2023年03月25日 21:45
日本代表「侍ジャパン」の3度目の世界一で幕を閉じたWBC。3大会連続の1次ラウンドで敗退となった韓国では、再興に向けて、日本野球界を参考にしようとする動きが出ている。 韓国メディア「スポーツソウル」は、MVPを獲得した大谷翔平が高校時代に作った目標達成シートについて「参考にすることも1つの方法」とし、「韓国野球の世界制覇を大目標として、目標実現のための細部目標を定めていく。これは膨大な作業でKBOや10球団の意志だけで成し遂げられる問題ではない」とし、政府、教育界、産業界を巻き込んでのアイデア作りを提案した。 また別の記事では「韓国野球のための『危険な提案』」とし、「既存の枠組みを破らなければならない。WBCを通じて、我々は限界を見た。日本との格差は計り知れない」と厳しく韓国代表を断じ、日本との野球インフラの違いを指摘。日本との対抗戦や親善試合のほか、「次善策として挙げたいのが『指導者研修』だ。米国もいいが、日本に行くのはどうか。MLBは先進だが、身体条件が違う。日本は自分たちのノウハウを米国の野球によく適応させている。よく投げ、よく打つことができる『方法』を知り、練習している。私たちも従う時だ」と、提案した。
2024年03月29日 23:09
「ヤクルト7−4中日」(29日、神宮球場)
高津ヤクルトが逆転勝利で、開幕戦を白星発進。主将・山田が下半身の違和感で途中交代する緊急事態にも、一丸となった大勝利だった。
中でも走攻守全てで躍動したのが「2番・西川」だった。昨季楽天を戦力外になり、新天地で迎えた今シーズン。朝、開幕スタメンを高津監督から伝えられ、「本当にすごく長い1日だったなって思いますし、改めて1軍のプロ野球の試合って本当に素晴らしいもんだなっていうのは感じました」と一日を振り返った。
この日は1点を追う三回に同点犠飛を放つも、七回までは無安打。「最後まで僕だけヒット出てなかったんで、ミンゴ(サンタナ)がヒット打って、ちょっと焦りはあった」と心境を明かし、2点を勝ち越してなおも2死二塁から、目の前で塩見が申告敬遠された。
「冷静に考えて、塩見が歩かされるかなっていうのは自分の中で計算できていたんで。スイッチ入れて腹をくくっていくって感じですね。悔しい気持ちもありますし、なにくそっていう感じで、ここで打たなかったらっていう気持ちでいきました」。初球から振り抜き、右中間を切り裂く2点適時三塁打。主役を一振りでさらった。
同学年の山田は、西川にとってキャンプから何度も食事の席を一緒に過ごす特別な存在だ。「13年違うチームでやってきて、14年目にして同じチーム。色々刺激になる部分もあるし、勉強する部分もすごくたくさんあるんで。でもなんか一緒に野球ができる嬉しさっていうのはなんかすごく感じています」と話していた“友”が、三回から交代した。
ヒーローインタビューで西川は「哲人が早い段階で、まだわからないですけど、いなくなってしまったので」とスタンドを笑わせ、「みんなが哲人のためにもという声が出ていたので。あとで哲人にいい顔で会えるなと思います」と笑顔。胸を張って勝利を報告する。
2024年03月29日 22:57
「DeNA4−3広島」(29日、横浜スタジアム)
広島は逆転負けを喫し、開幕戦は2年連続の黒星発進。同点の八回、2番手・島内が代打・大和に1死満塁から勝ち越しの犠飛を浴びた。
打線は相手先発・東から三回に5連打などで、幸先良く3点を先制。だが、自身初の開幕投手を務めた九里が直後の三回、度会に同点3ランを被弾した。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。
−先発・九里は7回3失点と粘りの投球。
「初めての開幕投手で緊張もあったと思うけど、ナイスピッチングだった」
