2024年04月18日 11:00
「自分自身にその日に合わせてできたというところだと、今年初めて投げる試合でゲームに入れたのは収穫があるかなと思います」。 ロッテ・唐川侑己は今季初登板となった4月16日の西武戦、5回までパーフェクトに抑えるなど、2年ぶりの白星はお預けとなったが、6回・67球を投げ、1安打、7奪三振、0与四球、無失点の好投を見せた。 「ストレートは投げていなくて、カットボールだけでした。全部カットです」。 風速10メートル以上の風が吹く中、カットボールが冴え渡った。初回先頭の金子侑司を1ボール2ストライクからカットボールで空振り三振に斬って取ると、2回も先頭のアギラーを2ボール2ストライクから浮き上がってくる146キロのカットボールで空振り三振、この日初めて走者を背負った1−0の6回二死二塁で金子を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた球種も144キロのカットボールだった。 「風があったので、それでカットボールの成分が高かったので、それによってフライ、空振りが多かったのかなと思いますね」。 カットボールと共に、左打者へのチェンジアップも良い抜けだった。特に0−0の2回一死走者なしで栗山巧に対し、初球134キロのチェンジアップで見逃し、続く2球目も134キロのチェンジアップで空振り、3球目の144キロのカットボールをファウルにさせ、4球目の134キロ外角に逃げるチェンジアップで空振り三振。栗山を空振り三振に仕留めたチェンジアップは素晴らしかった。 「バッターが僕のイメージはカットに入ってくると思うので、そこでチェンジアップをしっかり投げられたら有効かなと思うので、それがたまたまいい球がいった感じかなと思います」。 16日の投球では初回、金子侑司の2球目にカーブを投げて以降、ほとんどカーブを投げていなかった。2月に取材した時に「その日の調子に合わせて組み合わせてやっていく必要があるので、そこは満遍なくというか、全球種高めていきたい」と話していたが、16日の登板に関してはカーブが必要ではないと判断してあまり投げなかったのだろうかーー。 「そうっすね、必要ではあるんですけど、風でカットボールで空振りが取れていた。あまり長いイニングを投げる予定ではなかったので、どんどんいい球を投げていくスタイルでというところですね」。 カーブだけでなく、昨季途中、先発転向後に投げていたスプリットに関しては、シーズンが始まってからほとんど投げていない。「あんまり投げていないです。16日もゼロでしたね」と明かした。 カットボール、チェンジアップが良いからスプリットの投球の割合が減っているのだろうかーー。 「そうですね、16日の登板はそうですね。もともと6回を投げる予定じゃないというか、3回か4回で入っていたので、風もあってカットボールの感覚が良かったので、投げるタイミングがなかった感じですね」。 先発転向後に、再び投げるようになったスライダーの位置付けも気になる。16日の西武戦でも数球スライダーを投げていた。「カットボールとカーブの中間の球。球速が欲しいなと思って投げているので、そんな感じです」。 16日の西武戦では投げていないように見えたが、3月30日の日本ハム二軍戦では、上川畑に2ボール2ストライクから投じた7球目に134キロの縦気味に落ちるスライダーを投げていた。縦気味のスライダーに関しては「まだ発展途上中の球なので、これから精度を高めていく感じです」と、今後実戦で使っていきたいと考えている球種のひとつのようだ。 ◆ 目指す投球像 そして、唐川の投球で気になることでいえば、ファームの登板を見ていると4月5日の西武二軍戦は、15アウト中9アウトを内野ゴロに打ち取るとなど、ファームでの今季通算奪三振数は2つと打たせて取る投球が目立ったが、一転して4月16日の西武戦では7奪三振、ゴロアウトも僅かに3つだった。 ゴロアウトを多く奪う投手、それとも空振りを奪ってアウトを取っていく投手、どういうピッチングを目指しているのだろうかーー。 「ゴロアウトを取りたいと思っていないですね。カットボールのホップ成分をあげたいので、ポップフライのアウトの方が僕的には嬉しい。16日みたいな投球が理想は理想です」。 登板翌日の17日も一軍の試合前練習に参加していたが、同日に一軍登録を抹消となった。「しっかり言われた試合で自分の納得のいく状態で入っていくことが大事。その積み重ねかなと思っています」。今季初登板でインパクトのある投球を見せた。次回先発のチャンスがあった時に、白星を手にしたい。 取材・文=岩下雄太
