2024年04月23日 07:00
アマチュアは「素振り」を軽視しがちだがとても有効な練習法。ラウンド前やラウンド中の“シーン別の素振り”でレベルアップしよう! 今回は、自宅の練習法を紹介します。 素振りは手軽でコスパのいい最高の練習法 スペースの心配無用! 身近なものを振ってかんたんスイングづくり ゴルフを含む道具を振るスポーツにおいて、素振りはとても重要で効果の大きい優秀な練習法です。アマチュアゴルファーは球を打つことを重視しがちですが、素振りだけでうまくなった生徒もたくさんいます。 しかし、ゴルフクラブは長いので、室内で素振りはしにくい。そこで僕は、クラブ以外のモノを振る「自宅で手軽に振る素振り」を推奨しています。その代表例は大きいバスタオルの片側を結んで振る素振り。 手先を使わずに体幹でモノを振る感覚が身につきます。また、水を半分入れた500mlの「ペットボトル素振り」も有効で、正しい手首の使い方が身につきます。短時間でもいいので、ぜひ自宅でやってみてください。 scene 1ー1 自宅 バスタオル素振り バスタオルの片側に結び目を作り、結んでいないほうを持ってスイング 大きいバスタオルの片側に結び目を作ってスイング。トップで結び目を背中に当てたら、あとはフォローまでタオルがたわまないように一気に振り抜く タオルのテンションを保ったまま振る 手先に頼らず体幹でスイングできれば、ダウンスイング以降はタオルがたわまず、ピンと伸びた状態を維持できる トップで背中に結び目が当たる トップで少し間をとって、背中に結び目が当たってからダウンスイングを開始する 手元を下に引き下ろす 手元を外から遠回りさせず、トップから真下に引き下ろすようにダウンスイング 腕もタオルもたわませない 体が止まるとタオルがたわんだりヒジが引けるので、最後まで体を回し続ける scene 1ー2 自宅 ペットボトル素振り ペットボトルに水を半分入れ、右手で持って片手素振り。水が上下どっち側にあるかを意識しながら振ることで、正しい手首の使い方が身につく ゆっくり振ってインパクトで水を鳴らす ダウンスイングからインパクトまでは水を下側に溜めておき、インパクト前後で一気に向きを変える いかがでしたか? すぐに自宅で行える素振りの練習法を始めてみてください! レッスン=田中 徹 ●たなか・とおる。1988年生まれ、千葉県出身。168㎝、70kg。自称「1兆個のドリルをもつ男」と名乗り、インスタグラムのリール(動画)が大人気。「Bull Golf」など都内でレッスンも行なっている。Bull Golf代表。 構成=鈴木康介 写真=田中宏幸 協力=日神グループ 平川CC
2024年05月04日 10:00
「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」(茨城GC東C=6665ヤード・パー72)は初日から天候に恵まれていることが、選手を苦しめる一因になっている。
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今大会は公式競技(国内メジャー)ということでコース難度が高い。象徴しているのがグリーンだ。初日から速さは14フィートを超え、2日目は14フィート2分の1。硬さを示すコンパクションは25。女子の大会でこの数値は珍しい。
首位に3打差の通算3アンダー8位タイの申ジエ(36)は、「このコンディションなら週末は厳しくなると思う」と言った。3日目からも強い日差しの好天予想のため、グリーンはさらに硬くなり、速さも増すと見ているのだろう。
そこで初優勝を狙うのが、通算5アンダー2位タイと好位置にいる佐久間朱莉(21)だ。
今の女子プロは古江彩佳(23)、西村優菜(23)、山下美夢有(22)に代表されるように、身長15センチそこそこの小柄な選手は飛距離が出るドローボールが持ち球。しかし、今季のドライビングディスタンス242.70ヤード(25位)で飛ばし屋ではない佐久間は155センチでも持ち球はフェードだ。
