2024年04月28日 05:43
大谷の119マイル以上の打球は3本…1位はスタントンの32本 ■ブルージェイズ ー ドジャース(日本時間28日・トロント) ドジャース・大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、敵地・ブルージェイズ戦で岩手・花巻東高の先輩、菊池雄星投手から自己最速となる119.2マイル(約191.8キロ)の右前適時打を放った。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると3本目の119マイル(191.5キロ)以上の当たりで、これはMLB3番目に多い記録だという。 2回も2死一、三塁のチャンスで迎えた第2打席で、菊池の98.2マイル(約158.0キロ)の直球を振り抜いた。火の出るような打球を右前へ運び、三塁走者が生還した。エンゼルス時代の2022年4月10日(同11日)に本拠地・アストロズ戦でホセ・ウルキディ投手から打った119.1マイル(約191.6キロ)を抜き、自己最速だった。 スタットキャストが導入された2015年以降、大谷は119マイル以上の打球を3度放っている。2位はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の6本で、32本でぶっちぎりの1位は同じヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手となっている。34歳のスタントンは2014年オフ、マーリンズと13年総額3億2500万ドル(約507億円)の契約を結び、2018年にヤンキースに移籍。近年は故障がちだが、積み重ねてきた記録は異次元だった。 大谷は23日(同24日)の敵地・ナショナルズ戦では本塁打の自己最速も更新し、118.7マイル(約191キロ)の6号を打ったばかり。また、記録更新の一打にブーイングを浴びせていた敵地も騒然となったが、“1位”に追いつくにはまだ時間がかかりそうだ。(Full-Count編集部)
2024年05月10日 12:27
2000年以降の「Baserunning Runs」でイチロー氏が断トツ
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏は、現役時代に数々の功績を残した。10年連続200安打やメジャー記録の262安打が脚光を浴びることは度々あるが、米スポーツ局「MLBネットワーク」の番組「MLBナウ」が示した“数字”は、今なお輝きを放っていることを表している。
同局が「なんというリスト!」として公開したのは「Baserunning Runs(走塁による得点)」。盗塁成功と失敗、次の塁を狙う、牽制アウトといった走塁スタッツをもとに、リーグの平均的な選手と比べてどれだけ得点を増減させたかを示すファングラフス社の指標だ。
上位6人の顔写真が並んだ2000年以降のランキングでは、1位がイチローの「95.2」、2位のフアン・ピエールの「89.2」に大差をつけ、唯一の90台となっている。
ほかにはカール・クロフォードが「87.3」、ジミー・ロリンズが「82.0」、ホセ・レイエスが「74.4」、チェイス・アトリーが「71.7」だった。(Full-Count編集部)
2024年05月10日 12:06
大谷は現在、シーズン46本塁打、108長打ペースで打ちまくっている
ドジャースの大谷翔平投手は、ここまで38試合に出場して打率.355、11本塁打、27打点、OPS1.103という驚異的な数字を残している。米全国紙「USAトゥデイ」は「シーズン1/4消化時点でのMLB:ショウへイ・オオタニらは歴史的なペースを維持できるか?」として、“ボンズ超え”の可能性に触れた。
大谷はここまで長打26(11本塁打、1三塁打、14二塁打)をマーク。シーズンに換算すると、46本塁打、長打108本ペースとなる。「オオタニは一刀流としででさえ、ドジャースのチームメートをびっくり仰天させている。今季は、初めてア・リーグMVPに選出された2021年のキャリアハイ46本塁打に並ぶペースだ」と同紙は評価する。