2024年05月01日 08:41
「先発をすることに、とても興奮をしている。投げるのが楽しみだよ。フォームを中心にしっかりと見直して調整をすることが出来た。とてもいい状態で投げることが出来る。本当に楽しみだしエキサイティングだ」。
ロッテのジェームス・ダイクストラが18時から行われるオリックス戦で来日初先発する。
ダイクストラは12年間マイナーリーグ、独立リーグでプレーし今季からロッテに加入した33歳の右腕。4月4日のソフトバンク(みずほPayPayドーム)で来日初登板を果たし、2回・50球を投げ1失点に抑えた。1−7の5回無死一塁で栗原陵矢に2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた135キロスプリットが良い落ちで、1−7の6回一死走者なしで周東佑京に投じた初球の122キロ見逃しのカーブが良かった。
同日のソフトバンク戦は3万8969人のファンがみずほPayPayドームに集まったが、ダイクストラは「自分の人生で初めてドームで投げたんですけど、本当にすごいお客さんの歓声で雰囲気よく投げられました。ベネズエラのウインターリーグでも投げたんですけど、その時のお客さんとは比べ物にならないくらいなので、いい経験ができた。とてもいいドームだったなという印象です」と振り返った。
レフトスタンドのマリーンズファンからの応援には「レフトから大声援が聞こえましたし、ああいう応援というのは日本独特なものだと僕は感じました。すごいいいことだなと。チャンスの時も一体となって声援してくれるし、僕のコールもしてくれた。すごくいいなという気持ちでいっぱいでした」と感謝した。
4月5日に一軍登録を抹消されてからは、ファームで1試合に登板。4月20日のヤクルト二軍戦では5回・59球を投げ、3被安打、2奪三振、無失点。「ファームに降格になって、ファームで過ごしている時間帯、しっかり調整して、真っ直ぐも球速を上げるように練習してきたので、その成果が出たかなと思います」。この日は序盤から力強いストレートを投げ込み、2回まで投げた17球全てストレート、3回に初めて変化球を投げたが、3回まで32球中29球がストレートというパワーピッチングだった。「全体的に全て持っている球種をしっかり調整して下で投げ込んできた」と、スライダー、カーブ、スプリットといった持ち球にも手応え。
「しっかりと任された試合は試合を作って、長いイニング投げられるようにチームに勝ちがつくような投球を心がけてマリーンズファンのために頑張りたいと思います」。ファームで取り組んできたことをしっかりと一軍のマウンドで発揮し、来日初勝利を手にしたいところだ。
(ダイクストラ投手通訳=千葉ロッテマリーンズ・矢嶋隆文通訳)
取材・文=岩下雄太
2024年05月01日 08:00
● 巨人 3 − 4 ヤクルト ○
<4回戦・東京ドーム>
巨人の船迫大雅が30日のヤクルト戦で、見事な火消しを見せた。
3−2の6回、先発・山粼伊織が先頭の村上宗隆に四球、二死後、長岡秀樹に四球を与えたところで、巨人ベンチは船迫にスイッチを決断。ここで船迫は中村に対して、初球ストレートがボールとなったが、2球目のスライダーでファウルにさせると、3球目のスライダーで右飛に打ち取った。
