©sports-topics.net 2024
2024年04月26日 19:32
「ウエスタン、ソフトバンク3−8阪神」(26日、タマホームスタジアム筑後) 阪神2軍は11安打8四球で打線がつながり、大勝した。打線は、6戦無安打が続いていた9番・遠藤が3安打1打点と躍動。渡辺も1安打2打点の活躍。好調の井坪は同点に追いつく適時打を放った。 先発の西純は5回8安打5四死球3失点と制球に苦しみながらも粘りの投球。107球を投げきった。 4月18日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)以来の登板だった2番手・石黒は2死満塁のピンチを背負いながらも無失点に。川原、石井、佐藤蓮も0でつないだ。 和田2軍監督の一問一答は次の通り。 −四球も絡めながら打線がつながった。 「苦しくなりそうな展開で、追加点がいつもそこが取れなくてね、苦しい展開になってしまうんだけど、やっぱ次の1点というところが中盤で取れたのが、ピッチャーも楽になったと思うしね。その中で選球眼っていうとこでね、ヒットだけではなかなか点を取れ取りづらいけど、そこにフォアボールを絡めることができたんでね。今日に関しては、しっかりと攻撃できたかな」 −その中でも遠藤が久しぶりの安打で3安打。すべて得点に絡む安打。 「ちょっとここ1週間ぐらい状態悪くてね。ヒットも出ないし、内容も悪かったんだけど、1本目のヒットで気分的にも楽になったかな。本当は上位打ってほしい選手なんでね。これで今日の3本でもう一回調子を取り戻してくれたらいいかな」 −二塁守備でも四回に一走のオーバーランを狙い、二、三塁で挟んでアウトに。 「ここのところ遠藤だけじゃなくて守る方ではしっかり内外野含めて、今日ちょっと(井上)広大のプレーが一つあったけど。比較的、守りに関してはね、守走っていうところで、今シーズン本当に力入れていこうっていう中で、ここ数試合はね。1試合1試合にしたら、そういうミスも起きることはあるけど、やっぱりしっかり守ってやるとピッチャーも気分的にも違うだろうし。今まで終盤、接戦になって、要所で、そういうことが出て、試合落とすっていうことが何ゲームかあったんで。それを含めてここ何ゲームかはしっかり守れてるかな」 −井坪は打率も高いが得点圏打率も高い。勝負強さは感じるか。 「ちょっとピッチャーによるところがあるんでね、まだまだ打率と内容がもう少し伴ってくるとレベルアップできると思うしね、もっと力がついてくると思う中で、やっぱり結果は出てるので。あとは本当に打つ方は、すごく興味を持ってやってくれてるから守備、走塁というところで、やっぱりこれだけ打つと、塁に出る機会が多くなってくるので、そこでの打球判断であったり、隙をつく走塁。そういうところが、まだまだっていうところがあるんで、そこは勉強しながら成長していってほしいな」 −先発の西純は制球に苦しんだ。 「まず先頭打者の入り、5イニング中4回先頭打者出してるし。状態の悪い中でなんとかゲームを作ったかなっていう感じだったな、今日はね」 −良い時と悪い時の差が課題か。 「そうだな、どちらかというと気持ちを全面的に出して投げるタイプのピッチャーだと思うんでね。そこはちょっと気持ちのノリというかね、そこは慎重になってるのはわかるんだけど、もっとこう、ぐーっと気持ちを入れて投げていくタイプなんで、そういうところが見たいな」 −石黒は久しぶりの登板。 「ゲームで、マウンドでこなしていくというか。点差とかそういう条件も重なってくるから、一概には言えないけど、今日も慎重に慎重に行きながら、すごくコントロールのいいピッチャーなんで、余計、角角低めっていうところを突く。その慎重さと大胆に行くところ。慎重にちょっと行きすぎて、ボール先行してしまう場面が多いんで。今日も2アウト満塁まではいったけどなんとか粘って。今までそこが粘れなかったっていうマウンドが何回か続いたんで、今日は粘れたんでね。1歩1歩前進していってくれたらいいよね」 −明日の先発は。 「明日は富田」