さらに長打数について「(年間長打数の)記録を持っているのはベーブ・ルースで、1921年に152試合に出場したときの119本だ。年間長打100本は(MLB史上)たったの13度しかなく、そのうち8度は1937年以前のことだ。1948年以降は5度しかなく、それも打撃が中心だったステロイド時代の最中だった」と説明。
今年の大谷の長打数を見てみると、ルースとゲーリッグに次ぐ歴代3位になるペースで、バリー・ボンズが73本塁打を放った2001年のナ・リーグ記録107本を破ることになる。「10月になれば50本塁打、長打100本が射程圏だ」と大きな期待を寄せた。(Full-Count編集部)
2024年05月10日 11:38
元広島アレンが語る大門と大乱闘「有名になってしまった」
かつて広島でプレーしたロッド・アレン外野手を覚えているだろうか。多くのファンが思い出すのは、横浜(現DeNA)の大門和彦投手との乱闘騒ぎだろう。背中の後ろを通された暴投に激高し外野まで追いかけまわした。「あれで有名になってしまった」と苦笑いで反省する。
1988年にインディアンス(現ガーディアンズ)傘下AAAで3冠王を獲得したが、メジャー定着とはいかず、昇降格を繰り返す日々。広島からの誘いは「チャンスだったんだ」と振り返る。当時は海外選手とのパワーの差も大きかった。「日本はパワーヒッターが好きだし、自分にはパワーがそれなりにあった」。日本でなら活躍できると感じた。
1989年に来日した助っ人は生稲晃子の「麦わらでダンス」の応援歌で豪快アーチをかけた。1年目こそ、11本塁打、39打点に終わったが、2年目の1990年には4打席連続本塁打を放つなど、98試合の出場で打率.313、25本塁打をマークした。ただ、同年に事件は起こった。
6月24日、横浜スタジアムで行われた横浜戦。大門和彦投手が投じた1球は背面を通る大暴投になった。アレンはヘルメットを投げつけ、大門めがけて猛ダッシュした。直前の7回にはアレンが本塁突入の際に秋元宏作捕手と交錯し負傷交代。横浜の須藤豊監督が帽子を投げつけ猛抗議する場面があった。それの報復だと感じたアレンは外野まで追いかけまわし、両軍が外野に集まる異例の大乱闘になった。同年の後半に握手で和解「思い起こすと凄い面白いよね」
「あれは忘れることは難しいよね」。まるで追いかけっこのようになったシーンは「プロ野球珍プレー好プレー大賞」の常連になってしまった。「多くの人があれを見て笑ってるよね。あれでとても有名になってしまった」。
その後、同年の間に大門に会いに行き握手をして和解したという。結果的に退場になってしまい、当時こそ反省はしていたが、今となれば良い思い出。「記憶を思い起こすと、凄い面白いよね」と豪快に笑う。
「監督のコウジ・ヤマモト、コーチのミズタニ(水谷実雄)……あと、ノムラ(野村謙二郎)は良い選手だった。良いチームメートと監督に恵まれたよ」。わずか3年間の在籍だったが、すらすらと名前が出てくる。「練習はとにかく長かったけどね」。
現在は米国に戻り、マーリンズの地元放送局「バリースポーツ・フロリダ」のレポーターを務める。7日(同8日)、敵地・ドジャース戦では孫のニック・アレンくんが「ALLEN 00」と書かれた広島時代のユニホームを着用して観戦していた。大乱闘で沸かせた助っ人にとって、広島の思い出は忘れられないものとなっていた。(川村虎大 / Kodai Kawamura)
2024年05月10日 11:15
○ ブリュワーズ 7 − 1 カージナルス ●
<現地時間5月9日 アメリカンファミリー・フィールド>
カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(26)が9日(日本時間10日)、敵地でのブリュワーズ戦に「2番・左翼」でフル出場。
2024年05月10日 11:13
ドルーリーは左ハムストリングの張り、レンヒーフォはウイルス感染でIL入り
■エンゼルス ー ロイヤルズ(日本時間10日・アナハイム)
エンゼルスは9日(日本時間10日)、ブランドン・ドルーリー内野手とルイス・レンヒーフォ内野手が10日間の負傷者リスト(IL)に入ったと発表した。ドルーリーは左ハムストリングの張り、レンヒーフォはウイルス感染のためで、マイク・トラウト外野手を筆頭に主力の離脱が止まらない状況となっている。