−球数89球での降板。
「開幕戦だから、そんなに疲労のね、疲れ方も(普段と)違うと思うし、初めての開幕だから。そんなに引っ張ろうと思ってなかった。最初からね」
−打線は好投手・東から2桁安打。
「ホント、みんなよく振れていた。開幕戦で緊張もあったと思うんですけど、みんなよくスイングできていた」
−小園は猛打賞。
「やっぱり彼は中軸として、1年間期待しているし、やってもらわないといけない選手なので。本当にナイスバッティングだったと思います」
−ファーストストライクを積極的に振りにいっていたのは、チームの方針か。
「そうやね。そこも去年(東投手に)4敗しているから。打撃コーチがいろいろ選手によって対応の仕方を伝えてくれていたと思う」
−今後も東と対戦が見込まれる。
「今年も途中から配球も変わってきた。ちょっとでもね、『今年は違うな』と思ってもらえたんじゃないかな」
−開幕戦初スタメンの田村は4打数4三振。
「もちろんね、彼もオープン戦とかでいいものを見せてくれているし、こちらも期待して出しているけど、そんなに簡単にやはり打てるものじゃないと思っている。これをいい経験にしてもらいたい」
2024年03月29日 22:56
プロ野球は29日、セ、パ両リーグで開幕し、巨人は4―0でセ・リーグ連覇がかかる阪神を破り、阿部監督の初陣を白星で飾った。
巨人4−0阪神(セ・リーグ=29日)――巨人は五回、梶谷の2ランなどで3点を先取し、八回に丸の適時打で加点。先発・戸郷ら4投手が、阿部監督の初陣で零封リレーを見せた。阪神は打線がつながらず。
◇ ヤクルト7−4中日(セ・リーグ=29日)――ヤクルトがシーソーゲームを制した。1点を追う八回にサンタナの適時打や西川の2点三塁打などで一挙5点を奪って逃げ切った。中日は3度のリードを守れず。
◇ DeNA4−3広島(セ・リーグ=29日)――DeNAは5年ぶりの開幕戦勝利。三回、度会隆輝(ENEOS)の3ランで追いつき、八回に代打・大和の犠飛で勝ち越した。広島は六回以降、無安打と打線が沈黙。
2024年03月29日 22:47
「DeNA4−3広島」(29日、横浜スタジアム)
広島の九里亜蓮投手が自身初の開幕投手を務め、7回8安打3失点。
2024年03月29日 22:45
「ロッテ1−4日本ハム」(29日、ZOZOマリンスタジアム)
ロッテの吉井理人監督が、この日の打順について「藤岡が出塁率が高いので、その後に長打を打てる選手を置いたら得点の可能性が高くなるかなと思ってそうしました。ビッグイニングを狙っている並べ方」と説明した。
この日の打順は、1番・藤岡、2番・ソト、3番・ポランコ、4番・山口。今後のクリーンナップの打順は「ゆくゆくは3番・外国人、4番・山口、5番・外国人みたいにしたいなと思ってます」と話した。
2024年03月29日 22:34
「ロッテ1−4日本ハム」(29日、ZOZOマリンスタジアム)
ロッテは開幕投手の小島が5回5安打3失点。開幕投手としての初白星を逃した。吉井理人監督は「次にまた期待したい」と話した。
小島は0−0の三回に無死一、三塁から田宮に先制の適時中前打を浴び、さらに自身の野選と内野ゴロで失点。そのシーンについて指揮官は「無死一、三塁で打たれた時点で内野も後ろに下がっていたので、いったん諦めてすんなりいってほしかったけど、1点やりたくない気持ちが強くて、結果的にピンチを広げてしまった。2点で収まって良かったけど、1つ間違えればビッグイニングの典型的な形。あれは小島の1番の欠点」と指摘した。
ただ、初回、二回は無失点に抑え、0−3の五回にも1死三塁のピンチを招いたが最少失点にまとめ、「それ以外は良かった」と評価した。
2024年03月29日 22:25
「ヤクルト7−4中日」(29日、神宮球場)