2024年05月07日 10:00
阪神・近本光司外野手(29)が本塁打を量産している。開幕から全31試合に出場し、打率・266、4本塁打、12打点。昨季は585打席で8本塁打だったが、今季は142打席で4本塁打と2倍のハイペースだ。ここまでの打撃を分析してもらった。
◇ ◇
ここまでチームでは森下の5本塁打に次ぐ4本塁打。近本に本塁打のペースについて聞けば「打ちたいなとは思っているので。ペース、数より打てたらいいなぐらいですね」と涼しげに言った。
小柄ながら一発長打が近本の魅力だ。プロ1年目から9本塁打を放ち、21年に10本塁打で初めて2桁に乗せた。585打席で8本塁打だった昨季と比べると、今季は2倍のハイペースだ。
「いろんな要素があります。球場、ピッチャー、自分の状態にもよる。こうなったら本塁打になる確率が上がるとか、ヒットになる確率が上がるとか、どっちを取るか」
安打か本塁打か、近本は状況に応じて「狙うのではなく、可能性が高い方を選ぶ」と言う。5日・巨人戦(東京ド)では0−0の三回1死二塁、下手投げの高橋礼から右翼席前列へ先制2ラン。高めの球を狙い澄ましたような一撃だった。
近本は「ある程度リスクを背負わないといけないと思っている。それぐらいの気持ちでいかないとプレースタイルは変わらない」とも言う。今季は開幕前に「二塁打を増やしたい」と掲げ、「どれだけ打球速度が上がって角度がついて、長打になるか、そういう打撃も求めていきたい」と話している。本塁打がハイペースとはいえ、まだ31試合を消化しただけ。サンプルは少なく、成績にも半信半疑のようだ。
「目先のヒットばかり求めてしまうと何も変わらない。ただホームランの結果は出てる。でもヒットは出てないし、まだ1カ月しかたっていないので分からないですね」
ちなみに死球は今季ゼロ。昨季は12死球で離脱を余儀なくされたこともあっただけに、コンディション万全ならキャリアハイも視界に入る。嗅覚を研ぎ澄ます近本の打席から目が離せない。(デイリースポーツ・杉原史恭)
2024年05月07日 10:00
巨人のファームに驚くべき韋駄天(いだてん)がいる。昨オフにソフトバンクを戦力外となり育成選手として新加入した舟越秀虎外野手。2軍公式戦で盗塁を積み重ねる“ダイヤの原石”。巨人・桑田真澄2軍監督が絶賛する理由とは。
◇ ◇
鮮やかに盗塁を決めた。「2番・中堅」で先発出場した6日のイースタン・ヤクルト戦(戸田球場)。初回に出塁。相手先発は1軍経験もある奥川。舟越は次打者・泉口の初球に快足を飛ばして二塁を陥れた。試合後、桑田2軍監督が思わずうなった。「素晴らしいよね。スタートを切る勇気。足という武器とスライディングの速さとかね、本当に素晴らしいなと思いますね」と絶賛した。
2軍公式戦22試合の出場で10盗塁と、約2試合に1個のペースで数字を積み重ねている。ソフトバンク時代の昨季、出場した試合で計68盗塁をマークしたとされる快足が武器の若武者。新天地でも存在感を大いに発揮している。
課題もある。この日は3打数無安打で打率が1割台の打撃だ。ファームではスペシャルな才能を持つ舟越にも英才教育を施している。テクノロジーの進化や科学を積極的に活用するのが桑田2軍監督流。「オンプレーン」(ボールを線で捉えられているかどうかの数値)も活用している。「オンプレーン率が30ぐらいだったのが今ようやく70ぐらいにきてる。ようやく打球が前に飛ぶようになってきた」と説明。「いい当たりは正面いくとアウトだから、いないところに狙って打てるような感覚を身につけていこう」と次のステップに進んでいるという。
驚異的な走塁に加え、安打や出塁を増やす技術が身につけば鬼に金棒。だからこそ桑田2軍監督は「タイプからして、三振を減らすこと、フライを減らすことっていうのは大事だと思う。今は1つずつ課題を克服できるように取り組んでる状況」と語る。
舟越が、ソフトバンク・周東に近い“素材”であることは間違いないだろう。桑田2軍監督が中心となり、ファームではダイヤモンドの原石を光り輝かせることに注力しているわけだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)
