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2024年04月28日 06:45
無敗のままブンデスリーガ初優勝を決めたレヴァークーゼン。 27日の第31節シュトゥットガルト戦で記録はついに途絶えるかに思われた。だが、1点を追う後半アディショナルタイム7分にローベルト・アンドリッヒが劇的ゴールを決め、土壇場で2-2の同点に持ち込んだ(動画50秒から)。 これでシャビ・アロンソ監督のレヴァークーゼンは46試合無敗継続。 守護神ルカーシュ・フラデツキーは『Sky』で「アンビリーバブル。狂気の沙汰だ!言葉もないよ」と話していた。2人目の子供が誕生したばかりだったアンドリッヒも「大事なのはボールが入ったこと。常に信じているからこういうことが起きる。とてもワイルドな試合だった。(子供誕生とどちらが興奮したが)間違いなく出産だよ」とコメント。彼は膝滑りセレブレーションで足を痛めたようにも見えたが、大事には至らなかったようだ。アロンソ監督も「最後の最後までさ。(2点をリードされた後の)1点目が自分たちを信じるうえで非常に重要だった。ファンも後押ししてくれた」と話していた。 レヴァークーゼンで「細貝萌が一緒に戦った最強の10人」 一方、伊藤洋輝も出場したシュトゥットガルトは勝点2を失った形。最後の失点は相手の手にボールが当たっているように見えたため、セバスティアン・ヘーネス監督は判定に怒り心頭だった。 「あの2点目には納得いかない。レフェリーのパフォーマンスにも。あの得点は認めてはならないものだ。少なくとも(VARを通じて)確認するべきだ。(得点として)カウントすべきでないのは明らか。このような重要なゴールを再チェックしないのは容認できない」 現在3位のシュトゥットガルトは2位バイエルンとは勝点差5、4位RBライプツィヒとは勝点差2となっている。なお、原口元気はベンチ入りしたもの出場はしなかった。
2024年05月12日 12:42
サッカーフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)から退団するキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)について、ルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督が11日、「クラブのレジェンド」だとたたえた。
エムバペは10日に今季限りでのPSG退団を発表し、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)移籍が有力視されている。
今季ホーム最終戦となる12日のトゥールーズ(Toulouse FC)戦を前に会見したルイス・エンリケ監督は、今季公式戦43ゴール、クラブ最多となる通算255ゴールを決めているエムバペについて「クラブのレジェンドだ。このクラブにすべてを注ぎ、クラブも彼にすべてを与えた」と話した。
移籍については「彼の決断を理解している。かなり前から分かっていたことだ。みんな知っていたし、全体の見通しは変わらない。PSGは来季もっと強くなる」とコメントしている。
退団の意思をクラブに伝えて以来、エムバペをベンチに置くことも多かった起用法に関しては「すべてはチームにとって何がベストかを判断して決めたこと」だと話し、「私たちは対立しているとみたがる人は多いが、キリアンも公にそれを否定しているし、私がキリアンについて言えるのは、サッカー選手としても人間としても素晴らしいということだけだ」と続けた。
「彼は温かい人間で、いつも笑顔を絶やさない。人間としても、サッカー選手としても10点満点を与えるよ」
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2024年05月12日 12:30
リオネル・メッシが所属するMLSインテル・マイアミは12日のモントリオール戦に3-2で逆転勝ちした。
2点差をひっくり返して5連勝を飾った一戦では、メッシの言動が話題になっている。
メッシは2点をリードされていた前半終盤にピッチ上で手当てを受けた後、一旦ピッチ外に出た。その際、カメラに向かってスペイン語で何かつぶやいていた。『Messismo』などによれば、メッシは「こういうルールは…困るな」とぼやいていたそう。
MLSでは、今季から「ピッチ外の治療ルール」として以下のような規定を設けた。
