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2024年04月23日 11:12
ヤンキースのアーロン・ブーン監督の不可解すぎる退場処分に「これは馬鹿げている」 ■アスレチックス 2ー0 ヤンキース(日本時間23日・ニューヨーク) ヤンキースのアーロン・ブーン監督が22日(日本時間23日)、本拠地でのアスレチックス戦で受けた退場処分が大きな反響を呼んでいる。先頭打者への死球をめぐってファンが判定に抗議したのを“勘違い”した球審が監督に退場を宣告。予想外の展開にSNSでは「これは史上最悪の退場?」「ちょっと待て、マジかよ」とのコメントが相次いでいる。 初回、アスレチックスのエステウリー・ルイーズ外野手が足に死球を受けた際に、ブーン監督はスイングしたのではないかとアピール。球審のハンター・ウェンデルステット氏は次打者への投球にヤンキースベンチに向けて強い口調で警告した。これにブーン監督は左手を挙げて応じ、その直後に球審が監督の退場を宣告。突然の事態にブーン監督は両手を広げるジェスチャーで不満をあらわにした。 一連の騒動にニューヨーク紙「ニューヨーク・ポスト」が反応。「ヤンキースの試合で、アーロン・ブーンを退場させることになった(原因の)犯人が特定された」としたうえで、その背景にはダグアウト付近にいたファンが判定に抗議し、「見たところ審判が勘違いして、不満はヤンキースの指揮官が口にしたものだと(審判が)信じていた」と言及。今回が今季2度目の退場だったことにも触れていた。 米スポーツ局「FOXスポーツ」でアナリストを務めるベン・バーランダー氏も自身のX(旧ツイッター)で「信じられない。最前列のファンが審判をやじり、アーロン・ブーンがこの試合から退場となった。これは史上最悪の退場?」と投稿。ファンからは「これは馬鹿げている」「この道化師たちは、選手やコーチ同様に試合後にメディアに対して説明する必要がある」「今年のメジャーの審判はマジで酷い」「これはクレイジーだ」などの反応であふれかえった。(Full-Count編集部)
2024年05月04日 06:00
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
阪神は序盤の大量失点が響いて連勝が3でストップ。今季初先発の門別は初回に4連続適時打を浴びて4失点。二回にも岡本和に2ランを許した。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は悪循環の理由を分析。「今後につながる、いい勉強にはなったんじゃないか」と成長を期待した。
◇ ◇
阪神・門別は全体的に制球が甘かったし、ボールの強さも本来のものではなかった。真っすぐのスピードも140キロ半ばしか出ていなかった。二回の岡本和の2ランは高めのストレート、見逃せば完全なボールという球を打たれた。普通ならファウルになる球だが、それをスタンド中段まで完璧に持っていかれたのだから、それだけ球威もなかったということだろう。
投球フォームでも気になるところがあった。着地した後の右足の粘りが足りないため、球離れが早かった。重心が高いと低めに強い球は投げきれない。真っすぐが持ち味の投手だけに、その球が走らないと、変化球も見送られる。カウントを悪くして、ストライクを取りにいった球を打たれる悪循環。それが初回の4失点につながった。
待ち望んだ先発マウンドだったが、プロの世界はそんなに甘くはないということ。ただ、今後につながる、いい勉強にはなったんじゃないか。持っているものは間違いなく素晴らしいものがあるんだから。慣れの部分も大きいと思う。まだプロ2年目。2軍でもコンスタントに登板を重ね、試合で投げることに慣れてくれば、もっと力を発揮できるようになる。
2024年05月04日 06:00
巨人8―5阪神(セ・リーグ=3日)――巨人が連敗を3で止めた。
一回に坂本から4者連続の適時打で4点を先制。二回は岡本和の2ラン、八回は門脇の2点打で加点した。阪神は終盤の追い上げも実らず。
◇