2024年05月07日 09:48
マーリンズのシューメーカー監督「TVで彼を見るのはとても楽しいが」
■ドジャース ー マーリンズ(日本時間7日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手は6日(日本時間7日)、本拠地・マーリンズ戦に「2番・指名打者」で出場する。試合前にマーリンズのスキップ・シューメーカー監督が取材に応じ大谷を絶賛。「彼は野球史上屈指の才能を持つ選手。だからテレビで彼を見るのはとても楽しいが、ここで今彼を見るのはそんなに楽しくない」と本音を漏らした。
エンゼルス時代の昨季、マーリンズは大谷を3試合で打率.083(12打数1安打)、5三振に抑え込んだ。指揮官は「目付を変える。違う球種を投げる、いかなるパターンにも陥らないこと」と対策を述べた。
カリフォルニア州オレンジカウンティに住んでいるシューメーカー監督の息子が大谷の大ファンだという。「息子はショウへイ・オオタニを見るのが大好きなんだ。だがとにかくここからの3試合、彼がすばらしいシリーズを送らないことを願うよ」と苦笑いする。
とはいえ、シューメーカー監督自身も1人の野球人。「野球ファンとして、ショウへイ・オオタニを見ていて興奮しないわけがない。彼に会うことに興奮しているし、この連戦が彼にとって厳しいものになることを願う」と立ち向かう準備はできている。(川村虎大 / Kodai Kawamura)
2024年05月07日 09:43
平均打球初速やバレル率など7項目を100点満点で数値化
ドジャースの大谷翔平投手は、ここまで35試合を終えてメジャートップの打率.364、同トップタイの10本塁打などロケットスタートを切っている。
2024年05月07日 09:05
6日のブレーブス戦で放った10号は今季自己最長の飛距離141メートル
■ドジャース 5ー1 ブレーブス(日本時間6日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手は、5日(日本時間6日)のブレーブス戦で今季自己最長となる飛距離464フィート(約141.4メートル)の10号ソロを放った。この日は2発を放った本塁打ランキングでメジャートップタイに浮上。衝撃の一発の余韻は、一夜明けても冷めることはない。
米スポーツ局「MLBネットワーク」の番組「MLBセントラル」では6日(同7日)、WBC米国監督を務めたマーク・デローサ氏が「AJ・ミンターから放った打球についてです。ドジャースタジアムで打撃練習をしたことのある人なら、打撃練習でもあそこに飛ばすのは不可能なことを知っています。しかも左対左で打ちました。左中間の奥深くに(打球を)粉砕したんです」と改めてそのすごさに触れた。
さらに「引っ張ってホームランを打てる打者はいくらでもいます。でもボールを引きつけて逆方向に打てる打者は非常に少ないです」「(センターの)マイケル・ハリス2世を見てください。感嘆していますよ」と賛辞は止まらなかった。(Full-Count編集部)
2024年05月07日 09:00
巨人は開幕からなかなか打線が繋がらず苦しんでいる。6日の中日戦も完封負けを食らった。
5月1日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−ヤクルト』で解説を務めた若松勉氏は打線について「個人、個人が頑張らないとダメですね。頑張ってスタメンだとか、監督が決めるわけですから。何番を打たされても、それにあったバッティングをしていかないと」と苦言を呈した。
3日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−阪神』で解説を務めた江本孟紀氏は「ジャイアンツの日替わり打線を見ると嫌になりますね」とチクリ。「ここ数年、入れ替え、入れ替えでイマイチのところのパターンのままですもんね。ジャイアンツの打線を見ていると打って欲しい、打って欲しいで毎日変えているんですよ」と指摘した。
