2024年04月27日 21:37
◆HERO「HERO40」大会(27日、東京・新木場1stRING) 聴覚障害を持つレスラーも所属する団体「バリアフリープロレスHERO」の大会に「邪道」大仁田厚(66)が8年ぶりに参戦。3人の物故レスラーに捧げるメインイベント「ヤミキ、ワイルド・セブン、ワイルド・シューター追悼試合」でのストリートファイト8人タッグマッチに挑んだ。 「娯楽を享受しにくい障害者に刺激的なエンターテインメントを!」をスローガンに2010年に旗揚げされた同団体。聴覚障害者のため、受付やリング4方向に手話通訳を配置し、リング上でのあいさつやマイクアピールなども手話で説明。会場内には大型スクリーンを設置、字幕をつけ、映像での演出にも力を入れ、視覚障害者向けとして無料でラジオを貸与。実況、解説を流した。 「邪道」の参戦で通常大会の倍の観客が詰めかけた大会のメインイベントで大仁田は「ミスター聾(ろう)プロレス」と称される友龍と友情タッグを結成。最も多くの電流爆破マッチを戦ってきた「怪獣プロレス」の雷神矢口、豊島会長も従え、ワイルド・ベアー、ワイルド・ZERO、ガッツ石島、海和拓弥の4人と激突した。 会場の都合で有刺鉄線こそ使用できなかったが、「オオニター!」という自身のコールが終わった途端、公認凶器のパイプいすを持って場外乱闘に持ち込んだ大仁田。頭突きの連打からのDDT、ギターでの相手の脳天殴打。長机へのパイルドライバーとあらゆる凶器攻撃をすべて披露した。 中盤にはパワーで劣る友龍が相手軍に徹底的に狙われ、竹刀、ギターで思いっきり殴られ、グロッギー寸前に陥ったが、最後は大仁田が相手顔面に緑の毒霧を噴射。一気に主導権を握ると、リング上に設置したドラム缶への大仁田、友龍のWフェイスクラッシャー。大仁田の「友龍、3カウント!」の絶叫のもと、友龍がフォールを奪った。 リング上で肩を抱き合った「邪道」と友龍。マイクを持った大仁田は「ありがとうございました!」とリング四方に向け、まず感謝。 「僕は8年ぶりにこのリングに戻ってきました。このリングがなぜ素敵かと言うと、友龍といい障害を持っている人間でも胸一杯生きているから。障害あったって、この世の中、みんな一生懸命生きているんですよ!」と声を震わせ、絶叫。最後に「ありがとよ! 1、2、3、ファイヤー!」で締めくくった。 同団体は黎明期の新日本プロレスに練習生として在籍しながらも耳にハンディがあったためデビューがかなわなかったヤミキさん(故人)が設立。聴覚障害を持つレスラーが戦う場として10年2月20日、新木場で旗揚げ。新日でデビューできなかったヤミキさんはHEROで念願のプロレスラーになる夢を成就。友龍も旗揚げに参加した。 当初、「聴覚障害者と健常者の架け橋」になるようなプロレスイベントを標榜した同団体だったが、16年、ヤミキさんが急逝。以後、「バリアフリープロレスHERO」に団体名を改め、健常者のプロレスラーも所属。これに伴い、聴覚障害者に限らず、視覚障害者や車イスでの生活を余儀なくされている人を始め一般のプロレスファン、プロレスを見たことがない人も誰でも楽しめるイベント運営に転換。数あるプロレス団体の中、障害者が気軽に楽しめるような配慮をしている唯一無二の団体として知られている。 大仁田は同団体には16年11月5日、新木場での「ヤミキ追悼興行」で初参戦。今回が8年ぶりの参加だった。(中村 健吾)
2024年05月13日 16:59
全日本プロレスの世界タッグ王者・斉藤ブラザーズ(ジュン&レイ=37)がThe Endことパロウ、オディンソン組を迎えての初防衛戦(29日、東京・後楽園ホール)に向けてDOOMした。