試合前、巨人ベンチ前に円陣ができた。声出し役の門脇が、ユニホームの右袖に入った終身名誉監督の長嶋茂雄さんの永久欠番「3」に視線を送り、こう言った。「3点以上取って、全員でつながり、がむしゃらに戦おう」。その言葉は初回に現実となった。先頭に立ったのは坂本だ。
二死から吉川の二塁打と岡本和の四球で一、二塁。ここで打席を迎えた坂本は、バットを少し短く持った。「どうにか先制したい」。必死にフォークボールに食らいつくと、鋭い打球が左前で弾んで先取点が生まれた。五回は右翼線二塁打、八回は右前打を放ち、長嶋さんに並ぶ歴代3位となる186度目の猛打賞で特別な試合に花を添えた。
「燃える男」と称された長嶋さんは、チャンスでの勝負強さが代名詞だった。坂本もプロ初本塁打が満塁弾だったように、ここぞの集中力が真骨頂。今季の得点圏打率は1割台でも「ここっていう時に力を発揮してくれる」と阿部監督の信頼は揺るがない。
「長嶋茂雄DAY」と冠されたこの試合、テレビ中継の解説にOBの松井秀喜さん、高橋由伸さんが登場した。監督時代の長嶋さんから薫陶を受けた2人は、ファンのためにも試合に出続けることの大切さを学んだという。
その伝統は坂本にも受け継がれている。10代から試合に出続けてきた体はボロボロ。坂本は「(自己管理は)試合に出るためには当たり前」と平然としているが、陰で努力する姿を見てきた阿部監督は「自分の体にムチを打ってやっている姿は若い選手の教科書」とたたえる。強い巨人の復活に欠かせない看板打者だ。(財津翔)
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
阪神は大山が2発を放ったが、序盤の大量失点が重くのしかかり敗戦。これで引き分けを挟んでの連勝は3でストップした。試合後、岡田監督は3回6失点の門別、1回2失点の加治屋の登録を抹消する方針を示した。以下、岡田彰布監督との一問一答。
◇ ◇
−門別はいずれも2死から失点。
「ちょっとそろえ過ぎよな。コースに狙うというかな。腕振らんとな。(相手は)低め狙い打ちやんか。もっと大胆にいかなあかんわな。腕振って」
−力を出しきれなかった。
「そらそうやなあ。結局(カウント)スリーツーまでなあ、吉川にフルカウントにして、ストレート置きにいくわけやからなあ。そこまででも勝負できるわけやんか」
−降板は球威が落ちたから。
「いやいや、だって変化球ばっかり、ツーシームかなんか放っとるっていうから。『なんで真っすぐ放らへんのや』って言うたんや。もったいないのう。ノイジーの落球も痛かったけどな。あれで三者凡退で終わってたらなあ。3点差なんか絶対に分からへんのに、ここ(東京ドーム)なんか」
−加治屋の悪送球も痛かった。
「ファームに落とすよ。状況が分かってない。打順を見てみい。一番ベテランというか経験があるのに。なんでそんな慌てる必要あるんやろな」
−門別の今後は
「1回下で投げさせる。青柳がな、1回飛ばしとるからな。最初からそういうつもりやったけどな、青柳おるし」
−大山が2発。
「あんまりな、納得いく当たりじゃないやろけどな、ここはあんなんでもホームランなるからな。だから1点でも少なくやっとかんとあかんということや」
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
阪神・岡田彰布監督が動いた。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
ファンがどよめき、戸郷は首をひねった。強打者顔負けの悪球打ち。阪神・中野拓夢内野手が東京ドームで豪快な弾道を描いた。
六回2死。2球連続の見逃しで追い込まれた後だった。内角高めへのボール球の141キロを捉えると打球は高々と高く舞い上がり、勢いを失わずに右翼スタンドへ。「出塁して後ろにつなぐ意識だった。しっかり振り切ることができた」。171センチの小柄な体でも直球に力負けせず、23年8月9日・巨人戦以来となる1号ソロを生み出した。
九回2死一塁は大勢の153キロを捉えてライナーを中前に運んだ。「次につなぐことだけを考えて」。続く森下が適時打を放ち、巨人をあと一歩まで追い詰めるきっかけとなった。