ドルーリーは今季、30試合に出場して打率.173、1本塁打、OPS.470と不調。8日(同9日)に敵地で行われたパイレーツ戦で、2打席連続で二塁打を放つなど復調を感じさせていたが、7回の守備から交代となっていた。同日には、ブレーブスからルイス・ギヨーム内野手を緊急補強。離脱中の穴埋めと見られる。
また、レンヒーフォは今季28試合に出場して打率.330、2本塁打、9盗塁、OPS.840と好調を維持していた。シーズン50盗塁ペースだっただけに悔しい離脱になりそうだが、6日(同7日)に遡って適用されるため約1週間で復帰可能だ。
この日、エンゼルスは本拠地でロイヤルズと対戦したが、試合開始14分前にドルーリーとレンヒーフォの離脱、ギヨームとカイレン・パリス内野手の合流が発表された。さらにスタメンがアナウンスされたのは、ギリギリの11分前。借金9の地区4位に沈むエンゼルスだが、離脱続出で思わぬドタバタ劇となった。(Full-Count編集部)
2024年05月10日 11:00
ロッテの佐々木朗希が18時からエスコンフィールドで行われる日本ハム戦に先発する。
佐々木は球団を通じて「初めて投げる球場になりますが、しっかりとアジャストできるように準備をして、マウンドでは自分のピッチングを心掛けて、チームの勝利に貢献していきたいと思っています」と意気込んだ。
佐々木は今季ここまで5試合・33イニングを投げ、3勝1敗、37奪三振、防御率1.64。前回登板の4月30日のオリックス戦では7回・108球を投げ、無失点に抑え3勝目を手にしている。
2024年05月10日 11:00
ロッテオリオンズなどで活躍したレジェンド助っ人、レオン・リー氏。70歳を過ぎ、故郷のサクラメントでスポーツ殿堂入りした同氏は今、アメリカと日本の野球に架け橋を築こうとしている。
1977年、兄のレロン・リーがロッテでデビュー。その翌年に弟である自身も入団し、日本での10年間のキャリアをスタートさせた。ロッテで5年、大洋(現DeNA)で3年、そしてヤクルトでの2年を経て、87年を最後に現役引退。NPB史上11位の通算打率・308(1位は兄・レロンの打率・320)をはじめ、268本塁打、2度のベストナイン受賞などレジェンドと呼ぶに相応しい成績を残している。
「3チームとも良い思い出があるよ」とレオン氏。「兄のレロンと同じチームでプレーするのが夢だったので、日本での現役時代は特別でした。特にロッテでの僕らはチームメイトとして本当に良いパフォーマンスができた。最初の年は兄が打率・3167で僕は・3163。その2年後には僕が41本塁打、兄が33本塁打だったんだ」
球場外でも兄弟は時間を共にし、趣味の音楽でレコーディングをしたことも。その後、レオン氏は大洋にトレードとなったが、これも自身にとっては良い決断だったと振り返る。「故郷に近い感覚」と語るように家族も日本での生活に順応した。
ちなみに長男で元メジャーリーガーのデレク氏は、父のヤクルト時代を記憶しているという。彼は2023年6月、娘(つまりレオン氏の孫)の高校卒業を祝って家族全員で日本を訪問。この旅行中には、父がオリックスで監督、コーチを務めた時の恩人横田昭作通訳に歓迎されたという。
03年、オリックス打撃コーチに就任したレオン氏は、シーズン序盤にGMのオフィスへと呼ばれ「明日から監督になってくれ」と思いもよらぬ打診を受けた。就任後はメディア対応の機会が激増。急きょ、通訳の肩書きを背負うことになったのが横田氏だった。
「打撃コーチとして彼は野手のためのゲームプランを持って仕事に取り組んでいたが、投手陣とはほぼ関係がなかった。突然、監督就任となったことでチーム全体を考える必要が出てきた。気の毒に感じました」(横田氏)
結局この年は最下位。翌年のリベンジを誓っていたが、シーズン終了直後に解任通告を受けた。同時に打撃コーチ就任を要請され、いったんは受諾したものの春季キャンプ直前に「家庭の事情」で退団。帰国後はメッツ傘下のマイナーで監督を務めるも、ある告発を受けて任期は短く終わった。その後、告発は偽りであると証明されたというが、名誉回復の機会がないまま再び野球から離れてしまった。