2月にレイの右肩脱臼で返上を余儀なくされた同ベルトだったが、2人は3月30日に諏訪魔&鈴木秀樹を破り返り咲きに成功。V1戦で大型外国人タッグチームを迎え撃つことになったが、ジュンは「The Endは気になるタッグの1つだった。それが向こうから『挑戦させろ』と言ってきているのは素晴らしいことじゃないか。かわいそうなくらいに叩き潰してやるよ、DOOM」とクールに宣言。レイは「日本になかなかいないしっかりしたパワーファイターで技術も光るところがある。それなりの戦士だから俺もやりたいと前から思っていたんだ。ファーオ!」と高笑いして、おもむろに缶ビールの栓を開け飲み干した。
すると途端に隣のジュンが切なげな表情を浮かべる。宮原健斗の優勝に終わった「チャンピオン・カーニバル2024(CC)」公式戦での兄弟対決で2人が好物封印をかけた結果、敗れたジュンがスイーツを禁止されたからだ。優勝決定戦に進んだジュンにはレイから「宮原に勝ったらスイーツ解禁していい」と言われたが敗れて準優勝に終わったため、現在もスイーツ断ちが続いている。
ジュンは「隣でおいしそうに飲んでいるのを見て、なんかとても苦しいですよね…」と視線を落とす。レイから「昨日頑張っていたから解禁していいじゃないか」と言われるも「いや、それでも昨日の負けは負けだから、甘いものをまだ食べない。俺はまだ考えているんだ。(解禁のタイミングは)何が正解なのか。来年のCCまで待つことはとてもできないから、どうしようかな…」と暗い表情で頑固を貫く。
そこに再びレイが「だったら、The Endに勝ったら、今度こそ解禁でいいんじゃねえか?」と助け舟を出す。するとジュンは「あと2週間くらい? そうだな…。2週間は結構長いし、正直そこまで我慢するつもりはなかったけど…」としてレイから「あ、なかったんだ」と突っ込まれつつ「まあいいだろう。The Endを倒して甘いものを食べる。よし、決定だ!」と叫ぶ。
そして「今日で甘いもの禁止が悪夢の10日目ということでこのまま2週間となると想像を絶するが…。もっと積もりに積もった甘いものを食べれない憎しみパワーをぶつけてやりたいからThe Endはかわいそうなことになるんじゃないか」と冷徹に言い放った。
また、同大会では本田竜輝がNWA世界ヘビー級王者のEC3に挑戦することも決定。本田は「相手は世界的に有名なレスラーだけど、NWAを持ってくるということで全日本プロレスを代表して挑戦します。全日本は世界一の団体だと思っているので、俺が受けて立ちます!」と拳を握った。
2024年05月13日 16:33
全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル2024(CC)」を制した宮原健斗(35)が13日に都内で会見し、安齊勇馬に挑戦する3冠ヘビー級王座戦(29日、東京・後楽園ホール)への意気込みを語った。
前夜の斉藤ジュンとの優勝決定戦を激闘の末に制し、2度目のCC優勝を達成した宮原はそのままリング上から安齊への挑戦を表明。これが正式に認められて決戦が決まり「俺から見てこの安齊勇馬はまだ3冠ベルトが似合っていない。それはなぜか。この全日本プロレスには世界で一番ベルトが似合う男がもういるからだ。この3冠ベルトを巻くのはお前にはまだ早いんじゃないか。そして何よりこのベルトが重荷になっているんじゃないかな? 5月29日で楽になるから安心しなさい。この3冠ベルトを巻いてやりたいことが俺にはあるからね」と、会見に同席した若き王者を上から目線でジロリとにらんだ。
これに安齊から「宮原選手が世界一ベルトが似合う男なんだったら、5・29、俺が勝って宮原選手に代わって世界一ベルトが似合う男になろうと思います。確かにこのベルトを巻いてからプレッシャーも期待もいろんなものが押し寄せています。だけどプレッシャーがかかればかかるほど、期待されればされるほど面白いものですよね。このベルトはまだ手放したくないので勝ちます」と返される。
すると宮原は不敵な笑みをたたえ「俺はまだ早いと言っているんだ。だって、俺の熱狂に勝てるわけないんだから。確かに新時代の活躍っていうのは無視できない。だけどこの世界にありがちな下の世代に譲るようなことはしたくないので実力でもぎ取れと。まあ無理でしょうね、今は」と揺るがぬ自信をみなぎらせた。