その佐久間が魅せたのが8番(400ヤード・パー4)。「右の木がせり出て嫌だなと思ったけど、高いフェードを打って風にぶつければ良い感じで(グリーンに)止まるかなと思って」手にした5UTでピンそば4メートルにつけてバーディーとした。
ジャンボ尾崎の弟子といえば原英莉花(25)や米女子ツアーで戦う笹生優花(22)、西郷真央(22)が有名だが、佐久間も尾崎のゴルフアカデミー1期生。高校入学前から尾崎の指導を受けている。
ツアー関係者が言う。
「佐久間はジャンボに指導を受ける前からフェードを打っていた。小柄で飛距離が欲しい女子プロはみんなドローを持ち球にしているが、フェードの方がボールコントロールがやさしいし、グリーンで止めやすい。フェードが持ち球の尾崎はドローも打ったが、佐久間の持ち球を変えなかった。今回の速いグリーンは佐久間向きと言えます」
尾崎の弟子でフェードヒッターといえば原もそうだ。
「飛距離が出る原はジャンボの助言でドローをフェードに変えた。当初はアドレスが目標に対して右向きから左向きになるなど、アドレスや弾道イメージなどでかなり苦労したようです。今ではツアー屈指のフェーダーです」(前出・関係者)
今季の原はここまで不調も、今大会は公式戦3冠を狙っており、通算2アンダー10位タイにつけている。最終日は同門の優勝争いもありそうだ。
2024年05月04日 10:00
2日開幕の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」(茨城GC東C=6665ヤード・パー72)は、国内ツアーに4つある公式競技(メジャー大会)の1つ。先週行われたシニアのレジェンズツアーに優勝した永久シードの不動裕理(47)が勝てば、史上初のメジャー4冠、つまり国内グランドスラム達成となるのだが、国内通算50勝、2000年から6年連続賞金女王のレジェンドも47歳。今季もレギュラーツアー3試合に出場し、すべて予選落ちしているように、優勝争いは夢物語だろう。
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国内の4冠は前例がないものの、3冠は不動を含めて、大迫たつ子、森口祐子、涂阿玉、肥後かおり、テレサ・ルー、申ジエ、塩谷育代、福嶋晃子、諸見里しのぶの10人が達成している。
今回、テレサ(36)も4冠に挑むが、今季は2試合に出場し、いずれも予選敗退。現在妊娠中で、実戦から遠ざかっていたこともあり、偉業達成は厳しいだろう。
一方、多くの「レジェンド」が名を連ねる3冠取りを狙うのが原英莉花(25)だ。原は20年に日本女子オープンとツアーチャンピオンシップを制覇。昨年は2度目の女子オープン優勝を果たした。
残る2冠は日本女子プロ選手権と今大会。今週勝てば4冠に王手がかかる。
だが、今季の原は7試合で予選落ち3回、最高位はKKT杯バンテリン女子の22位と不振に苦しんでいる。
「正直、最近は優勝を争う雰囲気がまったくありませんが・・・」とツアー関係者がこう続ける。
「原は昨年5月に内視鏡によるヘルニア摘出術を受けて、3か月後の復帰戦は56位。その後の6試合でべスト10入りはニトリの9位のみ。まさか2度目の女子オープン制覇をやってのけるとは予想もできず、国内最高峰の大会で優勝候補に名前が挙がらなかったのは当然でした。それでも本番では、左右の端に切られた難しいピン位置にも関わらず、ベテラン菊地(絵理香.35)との一騎打ちを制した。まさに大穴の優勝でした」
2度目の女子オープン制覇に師匠のジャンボ尾崎も驚いた。
「原の優勝報告にジャンボは『今日からエリカを尊敬することにした。お前じゃない方のな』と言ったそうだが、このジョークは、最後まで食らいついた
菊地の粘りを称えるだけでなく、『あいつはゴルフ以外でいつも主役』と皮肉っていた弟子の大舞台での強さを改めて認めたジャンボ流の褒め方でしょう」(前出・関係者)