守備も軽快だった。四回無死は丸の二遊間への鋭いゴロをダイビングキャッチ。素早く立ち上がって一塁へストライク送球でアウトにした。2死後は吉川の一、二塁間へのゴロを捕球すると、一回転して一塁へ送球。今季ここまで1失策の守備で投手陣を後押しした。2位・巨人とは2差。攻守で連敗阻止に貢献する。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
最後は悔しい二飛に倒れた。一発同点の場面で阪神・大山悠輔内野手(29)が緊急登板の巨人・泉に打ち取られた。それでも「長嶋茂雄DAY」と銘打たれた一戦で、虎の背番号3が、今季初となる意地の2本塁打を敵地に見舞った。惜しくも連勝は3で止まったが、この粘りは必ず次戦につながる。
意地の2発に虎党が沸いた。大山が序盤からの劣勢ムードを変える。「先に点は取られてしまいましたが、まだまだ序盤」と簡単に諦めなかった。これぞ4番という豪快なスイング。「長嶋茂雄DAY」と銘打たれた一戦で、虎の背番号3が気を吐いた。
4点ビハインドの二回先頭。1ストライクから戸郷の123キロスライダーを捉えた。白球は長い滞空時間を経て、左中間席へ着弾。暗かった黄色の左翼席が一気に明るくなった。4月19日の中日戦(甲子園)以来、10試合ぶりの2号ソロ。久しぶりに待望のアーチを描いた。
これだけでは終わらない。3点を追う八回1死からは船迫のカーブに完璧な一振り。打った瞬間に確信した。打球を見つめながら、ゆっくりと走り出す。大歓声とともに、虎党の待つ左翼席にスタンドイン。22年6月17日・DeNA戦(甲子園)以来の1試合2発となった。
じわりじわりと追い詰め、九回も森下の適時打で3点差と食らいついた。ここで守護神の大勢が異変を訴え、緊急降板。2死一、三塁と一発が出れば同点の絶好機で打席を迎えた。ボルテージも最高潮まで高まる。マウンドには泉。カウント3−1から149キロ直球を強振した。ただ、捉えることはできずに二飛。2本塁打よりも、最後の打者になったことが悔しかった。
「最後のチャンスが全てだと思う。ああいうところでつなげられるようにしないと。個人的に今日はそこが一番かなと思う」
今季は主砲が打点を挙げれば、7勝1分けと不敗神話を続けていた。しかし、9試合目でストップ。チームも連勝が「3」で止まった。5月の初黒星で2位・巨人とは2ゲーム差。GWも終盤に突入し、虎党のためにも5月初勝利を届けたい。
そのためには、4番の一打が必要不可欠だ。「僕が明日ズルズルいかないことが大事だと思う。そこを止められるようにしっかり反省して、明日に向けていい準備をして頑張ります」。確実に打撃状態は上向いている。4日の相手先発・菅野には前回対戦で3打数無安打に抑えられた。チームとしても、個人としても雪辱を果たす。
◆大山の1試合2本塁打 大山が1試合2本塁打を記録したのは2022年6月17日・DeNA戦以来、2年ぶり。また、1試合複数本塁打は自身10度目。なお、今季、大山が打点を記録した試合は初敗戦で7勝1敗1分けとなった。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
阪神の西勇輝投手(33)が3日、中15日で先発する4日・巨人戦(東京ド)に自然体で臨み、今季初勝利をつかむことを誓った。
プロ16年目のベテランは、同球場でいつも通りの軽めの練習で最終調整。「(気持ちは)変わらない。変わるとしんどい、強弱をつけると。長くやっているとそういうのがしんどく感じるんで、そういうのはあまりしないように普通通り」。これまでの経験を生かして敵地のマウンドに上がる。
4月18日・巨人戦(甲子園)以来の登板は、前回に続いて菅野との投げ合いとなる。1学年上の右腕とは、2019年まで4年連続で合同自主トレを行った間柄。「目標にしていたピッチャー」と尊敬する存在だ。
前回は自身が8回1失点で、菅野が7回1/3を1失点。ともに勝ち負けはつかなかった。以前から“師匠”との直接対決には「いい戦いをしたい。年齢を重ねてきて、投げ合うことも難しくなってくるだろうし」と楽しみにしてきた。通算5度目の投げ合いを制し、今季4試合目の登板で初白星をつかむ。
2024年05月04日 05:01
「ウエスタン、阪神0−0くふうハヤテ」(3日、甲子園球場)
