現に親しみがあるか否かでも、だいぶ変わってくるでしょう。いずれにせよ、私としては、だからこそ言語との深い信頼関係を取り結ぶための努力をよりすべきなのでは、と考えます。身体構造を学ぶと身体のことをよりよく言語化できるように、言語や表現の精度をターゲットに向けて絞っていく、その弛まぬ努力によって、言語は自分の血肉となっていくと思うのです。
とはいえ、これまで身体やその運動を言語化するということに注力してきた私ですらも、フィギュアやバレエの振付をする中で、動きのニュアンスやタイミングを他者に伝えることは至難と感じているのも、また事実です。自分が動けるのであれば、実際にお手本を見せて、それをコピーさせる方が早い場合もある。最近悟ったことは…
――近年、YouTubeの動画を見てやり方を知る、という学習法が一般化して久しいですが、あれも「お手本+コピー」ですね。
町田 まさに。実際、何かを見て「まねぶ(=真似る+学ぶ)」ことの効果というのは、想像以上に大きなものです。まわりに上手い選手がいて、その人を見ながら育った選手と、そういう人がいない環境で育った選手とでは、伸び率にかなりの違いが出るということも判明しています。
だから最近私が悟ったのは「想いは、必ずしも伝わり切らなくてもいいのかもしれない」ということです。踊りの動きを創造することを「振付」、それを他者に教えて踊らせることを「振り渡し」と言います。「振付」は、他者に「手渡されて」いるのです。
「適度に諦める」というのも悪いことではない
振付家である私の想いが演者に完璧に伝わって、寸分違わぬ動きが可能になったとして、それは果たして面白いことなのか。それなら、振付家が自ら踊ってしまえばいいのでは? という見方もできなくはありません。だからこそ、「適度に諦める」というのも悪いことではないと思える。もちろん許容範囲というものはありますが、良い意味での認識の誤差は、むしろ演者のオリジナリティであるとも言えます。
「伝わらない」ことを受け入れて、それを一種の「余白」「余地」として演者に手渡すことも、作品を作る上では大事なことなのではないか、そんなことも考えるようになってきました。そうやって、理論と実践の絶え間ない往還が続く中で初めて可能になるのが、私にとっての言語表現なのかもしれませんね。
――町田さんが持つ「言語」をまとめると、大きく3つに分けられるように思います。競技経験者/作り手としての言語、解説者としての言語、そして研究者としての言語です。これらの違いについて、意識されていることがあれば教えてください。一番大きなポイントとなる“視点”
町田 一番大きなポイントは、「主観」「客観」という視点かもしれません。あるいは、そのバランス感覚と言いますか。競技者/作り手としての言語表現には、おそらく多分に主観が入ってくるでしょう。というか、入らざるを得ない。その作品を解釈するのも、実際に演じてみせるのも「自分」ですから。言うなれば、自分が理解できるように言語化し、それでもって自分自身に語りかけるわけですね。
解説者は、目の前で起こっているパフォーマンスという現象を観客という他者に向けて語るわけですが、出発点は「自分がどう感じたか」なので、やはり主観です。ですが、伝える相手がいる以上、常に自分の主観が正しいかどうかを客観視する視点が不可欠になります。
研究者としては――これはTPOや題材によっても変わってきますね。近年私は比較文学的なアプローチを取ることが多くなっているのですが、そのような領域で作品分析をする時は、客観的に論じることに気を配りつつ、少なからず主観や、自身の思想のようなものも入ってくる。でも、それらは単なる主観ではありません。背景に、私がこれまで学んできた学術的知見があり、研究に裏付けられた客観性がある。そうでなければ、批評は批評たり得ませんからね。これは解説の仕事などにも通底するものがあり、いわば、主観を入れるからには、入れる根拠を示すための準備をすべし、ということでしょうか。
――今年(2023年)芥川賞を受賞した市川沙央さんの『ハンチバック』が、側弯症を患う重度障害者を主人公にした作品だったことに象徴されていますが、文学の世界では今、身体表現に注目が集まっている現状があります。そして、文学・小説一般における身体というのは、常に「何かに照らされた」結果として生じてくる、という側面があるのではないかと思うんです。例えば、「障害」や、あるいはスポーツ小説における「競技」などを通して、それ固有の身体が言語化されている、というイメージです。逆に言うと、そうした“何か”がなければ、身体の言語化は容易ではない、とも言えなくはない。