あまりに不運な監督解任の連続。それでも野球への思いは消えなかった。近年は知人と提携してNPO「Dream Alive Vision」を立ち上げ、貧困層の子供たちに無料で野球に取り組む機会を提供。「野球に触れるアフリカ系アメリカ人はあまりにも少ないけど、Dream Aliveはその問題を解消しようとしている」とその意義を語る。
新たな野望も抱く。ここ数年でMLB各球団がアリゾナ州ツーソンでの春季トレーニングから撤退したことを受け、同地に新しいウインターリーグを創設する計画だ。そのリーグにNPBに所属する若手選手を参加させたいと願っている。「私はすべての準備に携わり、ツーソンの施設を使用する許可を得ました。若い日本選手にも数多くのプレー機会を与えたい」。さらに「私はツーソンを野球地図に戻したい。野球好きの住民たちも日本の選手を見られることを喜ぶことでしょう」と熱い思いを口にする。
野望には続きがある。「元NPBのスター選手たちに、ツーソンでの若手への指導を提案したい。実現すれば素晴らしい広報の機会となり、日本からの観光客を引き寄せるかもしれません。元スターたちは才能ある若手のプレーを目にすることができ、選手たちもかつての名選手から指導を受け、英語を学び、地元のエリアを発見することができます。素晴らしい文化交流になるでしょう」
同氏は今年中の日本訪問を計画中。現役時代の10年間で築いたコネクションを通じ、このアイデアを提案したいと考えている。71歳を迎えたかつてのレジェンド助っ人。苦難を乗り越えた彼にとって、野球への最大の貢献は「これから」となるのでしょうか。
2024年05月10日 10:36
巨人は10日、エリエ・ヘルナンデス選手と契約合意を発表した。
2024年05月10日 10:16
楽天は10日、2024シーズンに球団創設20周年を迎えることを記念し、「20th サンクスマッチ」を開催することになったと発表した。
「20th サンクスマッチ」では、選手が「20th アニバーサリーユニフォーム」を着用する他、楽天イーグルスの歴史を紡いだOBスペシャルゲストによるトークショーやラジオ出演、セレモニアルピッチなどを予定。なお、当日の観戦チケットをお持ちの先着20,000名様に「20th アニバーサリーユニフォーム」をプレゼント。
▼ 「20th サンクスマッチ」 概要
■対象日
・5月25日(土)vs日本ハム戦[14:00試合開始]
・6月2日(日)vsヤクルト戦[14:00試合開始]
・6月29日(土)vs西武戦[18:00試合開始]
・7月14日(日)vs西武戦[13:00試合開始]
■実施内容
[OBスペシャルゲスト]
・5月25日(土)山粼武司さん
・6月2日(日)礒部公一さん
・6月29日(土)愛敬尚史さん、沖原佳典さん、山下勝巳さん
・7月14日(日)草野大輔さん、鉄平さん
※出演の予定は変更になる可能性あり
■20th アニバーサリーユニフォームプレゼント
当日の観戦チケットをお持ちの先着20,000名様に「20th アニバーサリーユニフォーム」をプレゼント
協賛:株式会社フジ・コーポレーション
■楽天イーグルス20th展
楽天イーグルスの20周年を振り返る展示を行う。懐かしの名場面やあのユニフォームの展示などを実施予定。
2024年05月10日 10:15
ド軍は「THK」とのパートナーシップ契約合意を発表、4月以降8社目
大谷翔平、山本由伸両投手の所属するドジャースは9日(日本時間10日)、東京を拠点とする機械部品製造業者「THK」とのパートナーシップ契約に合意したことを発表した。4月以降これで8社目となり、ファンは「大谷さん効果は絶大ですね!」「おおー また増えたね」「ドジャースは日本のスポンサー契約をいくつ結ぶだろうか」などと反応している。
「THK」は本拠地・ドジャースタジアムのLED看板に広告を掲示する。ドジャースは4月以降、航空会社のANA(全日本空輸)、タイヤメーカーのTOYO TIRE、医薬品メーカーの興和、100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業などとの複数年契約を発表しており、日系企業と続々契約を結んでいる。