30日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−ヤクルト』で解説を務めた佐々木主浩氏は、船迫について「ボールも速いですし、サイド気味でくるんで、今のも1ボールから変化球でストライクが取れますから、やっぱりいいピッチャーですよね」と話した。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月01日 08:00
「広島1−7阪神」(30日、マツダスタジアム)
アイシング姿で引き揚げてきた広島・床田寛樹投手は、黒星の責任を一身に背負った。「完全に、僕のせいで負けた。思いっきり自滅なので」。6回を4安打3失点で2敗目。被弾したわけでもなく、長打も浴びていない。敗因は自己ワーストの6四死球。制球が定まらず、流れを相手に渡してしまった。
1−0の二回2死二塁で坂本に同点の中前適時打を許した。「ちょっと不用意過ぎたかな」と2球目の外角直球に唇をかんだ。四回は先頭・大山への四球を皮切りに無死満塁とされ、坂本の二ゴロ併殺の間に勝ち越し点を献上。六回も先頭・大山への四球から坂本の右犠飛で3点目を失った。
2度の申告敬遠を含めても6四死球は明らかに本来の姿ではなかった。「ストライクがほしい時に入らず、追い込んでもボール、ボール、ボールで四球という感じ。(阪神打線が)低めは振ってくれないのに低めでストライクが取れないのが一番痛かった」と分析した。生命線ともいえるコースで投球を組み立てられず、主導権を握ることはできなかった。
4月9日の阪神戦では村上と投げ合って7回1失点と粘るも、自身に土が付いた。順当なら1週間後の7日、甲子園で相手右腕と3度目のマッチアップが待つ。「自分で自分のリズムを崩してしまった。いい投手を相手にあんな投球をしていたら、勝てるわけがない。そういうのをなくせれば」と肝に銘じた床田。今度こそ村上に投げ勝つ。
2024年05月01日 07:53
大谷が抜けたエンゼルスで奮闘も…無念の離脱
エンゼルスのマイク・トラウト外野手が左ひざの半月板損傷のため膝の手術を受ける予定であると、30日(日本時間5月1日)に複数の米メディアが報じた。
2024年05月01日 07:40
元巨人のパーラ氏はナショナルズで一塁コーチを務める
リズミカルな音楽は巨人ファンを虜にした。2020年に巨人でプレーしたヘラルド・パーラ氏は現在、かつてワールドシリーズを制覇した古巣ナショナルズで一塁コーチを務めている。日本には1年の在籍も「最高の国の1つだと思います」。忘れられぬ思い出がたくさんある。
4月23日(同24日)からのドジャース3連戦。ベンチから大谷翔平投手の打席を見た。「世界で最高の選手だと思います。選手としても、人間としても……メンタル、性格面を含めてね」。時期は違えど、自身も日本でプレー。少し誇らしそうな表情を見せた。
2004年にダイヤモンドバックスと契約を結びプロ入り。2019年途中にはナショナルズに移籍し、世界一に貢献した。2020年に巨人入り。怪我にも苦しみ47試合の出場で4本塁打、13打点。打率.267で1年で退団したが、「向こう(日本)の野球は最高でした」。決して嫌な思い出ではない。
巨人在籍時は六本木に住んでいたという。「六本木も素晴らしかったよ。あとはお寺、球場もだね」。大好きだったのは寿司とラーメン。お寺の名前を思い出そうと考えこんでいたが、「浅草寺?」と記者が問うと「センソウジ!」と嬉しそうだった。愛娘大好きだったシャークダンスが巨人でもブームに「感謝しています」
ナショナルズ時代の2019年、チームがスランプに陥っていた時、登場曲を娘の大好きだった「Baby Shark」に変更。そこから一気に調子を上げ、観客もリズムに合わせて手を上下に叩く、“シャークダンス”が代名詞になった。来日後も日本ファンも同様の応援を行い、独自の“サメグッズ”を持って来るファンもいた。
そんな東京ドームの光景はパーラ氏にとっても忘れられない。「彼らは私に無償の愛を注いでくれました。彼らはベイビーシャークを気に入ってくれたので感謝しています」。さらには、チームメートとも良好な関係を築いた。坂本勇人内野手、岡本和真内野手ら今でも連絡を取るメンバーも。「(岡本は)去年のWBCで挨拶しに行きましたよ」と懐かしそうに振り返る。