「負傷が疑われる選手が15秒以上倒れていた場合、審判はプレーを止めて、メディカルスタッフをピッチに誘導し、選手の診断を行う。安全が確認された場合、選手をピッチから退出させ、さらなる評価と治療のために最低2分間はピッチ外で待機させる」
メッシは最低でも2分待機というルールがあるため、ピッチにすぐに戻ることができなかったことを嘆いていたようだ。
ただ、MLSは「ピッチ外の治療ルールにより、メディカルスタッフは選手の治療に時間を割くことができ、試合再開も迅速に行えるようになった」と肯定的にとらえている。
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なお、メッシにその後もプレーを続けて、フル出場している。
2024年05月12日 12:28
セグンダ降格が決定したグラナダを率いるホセ・ラモン・サンドバル監督が、心境を明かした。11日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。
2つ目の降格クラブが確定した。パコ・ロペス氏が率いるセグンダ優勝クラブとして、1年でラ・リーガに戻ってきたグラナダだったが、序盤戦から降格圏を彷徨い続けることに。開幕から9敗目となった第14節終了後にこの“異端児”を解任すると、後任に据えたアレクサンデル・メディナ氏も立て直すことができず、今年3月にホセ・ラモン・サンドバル氏を招聘。しかし11日、今節レアル・マドリード戦での勝利が残留への1つ目の条件だった中、一足先に試合を行ったマジョルカが勝ち点3を積み上げたため、その時点でセグンダ降格が決まった。
結局、降格が確定した状況で臨んだレアル・マドリード戦は0−4の大敗となったグラナダ。試合後にサンドバル監督は「選手たちの努力が尊厳ある死という形で報われなかったのが残念。まだ3試合あるから、未来に向けた何か良いもの築くことができるはず。それこそが我々に残されたものであり、そう信じて前向きに頑張ろう」と心境を明かした。
また、サンドバル監督は「私は最初の瞬間から彼らの表情を見ていたが、中には涙を浮かべる選手もいた」としつつ、「何が待ち受けているかを知っている状況で臨まなければならなかった。少しでも良い試合をして、サポーターに誇りに思ってもらおうと我々は努力したけど、物事を滞りなくこなす機械のような相手には通用しなかった。他の状況であれば、もっと立ち上がることができたはずだ」と感情的に難しかったことを語った。
最後に「サポーターのクラブに対する思いは決して揺るがないもの」と、強調した同指揮官は「このクラブの93年の歴史を尊重しなければならない。我々は失敗を犯したことを自覚し、この状況から立ち直るために物事を構築し始める必要がある」と披瀝。続けて「かつてとても悪い形で降格したけど、そこからの再建と昇格、さらにはヨーロッパリーグでプレーするまでに至った。あの時、自分たちが何をしたのかを思い返そう。ポジティブな面を取り入れ、この列車が再び走れるようにレールに乗せないとね。我々はリセットしなければならない」と再出発を誓っている。
1年でのラ・リーガ復帰を目指すことになるグラナダはまず、今シーズンの残り3試合をどのような形で締めくくるのだろうか。
2024年05月12日 12:22
23-24イングランド・プレミアリーグは11日、第37節の試合が行われ、首位マンチェスター・シティ(Manchester City)は4-0でフラム(Fulham)に大勝し、リーグ4連覇へ前進した。
2024年05月12日 12:06
5月11日に開催されたスコットランドリーグの第36節で、日本人5選手が所属する首位のセルティックはホームで2位の宿敵レンジャーズと対戦した。
このオールドファームでは旗手怜央、前田大然、古橋亨梧が先発、岩田智輝がベンチスタート、小林友希がメンバー外に。そのセルティックは、35分にマット・オライリーのゴールで先制する。
さらに3分後、左サイドでロングパスを受けた前田が果敢に仕掛けて左足でクロスを供給。これが相手に当たってそのままゴールに吸い込まれて、オウンゴールで追加点を奪取。その直後に1点を返されたものの、逃げ切って2−1で勝利を飾った。
【動画】前田大然が果敢な仕掛けからオウンゴールを誘発→喜びを爆発
スコットランドメディア『THA SCOTSMAN』は、この一戦に出場した選手たちを採点。先発した旗手、前田、古橋の3人を、それぞれ以下のように評価している。
旗手/採点「6」