「言語がすべての表現のベースになっている」という思想を持つ町田さんにとって、言語化が難しい身体、あるいは、言語からこぼれ落ちてしまうような身体性を実感されることはありますか。(#3につづく)
〈「スポーツ解説には空虚な言葉が蔓延しているので…」元フィギュアスケーター町田樹(34)が明かした“スポーツ界への危機感”と“新たな挑戦”〉へ続く
(辻本 力/文學界 2024年3月号)
2024年11月21日 04:00
プロフィギュアスケーターの羽生結弦が、「Haier(ハイアール)」および「AQUA(アクア)」の両ブランドのブランドアンバサダーに就任した。
2024年10月15日 22:50
フィギュアスケート女子の元世界女王で、18年平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(24)が14日、自身のインスタグラムを更新し、グッと大人びた姿を公開した。
競技から遠のいて役5年。大人なメイクで黒の衣装を着こなし、美しいポニーテールを揺らす様子にコメント欄では「完璧なレディに」、「崇高な美しさ」、「信じられないほど美しい首」、「上品で優雅」と賛辞の声が並んでいた。
2024年07月12日 09:20
プロフィギュアスケーターの村元哉中さん(31)との不倫疑惑を一部で報じられたフィットネストレーナーのレイシー達也氏が12日までに、自身のインスタグラムで謝罪した。
レイシー氏は「この度は、週刊誌の報道がございますように私(達也レイシー)の行動により、関係者の皆さまに、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを謹んでお詫びいたします」と謝罪。「報道に一部誤りがあるものの、自分自身の甘さが招いた事実はしっかりと受け止め深く反省しております。今後はご批判を受け止め、責任を持って自覚ある行動に努めてまいります。改めまして、ご迷惑とご心配をおかけしたことをお詫びいたします」とした。
村元も11日、自身のホームページに謝罪文を掲載。「この度は私の軽率な行動により、応援してくださるファンの皆さま、スポンサーの皆さま、関係者の皆さまに、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。報道に一部誤りがあるものの、これもひとえに私のプロスケーターとしての自覚の低さ、自分自身への甘さが招いた事態であり、弁解の余地はございません。今後は全てのご批判を真摯に受け止め、自覚ある行動に努めてまいります。改めまして、この度は、ご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
2024年07月11日 13:28
フィギュアスケート・アイスダンスの村元哉中さん(31)が10日、公式サイトを通じ、同日に「文春オンライン」が報じた不倫疑惑について謝罪した。所属会社も「事実と確認いたしました」と報道内容を認めた。今月にペアの高橋大輔さん(38)とともに出演を予定していた氷上ミュージカル「プリンスアイスワールド」主催者側は、スポニチアネックスの取材に応じ「出演予定に変更はありません」と回答した。
「文春オンライン」はこの日、村元さんが妻子あるトレーナーを自宅マンションを招き入れて一夜を過ごしたと報じた。
村元さんの所属会社は「報道に一部誤りがあるものの、誤解を招く行動をとったことは事実と確認いたしました」と認め、村元さんも「報道に一部誤りがあるものの、これもひとえに私のプロスケーターとしての自覚の低さ、自分自身への甘さが招いた事態であり、弁解の余地はございません」として謝罪した。
村元さんは2020年に、高橋大輔さんとカップルを結成し“かなだい”として人気を博した。今月13、14の両日に西原商会アリーナ(鹿児島アリーナ)で開催予定の氷上ミュージカル「プリンスアイスワールド」にペアでの出演が決まっていた。
2024年06月20日 17:00
5月22日から、東京・銀座の『グッチ銀座 ギャラリー』にて、自身をフィーチャーした写真展が開催されているフィギュアスケーターの羽生結弦。
2024年06月14日 09:20
プロフィギュアスケーター・宇野昌磨の弟でタレントの宇野樹がオープンしたドッグカフェ「UNO cafe」の公式インスタグラムが、14日までに更新され、昌磨と本田真凜の2ショットを公開した。
【写真あり】お似合い!宇野昌磨&本田真凜の愛犬との幸せデートショット
公式アカウントは「先日、昌磨と真凜ちゃんにご来店いただきました」と報告し、交際を公表している昌磨と真凜のデートショットを投稿。「Emmaトロも一緒に(カメラの絵文字)ありがとうございます」とそれぞれの愛犬を連れて来店したことを明かした。