ヤクルトの山田哲人内野手が、三回に途中交代した。試合後、高津監督は「下半身に違和感を覚えたようで」と説明した。
「5番・二塁」で先発出場すると、二回の第1打席でいきなり中堅の頭上を越す二塁打でチャンスメークした。すると、続くサンタナの中飛では積極的な走塁を見せてタッチアップ。三塁へ到達し、本拠地をわかせた。
それでも得点には結びつかず、ベンチに戻る際には足を引きずるそぶりも見せた。
その後、三回表の守備時しばらくベンチから出てこなかったが、二塁へ。1イニング守備に就いたが、四回に打席が回った際に代打・武岡が送られた。指揮官は「あの1イニング守ってもう戻しました」と説明。今後については「今から帰ってどうなっているか、確認してからになりますね」と慎重な姿勢を示した。
チームはお立ち台で西川が明かしたように「哲人のためにもという声がベンチから出ていたので。哲人にいい顔で会えるなと」と主軸の離脱が奮起材料となっての逆転星。高津監督も「武岡もそうだし、赤羽もそうだし、並木の走塁もそうだし。途中から出ていった選手がよくつないだり、バントを絡めたり、よくできたと思います」と目を細めた。
2024年03月29日 22:23
「楽天0−1西武」(29日、楽天モバイルパーク)
自身初の開幕投手を務めた、楽天・早川隆久投手は7回2/3を1失点の好投も打線の援護がなく、初黒星。
2024年03月29日 22:16
「ヤクルト7−4中日」(29日、神宮球場)
ヤクルトの高津監督は八回の一挙5得点で開幕戦を取った。試合後「野球って不思議だなと思いましたね」と振り返った。
八回先頭の村上が遊飛に倒れたかと思われた。だが中日・ロドリゲスが打球を見失ったのか、まさかの落球。無死二塁となると、サンタナのタイムリーで試合を振り出しに戻した。
相手のバッテリーエラーで勝ち越しに成功すると、代打・西田の犠飛、さらに青木のタイムリーで一挙5得点のビッグイニングに。「相手のミスとかもあって、四球も絡めてね。ヒット2本で5点とったのかな。野球って不思議だなと思いましたね」と語った。
三回で途中交代した山田については「下半身に違和感を覚えたようで」と説明。今後については「確認してからになりますね」と語った。
2024年03月29日 22:11
「巨人4−0阪神」(29日、東京ドーム)
初陣を完封勝ちで語った巨人・阿部慎之助監督は「もう素晴らしいプレーでしたね」とたたえた。試合前のミーティングでは「ビクッとするから」とあえて言葉を発さなかった指揮官。選手を信頼しての開幕戦白星だったことを明かした。
以下、阿部監督との一問一答。
−梶谷の好プレー。
「もう、抜けたなーと思って。ちょっと捕ったところは見えなかったんですけど。もう、素晴らしいプレーでしたね」
−3番・ライトで起用。
「ずっと、オープン戦でも状態がよかったですしね。とにかく状態のいい選手を使っていこうというのをね、ヘッドとも相談しました。それがたまたまね、いい所で打ってくれたので、よかったですね」
−梶谷はFA移籍で苦しんだ。
「本当に、ついてない感じでずっと見えていたので。こちらはケガをさせないように、大事にうまく休ませながら使っていけば、元々、ポテンシャルはすごいものを持っている選手。こっちがうまくやりくりしてあげたら。とにかく1年間、ケガをせずにやらせるというのが僕らの仕事だと思っている」
−戸郷は6回無失点。
「球数が増えてきちゃったんで、初登板でね。丸のタイムリーがあったからこそ、終盤に楽になったと思います。とにかく戸郷は、結果的に粘り強く投げてくれたのでナイスピッチングでした」
−監督としての1勝。
「今日は今日ですからね。この1試合に勝つ為だけにやっていないので。最後、優勝するためにやっているので。その通過点かなと思います」
−先制点は三塁走者のゴロ・ゴーからだった。