もう一度、戻りたい――。それがひそかなパーラ氏の願い。「治安が良くて、奇麗で、安全な国。子どもにとって、成長させるにはいい国でした」。娘たちも気に入っていた日本。「(コーチとして)戻れたらいいですね」。“オファー”を心待ちにしている。(川村虎大 / Kodai Kawamura)
2024年05月01日 07:20
◆ 「ここをどう乗り越えるか」
巨人は30日、本拠地でのヤクルト戦に3−4で逆転負け。7回に登板した西舘勇陽は2本の安打に四球も絡んで2点を献上し、今季2敗目を喫した。
1点リードで迎えた7回、巨人の3番手としてマウンドに上がった西舘だったが、先頭打者に右安打を浴びると、犠打に四球が絡んで一死一・二塁のピンチを招く。
ここで迎えたリーグ屈指の強打者、ホセ・オスナからはスライダーで見逃し三振を奪ったものの、続く村上宗隆にまたしても四球で満塁にピンチが拡大。まさに絶体絶命の状況で現在リーグ首位打者のドミンゴ・サンタナに投じた初球カットボールは一・二塁間を破る逆転の2点適時打となり、西舘はここで投手交代を告げられた。
その後は8、9回に得点圏まで走者を進めるもあと一本が出ずに連敗を喫した巨人だったが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では2試合連続で救援失敗となった西舘に話題が及んだ。
ルーキーながら開幕一軍入りを果たすと、勝ちパターンの継投を担い10ホールドを上げていたが、ここ2試合で合計5失点と不安定な投球が続く西舘。これについて番組MCを務めた高木豊氏は「こういう事って必ずあるんですよ。ここをどう乗り切るかっていうのが私たちも楽しみにしたいですよね」とコメント。
プロであれば誰しもが経験する事だと強調し、こうした苦境を乗り越えた姿を楽しみにしたいと奮起を促した。
また同じく出演した齊藤明雄氏は「ヒットを打たれてからピッチングが小さく見えた」と切り出し、「“いいボールを投げなきゃいけない”という気持ちが強すぎて、ワイルドピッチに繋がったように見えたんですよね。そしてストライクを取りに行く時にはボールが変化していない。ちょっと腕の振りに自身の無さが出てる」とピンチでの余裕の無さが露呈した投球だったと振り返った。
2球団競合の末に巨人に入団した黄金ルーキーは、即戦力の前評判に違わぬ実力を発揮してきたが、早くもプロの壁に直面しているのかもしれない。西舘の力強く安定した投球が巨人のここまでの戦いを大きく支えていただけに、こうした壁を乗り越えた姿を楽しみに待ちたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
【動画】ドラ1・西舘が2戦連続救援失敗で白星スルリ……/4月30日:巨人―ヤクルト戦試合ハイライト
2024年05月01日 07:20
ドジャースが「コーセー」と契約締結…4月だけで日系企業は6社目に
ドジャースは29日(日本時間30日)、化粧品メーカー「コーセー」と複数年のパートナーシップ契約を結んだと発表した。本拠地・ドジャースタジアムのビジョンなどに広告が掲載される。球団と日系企業の契約は4月だけで6社に上っており、“大谷効果”はとどまるところを知らない状況だ。
ドジャースは4月に入って航空会社のANA(全日本空輸)、タイヤメーカーのTOYO TIRE、医薬品メーカーの興和、100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業、配管システム全般の販売を営む専門商社「日本管材センター」などと契約を締結しており、今回で6社目になる。
地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のビル・シャイキン記者は早速、X(旧ツイッター)で「今週新たに発表された日本の企業パートナー:化粧品ブランドのコーセー」と反応。同記者は25日(同26日)に「シーズンがスタートしてから、ドジャースはおおよそ週に1回のペースで日本企業とのスポンサー契約を発表している」と綴っていたが、その投稿からわずか4日後に球団は新たな契約を締結。“週に1回のペース”を上回る頻度に驚きを隠しきれない様子だ。