原はゴルフに関してはやや淡白なところがあるものの、スイッチが入ったときの集中力は別格。通算5勝のうち3勝が公式競技だ。
ちなみに今大会の会場は、かつて男子ツアーのキリンオープンが開催されていた。尾崎は苦手な西コースとは対照的に東コースでは4度勝っている。今年は3年ぶりに東コースが舞台。原が好位置で決勝ラウンドへ進めば師匠から貴重なアドバイスが届くかもしれない。
2024年05月04日 09:00
来季の出場権をかけた米男女ツアーのQTが行なわれ、日本人選手は男女5人が出場。
その結果に突撃! 24年米ツアーで戦う日本人選手の新しい顔ぶれ PGAツアー・コーンフェリーツアー
ルートは違えど、中島も小平も1年かけてPGAツアー参戦という最終ゴールを目指す
米ツアー24年シーズンの出場権をかけて争うQT(最終予選会)は、女子は23年11月30日から12月5日に計6ラウンド、男子は12月14日から17日に計4ラウンドで行なわれた。男女とも雨天中止の日があり、日程が延びる長丁場となったが、日本からは賞金王を獲得した中島啓太と小平智が。女子は、西郷真央、吉田優利、馬場咲希の3人が出場した。
男子のQTは、ここ10年はコーンフェリーツアー(下部ツアー)のみの出場優先順位を決めるための競技だったが、今回は上位5位タイまでにPGAツアーのフルシードが与えられることに。女子は今回も上位20位タイまでに入るとフルシード権を手にすることができるが、22年までの4ラウンド×2週の計8ラウンド(予選落ちなし)から、4ラウンド終了後に予選カットが取り入れられての計6ラウンドに変更された。
結果は、中島啓太は2ラウンド終了時点で6位タイにつけるも、残り2日間で大きく順位を落として敗退。しかし、日本ツアーの賞金王となったことでDPワールドツアー(欧州ツアー)の出場権を得ており、昨年、久常涼が達成したDPツアーからPGAツアーというルートを見据え、ヨーロッパルートで「松山英樹さんのプレーするPGAツアーを目指す」と語った。
また、23年シーズンの賞金ランキングは153位で、150位までに与えられる準シードも逃してしまった小平智は、復活を目指して出場。最終日は終盤に5位タイまで順位を揚げたものの、ラスト2ホールでバーディパットがカップに嫌われ、1打差の6位タイという、本当にあと1歩足りずにPGAツアーの出場権を獲得できなかった。
しかし、シーズン後半に好調なゴルフができた明るい材料を得て「来年はコーンフェリー(下部ツアー)に出て、PGAツアーを目指します」と、すぐさま気持ちを切り替えていた。
一方、女子のQTは、第2ステージから勝ち上がってきた馬場咲希が、4ラウンド目の最終ホールを「ボギーなら予選落ち」という危機でパーをセーブし、予選を通過して笑顔を見せたが、残りの2ラウンドで順位を大きく上げることができず、フルシード権には手が届かなかった。
しかし、下部ツアーであるエプソンツアーの出場権は得たため、日本のツアーと両にらみで24年のスケジュールを考えている。どちらを主戦場にするかはチームで話し合って決めるとのことだが、本人の目にはアメリカでのプレーが大きく写っているようだ。 LPGAツアー・エプソンツアー
西郷は2位タイ、吉田は7位タイと上位でLPGAツアーの出場権を獲得。
馬場はフルシード権は逃してしまったが、下部ツアーのエプソンツアーの出場権は得た
フルシード権を得たのは、2位タイの西郷真央と7位タイに入った吉田優利。昨年は好不調の大きな波を経験した西郷だが、今回は危なげないプレーで。吉田も安定したプレーを展開して、LPGAツアー選手の仲間入りを果たした。
これで来季は畑岡奈紗、笹生優花、古江彩佳、西村優菜、勝みなみ、渋野日向子の6人に加え、TOTOジャパンクラシックで優勝した稲見萌寧も米ツアー参戦を表明。合計9人の日本人選手が参戦することになる。
日本人選手が増えた今年の米ツアーは、男女とも目が離させない。
いかがでしたか? 各選手の活躍を応援していきましょう!
フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
取材・写真=田辺安啓
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE
“ジャンボ尾崎の弟子”小林夢果、契約更新を報告!「今年も…」とコメント
2024年05月04日 08:00
コンペや大事なラウンドはいいスコアを出したい。
2024年05月04日 07:00
選手、キャディ、ツアー担当者に聞いた最新のセッティングトレンドは?
女子プロのクラブ選びをもっと詳しく調査したところ2024年の新しいトレンドが見えてきた! コンパクトなUTはラフや傾斜でも使える
選手もキャディもツアーレップも「やさしいのはショートウッド」という意見は一致していました。ショートウッドとUTを比較すると打球が上がりやすくてミスに強いのはショートウッドですが、女子プロのレベルが上がったことで「やさしいショートウッド=球が上がりすぎる」という印象に変わってしまったようです。
また、プロは顔へのこだわりが強いので、ヘッド体積が大きいFWよりも、コンパクトなUTのほうがラフや傾斜地で構えやすいという選手も多かったです。とくに7Wのロフトになると、ターゲットに対してスクエアに構えるのが難しいという声もありました。 クラブが短いUTは芯に当てやすい テーラーメイドツアーレップ
貞包聡介さん
「3Wでもロフトが大きめ、15度より寝ているFWを使う選手が増えたことで、5Wが要らなくなった。また、UTのほうが“芯に当てやすい”という声が多いです」 パワーがあるから3UTでも球を上げられる ダンロップツアーレップ
松栄圭一郎さん(左)中原昭人さん(右)
「最近の若い選手はジュニア時代からUTを使っていて、パワーもあるから3UTでも球の高さをきちんと出せてグリーンで止められるようになりましたよね」 7Wのクラブを作る回数が減りました キャロウェイツアーレップ
島田研二さん
「確かに最近は5Wや7Wを作る機会が減りました。当社はFWとUTの中間の“UW”もあるので、5W以外のクラブの選択肢が増えたことも理由だと思います」 ジュニア時代から5Wよりも3UT プロゴルファー
石井理緒
「ジュニアのころから5Wは打球が上がりすぎて使いにくいと思っていたので、3UTを使っていました。3Wと3UTの飛距離の差は15ヤードくらいですね」 ダウンブローに打てる選手が増えた プロキャディ
栗永 遼さん
「一時期は7W、9Wを使う選手も多かった。でも今は、ダウンブローに打てる選手が増えたので高さよりも操作性を重視してUTを使うようになりました」 抜けのよさはFWよりもUT プロキャディ
先崎洋之さん(左)照井浩二さん(右)
「UTのほうが構えやすくて、ラフからの抜けもいいと思います。今はラフからでも出すだけではなく、グリーンを狙う時代なので選手はUTで攻めますね」
解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一 写真=田中宏幸 取材トーナメント=樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント
2024年05月04日 06:25
◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第2日(3日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
17位スタートの生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、25)=エー・エム・エス=が10バーディー、1ボギーの61で回り、通算10アンダーで首位に浮上した。19年AIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(25)=サントリー=は岡山・作陽高の同学年で同じゴルフ部に所属。世界で戦う元チームメートに近づくためにもツアー初Vを目指す。小木曽喬(27)=フロンティアの介護=ら3人が2打差2位。3位から出た石川遼(32)=カシオ=は73と落とし、24位に後退した。