「もうちょっと安定させたほうがいいと思いますね。ただジャイアンツの打線はめちゃくちゃ悪いわけではない。だけどチームとしての点の取り方が阪神と全然違う」と話していた。
ちなみに6日の中日戦は1番から4番まで前日と同じ打順も、5番・萩尾匡也、6番・門脇誠、8番・中山礼都は前日から違う選手となった。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月07日 08:46
自身8度目、ナ・リーグでは初の週間MVPを受賞した
■ドジャース ー マーリンズ(日本時間7日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手は6日(日本時間7日)、本拠地で行われるマーリンズ戦に「2番・指名打者」で出場する。打撃絶好調で4月29日(同30日)から5月5日(同6日)期間の週間MVPを受賞したことがこの日発表されたが、デーブ・ロバーツ監督が要因を明かした。
大谷は同期間で5試合に出場。打率.524(21打数11安打)、3本塁打、7打点、出塁率.583、長打率.952、OPS1.536という活躍だった。週間MVPの受賞はエンゼルス時代の昨年7月30日(同31日)以来、自身8度目。ナ・リーグでは初受賞となった。
これまでと比べてどこが良くなったのか。ロバーツ監督は「先週1週間はストライクゾーンをコントロールできていた。彼に有利な球がかなり来た。彼とは(自分に有利な)球を投げてもらうようにすることについて話した。平行カウントあたりでのゾーン低めやボール球、または内角球をかなり見送っていて、まずまずのカウントに持ち込み、打ちやすい球を得ている。打ちやすい球をもらうという点でいい仕事をしている」と説明した。
4月30日(同5月1日)のダイヤモンドバックス戦では1試合3三振を喫したが「あれは(大谷にしてみたら)例外だったのだと思う。あの日は9連戦の最後に近かった。あれは忘れていいようなものだ」と問題なしを強調した。(Full-Count編集部)
2024年05月07日 08:20
大谷の今季10号は打球速度110.6マイルを計測した
■ドジャース 5ー1 ブレーブス(日本時間6日・ロサンゼルス)
異次元の打撃に米メディアも唖然としている。
2024年05月07日 08:19
米スポーツ局のインタビューにベッツと登場、投球には「恋しさある」
ドジャースの大谷翔平投手が6日(日本時間7日)、本拠地で行われるマーリンズ戦前に、ムーキー・ベッツ内野手とともに米スポーツ局「MLBネットワーク」の番組「MLBトゥナイト」のインタビューに応じた。
「最強の選手は誰か、ベッツやフリーマンと切磋琢磨し合っていますか?」」との質問を受けると「まだ1か月くらいなので、僕個人としてはかなり印象的な活躍を僕自身の励みにしています。ほぼ間違いなくムーキーが出塁している状況が続いているので、比較的自分にポジティブな感じで打席に立てているのが大きいかなと思います」と隣に立つ元ア・リーグMVPに感謝した。
さらに「投球が恋しいか」と聞かれると「恋しさもありながらも、ピッチングの日って緊張するので、緊張感が恋しいのともう少し打者に集中してみたいという気持ちもあります」と笑顔を見せた。(Full-Count編集部)
2024年05月07日 08:10
どこを見ているのかわからない大谷と、目を瞑ってしまっているグラスノー
■ドジャース 5ー1 ブレーブス(日本時間6日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手とタイラー・グラスノー投手の、ファンは見ることのできない舞台裏に注目が集まっている。4日(日本時間5日)に本拠地で行われたブレーブス戦で、大谷は3回に8号ソロを放つなど5打数3安打2打点の大活躍。投げてはグラスノーが7回2失点の好投で、トップタイの6勝目を挙げた。