今季初の甲子園での一戦。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
1軍の壁を痛感した。今季はファーム3試合先発で防御率1・13。1軍では中継ぎとして3試合で失点0と無双状態だった阪神・門別啓人投手が、まさかの3回6失点KO。「久々にこんな打ち込まれたんで、また考えないといけない」。試合後は反省の言葉を並べた。
初回はオール直球勝負で2人を料理した。しかし、吉川に二塁打を浴びると、岡本和には四球。坂本に先制適時打を献上し、そこからG打線を止められなかった。長野、小林、門脇とまさかの4者連続適時打で一挙4失点。
「真っすぐがどうしてもいいところに投げられなかった」と二回以降はツーシームなども多投したが、味方の失策も絡み、岡本和にプロ初被弾となる2ランを献上した。三回は0に抑えたが、ここで降板となった。
大舞台での緊張はなかったというが、力みは感じていた。「最後に決めるところが甘く入ってしまった。変化球も落ち切らなかったり、キレも全然なかった。課題が今日全部出ました」。今季初先発は3回6安打6失点と悔しい結果になったが、冷静に課題を見つめ直した。
今後はファームで登板する予定。「また一からしっかり頑張っていこうかなと」。プロ初勝利とはならなかったが、門別の表情は決して暗くなかった。貴重な経験で出た学びを糧に、1回りも2回りも大きくなってまた1軍に帰ってくる。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」で、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(49)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が、セレモニアルピッチに登場した。
13年には2人で国民栄誉賞を受賞した師弟。「巨人は90周年ですが、200年たっても、長嶋茂雄という名前は語り継がれる」と感謝を言葉にした。試合前にはトークイベントにもサプライズ出演。「阪神、強いですよね」と話した上で「私の心は今もジャイアンツです」と、変わらぬ巨人愛を語った。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」で、長嶋さんの次女で、スポーツキャスターの長島三奈さん(55)がファーストピッチを務めた。
親交のあるドラフト1位・西舘(中大)から助言を受け、ダイナミックなフォームで投球。「一番は父が喜んでいて、今日の日を楽しみにしていました。楽しそうにしている父を見るのが、私はすごくうれしかった」と感謝。背番号3のユニホーム着用に「父が『いいよ、いいよ』って、笑って了承してくれた」と明かした。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
巨人・大勢投手が右肩の違和感を訴えて緊急降板した。
2024年05月04日 05:01
「楽天12−1ロッテ」(3日、楽天モバイルパーク)
最後のアウトを取ると、捕手の太田と熱い抱擁を交わした。楽天・早川隆久投手が9回1失点で自身3年ぶり2度目、チームでは今季一番乗りとなる完投勝利で3位浮上に貢献。左腕はお立ち台で「2週間前はお騒がせしてすみませんでした」と謝罪した。
その言葉には訳があった。早川が4月19日の西武戦(ベルーナ)で5失点と打ち込まれた試合後、「自分は要求された球を投げただけ」と捕手批判ともとれる発言をした。すると登板間隔を空けるためとされ、翌日に出場選手登録を抹消された。
その後、早川から太田に謝罪。もう一度話し合いを重ね、再びバッテリーを組んだ。そしてこの日は「ゲーム前からうまくコミュニケーションを取れて、テンポよくいけた」と息がぴったりだった。
本拠地初となる完投を目指した九回には、自身の登場曲が流れる演出。「本能的に一回の感じがしてギアが上がった」と最後まで集中力は切れなかった。バッテリーとして壁を乗り越えてつかんだ大きな1勝。左腕は「太田さんとこれからも勝ち星を積み上げていければ」と笑顔で語った。
2024年05月04日 05:01
「ヤクルト5−3中日」(3日、神宮球場)