地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のビル・シェイキン記者がこの契約について自身のX(旧ツイッター)で伝えると、「おおお!増えたなー」「大谷さんが球団にとって安い買い物になってる」「ドジャースと日系企業の提携8社目! 大谷さんすごいな」「日本企業の提携が増えるは嬉しいね」「スポンサー費用だけで1000億は売上ありそう」といった日米のファンのコメントがあった。(Full-Count編集部)
2024年05月10日 10:11
ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平被告のスキャンダルがハリウッドでテレビドラマ化される話が進行している。
米CBSスポーツなど、複数の米メディアによると、テレビ番組・映画制作のライオンズゲート・テレビジョンが9日(日本時間10日)、同被告が違法賭博で多額の借金を背負い、選手から約1700万ドル(約26億円)を盗む銀行詐欺などの容疑を認め、有罪が確定した事件を題材にしたドラマの制作を進めていると発表。ドラマ制作にかかわっているスポーツ賭博本の著者でもあるアルバート・チェン氏は声明の中で「これはピート・ローズ以来となるMLB史上最大のスポーツ賭博スキャンダルであり、その中心には最大のスターがいる。信頼と裏切り、富と名声の虚飾の物語の核心に迫りたい」と意欲を見せているという。
ライオンズゲート・−の発表を報じた地元メディア「ドジャース・ネーション」は公式Xで「みなさんどう思いますか?」と投稿。ユーザーからは「裁判資料読んでないの?ショウヘイは無関係」、「やめろ!」、「彼は野球がしたいだけ。以上」、「時期尚早」、「だれがショウヘイ役をやるの?」など、さまざまな意見が寄せられた。
2024年05月10日 10:00
9日に放送された『ショウアップナイタースペシャル いつでもみんなのプロ野球』に江本孟紀氏が出演し、混戦セ・リーグを抜け出すための広島のキーマンに床田寛樹をあげた。
2024年05月10日 10:00
150キロ台のボールが当たり前の時代にあって、阪神の先発ローテを支える大竹耕太郎投手(28)、村上頌樹投手(25)の2人が時折投じるのは、100キロ未満の遅球だ。球種としては、大竹がスローボールで村上はスローカーブ。打者の目線を変えるだけの見せ球ではない。遅い球を配球に組み込ませる意図、経緯に迫った。
山なりのボールが球場をざわつかせる。球速100キロに満たない遅球。決して、見せ球ではない。試合を組み立てていく中で、必要とされる球種になっている。
大竹の球種はスローボール。4月27日のヤクルト戦(甲子園)では、七回1死からサンタナに対し、79キロの遅球を投じた。結果はファウルとなり、助っ人は思わず苦笑い。その後、右前打を許したが、印象を残す1球となった。
このスローボールを投じる狙いについて、こう明かす。「打席に入るようになって、150キロが出ていてもストレートしかないと分かっていたら、僕でもバットに当たると思う。そこにいい変化球があれば、その球種が頭の中にちらつくというか。それが遅い球だったら、遅い球が頭の中にあって、真っすぐに対応しようとすると、差されると思う。打席で感じたものをそのまま投球に反映している」と説明した。
きっかけの一つには、野球を経験したことがない友人の声もあった。「『なんで遅いストレートを投げないの?』と聞かれた時に、野球していたら当たり前だけど野球してなかったらそういう発想があるんだと思わされた」と新たな引き出しが生まれ、取り入れたという。
もう1人の遅球の使い手でもある村上の球種は、中学時代に初めて覚えたというスローカーブだ。球速は80キロ台と100キロ台の2パターン。「ストライクゾーンに投げることを意識しています。ストライクゾーンから外れていたら、打者は意識もしてくれないので。スローカーブでストライクが取れたら、投球も楽にもなりますし。打者にインパクトを与えることができる」と話す。
150キロ超の速球を投げるのは、当たり前のようになっている時代。打者のタイミングを外すためには、より緩急が必要と考える。遅球には「打ち気をそらすとか。狙いを定められないように、目線を変えたり」という狙いもあると村上。有効に使うことで、直球だけでなく、他の変化球も生きてくる。