5年前に世界を制した渋野のような勢いあるプレーだった。生源寺は2番パー5で第3打のアプローチをピン50センチに寄せると6番まで圧巻の5連続バーディー。10年に石川が58をマークした伝説があり「58が(頭の中で)チラチラしました」と正直に明かした。14番でこの日、唯一のボギーをたたいたが、17、18番をバーディーで61をマーク。圧巻のバーディーラッシュで首位に急浮上した。
岡山の作陽高出身。渋野は同じ高校で同学年だった。「同じクラスではなかったけど、ゴルフ部では一緒に練習していました。当時からうまくて、明るかった」という。17年に高校を卒業後、渋野はプロの道へ、生源寺は同志社大に進学した。渋野が19年の全英女子を制し、世界中に衝撃を与えた時、生源寺は同大3年で「刺激しかなかった。僕もプロになろう、と決めた頃。(渋野は)国内でも何度も勝っている(6勝)。僕も早く追いつきたい」と生源寺は爽やかな笑みを見せた。
開幕戦の東建ホームメイトカップでは自己最高の2位。ツアー初優勝へ、勢いに加えて確かな実力も持っている。(竹内 達朗)
◆生源寺 龍憲(しょうげんじ・たつのり)1998年5月15日、山口県出身。25歳。10歳からゴルフを始める。20年にプロ転向。下部のABEMAツアーで同ツアー史上最高額の1125万3106円を稼いで賞金王。今年1月にはアジアツアーの出場権予選会を2位で通過し、今季、日本ツアーと並行しながらアジアツアーにも5試合に出場(最高17位)。162センチ、65キロ。
2024年05月04日 06:00
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
14位で出た菅沼菜々(24)=あいおいニッセイ同和損保=が6バーディー、1ボギーでこの日のベストスコアとなる67をマークし、通算6アンダーで単独首位に浮上した。前週まで出場8戦中予選落ちが6度と低迷し、一時は「病んだ」という“自称アイドル”が大舞台で復調。初のメジャー制覇へ、ファンの応援を力に逃げ切りをはかる。佐久間朱莉(21)=大東建託=ら3人が5アンダーで2位につけている。
最終18番のグリーンが、菅沼のステージと化した。「無心で打った」という8メートルのバーディーパットをねじ込み、満員のスタンドを沸かせた。「調子が良くて優勝争いをしているときに、あんな感じでたくさん応援をいただいていた。それを思い出した」。歓声を全身で味わい、極上のスマイルをファンに返した。
2勝し迎えた今季、前週まで出場8戦中予選落ちが6度と低迷した。2月に右膝を痛めたことが原因だった。約2週間球が打てず、回復後はフォームが崩れた。痛みへの恐怖から、飛距離は9アイアンで10ヤードも落ちた。「先週から思うようなショットが打てるようになってきた」。復調を遂げ、今季初の60台を記録した。
最近4年は2戦連続予選落ちさえなかっただけに、開幕後の2か月間は「病んでいた」という。試合会場で仲間に励まされては涙があふれた。「泣いている暇はないから頑張ろう」と思いながら、また泣いた。父・真一さんは「18年にプロテストに受かってから長いスランプがなかった。安定していただけに苦しかったはず」と思いやった。
“自称アイドル”を公言する菅沼の元に、批判的なコメントが届くことも多い。オフのテレビ出演後には「練習しろ」、「遊んでいるからだめなんだ」の言葉が目に入った。ゴルフにもしっかり取り組んできた自負がある。「思われるのはいいけど、直接コメントを書かれると、全く傷つかないというわけではない」。今年4月にSNSのコメント欄を封鎖した。アンチに目を向けることをやめ、ファンの愛に包まれ生きている。
コースでは常に見られていることを意識する。この日のポニーテールの毛先は両巻きカール。朝、5分で仕上げたものだ。この日は1万人を超える大観衆が訪れた。「たくさんの方に来ていただいた方が燃える。ゴールデンウィークなので、たくさんの方にいいプレーを届けられるように頑張りたい」。メジャーの舞台で、菅沼の笑顔はさらに輝く。(高木 恵)
◆アキバでライブ「学園天国」など熱唱
菅沼はオフの1月中旬、“アイドルの聖地”東京・秋葉原でファン約150人を集めてイベントを開催した。ライブハウスでクイズ大会やトークショー、歌も披露。「学園天国」、「LOVEマシーン」を熱唱し、ファンも総立ちでペンライトを回して盛り上がった。ゴルフ場では、観客はプレー中は静かにし、選手がバーディーを取った時しか声を出せないが「ファンの方と触れ合って、みんなで歌いたい」との思いから実現した。周囲には「来年はもっと盛大にやりたい」と話しているという。ペンライトの光が飛び交うライブ―。初のメジャー優勝後の“ファンミーティング”での光景を描いている。(岩原 正幸)