「セルティックの先発したMF3人の中で最も静かだった。前半終了間際に警告を受け、試合に大きな影響を与えられなかった。試合終盤に岩田と交代」
前田/採点「7」
「彼の速さを活かしたプレーがチームの2点目に繋がった。彼のエネルギーは試合を通してレンジャーズ守備陣に混乱をもたらした」
古橋/採点「6」
「日本人FWは好スタートを切り、前半にビッグチャンスを得たが、ドリブルから放ったシュートはGKジャック・バトランドに阻まれた。その後、試合から消えてしまい、アダム・アイダと交代した」
なお、80分から途中出場した岩田は採点なしとなっている。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月12日 12:01
23‐24ドイツ・ブンデスリーガ2部は11日、第33節の試合が行われ、ホルシュタイン・キール(Holstein Kiel)が1-1でフォルトゥナ・デュッセルドルフ(Fortuna Dusseldorf 1895)と引き分け、クラブ史上初の1部昇格を決めた。
同じく昇格を争うデュッセルドルフとの一戦に向け、勝ち点1を獲得すれば歴史的な昇格を決められる状況だったキールは、開始わずか2分にベネディクト・ピヒラー(Benedikt Pichler)のゴールで先制に成功した。
しかしデュッセルドルフも70分、オンフィールドレビューで得たPKをクリストス・ツォリス(Christos Tzolis)が決めて追いつくと、迎えた緊迫の終盤戦に猛攻を仕掛けたがキールはこれをしのぎ、今季2位以内と来季の1部初挑戦を確定させた。
キールはこれで、4部にあたる「レギオナルリーガ・ノルト」からわずか11年でブンデス1部まで駆け上がっている。
試合終了後にはファンがピッチに乱入。キールのフィリップ・サンダー(Philipp Sander)はスカイ・ドイツに対して「ピッチに目を向けてみんなの姿が見えたとき、夢の中にいるのかと思った」と話した。
またこの結果を受けて、ザンクトパウリ(FC St. Pauli)も13シーズンぶりとなる1部復帰に大きく近づいた。ザンクトパウリは12日に最下位VfLオスナブリュック(VfL Osnabrueck)を下せば、最終節を前にキールを勝ち点1上回る首位に浮上する。
デュッセルドルフは勝利を逃したことで自動昇格の可能性がほぼ消滅し、昇格・降格プレーオフに回ることが濃厚となった。
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2024年05月12日 12:00
J3のいわてグルージャ盛岡に所属する西大伍。
北海道コンサドーレ札幌、アルビレックス新潟、鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸、浦和レッズでもプレーしたが、海外に移籍する可能性もあったとか。YouTubeチャンネルでこんな話をしていた。
「海外からのオファーは、スイス2部のルガーノが鹿島の時にきたところですね。
レンタル移籍だったんですけど、その当時。最初は完全(移籍)っぽかったので、それだったら行くよという話で考えてたんですけど。最終的にレンタルになって、年俸もちょっと下がったりしたので、行くのはやめたんですけどね。
罰金プラス半年間干されるという仕打ちでしたね、その頃。半年間、メンバーにも入らなかったですからね。いま思うとすごいよな。でも、ああいうことがあって、また成長できたかなとは思うんですけど」
スイス移籍に近づいていたものの、交渉途中で条件面が変わったため、国内残留を決めたとか。
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また、西はU23アジアカップを戦ったU-23日本代表についてもコメント。メンバーを入れ替えた韓国戦は戦い方が消極的だったとしつつ、荒木遼太郎については自分で何とかしようという意思が見えたと評価していた。
2024年05月12日 11:53
アビスパ福岡は5月12日、公式Xでウクライナ1部シャフタール・ドネツクのリーグ優勝を祝福した。
2024年05月12日 11:30
ベルギーのユニオン・サン=ジロワーズでプレーする日本代表DF町田浩樹。
国内カップ戦でチームにタイトルをもたらす英雄的ゴールを決めたが、この夏の移籍が噂されている。
『DH Les Sports』は、「ブリュッセルで英雄になった町田は、『リーグ最高のDFのひとり』」、「プレミアリーグへの準備が完了」と伝えていた。