投打がかみ合って11-2で快勝した一戦の舞台裏を、ドジャースの球団専属フォトグラファーを務めるジョン・スーフー氏が自身のインスタグラムに投稿。この試合で始球式を務めた人気アーティスト、P!NKさんと選手らとのツーショットの他、試合中のプレー写真や滅多にお目にかかれない舞台裏を公開してる。
なかでも注目を集めているのは、大谷と長髪でハンサムな風貌から“王子様”とも呼ばれるグラスノーの1枚。歴史あるドジャースタジアムの薄暗い通路と思われる場所でハイタッチを交わしているが、どこか呼吸が合っていないような。どこを見ているのかわからない大谷と目を瞑るグラスノーが写っている。
スーフー氏の投稿に日米のファンも興味津々。「一人一人の表情が楽しくそして躍動。素敵です」「今回も素敵な写真をありがとうございます 今日もスーパースターの大谷くんが2本のホームランを打ちました」「みんな最高の笑顔。心躍る素敵な写真いつもありがとう」とのコメントが寄せられている。(Full-Count編集部)
2024年05月07日 08:00
「ウエスタン、広島(降雨中止)阪神」(6日、由宇球場)
広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=が7日のウエスタン・阪神戦(由宇)にスライド登板し、実戦デビューする。先発予定だった6日の同戦は雨天中止。待ちに待ったマウンドへ向け、「相手の打者としっかり勝負することを意識したい」と意気込んだ。
デビュー戦はいきなり難しい条件となったが、動じることはない。スライド登板は大学時代に何度も経験済み。「なんとも思わないので、このまま普通にいきたいです」と涼しい顔だ。
想定外の出来事はシーズンを戦う上で避けては通れない。今後の長いプロ野球人生を見据えて「あまり決まった調整方法を持っていない。臨機応変にというか、環境に左右されない強さも必要」と心強い。
調整のペースが上がらず、春季キャンプ終了後から3軍で調整を続けてきたが、4月17日に初のシート打撃に登板。同26日にはマツダスタジアムで3度目のシート打撃登板に臨み、最速151キロを計測するなど一歩ずつ歩みを進めてきた。
この日は大野練習場でキャッチボールやダッシュなどを行い、汗を流した。プロ入り後初めてファンが見守る中での投球となるが、「そのへんはあまり関係ない。どういう投球をしたいか、どういう課題が見つかるのかに集中したい」と常広。高い適応力を見せ、収穫のあるマウンドにする。
2024年05月07日 07:40
パドレスのスアレス、13試合に登板して1勝0敗10セーブ、防御率0.66の成績
パドレスのロベルト・スアレス投手が、ナ・リーグ最強の守護神と言っても過言ではない成績を残している。
2024年05月07日 07:30
◆ 復帰初戦でチームを救う逆転3ラン
筒香嘉智が横浜スタジアムに1673日ぶりに帰ってきた。19年のCS以来の慣れ親しんだグラウンド、そしてかつての定位置だったレフトへ向かう背番号25に、ベイスターズファンの大きな声援が送られた。
出場選手登録されて即、“6番・レフト"でスタメンに名を連ねた筒香は、第1打席となった2回、1アウト2塁からヤクルト先発の石川雅規と対峙し、5球を全て見送りフォアボールで出塁。チャンスを広げることに成功すると、その後京田陽太の犠牲フライで一時逆転のホームを踏んだ。
第2打席も1アウト2塁のチャンスで出番が回ってくると、この日9球目を初めてスイング。いい感じで捉えた打球だったがひと伸び足りず、白球はセンター・西川遥輝のグラブに収まった。
2点差に開いた7回、1アウトランナーなしからこの日3回目の打席に入ると、ヤクルト3番手の星知弥の高めの150キロストレートを左中間フェンスに弾き返し悠々とセカンドへ。スタジアムのボルテージが一気に上がる中、続く伊藤光は三遊間を抜き、さらに代打の大和に期待が集まったが、残念ながらサードゴロで筒香が本塁でアウトとなり、反撃ムードも萎んでしまった。