2024年05月04日 06:00
プロゴルファーの金田久美子が自身のInstagramを更新。
2024年05月04日 05:00
「女子ゴルフ・ワールド・サロンパス・カップ・第2日」(3日、茨城GC東C=パー72)
14位から出た菅沼菜々(24)=あいおいニッセイ同和損保=が6バーディー、1ボギーで今季自身初の60台となる67をマーク。通算6アンダーで単独首位に浮上した。単独首位からスタートした佐久間朱莉は72で、1打差の2位に後退。米女子ツアーからスポット参戦している古江彩佳、西村優菜は予選落ちした。
最終18番のグリーンを囲んだ数百人のギャラリー、いや菅沼のファンが熱狂した。まるでグリーンはライブステージのよう。下り10メートルを沈めてバーディー締めとすると、大歓声の観衆にニッコリと笑いかけた。
「昨年、自分が調子良く優勝争いをしていた時はあの歓声をもらっていたので、その感覚を思い出してうれしかった」
自称が付くアイドルゴルファー。「応援してくださっている方がいるから頑張れる」と声援を力に、得意とする硬くて速いグリーンを攻略した。5番で3パットのボギーをたたくと「逆にスイッチが入った」と7、8番は5メートルを沈めて連続バーディー。後半32の猛攻で、今季自身初の60台をマークした。
昨季は2勝と飛躍したが、今季は出場8戦で6度の予選落ちと出遅れた。原因はオフの2月に走り込みをした際に故障した右膝が、うまく使えていなかったため。前週の月曜日に練習で「そうだ膝だ!」と修正点がふと頭に浮かぶと、当たりが薄く、鳴りをひそめていた飛距離も元に戻った。
ただ、開幕からの不振は自身の気持ちを沈めた。予選落ちが続く日々に、SNSでは誹謗(ひぼう)中傷も集まった。「オフにテレビに出たりして練習してないんじゃないかとか。思われるのは良いけど、直接コメントに書かれると全く傷つかないというわけじゃないので」。心ない言葉に、4月中にはコメント欄も封鎖した。
言葉に心を痛めたこともあった。それでも、ファンの言葉が原動力にもなる。大会は2日目にして1万人超え。週末も大観衆の来場が予想される。「ゴールデンウィークなので、たくさんの方に良いプレーを届けられるように」と熱い声援に応え、メジャーVの大勲章を手に入れたい。
2024年05月03日 20:47
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
25位から出た「セクシー・クイーン」ことアン・シネ(韓国)は3バーディー、2ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギーの76とスコアを落とすも、通算4オーバーの52位で予選を辛くも通過した。
前半を43で7つスコアを落として折り返し、カットラインを大きく下回った。だが、上がり4ホールで3バーディーを奪って猛反撃。ギリギリで決勝ラウンド進出を決めた。バーディー必須の最終18番パー5。5メートルをねじ込むと、膝から崩れ落ち、手で顔を覆った。「予選通過しないといけないというストレスがあった。試合で泣いたのは初めて」。プレッシャーから解き放たれ、安堵(あんど)の涙がこぼれた。
ワールドレディスサロンパスカップは17年5月に日本ツアー初出場し、フィーバーを巻き起こす原点となった大会(41位)だ。当時、初日には膝上30センチの黒のミニスカートを着用し、ギャラリーの視線をくぎ付けにして話題となった。この日はカーキのトップスと同色のミスカートで、1万人を超すギャラリーが集まった会場を沸かせた。決勝ラウンド2日間は「最後の4ホールみたいなゴルフをしたい。怖いものがない」と逆襲を誓った。
2024年05月03日 19:09
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第1日(2日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
日米通算24勝で元世界ランク1位の宮里藍さんが、「久光製薬ジュニアゴルフ体験会」に登場した。最終日の5月5日までの3日間で計6回開催される。