町田はトッテナムなどプレミアリーグクラブが関心を持っているとされており、移籍金は1500万ユーロ(25.2億円)以上が見込まれているとか。
プレミアリーグに来た「賞味期限切れのスーパースター」5名
本人は「自分についての記事が多くあることは知っているよ(笑)来季もユニオンでプレーするかは分からない。シーズン終盤に向けて集中している。まだリーグ優勝の可能性があるからね」と語っていたそう。
2024年05月12日 11:11
5月11日、湘南ベルマーレはJ1第13節でFC町田ゼルビアと対戦し、0−0で引き分けた。
試合を通して特に存在感を放ったのが、3−5−2の左ウイングバックで先発した畑大雅だ。4分の池田昌生の決定機をはじめ、持ち前の突破力を活かして幾度もチャンスを演出すれば、守備面では対峙したナ・サンホにほとんど仕事をさせず。前半は攻守に隙のない、見事な出来だったと言える。
しかし後半、一瞬の気の緩みからあわや失点というシーンを招く。56分、5−3−2のブロックを敷いて守る際、相手の動きに釣られて少し前に出たところを平河悠に背後を取られ、クロスから中央のオ・セフンにネットを揺らされる。しかし、VAR介入の結果、ノーゴールの判定となった。
畑は自らが絡んでのピンチを、次のように振り返る。
「失点をしかけた場面は“やらかしたな”と。気持ちは入っていたんですけど、一瞬の油断が出てしまった。何とか助かりました。VAR、ありがたいです(笑)」
【厳選ショット】オ・セフンのゴールで先制するも得点取り消し…スコアレスドローで勝ち点を分け合う|J1第13節 湘南 0−0 町田
注目すべきは、ミスをしたあとの立ち直りだ。畑は落ち込んだり、安定感を欠くことなく、すぐに前半と同様のハイパフォーマンスを披露。終盤には、途中出場してきた相手FWのエリキやミッチェル・デュークをフィジカルで完封し、チームの今季初クリーンシートに寄与した。
畑は、ミスを引きずらなかった要因を明かす。
「自分で切り替えられた部分もあるけど、ミンテさんや阿部(浩之)ちゃんに声をかけてもらったり、背中を叩かれたりしたのも効いたのかなと。チームとして、セットプレーの時や、改めて集中しなければいけない場面で、声だけでなく背中を叩くのが習慣化しているんです。また、阿部ちゃんからは、失点になりかけたあとにアドバイスももらえた。非常にありがたいですし、そういった言葉を聞いて、さらに成長したいです」
第10節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初ゴールを決めて以降、好調を維持する畑は、次節・柏レイソル戦でも輝きを放てるか。もし、対峙する相手の右SBが関根大輝なら、今夏のパリ五輪を戦うU-23日本代表の同ポジションのライバルとの直接対決となる。
「そういう意味でも、負けられない」
畑にとって次節の柏戦は、“リーグ戦の1試合”以上の意味を持つ、重要なゲームになるかもしれない。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
2024年05月12日 11:00
23‐24サウジアラビア1部リーグは11日、第31節の試合が行われ、アル・ヒラル(Al Hilal)は4‐1で最下位アル・ハズム(Al Hazm)を下し、ここ5シーズンで4度目の優勝を果たした。これでアル・ナスル(Al Nassr)に所属するクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)は再びタイトルを逃した。
昨年10月にネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を負傷で失ったアル・ヒラルだが、この勝利で今季3試合を残して2位アル・ナスルとの勝ち点差を12に広げた。
今季リーグ戦無敗を維持しているアル・ヒラルは、公式戦では34連勝も記録するなど見事なシーズンをタイトルで締めくくった。
アル・ヒラルは31日に行われる国王杯(King's Cup 2023-24)決勝でアル・ナスルとの対戦を控えており、再びロナウド失望を味わわせることを狙う。
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・蔚山が準決勝進出、世界新28連勝のアル・ヒラルも4強 ACL
2024年05月12日 11:00