どこまでも上から目線のその姿に安齊からはとうとう「邪魔なオールド世代がいるなら力づくで倒して、僕を見せつけます」とバッサリ言い放たれる。これに宮原は「俺も聞きたいんだけどオールドなの? なんで俺がこっち(オールド世代)にくくられているか考えたんですよ。それで思ったのは俺がここ数年、すごすぎる試合をしてそれが伝わりすぎていて、このベルトを巻いているのが伝わりすぎたからじゃないかな、と。俺別にオールドじゃねえし。35歳だから」と言い返した。
宮原は最後に「いろいろ言いましたが、5月29日は叩き潰します」と宣言。最年少王者を破り、まだまだ若いところを見せられるか。
2024年05月13日 14:39
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が13日、自身のX(旧ツイッター)を更新。6日に東京ドームで行われ6回TKOで勝利したルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦で、1回に喫したプロ初のダウンを振り返った。
「そりゃ良い意味でも悪い意味でもいつもより気合いは入ってたよ それが1ラウンド目を含め悪い方向に転んだとは思ってない!! あれはネリの渾身の一発だった」と記した。
井上は1回に接近戦からネリの左フックをもろに浴びてリング上にはいつくばり、まさかのプロ初ダウンを喫した。ただ、2回にダウンを奪い返すと、5回にもダウンを奪い、6回には一気に攻勢に出て衝撃的な右ストレートで“悪童”をたたきのめした。
34年ぶりの東京ドーム興行は4万3000人の大観衆を集めた世紀の一戦。普段とは違う気合が入っていたと正直に明かしたモンスターにSNSでは「こういう所がカッコよすぎばい!!」「対戦相手にリスペクト送ってるの素敵です!!」「ネリもあっぱれ!って事ですね」「あのダウンのおかげで会場ぶち上がってたんで結果オーライです」などと反応があった。
2024年05月13日 14:33
新日本プロレス6月9日大阪城ホール大会の第一弾対戦決定カードが13日に発表された。
2024年05月13日 13:06
新日本プロレス6月9日大阪城ホール大会で「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のEVILがIWGP世界ヘビー級王者のジョン・モクスリー(38=AEW)に挑戦することが13日に正式決定した。
EVILは11日(日本時間12日)の米国・カリフォルニア大会で、海野翔太を下しV3に成功したモクスリーを襲撃。H.O.Tの成田蓮とともにリング上をジャックすると、挑戦表明と同時にモクスリーのベルトをスプレーで黒く塗りつぶす暴挙に出ていた。さらに2021年にウィル・オスプレイが自作し、以降は団体預かりとなっていたもう1本のIWGP世界のベルトを持ち出し「本物の王者」を自称しているから非常にタチが悪い。
これを受け新日本は両者の王座戦を決定。AEW所属の外敵王者・モクスリーは4度目の防衛戦となる。
なお大阪城大会では現在開催中のジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の決勝戦も行われる。団体最高峰王座戦か、それともシリーズの集大成か、どちらの試合がメインイベントになるのかも注目を集めそうだ。
2024年05月13日 06:00
女子プロレス新団体「マリーゴールド」が、いよいよ20日に東京・後楽園ホールで旗揚げする。注目のメインでジュリア(30)と豪華コンビを結成するのが林下詩美(25)だ。3月まで在籍した業界盟主「スターダム」ではともに中心選手だった2人は、新団体をどこに導こうとしているのか。神奈川県内で11日から1泊2日の日程で行われた強化合宿に参加した詩美を直撃。「打倒・スターダム」への思い、憧れの米WWEスーパースターとの対戦希望を激白した。