また、昌磨と真凜もそれぞれの公式インスタグラムを更新。昌磨は「美味しかったよー」、真凜は「素敵な場所へ」とつづり、愛犬との写真を披露した。
この投稿には「すてきカップル」「お2人とも良い笑顔〜」「お似合い」「見てるだけでしあわせ」「癒やされました」といった声が寄せられている。
2024年05月26日 10:13
プロフィギュアスケーターでタレントの村上佳菜子が25日、インスタグラムを更新し、新婚の夫と念願のかき氷店を「始めました」と報告した。
村上は「豊と一緒に、かき氷屋さんを始めました!!」と報告。「とはいっても、まだ店舗があるわけではなく…イベントに出展するだけの時々現れるかき氷屋さんです」(原文ママ)と常設ではなく、イレギュラーで出店する形であると説明した。
店名は、お散歩を意味する「こおりのPOPPO」。かき氷を食べるために散歩をしたり、お散歩のついでに食べることなどを意識したといい「2人で考えたお店の名前です」ともつづった。
「ただ、豊も私もお仕事があるので、頻繁に出店する事は難しいですが、ちょこちょこと2人で頑張っていきたいと思っています!!」と意気込みも記していた。
村上は大のかき氷好き。夫は、村上が行きつけだったかき氷店で働いていたことがきっかけで、交際に発展し、今年の3月15日に結婚した。
2024年05月18日 06:30
フィギュアスケート元世界女王・浅田真央(33)。2017年に引退後の現在はプロスケーターとして活躍中だが、いまだ浮ついた話も流れてこない。姉である浅田舞は2月に文春オンラインで熱愛が報じられ、ワイルド系カレシとのコンビニ前路チューが激写された。4月11日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演したときには、左手薬指に指輪を着けていたことも話題に。その一方で、真央の結婚は一体どうなっているのか。
【写真】「ほぼ見えてない?」“胸元ざっくり衣装”を着こなす姉・浅田舞結婚とはほど遠い発言の浅田真央
昨年2月に出演した『おかべろ』(フジテレビ系)で、結婚を考えていた彼氏と破局したことを告白した真央。その際には《一人が楽であったりとか、一人の時間も好きなので。一緒に生活するというのが、そこまで行くのに相当「よし!」ってならないと、できないんじゃないかな》と、結婚とはほど遠い発言も飛び出していた。視聴者からは、
《真央ちゃん良い人見つかるといいんだけど》
《真央ちゃんならいい人絶対見つかるから諦めないで!》
といった心配の声があがっている。
「浅田真央さんには、少し理想が高い部分があるのかもしれません。昨年5月に出演した『A-Studio+』(TBS系)では、《イケメンで背が高くて性格がいい》男性がタイプだと発言しています。世界で戦ってきた真央さんだからこそ、恋人や結婚相手に求めるものは多そうです」(芸能ライター)
同番組内では、《ちょっと前に最後にもう1回頑張ってみよう!って頑張ったんですけど、やっぱり無理だったので、結婚はちょっと無理かなって正直思ってます》との発言も。恋愛や結婚に興味はありつつも、向いていないことを吐露している。姉妹の家が庭で繋がったスタイルの家に住みたい
「結婚間近ともささやかれる姉の舞さんとの姉妹仲はとても良いようです。昨年の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、《この先、もし私たちに結婚というチャンスが巡ってきたのであれば、お互いすごく近くに……》と舞さんが語っていました」(前出・芸能ライター)
将来的に結婚することがあれば、姉妹の家が庭で繋がったスタイルの家に住みたいとも同番組で語っていた舞。それを理解してくれる男性と巡り会いたいとの発言も。お互いが庭で繋がった家に住みたいというのは姉妹共通の夢のようだが、結婚相手に求めるものとしては少しハードルが高そうだ。
また、ものまね芸人のキンタロー。が真央のモノマネを披露した際、熱狂的なファンに脅されたことが3月11日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で明かされている。
炎上どころか身の危険を感じるほどだったらしく、結局キンタロー。は真央のモノマネを封印することに。このファンの濃さも真央の結婚のハードルになっているのかもしれない。
今年で34歳になる真央。日本を熱狂させたフィギュアスケーターだからこそ、今後はどんな恋愛をしていくのか、結婚する予定はあるのか気になる人も多いだろう。ただ、どんな形であれ幸せになって欲しいとみんなが願っているに違いない。