「あれはギャンブルに変えて、それがよかったかなと思います」
−監督として迎えた今日1日。
「なんかすごくいい緊張感でやらせていただいたので、すごくうれしかったです。選手には、僕が勝つ為に考えるから、選手は思う存分、グラウンドでプレーして下さいと言ったからね。うまくハマってできたかなと」
−気合を入れる言葉は。
「言ってない。この前、激励会でみんなビクっとしていたから(笑)。そこは言わないで、キャプテンの岡本が『いこー』ってことで、言って始まりました」
−長嶋終身名誉監督もドームに。
「そうですね、期待していただいてね。来て頂いて、本当に嬉しかったです。この勝ちがね、ミスターの元気に繋がればいいかなと思います。やっぱり球場に来るとね、すごく元気になるので。急に喋る口調もハッキリし出したり、それくらい野球が好きだと感じますし、それが生きがいなんだなと感じています。うれしいです」
−試合前の練習で全員と握手。
「それはいつもやっていることなんで」
−リリーフも西舘、中川、大勢が。
「そういうのがあればあるほど、強いチームだと思っています。そこもしっかりと休養を取らせながら。全員がいまは調子がいいので、そこに誰を入れるのか、みなさん勝手に予想してください(笑)」
−佐々木も初安打。
「らしい、素晴らしいヒットが出たね。あのHのマークって、やっぱりお守りですから。これからもっと打席だったり、試合を重ねてみんなに認められる選手になってほしいと思います」
2024年03月29日 22:09
「ロッテ1−4日本ハム」(29日、エスコンフィールド)
日本ハムは快勝。新庄政権3年目にして開幕戦初白星となった。
会心の勝利に新庄監督は高笑いしながら報道陣の前に現れ、「ヨッシャー!」と雄たけび。高笑いを響かせ、「いやあ、良かったねえ。一回からの伊藤君のオーラ、落ち着きが去年と違う。安心感だらけ」と、快投の伊藤を絶賛した。
開幕投手を務めた伊藤は6回101球を投げて4安打無失点。スプリットを効果的に9奪三振を奪う好投を披露した。指揮官は「今日の伊藤君はでかく見えた」と満足げにうなずいた。
打線は三回に田宮の適時打などで2点を先制。五回には松本の適時三塁打で加点した。六回にはレイエスに来日1号ソロが飛びだし、加点した。
球団としては5年ぶりの開幕勝利。この話題には「5年前はおれ、バリにいたから。バリで犬の散歩してたんで」と爆笑を誘った。
格別の開幕戦勝利に「今日負けてたら143分の1と言ってたけど、この1勝はめちゃくちゃでかい。本当にでかい。ふたつ用意してた。僕を監督にしてくれた恩返し、責任を果たしますよと思っていたので今日の一勝は嬉しくて仕方ない」と満面の笑み。指揮官にとっては初の貯金に顔を覆って喜びを表現し、「おおっ!最高だね。1位だもん。気分いい」とうなずいた。
会心スタートに爆笑会見となったが、「もうちょっと待って。まだ1試合。もうちょっと待ってくれたら俺も乗ってくるから」と引き締めることも忘れず。「この20試合が大事になってくる。この若い子達がすごい成績を残せばノリノリで突っ走って行ってくれると思うんですよ」と次戦へ視線を向けた。
2024年03月29日 22:04
○ ヤクルト 7 − 4 中日 ●
<1回戦・神宮>
中日は1点リードの8回裏に一挙5失点。
2024年03月29日 21:55
「巨人4−0阪神」(29日、東京ドーム)
開幕戦で完封負け発進となった阪神・岡田彰布監督は「そら大違いやろ」と流れが変わったポイントとして、三回に森下の打球を巨人・梶谷に好捕され併殺となったシーンを挙げた。青柳も梶谷に痛恨の2ランを被弾し、「結局、梶谷になったからのお」と振り返った。
以下、試合後の一問一答。
−紙一重の試合。
「なあ。流れ変わったな、梶谷のところな」
−あれが抜けていたら大違い。
「そら、大違いやろ」