大谷翔平投手と10年総額7億ドル(約1098億円)、山本由伸投手と12年総額3億2500万ドル(約509億8000万円)で契約したことで、日系企業の進出が一気に加速。この現状にSNSでは「あっという間に7億ドルを取り戻したな」「オオタニ・エフェクト」「ドジャースとスキンケア」といった声が相次いだほか、日本語でも「まさに毎週日本企業が増えるね」「1000億回収どころか1000億貯金しようとまでしとるこの球団」といったコメントが集まっている。(Full-Count編集部)
2024年05月01日 07:11
前日では二塁から激走も表情晴れず…ここまで10本塁打の活躍
エンゼルスのマイク・トラウト外野手が左膝の半月板損傷のため手術を受ける予定であると、30日(日本時間5月1日)に複数の米メディアが報じた。
2024年05月01日 07:10
◆ 「トータル的に考えたら絶対に岡林だが……」
中日は30日、本拠地でのDeNA戦に1−2で惜敗。先発の小笠原慎之介が6回2失点の粘投も、相手先発・中川颯に7回途中1得点に封じられるなど打線が繋がらず、4月最終戦を黒星で終えた。
敗れはしたものの、久々に月間勝率を5割で終えた4月の中日。絶対的守護神のライデル・マルティネスをはじめとした12球団随一のリリーフ陣に、中田翔や上林誠知などの新加入野手陣の躍動も加わって現在は4位に0.5ゲーム差で3位を維持している。
2年連続最下位から一転して奮闘する中日の戦いぶりについては、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』にて番組MCを務めた高木豊氏も「本当に良くやったと思います」と一定の評価を残したが、続けて懸念点として「僕が一つ気になるのが、1番バッター。岡林が上がってこないんですよ」と竜の若き安打製造機の状態を指摘した。
今季は右肩痛の影響で開幕一軍入りを逃し、4月19日に合流後も打率.105(38−4)と少々“らしくない”数字に終始しているだけに高木氏も「トータル的に考えたら1番は絶対に岡林なんですけど……」とスタメン起用に疑問符を提示すると、同じく出演した坂口智隆氏は「岡林選手に打席を回して“早く調子を上げて欲しい”という思いもあるのかな」と分析し、岡林の状態を慮った。
また続けて代替案として高木氏は「今年は三好がスタートから良かったんですよね。で、三好の時にチーム状態も良かったじゃないですか」と三好大倫をプッシュ。これには坂口氏も坂口智隆「いい選手ですよ。そのまま行ってもいいと思います」と4年目外野手への信頼感をあらわにした。
三好は開幕1カ月ながらすでに自己ベストの安打数を更新したほか、主に1、2番に座り打率.257(70−18)、出塁率.307と奮闘しているが、岡林の状態が万全になればそちらを優先すべきというのが解説陣の考えなのかもしれない。
岡林の回復を優先すべきか? 好調の三好にチャンスを与えるべきか?立浪監督の胸中は不明だが、高木氏は最後に「キャンプの時からずっと頑張っているんですよ。だから僕は三好に戻してみるのも面白いかなって思いますけどね……」と語って締めくくった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
【動画】幻惑サブマリン捕まえられず小笠原を見殺し……/4月29日:中日―DeNA戦試合ハイライト
2024年05月01日 07:10
今季のオリックスを支えるエスピノーザは「1球の重みが変わってきます」
熱いハートと冷静な洞察力で、狙うはノーヒットノーランだ。開幕からオリックスの先発ローテーションを守る新助っ人、アンダーソン・エスピノーザ投手が、ドジャースに移籍した山本由伸投手に続く、チーム3年連続の快記録に照準を当てている。