しかしクライマックスはここからだった。再び2点ビハインド、2アウト1-2塁とホームランで逆転の場面で打席に入った筒香は、エスパーダの投じた初球のストレートを狙いすましたように振り抜くと、打球は右中間スタンドへ吸い込まれていった。千両役者はベンチに向かってひと吠えすると、一塁を回ってもガッツポーズ。痛快な一打で逆転勝ちを収め、ベイファンの熱気は試合後も色濃く残っていた。
試合後筒香は「ファンの皆様の前で、このベイスターズのユニフォームを着てプレーできて、感謝の気持ちでいっぱいです」とまずお礼。決勝の一打には「前の宮崎さんがフォアボールで出塁してくれましたので、まだ点差もありましたし、強い打球を心がけていました」と冷静に振り返った。久しぶりの古巣には「ベンチにも活気があって、みんなが試合に集中してると思いますし、 どんどん、どんどん強くなっていくチームだと思います」と太鼓判を押し「今日は今日で、また明後日に向けていい準備をしたいと思います」と気を引き締めていた。
三浦監督も「やってくれましたね。さすがです。やっぱり独特のオーラというか、打席での雰囲気というかね、もう球場全体の、ファンの方の期待感というものを、しっかりと結果で応えてくれましたね」と絶賛。
久々の一軍ながら「今日の結果ももちろんそうですけども、打席での存在感っていうかね、雰囲気がね、ベンチから25番を見ていると、ほんとにどっしりしてる」と感心し「その中でボールを見ながらね、無理に強引なところもなく、しっかりと打つべきボールを待って。最後の打席なんて、本当に1発で仕留めたっていうところが、さすが筒香だなと思いました」と脱帽していた。
復帰初戦でチームを救ってみせた筒香嘉智。存在感で、そして結果で、愛する横浜を高みに導く。
写真・取材・文 / 萩原孝弘
2024年05月07日 07:20
元阪神のジョンソン…ブレーブスは「日本語を話せる人がいない」
日本を離れてから5年が経っても、一度宿った猛虎魂が消えることはなかった。5日(日本時間6日)の敵地・ドジャース戦で、ブレーブスのクラブハウスで遭遇した元阪神のピアース・ジョンソン投手に話しかけられた。「お久しぶりです」。流ちょうな日本語は健在だった。
記者にとってはロッキーズ時代の昨年以来、1年ぶりの再会だった。「虎」の文字が入った記者の名刺を見せた甲斐があったのか、覚えているようだった。話題はすぐに阪神のことに。阪神は4日(同5日)の時点で16勝11敗でリーグ首位に立っている。
記者が「阪神は去年日本一に輝いて、今年もリーグ首位に立っているよ」と伝えると、もちろん知っているという表情。それ以上に気になるのはライバルの存在。「ジャイアンツが2位でしょ?」と問いかけてきた。思えば、昨年も「巨人ファンは『アッチイケ』」と話していた。ジョンソンがNPBに在籍していた2019年は10勝15敗と巨人に負け越し、リーグ優勝も譲った。あの悔しさを今でも覚えている。
2018年12月に阪神と契約。2019年には58試合に登板し、40ホールド、防御率1.38という好成績をマークし、再びメジャーの舞台に返り咲いた。その後はパドレス、ロッキーズ、そして昨年トレードでブレーブスに移籍。3球団を渡り歩いた。
わずか1年の在籍でも沢山の日本語を覚えている。「ありがとう」「元気してますか?」「またね」。パドレス時代はダルビッシュ有投手、ロッキーズ時代は日本人トレーナーが在籍していたが「ここには日本語を話せる人がいないんだ」。日本語が使えなくて残念そうにする助っ人はそういないだろう。
今季は4日(同5日)に右肘の張りで15日間の負傷者リスト(IL)入り。13登板で2勝1敗、防御率3.00をマークしながら無念の離脱となった。それでも「すぐに戻ってくるよ」と笑顔。猛虎魂を胸に持ってメジャーでも腕を振る。(川村虎大 / Kodai Kawamura)
2024年05月07日 07:10
藤田宗一氏は1997年ドラフト3位でロッテ入団…エースに浴びた洗礼
元ロッテ、巨人、ソフトバンクでリリーフ一筋600試合に登板したサウスポー、藤田宗一氏は、西濃運輸(岐阜県大垣市)から1997年ドラフト3位でロッテに入団した。京都府出身で少年時代は地元・関西の阪神ファン。進学した島原中央高校は長崎県、社会人も東海地区だったこともあり、千葉を本拠とするロッテについては「ほとんど何も知らなかった」という。