12人の子供たちを前に、スナックゴルフを通じてゴルフの楽しさを伝えた。藍さんは「こうして、いろんな場所でいろんな子供たちと触れ合えるのは、私にとってもありがたい機会。楽しいです」と笑顔を見せた。
大会については「東コースは難しい。コンディションが整っているので、晴れるとボールを止めるのが難しいだろうな、と感じています。昨日は風が吹いていたので、より難しかったと思います。昨日は我慢勝負ですけど、天気になってスコアをどれだけ伸ばせるかが勝負だと思います」と話した。
2024年05月03日 18:58
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
3打差8位から出た桜井心那(ニトリ)は6バーディー、3ボギー、1トリプルボギーの72で回り、通算2アンダーの10位で週末の決勝ラウンドへと向かう。
2024年05月03日 18:51
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
東コースで開催された2021年大会覇者で、米ツアーから帰国参戦した西村優菜(スターツ)は37位から出て1バーディー、8ボギーの79をたたき、通算8オーバーの98位で予選落ちした。
2日間を振り返り「ショットがひどく、難しいセッティングだったので、このショットではなかなか難しい。昨日の終盤に調整できて、練習でも良き感じでできていたけど、自信を持って振れるところがなかった」と話した。
大勢のファンの声援については「2日間ひどいゴルフでしたけど、楽しかった。ゴールデンウィークで多くのギャラリーの前でいいゴルフができなかったのは苦しいけど、自分は楽しかった」と感謝し、大勢のギャラリーの求めに応じて長時間サインした。今後の米ツアーに向けては「(スイングの)テンポが狂っているところをどう直すか、試合は続くけど、しっかり調整したい」と話した。
2024年05月03日 18:42
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
米ツアーを主戦場とする、日米通算9勝の古江彩佳(富士通)は71位から出て、1バーディー、3ボギーの74と落とし、5オーバーの66位。カットラインに1打及ばず、予選落ちとなった。
悔しい2日間となり「こういう日もあるという、体の状態だった。昨日がスイング自体悪かったので、もう少し頑張りたかった」と結果を受け入れた。
今季初めての国内ツアーで大観衆の前でプレーし「ギャラリーさんがいてくれたおかげで頑張れた。帰ってきて試合に出られたのは良かった」とホールアウト後、クラブハウス付近で待ち受けた大勢のギャラリーへのサインに応じた。今夏のパリ五輪出場圏内となる日本勢2番手の世界ランク23位。今後は米ツアーに戻るが6月下旬まで続くパリ五輪出場権争いに向けては「変わりなくいくだけ。最後まで頑張れたらな、と思う」と意欲的に話した。
2024年05月03日 18:25
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)
昨季韓国ツアーで3勝を挙げて賞金女王に輝いた初出場の21歳、イ・イェウォン(韓国)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算5アンダーで2位をキープ。首位と1打差の好位置で決勝ラウンドへと進んだ。
イは「昨日と同じで、着実にプレーしていこうと思っていた。今日はアイアンショットがうまくいった。メジャーはコース設定が難しいので、守りに徹することが基本だと考えている」とラウンドを振り返った。
8歳で両親の影響でゴルフを始めた。「運動が好きで、楽しくプレーしていた」。元世界ランク1位の朴仁妃(パク・インビ)に憧れ、平均240ヤード飛ぶドライバーの精度が持ち味だ。先輩選手たちから日本ツアーの良い評判を聞き、今大会への出場を決めた。日本が好きで、冬にはプライベートで訪れたこともあるという。
7月には5大メジャーのエビアン選手権(フランス)への出場も予定する。決勝ラウンドへ「今の時点で優勝を考えるタイミングではない。毎日が初日だと思って、ひとつずつプレーしていけたら」と地に足をつけて戦うと誓った。韓国ツアーで「パーフェクト・バニー(完璧なうさぎ)」の愛称を持つという若き女王が、日本ツアーデビュー戦で初タイトルを狙う。