「ヤマモトがノーノーをしたことは、YouTubeのハイライトで見て知っています。ノーノーは難しいと思いますが、ゴロで仕留めたり三振を取ったり、攻めた投球をして、彼のように記録を達成したいと思います」
届かなかった悔しさがある。パドレス傘下3Aでプレーした昨年、8回途中まで無安打を続けていたが、大記録を逃してしまった。「打者もなんとか、ノーノーを避けようと。より集中して向かってきますから、ノーヒットが続いている時にはより集中しなくてはいけないことを学びました。序盤とは1球の重みが変わってきますから。投げ切る自信はあったので、悔しかったですね」と、逃した記録を思い出し、顔を歪めた。
ベネズエラの首都・カラカス出身。2014年にレッドソックスと契約して、1Aで実績を積み、2016年にパドレスに移籍した。翌年以降、2度の右肘トミー・ジョン(TJ)手術を経験。コロナ禍による1年を含め、4年間、実戦から遠ざかったことで得たものがあった。
「これまでの野球のキャリアを通じて色々な事を経験し、乗り越えることで強い精神力を培うことができました。メンタルの部分で自信を持っています」。キャッチボール、ライブバッティングを経て、2021年5月に1709日ぶりに登板するまで、復活を信じてリハビリに向き合った長い日々が、ラテン系の明るさに強いハートを併せ持つ右腕に変貌させた。
オリックスに加入した今季、開幕から順調に結果を残している。来日初勝利は開幕2戦目。開幕戦を黒星でスタートした“暗雲”を払った。2勝目もカード頭を落とした翌日のゲームでチームに勝利をもたらせたのは、メンタルの強さがあったからに他ならない。今季はここまで4試合に登板して3勝0敗、防御率は驚異の0.33を記録しており、来日即の月間MVP候補にも挙がる。疑問はすぐに解決…「あの場面でなぜあのボールを要求したのか」
エスピノーザは、155キロ超のストレートにカーブ、スライダー、チェンジアップが武器。マイナーリーグでは通算109試合、426回2/3で440奪三振を誇る。春季キャンプ中、チームに合流して約1週間後のライブバッティングでは死球を出すなど制球に苦しんだもの、鋭い変化球で打者を翻弄した。
対戦した来田涼斗外野手は「縦割れのカーブがよかった」と、シーズンでの活躍を予想していた。2月24日のDeNA2軍との練習試合では3者連続三振で実戦デビューを飾り、オープン戦などでも安定した投球を見せ、開幕ローテーション入りをつかんだのだった。
対応能力も高い。登板2戦目となった4月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)。7回5安打、6奪三振、1四球、1失点と好投を支えたのは、縦のカーブに変えて、球場の特性を生かし、斜めに曲がるスラーブ。「この球場に関する情報を集めて、風の強い球場だとわかっていたのでカーブとスライダーの間の軌道のボールがうまくはまった」と人懐っこい顔をほころばせた。
球団関係者によると、記憶力はもちろんのこと、1つのことを教わると次を言われなくても行動を予測して対応するなど、臨機応変に動く器用さを持ち合わせているという。澤村直樹通訳は「自分が投げる前の試合での配球を捕手に尋ねたりするなど、研究熱心ですね。『あの場面でなぜあのボールを要求したのか』という疑問を聞き、いろんな要素を踏まえてのリードだったと捕手の方が説明すると、すぐに理解をします。ロッテ戦でもカーブがダメだからどうしようではなく、それじゃ風を利用してものにしようとするなど、とても器用ですね」とクレバーさに感心する。
来日に際し、ベネズエラ出身で元阪神のロベルト・スアレス投手から日本の野球を教わるなど、情報を集めてきた。心強い味方もいた。パドレス時代、コーチ留学をしていた中嶋聡監督とは面識があり、現在、オリックスの巡回ヘッドコーチを務める中垣征一郎コーチからはトレーニングの指導を受けた間柄。首脳陣と信頼関係で結ばれているのは、初めての環境で戸惑うことが多い助っ人の中では、有利なことだ。