−青柳は球は走っていた。
「おお、そんな悪なかったと思うけどな。自分で、ちょっとボークもなあ。あれなあ。もったいなかったけど」
−その後も集中力切らさず投げた。
「まあな、結局、梶谷になったからのお。あのホームラン痛かったけどなあ。1点じゃのお、ぜんぜんな、そらわからんかったけどな」
−次の1点を防ぐために、木浪のバックホームの判断は。
「いやいや、そらバックホーム態勢やから、そら当たり前やから」
−2点目をとりに巨人が走者を進めてきたが。
「ああ、だからそれ言うてるやん、メンバーが走るメンバーがあるからやってくるいうのはだいたいのお」
−中盤以降、戸郷も立ち直った。
「全然立ち直ってないやろ、おーん。そんなええことないと思ったけどな、おーん。まあでもな、あっこからやったけどな、ホームランが大きかったよな、おーん。まあ100いっとったからな、六回までやな思っとったからな。1点と3点の違いやわな、投げんのも」
−西舘を含めて巨人の勝ちパターンは手ごわそうか。
「いや、そらない。まだそんなん1試合でお前(笑)」
−大山と佐藤輝が打たないと。
「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ」
−突貫的に出場した。
「どっしり振れてないもんな。ストレートにな」
−センターフライもスタンドまで行ってもおかしくなかった。
「そら万全じゃないなあ。今日のスイングを見とったら、万全じゃないよな。そら、フリーバッティングのボールと違うからのう。まあでも、今日に合わせてたわけやからのう」
−前川はいいものを見せてくれた。
「だってええものっていうか、打つと思っているから右ピッチャーで使うって言うてるんやから。ええもんじゃない。それは。普通。そうやろ?」
−大山は使いながら。
「ちょっと明日の状態見な分からへんなあ。もう最後もちょっとなあ」
−そんな悪いか
「そらあ試合出てなかったんやから」
2024年03月29日 21:52
宮崎市の強みは気候、食事、整った練習環境
新型コロナウイルスが5類感染症に移行後、初めて行われた今年の春季キャンプ。宮崎市ではソフトバンク、オリックス、巨人の3球団が実施し、全国から多くのファンが訪れた。同一市内で3球団がキャンプを行うのは宮崎市だけ。選ばれる理由はどこにあるのだろうか。宮崎市観光協会でソフトバンクを6年間担当している岡崎弘輔さんに聞いた。
宮崎市はもともと観光地として有名で、特に青島は1960年代から70年代にかけてハネムーンの聖地として名を馳せた。しかし、有名観光地でも2月から3月は閑散期となることが多いのが実情だ。そこで、1959年からキャンプを行っていた巨人に加え、施設整備に投資したことで、ダイエー(現ソフトバンク)のキャンプ誘致に成功。2015年からはオリックスも実施している。人気の要因について、岡崎さんはこう語る。
「宮崎市は温暖な気候で、日照時間も長いんです。プロスポーツ選手は、特に『食』がすごく大事だと思っています。宮崎市の食べ物が好きだと言ってくださる方が多いので、そこは強みかなと思っています」
宮崎市は1年を通して温暖な気候で、年間快晴日数は全国でも上位。山の幸から海の幸までそろう“食材の宝庫”だ。練習施設が充実していることも大きい。多くの球団が1軍と2軍キャンプを別の場所で実施するが、ソフトバンクは、リハビリ組や一部選手を除くほとんどの選手が同じ場所で行う。多くの選手が一堂に会し、練習できる施設を、市が保有・管理しているという環境的素地も強みだろう。
ソフトバンクが春季キャンプを行う「生目の杜運動公園」には、メインスタジアムやブルペン、サブグラウンドの他に大きなドーム型の屋内練習場が存在する。「監督がA組、B組間を歩いて見に行ける環境というのはなかなかないと思います」と岡崎さんは胸を張る。「元々、生目の杜運動公園には運動公園自体はあったのですが、宮崎市政70周年事業の時(1994年)に、整備していこうとなりました。1999年に着工して、2002年にアイビースタジアムが完成しているんです」と岡崎さんは話す。