【「MLSで奮闘するサムライ守護神」直撃インタビュー後編(全3回)】
昨季からバンクーバー・ホワイトキャップスの正守護神を担う高丘陽平に迫る、特別インタビュー。
2024年05月12日 11:00
日本と同じようにイタリアでも5月第2日曜が「母の日」とされている。
そうしたなか、ACミランなどセリエAの7チームは、選手たちが母親の姓・名前を背負ってプレー。背中のユニフォームネームが普段とは違っていた。
ミランによれば、これはセリエA初の試みだそう。2022年、イタリアの憲法裁判所は父方の姓を自動的に子供に帰属させる規則は差別的だと判断し、両親に子供の姓を選択する権利があると法律が改定された。
ミラン選手たちが母親の姓を背負った11日のカリアリ戦では、スタジアムでのメンバー発表の際に父方だけでなく母方の姓も付け加えられたそう。
ミランのCEOは「子供の姓を選択する平等な権利についての国民の意識を高めるために、母の日にこの取り組みを行えることを嬉しく、また誇りに思う」、キャプテンであるダヴィデ・カラブリアも「人間的、職業的な成長において、母は最も重要な人物だった。母はすべてを犠牲にして、犠牲と献身の精神を教えてくれた。その姓でピッチに立つことは大きな誇り」と話していた。
ミランで「奇妙な背番号」を背負った12人のスター
なお、試合は5-1でミランが快勝している。
2024年05月12日 10:35
パリ五輪のアジア最終予選を兼ねるU-23アジアカップで優勝――カタールでの激闘から8日後、DF関根大輝は味の素スタジアムのピッチに立った。
慣れ親しんだ黄色のキッドに袖を通したのは、4月7日のJ1第7節・東京V戦(1−1)以来となる。5月4日の帰国直後に行なわれた6日の12節・鹿島戦(1−2)も無理をすれば出場できる状況だったが、疲労を考慮されてスタンドから観戦した。
そして、11日の13節・FC東京戦。満を持して先発で起用され、背番号32は次なる目標に向けて新たなスタートを切った。
結果は3−3の痛み分け。「本当に前半は良くなかったけど、(細谷)真大が(相手GKの波多野豪を)退場に追い込んで、後半は前半よりも明らかにギアが上がった」と関根が振り返った通り、前半終了間際に数的優位となった状況を活かして2点差を追いついた点はプラスだが、ファーストハーフだけで3失点した内容は悔いが残る。
個人のパフォーマンスについても「コンディションがあまり良くなかったとはいえ、試合に使ってもらっている以上は、そういう言い訳はできない」としつつ、自身のプレーを自戒の念を込めてこう振り返った。
「試合に集中して入ったつもりだったけど、相手はサイドハーフの連係面も含めてすごく良かった。注意はしていたけど、動画で見た以上に来ていたので対応が遅れてしまって...。シンプルに1対1のところで剥がされるシーンもあったので、そういうところで(前半は)後手に回ってしまった」
後半のプレーには手応えを感じた一方で、より高いレベルを目ざしてさらなる成長が必要だと言う。
「相手がひとり退場したので、自分が高い地点でボールを受けるようになった。そこからの精度は上げていかないといけないけど、アジアカップで自信がついたクロスはアイデアが増えたと感じているので、自分がクロスを上げるところまで持っていく形は、レイソルでももっと作り上げていかないといけないと思う」
U-23アジア杯では、日本代表の一員として優勝とパリ五輪の出場権獲得に貢献。187センチのサイズと技術を兼ね備える右SBとして評価を一気に高め、自身に集まる注目度は大会前とは全く異なる。そうした状況下でも、関根は謙虚な姿勢を崩さない。
「注目度は上がっていると思うので、それに見合ったプレーをしないといけない。だからと言って、変なプレッシャーを受けているわけでもなく、伸び伸びとプレーができているので、あとはゴールやアシストといった結果が必要。そうすれば、もっと注目度が上がっていく。(目に見える)結果がまだないので、そこを目ざしたいです」
【PHOTO】アウェー味スタに駆けつけた柏レイソルサポーター!(Part1)
高いレベルを求めていく意思を示したように、周りからの見られ方が変わっても、サッカーに向き合う姿勢は同じ。そうしたスタンスは、柏で戦う際の心構えにも表われている。
「本戦はもっと過酷な戦いというか、パラグアイとか本当に良いチームで、ボールを持たれて耐えて一発を決める展開になる可能性もある。そういう意味では、今日も11対11で戦っている時間帯はかなり押されていたので、パリ五輪でも想定されるシチュエーションでした。自分とサイドハーフの関係もそうですけど、守備の連係面は今のうちからやっておけば、本戦でも問題なく守れると思う」