――合宿を終えて
詩美 普段練習の話しかしてなかったから、一緒にトレーニングをして夜中3時までトランプやUNOをしてプライベートな話までした。うたは人見知りだけど、みんなが明るくて仕事以外の話までできる関係を築けてると思う。旗揚げ戦に向けて、一気に団体の士気が高まりましたね。
――マリーゴールドでの初陣となった4日のノア両国大会では完勝した
詩美 幸先いいスタートになった。いろんな人と戦いたいと思ってマリーゴールドに来たから、早速ノアのリングで戦えて楽しかったね。裏では武藤敬司さんに初めてお会いできたんだ。実はお父さん(林下清志氏)と武藤さんは同じ専門学校出身で「ああ、君がビッグダディの娘か。お父さん元気か? よろしく伝えてくれよ。新団体頑張ってな」って声をかけてくださった。プロレス界にものすごく貢献された方からいただいたエールは重たかったし、よりマリーゴールドを成功させるぞと気合が入りました。
――新団体でやりたいことは
詩美 マリーゴールドが女子プロレス界のトップであることを当たり前にしていく。そして選手一人ひとりがどんどん成長して、すごい選手がたくさんいる中で私がトップを走り続けたい。
――古巣「スターダム」が業界盟主に君臨する
詩美 自分がいたからこそ、スターダムがすごい団体なことはわかってる。でも、そこを出たからには「追いつけるように頑張るぞ」っていう気持ちでじゃダメ。スターダムを超えていかないと。
――8月でデビュー7年目を迎える。自身の野望は
詩美 一時期はスターダムで赤いベルト(ワールド王座)も女子プロレス大賞も取って、林下詩美の絶頂期だった。その後なかなかベルトが巻けなくて、ユニットリーダーとして後輩の面倒を見てきた。今度は私がもっと自我を出して、ベルトを巻いて女子プロ界の頂点に立つことを目指したい。もっともっとプロレスを広めていきたい。そして戦いたい人がいる。
――ロッシー小川代表が米WWEからの招聘を目指すイヨ・スカイ(紫雷イオ)のことか
詩美 実現したらうれしいな。イヨさんに憧れてスターダムに来たけど、入れ違いでリングで会うことができなかった。去年の夏に米国遠征に行ったとき、イヨさんが車を運転してくれ、ご飯に連れていってくださったり、たくさん面倒を見ていただいて。練習にも参加させてもらったんですけど、イヨさんとペアになる機会があって。ものすごい緊張しちゃってイヨさんの顔面を思いっきりパンチしちゃった…。それでも「大丈夫、続けて」って優しかった。
――その翌月にイヨはWWE女子王者になり、今年4月まで防衛した
詩美 WWEでトップを取る直前のイヨさんの練習を間近で見て、勉強になった。コスチュームを着てなくてメークもしてない普段の練習着なのに、リングでの存在感が半端なくて思わず見とれちゃった。だからやっぱりリングで会いたい。
――旗揚げ戦ではジュリアと組み、Sareee&ボジラと対戦する
詩美 ノアの大会でも、ジュリアが横にいることがすごく不思議だった。合宿では同じ部屋だったから一緒にお酒を飲んだり、宴会ではカラオケで一緒に歌ったりした。ジュリアは歩み寄るタイプだけど、私は自由人。性格的には全く違うけど「マリーゴールドを業界一にする」っていう目指しているところは同じだなと今回の合宿でも確信できた。組むのが楽しみだよ。
2024年05月13日 06:00
女子プロレス「スターダム」のフューチャー王者・吏南(17)と「ディアナ」のWWWDクリスタル王者・ななみ(17)のタイトル戦が浮上した。
2人は12日の後楽園ホール大会で行われた6人タッグマッチ(妃南&レディ・C&ななみvs渡辺桃&吏南&フキゲンです★)で激突。試合は吏南がダイビングダブルニードロップで妃南を沈めた。
体調不良で欠場した上谷沙弥に代わり、この日は緊急参戦となったななみは試合後「やっぱり強さとか派手さとか、目につくのは吏南選手。ベルトをかけて対戦したいという思いが強くなった。今日あおられて、さらに火がついた」とタイトルをかけての対戦を熱望した。