アニメを通して、日本の文化に興味を持ってきた。「ドラゴンボール」や「NARUTO」を見て育ち、1番好きなアニメは「キャプテン翼」だという。ラーメン好きでも知られる。ロッテ戦登板のため移動で訪れた東京で、1番に探したのは「天然とんこつラーメン専門店・一蘭」。こちらも事前に情報を収集していたそうだ。「怪我なくシーズンを戦い抜き、自分のピッチングでチームを助けたい」。リーグ4連覇に向け、役目は心得ている。(北野正樹 / Masaki Kitano)
2024年05月01日 07:00
◆ 「去年もそうだったんですけど……」
阪神は30日、敵地での広島戦に7−1で快勝。雨天中止を挟み3連勝を飾ったほか、2位・巨人とのゲーム差を「2.5」に広げた。
この日の相手先発は試合前の段階でセ・リーグトップの防御率を誇る床田寛樹。リーグ屈指の好投手を相手に打線は2回、二死二塁から坂本誠志郎が同点適時打を放つと、4回無死満塁からまたも坂本が併殺打を放つ間に1点を勝ち越す。
さらに6回にも一死一・三塁からみたび坂本が今度は犠飛を放つと、床田降板後の7回以降にも適時打などで合計4点を奪取。投げては先発の村上頌樹が2回以降は二塁を踏ませない快投で今季初完投を飾り、2勝目(1敗)を手にした。
投打で盤石の試合運びを見せた阪神について、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で番組MCを務めた高木豊氏は「やっぱり来たなって感じ」とコメント。
開幕直後こそやや出遅れたものの、4月中に首位に返り咲く貫録を見せつけた昨季王者の戦いぶりにニヤリとすると、続けてチームをけん引する打線の中でも「強さが戻ってきた証拠に、大山のフォアボール」と4番の活躍に着目した。
この日は無安打ながら3つの四球を選ぶと、いずれも後続が繋いで本塁に生還する渋い活躍ぶりに高木氏も熱視線を送ったが、これには同じく出演した坂口智隆氏も「去年もそうだったんですけど、起点になる事が多くて。やっぱりその後ろの選手が繋いでいた」と大山の出塁が攻撃の重要なキーになっていると分析。
この日は5番に座ったシェルドン・ノイジーが猛打賞を放ち、さらに7番でスタメンマスクを被った坂本が3打点を記録したが、坂口氏は続けて「三振と内野フライがダメな場面でも、ゲッツーで1点を取るとか。気づかない間に点差が広がっているというのが強いタイガースの戦い方」と語り、多彩な攻撃パターンと確実な加点をポイントに挙げて“準備完了”に太鼓判を押した。
一時は下位に沈んでいたものの、4月中に貯金を6つ獲得するなど気づけば“定位置”に返り咲いていた王者・阪神。投打で盤石の陣容を誇るが、戦いのカギを握るのはやはり主砲の存在にある。球団初の2連覇へ向け、今後も大山のバットに注目していきたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
【動画】村上完投&7得点で広島に完勝!/4月29日:広島‐阪神戦試合ハイライト
2024年05月01日 06:50
◆ 「やっぱりそれも軸がしっかりしてるから」
ソフトバンクは4月ラストゲームで楽天に8−0で完勝。
2024年05月01日 06:40
敵地・ダイヤモンドバックス戦に「2番・指名打者」で出場
■Dバックス ー ドジャース(日本時間1日・フェニックス)
ドジャース・大谷翔平投手は30日(日本時間5月1日)、敵地・ダイヤモンドバックス戦に「2番・指名打者」で出場する。4戦ぶり8号に期待がかかる。
前日の同カードでは、4打数2安打1打点1四球。8回無死一、二塁の第5打席で打球速度107.7マイル(約173.3キロ)の左前適時打。5戦ぶりマルチ安打で、打率を.341とした。
チームは2006年以来18年ぶりの快挙となる“無三振ゲーム”で8-4で快勝。大谷は現在7本塁打で、デーブ・ロバーツ監督の持つ球団日本生まれ選手の最多本塁打記録に並んでいる。豪快弾で単独トップなるか。(Full-Count編集部)
2024年05月01日 06:20
◆ 投打がガッチリ噛み合い7連勝&貯金12!