1997年11月21日、ドラフト3位指名を受けた晴れの記者会見の直後。藤田氏は林教雄監督に怒られた。「お前が通用するか、まだわからんだろう」。25歳にしてプロ入りできる喜びが溢れ過ぎて、報道陣に「僕は打たれません。バッターを100%抑える自信があります」と豪語したからだ。まだプロの世界で1球も投げてないにも関わらず、思わず“本音”がこぼれ出た。
藤田氏は苦笑いで懐かしむ。「100%って言っちゃいましたからね。ボロカスにたしなめられました」。ある意味イケイケ、若気の至り。でも確信には根拠があった。当時の社会人は金属バットを使った。加えて五輪などの国際大会ではプロの参加はまだなく、社会人の選手が主役を張った。高いレベルに揉まれつつ、結果を残してきた自負があった。
「金属バットだと、芯を外しても持っていかれる。だからピュッというボールのキレでフライを打ち上げさせたり、ボールをちょっと動かして詰まらせたり。バットの先よりは根っこに投球が行った方が打たれないんです」。精緻な技術を体得したサウスポーにとって、プロが相手でも木製バットならと考えると、怖くなかった。
ところが、ルーキーイヤーのキャンプは“恐怖”を感じるスタートとなった。
第1次キャンプは米アリゾナ州ピオリア。ロッテで顔がわかる選手は2人しかいなかった。まずは「ジョニー」の愛称で呼ばれた黒木知宏投手(現ロッテ投手コーチ)。同じ東海地区の社会人・新王子製紙春日井(現王子)出身で、1つ年下ながら先にプロ入りしていた。「アイツが18歳の時から知ってます。対戦もしていたので、話したこともあった。黒木の方から『藤田さーん』って駆け寄って来てくれました」。
もう1人は、エース小宮山悟投手(現早大監督)。ただし「コミさんは、名前は知ってはいたんですけど……。サングラスをかけたピッチャーやったな、くらいでした」。顔というより、トレードマークの風貌の印象が強かった。
そのエースから大目玉を食らった。投内連係の練習で、シフトのサインを出し間違えた。サインの複雑さに戸惑っていた。「サイン、ちゃんと覚えとんのかー」の怒声が響く。怖い物知らずの藤田氏も、さすがに「ハイーッ、すいません」と縮み上がった。チームも好調も「観客が増えない」…投球練習中に「人が数えられた」
プロの環境に徐々に慣れて迎えた開幕。藤田氏はドラフト会見での宣言通りの活躍を披露した。4月4日の近鉄戦で初の1軍マウンドを踏むと、1週間後の西武戦には初セーブ。5月4日の西武戦では初白星も手にした。「順調な滑り出しでしたね。自信があったんで」。強心臓は少しも揺らいでいなかった。
本拠地・千葉マリン(現呼称はZOZOマリン)特有の強烈な風にも、揺るがなかった。「僕は投げやすく、気にならなかったです。逆にうまいこと利用しました。風に乗せたり、抵抗を使えばいい。ガーッと力んで投げなくても、スピンもかかるし、スッと曲がる。すぐに、わかりましたよ」。“名物”の特徴を早々とつかみ、自らの味方に付けた。
チームも好調な船出だった。4月は11勝5敗と首位通過。そんな中、藤田氏は入団前に抱いていたロッテの印象を思い出していた。
「昔はテレビの『珍プレー好プレー』の番組とかでしか、ロッテを見たことがなかった。当時のロッテのホームは川崎球場だったのですが、人が少ないというイメージしかなかったんです」
実際に入団してみて、本拠地での投球練習中に試した。「観客席を見て1人、2人、3人……と。数えられるんですよ。『あー、これがホンマのロッテなんや。千葉マリンになってもこれなんや』と感じていました。勝ってもお客さんが増えなかったですね」。
現在はCS放送やインターネット配信などを通して、どの球団もファンとチームの距離が接近した。パ・リーグの人気が、セに比べるとまだまだ苦しかった時代があった。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)