するとこの日がフューチャー王座獲得から1年で、これまで8度の防衛に成功している吏南はすぐに返答。「ななみ、ディアナのチャンピオンとか言ってたよな。別にそっちでもいいよ、このベルトでもいいよ。タイトルかけてやりあいましょう」と真っ向から対戦を受ける姿勢を見せた。
スターダムとディアナ、両団体の若手王者がタイトルをかけて激突する。
2024年05月13日 06:00
全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」を5年ぶりに制したエースの宮原健斗(35)が、次なる目標を3冠ヘビー級王座も戴冠してのチャリティー大会出場に定めた。
2024年05月13日 05:00
「プロレス・全日本」(12日、横浜BUNTAI)
全日本プロレスのシングル最強を決めるリーグ戦「チャンピオン・カーニバル」の優勝決定戦が12日に行われ、Aブロック1位の宮原健斗がシャットダウンスープレックスでBブロック1位の斉藤ジュンを破り、5年ぶり2度目の優勝を飾った。
宮原は解説席にいた三冠ヘビー級王者・安斉勇馬をリングに呼び込んで挑戦を表明。安斉も「あなたに勝ってベルトが一番似合う男になってみせます」と受諾。宮原は「5月29日、後楽園ホールだ!」と指定し、タイトル戦が決定的になった。
2024年05月13日 05:00
「大相撲夏場所・初日」(12日、両国国技館)
番狂わせが止まらない一日に、館内が騒然とした。2006年秋場所6日目以来18年ぶりに、出場した5人以上の横綱、大関がそろって黒星を喫し、昭和以降の初日としては初めての総崩れ。役力士で白星発進を決めたのは大の里のみで、客席からはどよめきの声が連鎖した。
幕内後半戦の審判長を務めた高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は「相撲内容的にこういうことはあるけれど、大関、横綱5人全員が負けるとは思わなかった」と驚きを隠せず。初日の独特な緊張感を敗因の一つに挙げる一方で、「対戦相手の方が良い相撲を取っていたし、前に出る気迫が見受けられた」と勝者を率直に評価した。
番付の重責を果たせず口も重くなった。横綱、大関陣で唯一取材に応じたのは琴桜だけで、琴ノ若から改名後、初の一番を白星で飾れなかったことに「必死に取っているだけ。明日に向けて切り替える」と口にした。
貴景勝に至っては支度部屋へ引き揚げた際に左足を引きずり、心配なところを見せた。2日目以降は上位陣の意地を見せられるのだろうか。
◆八角理事長(元横綱北勝海)「照ノ富士は焦って我慢できなかった。4大関も負け、お客さんに申し訳ない。上位は2日目から気合を入れ直してほしい」
◆出場5人以上の横綱、大関の全敗 2006年秋場所6日目以来。横綱朝青龍と白鵬、千代大海、魁皇、琴欧洲、栃東の5大関が黒星を喫した。
2024年05月13日 05:00
「大相撲夏場所・初日」(12日、両国国技館)
横綱、大関陣が全員敗れる大波乱の幕開けとなった。新小結大の里(23)=二所ノ関=は横綱照ノ富士(伊勢ケ浜)をすくい投げで撃破し、横綱戦初白星を挙げた。大関陣は、琴ノ若改め琴桜(佐渡ケ嶽)が平幕大栄翔(追手風)に押し出され、かど番の霧島(音羽山)は豪ノ山(武隈)に苦杯。貴景勝(常盤山)、豊昇龍(立浪)も黒星を喫した。横綱と4人以上の大関が全員出場しての総崩れは、2006年秋場所6日目以来18年ぶりで、初日では昭和以降初めて。
注目の新小結が、歴史的波乱の日を締めくくった。照ノ富士を腹ばいにさせた大の里は大きくうなずき、弾むような足取りで戻って勝ち名乗りを受けた。2度目の挑戦で横綱戦初勝利。館内の大歓声を一身に浴びた。