首位を快走するソフトバンクは8−0で楽天に完勝。今季最長の連勝を「7」に伸ばし、貯金は今季最多を更新する「12」となった。
攻撃陣は2回、4番・山川穂高がリーグ単独トップとなる6号ソロをバックスクリーン左へ運ぶなど3点を先取。5回は3番・柳田悠岐が2戦連発の3号ソロを右中間席へ運ぶなど、一気に5点を追加し試合の大勢を決めた。
投げては先発の有原航平が8回100球、4安打無失点、6奪三振1四球の快投で3勝目(2敗)。3併殺を奪うなど楽天打線にチャンスすら作らせず、二塁を踏ませなかった。
投打がガッチリと噛み合った試合運びに、4月30日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』のMC高木豊氏は、開口一番「強すぎるよ。話すことない」と感嘆の声。解説を務めた齊藤明雄氏は有原の投球について、「低めに丁寧に投げている。チェンジアップとか、いい感じで緩急を使っているな、という感じですよね」と評価した。
高木氏は「(ヒーローインタビューで)『ゲッツーを取ってくれた』って言ってるけど、自分が打たしているわけですからね」と有原の投球術を絶賛。「本当に安定してるわ」と繰り返し褒め称えた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月01日 06:00
「広島1−7阪神」(30日、マツダスタジアム)
広島の秋山翔吾外野手(36)が今季1号となる初球先頭打者本塁打を放った。先頭打者弾は西武時代の2019年8月4日・オリックス戦(京セラ)以来、自身約5年ぶり。通算22発目はNPB現役最多で、野村謙二郎を抜いて歴代9位タイに浮上した。しかし以降、村上を攻めあぐねチームは敗戦。3・4月を負け越しで終えた。
まだ明るさの残る曇り空を切り裂くように力強い打球が舞い上がった。難敵・村上攻略への希望を抱くカープファンの歓声とともにボールは右翼スタンドへ着弾。今季77打席目にして、秋山にようやく1号アーチが生まれた。
「あまり村上君は打ってない…あまりじゃないです、全然打ってなかったので。腹をくくって振らなきゃいけないボールはあるだろうなと思っていたんですけど、それが1打席目の初球かなというのがありましたね」
村上に対しては試合前の時点で昨年のCSを含めて4連敗中だった。秋山自身も12打数無安打で完璧に抑え込まれていた中、決めていたと言わんばかりに初球の144キロ直球を強振。「狙ったボールを一振りで仕留められたというのはよかったと思います」。この一撃が自身通算22発目の先頭打者弾で、広島で活躍した野村謙二郎を抜き、歴代9位タイに浮上した。
ただ、結局は村上の前に完投負けを喫し、秋山の一発も空砲に…。試合後の背番号9に笑顔はなく、「勝たないと仕事になったかどうかはわからないですけど」と自身の働きに疑問符を突きつけた。
村上とは来週にも敵地での顔合わせが見込まれている。「向こうは来週もそうだし、次の次の週も当たることを考えて、今日勝つだけじゃなくて、いろんな餌まきとか、こっちに印象づけるような配球もしてきている感じだったので、ちょっと悔しさはありますね」と秋山。今後の戦いを見越して先手を打ちたいところで、逆に苦手意識をさらに植え付けられる結果となり、渋い表情を見せた。
新井監督は「間違いなく状態は上がってきている。当面は1番(起用)で、と思っています」と秋山を称賛しつつも、低調に終わった打線については「ヨーイドンで速い球をパン、パンって捉えて、相手もガラッと配球を変えてきた。そこら辺は、また自分が考えたいなと思います」とコメント。チーム全体で1試合を通した対応力が問われている状況だ。
これで3・4月は10勝11敗3分けの借金1でフィニッシュしたが、戦いはまだ始まったばかり。鯉の季節である5月戦線で反攻への足がかりをつかむ。