パリ五輪までに海外勢と対戦できる機会は数回ほど。浮き足立たずに自分と向き合えている点は頼もしい。
チームとしてパリ行きが確定したが、個人としては何も決まっておらず、メンバー争いはここから佳境を迎える。残された時間は1か月前後。「ここからが本当に厳しい戦い」と関根が話した通り、23人で戦ったU-23アジア杯から五輪は18人にメンバーが絞られる。
24歳以上の選手を起用できるオーバーエイジ枠、U-23アジア杯では招集できなかった海外組が戻って来れば、さらに枠が狭くなるだけに、圧倒的なパフォーマンスを見せなければ本大会行きは勝ち取れない。
だが、関根は過度にプレッシャーを感じていない。楽しみな気持ちを持ちつつ、謙虚な姿勢で最後の争いに挑もうとしているからだ。「ワクワク感がある。アジアカップは試合に出させてもらったけど、常に下から自分は這い上がってきた立場。代表の常連でもない」と言い切り、再び一から積み上げていく考えで生き残りレースに挑む。
「メンバー争いはまたフラットになったので、今日の試合もそうですけど、もっと良いパフォーマンスを出さないと、また選んでもらうことはない。今月は試合が多いのでチャンス。もっと良いパフォーマンスを出せるようにやっていきたい」とは関根の言葉。
拓殖大サッカー部を退部し、プロ入りを1年前倒して今季からプロサッカー選手になった男は、どんな状況でも変わらない。自信を深めたU-23アジア杯の成果は胸にしまい、まずは柏で圧倒的なパフォーマンスを見せることだけを考えて技を磨く。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
2024年05月12日 10:27
[ACL決勝・第1レグ]横浜 2−1 アル・アイン/5月11日/横浜国際総合競技場
横浜F・マリノスは5月11日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝・第1レグで、UAEのアル・アインと横浜国際総合競技場で対戦。13分に先制を許すが、72分に植中朝日のヘッド弾で追いつくと、86分には渡辺皓太のゴールで逆転し、2−1で勝利した。
この試合で改めて存在の大きさを示したと言えるのが、アンカーで先発したキャプテンの喜田拓也だ。
切り替えの早い守備や、常に声を出してチームを鼓舞する姿もさることながら、特に筆者が印象的だったのは、1点を追う34分に喜田がシュートした場面。相手GKの好セーブに阻まれると、背番号8は珍しく頭を抱えながらピッチに手をつき、悔しさを露わにした。
すると、それを観たファン・サポーターの声援がさらに大きくなり、スタジアム全体のボルテージを一段階引き上げたように感じられた。
【動画】植中&渡辺のゴールで逆転勝ち!
試合後、喜田にどう感じられたのかを訊くと「シュートに関しては、僕のほうから見たら“いったな”と思った」と話し、こう続けた。
「キーパーのナイスセーブです。でも、それだけ会場のボルテージが上がったってことは、姿勢を感じ取ってもらえたってことですし、すごく嬉しいです。(ゴールを)決められればよかったですけど、チームがさらに勢いづくという意味でも、良い攻めができていたので」
60分にピッチを退いた喜田だが、実は試合直前にアクシデントがあったのだという。
「もちろんピッチに立つ立たないは、最後は監督の判断ですけど、立つと決まった以上は、今日がキャリア最後のゲームになってもいいという覚悟で立ちました。別に決勝だからってわけじゃなくて、自分はこのエンブレム、ユニホームを着て戦う以上は毎試合そのつもりですし、それが仲間、ファン・サポーター、マリノスファミリーへの責任だと思う」
ベンチに下がって以降も、喜田はピッチにいる選手に声を掛けたり、交代で入る選手にアドバイスをするなど、チームのために動いていた。それはまるでコーチさながらで、とても頼もしく見えた。
アクシデントの状況は気になるところだが、「大丈夫です」と強調した喜田。そして、敵地での第2レグに向けて「彼らは別のチームになってくると思っていますし、心してかかりたい。何が起きても想定内でいけるような準備を常にしているので、堂々と乗り込みたい」と意気込んだ。
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)