阪神の先発ローテを支える2人。今季ここまで、大竹は6試合に登板し、3勝2敗で防御率3・82。村上は6試合に登板し、2勝2敗で防御率0・88と抜群の安定感を誇る。飽くなき探究心がある限り、両腕はまだまだ進化を続けていく。(デイリースポーツ・井上慎也)
2024年05月10日 09:39
「怪我する前に戻れるようにまずはそこを目指して頑張っています」。
昨年5月19日に右肘鏡視下クリーニング手術を受けたロッテ・小野郁は、一軍復帰を目指し、ファームで実戦を積んでいる。
小野は19年オフに楽天へFA移籍した鈴木大地の人的補償選手として入団し、移籍1年目の20年に40試合、2勝2敗4ホールド、防御率3.23の成績を残すと、同年から3年連続40試合以上に登板。22年は自身初となるオールスターゲームに出場するなど、150キロを超えるストレート、縦横に曲がる2種類のスライダーを武器にパ・リーグの強打者たちをねじ伏せ、同年44試合に登板して0勝0敗18ホールド、防御率1.99をマークした。
昨季は初登板となった4月2日のソフトバンク戦で失点すると、らしくない投球が続き、10試合に登板して、0勝1敗4ホールド、防御率4.66と5月4日に一軍登録抹消。同月19日に右肘の手術を受けた。
復帰を目指す過程で「怪我しない体づくり、ウエイトをちょっと増やしてやっています」と、力を入れた。
リハビリを経て今年4月6日の西武二軍戦で実戦復帰。この日のストレートは最速152キロを計測し、仲三河優太に投じた初球、空振りを奪ったインコースの129キロスライダー、さらに3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた136キロのスライダーも縦に落ちる良い球だった。スライダーに関しては「ぼちぼち投げられているので、いいかなと思っています」と好感触。
その後は、4月17日のオイシックス戦で今季2度目の登板を果たし、4月25日の楽天との二軍戦で1回を無失点に抑え、ZOZOマリンスタジアムで行われた5月2日の日本ハムとの二軍戦では、昨年4月23日のソフトバンク戦以来となる本拠地のマウンドに上がり、1イニングをゼロに抑えた。小野はここまでファームで4試合・4イニングを投げ、0勝1敗、5奪三振、防御率9.00。
右肘手術から戻ってきてからの投球について「1年くらい空いているので試合の感覚を取り戻す感じで投げています」と明かし、現状は「5、6割くらいだと思います。もうちょっと(状態を)上げたいと思います」とのこと。
ストレートの強さについては「まだまだファウルもあまり取れていないので、もう少し強く投げられたらいいかなと思います」とまだ納得がいくボールが投げられていないようだ。
マリーンズに移籍してからはビハインドゲーム、勝ち試合と様々な役割をこなし、一軍のブルペンを支えてきた。「任されたところをしっかり抑えられるように少しずつ怪我前くらいの信用を取り戻せるように頑張りたいと思います」。長いシーズンを考えれば、小野の力は絶対に必要だ。ファームで登板数を重ねていき、1日も早く一軍のブルペンを支えて欲しいところだ。マリーンズファンも小野が一軍のマウンドに帰ってくることを待っている。
取材・文=岩下雄太
2024年05月10日 09:22
3回2死から高めの速球をバックスクリーンに突き刺した
■ブルワーズ ー カージナルス(日本時間10日・ミルウォーキー)
カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手が9日(日本時間10日)、敵地で行われたブルワーズ戦に「2番・左翼」で先発出場。3回の第2打席に2試合連続となる3号を放った。
4点を追う3回2死。右腕マイヤーズの高めのフォーシームを捉えてバックスクリーンに運んだ。打球速度106.1マイル(約170.8キロ)、飛距離424フィート(約129.2メートル)、角度29度だった。
今季はオープン戦で左の肋骨2か所を骨折し、開幕を負傷者リストで迎えた。4月11日(同12日)に今季初出場を果たしていきなり1号。その後アーチからは遠ざかっていたが、5月6日(同7日)に22日ぶりとなる2号を放っていた。
この日の試合前時点で打率は.183と低迷しているが、これをきっかけに上昇していきたいところだ。(Full-Count編集部)