雲一つない青空の神宮がよく似合う。屈辱も、歓喜も味わってきた本拠地はいつも変わらずに背中を押してくれる場所だ。ヤクルト・村上宗隆内野手が今度は球団史に名を刻む、史上最年少での神宮100号を達成。「もっともっと記録を伸ばせるように頑張りたい」。スタンドには色とりどりの傘の花が咲いた。
2点リードの三回だ。1死走者なしで打席に向かうと、カウント2−2からの5球目だった。真ん中に甘く入ったスライダーを強振し、最後は押し込んだ。打球は左翼席ギリギリに着弾。リーグトップタイに浮上する7号ソロを放ち「大勢のヤクルトファンの前で打てたのはうれしい」とメモリアル弾を喜んだ。
同球場での100本塁打は山田の26歳10カ月が最年少記録だったが、村上は24歳3カ月で達成と大幅に更新。2試合連発と令和の三冠王が本領発揮モードで、清原氏を超える史上最年少200号までもあと「2」とした。
本拠地のスタンドから力をもらい、ファンと一緒に戦って積み重ねた記録だ。ルーキーイヤーに初打席で放ったプロ1号で衝撃的なデビューを果たし、史上最年少100号を刻んだのも神宮だった。キャンプ中には練習の合間にサイン会。「球場でホームランを打つだったり、勝ち試合を見せることが僕らの一番できるファンサービスだと思うので」。今季初の4連勝で最下位脱出。これからも村上は、ファンとともに走っていく。
2024年05月04日 05:01
「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)
「4番・サード 長嶋」のアナウンスがドームに響く。車いす姿のレジェンドがグレーのスーツに身を包み、大歓声には何度も左手を上げて笑顔で応えた。割れんばかりの「長嶋コール」。代名詞となった「勝つ!勝つ!勝〜つ!」のフレーズを、ナインが特別な伝統の一戦で体現した。突破口を開いたのは巨人・坂本勇人内野手だ。
初回、2死から吉川が右中間を破った。得点圏に進むと、岡本和が四球を選び一、二塁。ここで坂本が打席に立った。長く長嶋氏が守ったホットコーナーに、今季から本格的に転向したベテラン。1ストライクから2球目、絶妙なバットコントロールでフォークを拾った。
「今の日本のプロ野球人気を築いてくれた。毎日、何万人というお客さんの前でプレーできるのも、そういう方々のおかげだと思う。改めてすごいなと思いました」
見えない力に後押しされたように、先制点を奪うと後続もつながった。長野、小林、門脇と4連打で4得点。今季最多の初回得点で、阿部監督も「今年初っていうくらいつながった。いい攻撃でしたね」と呪縛から解かれた打線を評価。坂本は五回に右翼線二塁打、八回に右前打と今季2度目の3安打で、通算186回目の猛打賞。記念の一日に長嶋氏の記録に肩を並べ「光栄なこと。素直にうれしいです」と笑みを浮かべた。
球団創設から90年、栄光の歴史をつないできた巨人軍。時代を彩った長嶋氏の記念試合に、愛弟子の松井秀喜氏も駆けつけた。3連敗で迎えた試合前には「こういう時は実績のある選手が打破してね。坂本くん、岡本くんに、頑張って欲しい」とゲキを飛ばしたが、名指しした2人が快音を残した。長嶋氏は昨年も、不振に陥った坂本を直接指導。長嶋氏から松井氏、阿部監督、坂本…とDNAは受け継がれている。
五回終了時、長嶋氏と並んでセレモニーに登場した阿部監督は「今日は勝てとカツを入れられました」と笑った。首位・阪神を倒して連敗は3でストップ。坂本は言う。「これからもっと、もっと状態を上げていかないといけない。1本でも多く打てるように頑張りたいですね」。栄光の記憶と記録をつなぐため、勝利を導くためにバットを振る。
◇ ◇
長嶋茂雄終身名誉監督「読売巨人軍は本年、球団創立90年を迎えました。ご観戦の皆さま、全国の野球ファンの方々と共に心から祝福したいと思います。1世紀に近い年月の中、多くの先輩、同輩、そして若い世代の人たちに支えられて築かれた球団の歴史です。
私も巨人に入団して半世紀を過ぎました。自分自身の足跡を振り返っても、さまざまな喜怒哀楽が詰め込まれています。
今シーズンは阿部監督のもと、レギュラーを死守するベテランとチャンスを狙う中堅、さらに若手を含めた戦う集団です。創立90年の年、巨人が日本一の座を目指す戦いを見せてくれると期待しています」