生目の杜運動公園全体が完成してから、約1か月後には秋季キャンプを開始するというタイトスケジュールだったため、キャンプ当初は球場やブルペンなど、練習で主に使用する設備以外は、整備が終わっていない箇所もあったという。今ではキッズエリアなども用意されており、子ども連れで見学に訪れるファンも多く見られた。24店舗ある飲食店、キッズエリアも完備
ソフトバンクの春季キャンプは、整った練習環境もさることながら、飲食店の屋台数と広々としたキッズエリアも大きな特徴だ。宮崎名物の地鶏を販売する飲食店や、特産品である「きんかん」などの青果を販売するJA宮崎中央、銘菓を販売するお土産ショップなど、さまざまな屋台が軒を連ねるほか、子どもたちが安全に楽しく遊べるキッズエリアも完備されている。これも宮崎市としての戦略だという。
「24店舗ある飲食店はすべて地元の事業者です。基本は宮崎に店舗を持っているお店に出店をしてもらうことを条件にしています。一番は宮崎市のPRで、屋台で『美味しい』と思ってもらい、次は実店舗に足を運んでもらいたいというコンセプトです。お父さんは野球を見て、お母さんと子どもはご飯を食べて、遊んでいるという家族連れが多いので、キッズエリアも作っています。お客さんに楽しんでもらえる“ひとつのテーマパーク”をイメージしています」
さらに岡崎さんは「『日本一のキャンプ地』にしたいです。施設面や、練習環境、お客さんの来やすさ、すべてにおいて日本一のキャンプ地にと思っています。選手やチーム関係者は、約1か月間滞在されるので、過ごしやすく、家にいるような感覚でいられるような環境を整えていければと思っています。お客さんには楽しんでもらえて、また行きたいと思ってもらえるようにしたいですね」と展望を語る。
現在、宮崎市観光協会内のソフトバンク担当は岡崎さんを含めて2人。キャンプの準備段階では、打ち合わせや説明会などを基本的には2人で行っている。「体力的には大変なこともありますが、現場が好きなので」と岡崎さんは笑顔で話す。
2024年シーズンが29日に開幕し、今年も長い戦いが始まる。シーズン後半になってから、春季キャンプでどれだけ追い込んだかが発揮されてくると口にする選手も多い。ソフトバンクが常勝軍団であり続ける背景には、岡崎さんをはじめとした、宮崎市の方々の手厚いサポートがある。(「パ・リーグ インサイト」後藤万結子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
2024年03月29日 21:52
○ ヤクルト 7 − 4 中日 ●
<1回戦・神宮>
ヤクルトは1点を追う8回に一挙5得点。逆転勝利で白星スタートを切った。
ヤクルト打線は1−2と1点を追う6回、6番・サンタナの中犠飛で同点。そのあと再び1点を勝ち越されたが、8回に再びサンタが右中間フェンス直撃の適時打を放ち試合を振り出しに戻した。なおも無死一、三塁と好機は続き、中日4番手・松山の暴投で三走・武岡が逆転の生還。その後も代打・西田の右犠飛、2番・西川の2点適時三塁打で一挙5点のビッグイニングとした。
開幕投手を託されたサイスニードは、打撃直撃のアクシデントがありあがらも5回5安打2失点の力投。4点リードの9回は守護神・田口が無死満塁の大ピンチを招いたが、左翼・西川の好捕にも救われ中日打線の反撃を1失点で凌いだ。
新加入の西川は3回の第2打席で中犠飛を放ち、8回の2点適時三塁打を含め3打点をマーク。白星は8回を3者凡退に抑えた5番手の木澤に付き今季初勝利を手にした。