苦い経験を無駄にはしなかった。初挑戦の初場所では、勢いのまま走って上手投げを食らった。当たって前に出たのはこの日も同じ。そこからが違った。もろ差しになると、相手の強引な左小手投げを見透かしたように右ですくい、最後は上からひと押し。「(初場所)そのままじゃダメだと自分なりに考えた。あの時の反省を生かして相撲をとることができてよかった」。春巡業でも稽古をつけてくれた横綱への“恩返し”を、あくまで冷静に振り返った。
朝から落ち着いていた。横綱と戦う初日でも稽古場には下りず、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も「自分の調整があるんじゃないですか。『まだ早ぇよ』って言っときました」と苦笑する大物ぶり。“オレ流”を貫き「チャンスは初日じゃないの?」という師匠の読みを現実にした。
両親ら家族も国技館で観戦。母・朋子さんには、母の日に最高の白星をプレゼントした。「勝てたのでうれしかった。勝ちを目の前で焼き付けてくれたと思う」と孝行を喜んだ。
幕下10枚目格付け出しでデビューしたのは昨年夏場所。初日は黒星だった。「自分自身どうなることかと思った。まさか1年後、初日に横綱に勝つとは考えてもなかった」。想像をはるかに超える速度で成長を遂げる大器。春場所でわずかに届かなかった初優勝へ、最高のスタートを決めた。
2024年05月13日 05:00
新日本プロレス11日(日本時間12日)の米国・カリフォルニア大会で、IWGP世界ヘビー級王者のジョン・モクスリー(38=AEW)が海野翔太(27)の挑戦を退け、3度目の防衛に成功した。
2024年05月13日 05:00
女子プロレス「スターダム」のワンダー王者・安納サオリ(33)が、浮上している闇の黒虎スターライト・キッドの「コズミック・エンジェルズ(CA)」入りに疑問の声を上げた。
4月の横浜大会でキッドが極悪軍団「大江戸隊」を追放されたのを機に、安納が所属するCAが大きく揺れている。リーダーの中野たむが救いの手を差し伸べ、CAとキッドの共闘が実現。ところが同じくCAのなつぽいは、中野とキッドが2人の古巣「STARS」に戻ろうとしているのではないかと予測し、ユニットの分裂を危惧する。
これまで安納は「何か、たむとか勝手にやってんなと思ってました。なつみ(なつぽい)も入れて3人で仲良くして、何やねんと」と一歩引いた位置から見ていたが、5日の福岡大会でキッドと組んだことで不安が確信に変わったという。
「組んでみて違和感あるかなと思ったけど、そこまで感じなくて。ただCAに入るとなると、ちょっとこれは(CAが)変わるんじゃないかなと。あの子が一人で持っているカラーが濃すぎるんで、もし本当に入るなら考えもんやなって」
リング上で共闘する分には問題ない。ただし実際にユニットに加入するとなると、中野が「アイドル的かわいいプロレスラーが、見た目と裏腹に泥くさいファイトするユニット」と掲げるCAの特色に影響を及ぼす可能性が高いという。
キッド問題の前に、まずは目の前の責務を果たす。18日の横浜武道館大会のワンダー王座戦では壮麗亜美を迎え撃つ。12日後楽園大会の前哨戦では直接フォールを奪われたものの、王者に悲壮感はない。V3は確実とばかりに「その先に約束があるんでね。それに自分のためでもあるから。ちょっとね、考えていることもあるんですよ」。ニヤリと笑った白の王者は横浜決戦に集中した。
2024年05月12日 20:27
全日本プロレス12日の横浜BUNTAI大会で、世界ジュニアヘビー級王者のライジングHAYATO(25)がカズ・ハヤシ(50)を下しV2に成功した。
序盤、HAYATOは場外のカズにプランチャを仕掛けるもかわされて顔面を鉄柵に打ち付けてしまうなど、挑戦者の老かいなテクニックに翻ろうされる。さらにシド・ヴィシャス(トップロープからのムーンサルトアタック)にヒザを立てられるなどピンチが続いた。しかし持ち味の空中殺法で徐々にペースを取り戻すことに成功。最後は人でなしドライバーでマットに突き刺してからシド・ヴィシャスをズバリ決め3カウントを奪った。
試合後、HAYATOは「苦しかったけど、勝ったよ」とつぶやくように話す。さらに「さすが世界ジュニアの最多防衛記録を持っているだけある。ホント、カズ・ハヤシってすごい男だよ。あの持っている物を盗ませてもらう。教わるのはかっこ悪いからね」と相手へのリスペクトを表明。そんな難敵を下して「世界ジュニアのイメージ、伝統、歴史、俺が全部、1回ぶち壊させてもらうよ。なぜかそう思ったんだ。壊して、壊して、壊し尽くした先に何か新しい光があるんじゃないかって、思ったんだ」と決意を新たにした。
一方、掲げていた「ベルトと共に引退」とならなかったカズだが「出し切った…」と充実の表情。王者への感謝を口にするとともに「今までのプロレス人生、今日まで全く悔いがないし最高のプロレス人生を送っていると思います。だからこうしてまた世界ジュニアをかけてHAYATO選手とできたし。まだ(7月1日の引退まで)1か月半ありますんでね。僕の残っている試合全てでまた見たくなるような試合をしていきます」と語気を強めた。
2024年05月12日 20:21
全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル2024(CC)」の優勝決定戦(12日、横浜BUNTAI)で、エースの宮原健斗(35)が最凶双子の兄斉藤ジュン(37)に勝って5年ぶり2度目の優勝を果たした。
Aブロックを1位通過した宮原は、Bブロック1位のジュンと激闘を展開。序盤の場外戦では観客から応援タオルを拝借したジュンに首絞め攻撃を受けるなど苦しめられる。それでもエプロンの攻防で相手の巨体をリフトしてパイルドライバーで突き刺し、串刺し式のブラックアウト(ヒザ蹴り)を放つなど応戦した。
試合は中盤から一進一退の攻防となる。宮原が投げっ放しジャーマンからブラックアウトを放てばジュンにチョークスラム、ジャックハマーを返されるなど文字通りの消耗戦を展開した。さらにジュンからおきて破りの逆ブラックアウトや張り手、さらにサイコブレイクとたたみかけられてKO寸前まで追い込まれる。それでも持ち前のタフネスで粘ると、一瞬のスキを突いてランニング式のブラックアウトでジュンの動きを止めることに成功。直後のシャットダウンスープレックスホールドはカウント2で返されたが、その後バックの取り合いから再び同じ技でぶん投げて歓喜の3カウントを聞いた。
試合後、マイクを持った宮原は「格の違いを見たか!」と雄たけび。速攻で観客から「ギリギリだっただろ!」と突っ込まれると「そうだ。ギリギリだ。それでも勝てたのはみんな応援してくれたおかげだ。2019年以来2度目の優勝だ。どうだ。俺にはやっぱり、光り輝くものが似合うだろ!」と叫んで拍手を浴びる。続いて「安齊勇馬。何を偉そうに解説なんかしやがってコラ。俺の試合の解説をするなんて、20年早いわ。3冠チャンピオン、上がって来いよ」と放送席にいた3冠ヘビー級王者の安齊にリングに上がるよう促す。そして「俺の持つ最年少記録をのうのうと破りやがって…。チャンピオンには条件がいくつかある。見栄えがプロレスラーらしいこと、ルックスがいいこと。そしてもう一つあるんだ。ベルトが似合わなきゃいけない。お前にはまだ早いな。全国のファンはお前を応援しているだろう、優しいからな。ただしスーパーシューターは優しくないんだよ。当たり前に巻かれちゃ困るんだよ。新時代? 叩き潰したろか、コラ」と宣戦布告だ。
これに安齊からは「チャンピオンの条件、見栄えがプロレスラーらしいこと、そしてルックスがいいこと…。そこは圧勝だな。ベルトが似合わないなら、アナタに勝って一番ふさわしい男になります」と粋な言葉で受諾され、宮原は早速29日の東京・後楽園ホール大会を挑戦の日に指定する。さらに「新時代? プロレス界にとってとてもいいことだ。ただ俺はプロレスの団体なんて超越しているからな。日本プロレス界、まだまだ俺がやらなきゃいけないことがあるだろ! 明日からCC覇者として生きていく。以上だ」とぶち上げた。