2024年04月28日 08:00
「阪神5−4ヤクルト」(27日、甲子園球場) 阪神は前日に4失策を犯した木浪聖也内野手に代わって先発した小幡竜平内野手が、適時打を含む2安打と起用が当たった。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「小幡が機能した」と絶賛。 ◇ ◇ 流れを引き戻す見事な働きだ。小幡が岡田監督のスタメン起用に応えた。疲れも見えた木浪を休ませられたことだけでなく、前日26日のヤクルト戦で連勝が止まりチームに重い空気が漂いそうな中、小幡が機能した。 特に五回は昨年の強いタイガースの攻撃パターンのひとつだった。8番打者が出塁して、9番の投手が犠打で走者を送り、1番・近本がかえす。この日は小幡の中前打の後、大竹が投犠打で攻撃リズムを作り、近本の逆転2ランへつながった。 いつ出番が回ってくるか分からない中でも準備を怠らない努力のたまものだろう。小幡と木浪を比べると守備面での総合力は互角だといえる。打撃面で課題のあった小幡だが、辛抱強く技術を磨いて、この日のチャンスを生かした。 二回のタイムリーを含めて小幡は2安打。岡田監督の期待に応えた。同時に前日3失策の木浪も、この日の欠場をプラスにしてくれるはずだ。これからチームにとって大事なのは連敗しないこと。サブメンバーの活躍による勝利は何よりもチームを活性化させる。
2024年05月12日 10:00
高津ヤクルトの今季初となる4連勝を支えた裏には、昨季ソフトバンクを戦力外になった増田珠内野手(24)の持ち込んだ舞があった。4月29日・巨人戦(東京ドーム)から勝利する度に影響力も増していった「ハカ旋風」とは−。ニュージーランドの民俗舞踊とは、横浜高時代から縁があった。
◇ ◇
元気印の生み出した輪は周囲を巻き込みながら伝染し、次第に大きな力となった。今季初の4連勝を支えたハカ旋風。“新鮮力”の増田が変えた空気は戦う気持ちを高め、確かな団結力を生み出す雰囲気をまとった。
ハカとはニュージーランド・マオリ族の民俗舞踊。本来は戦士たちが戦いの前に手をたたき、足を踏みならして力を誇示する舞踊だが、現在は相手に対する敬意や感謝の意を表する舞として披露されるという。ラグビー同国代表「オールブラックス」が国際試合前に行う儀式として有名だ。
増田がソフトバンク時代から披露していたハカとの出合いは、横浜高時代までさかのぼる。2011年、同校のニュージーランド海外研修に参加した生徒がHAKAと出合い、感激を共有できたことから帰国後にHAKAチームを結成。増田も「僕らのクラスではないですけど、ニュージーランドと交換留学もあった。当時から身近でしたね」と自然な形で触れ合ってきた。
そして19年、日本で行われたラグビーW杯に心を動かされた。「純粋にかっこいいな、と。強いところのものを取り入れられたらいいな」。何度もYouTubeを見ながら猛特訓。「練習は割とやりましたね」と笑った顔は誇らしかった。
強いリスペクトを抱く“常勝軍団”の持つ舞は、新天地・ヤクルトにも持ち込まれた。
4月29日・巨人戦の試合前に声を上げると、打線爆発の完封勝利。すると、増田はすぐに動いた。指名したナインたちにハカ動画を“宿題”として送信。翌戦からは松本直&武岡が、5月1日には西田&北村拓が増員。1勝ごとにメンバーを増やした。
また本拠地に戻った同3日には、「品川水族館から…フィッシュ長岡が、大井競馬場から燕のゴールドシップこと塩見さんが参加してくれます」と盛り上げ役にも徹し、つば九郎も参戦するなど、連勝中の風物詩にもなった。
だが連勝は止まり、ハカ旋風も終演。ただ、また機会はあると信じている。青木からは「いつでもやるよ」と伝えられ、「哲さん(山田)も冗談っぽく『早くやりたいわ』って言ってくれました」と続ける。「(山田と西川は)最後から2番目。2回はやってもらいます」。順番のシミュレーションも完璧だ。夏、秋と必ず訪れる快進撃の中心には、ハカ旋風がある。(デイリースポーツ・松井美里)
◆増田 珠(ますだ・しゅう)1999年5月21日生まれ、24歳。長崎県出身。179センチ、85キロ。右投げ右打ち。内野手。横浜高から2017年度ドラフト3位でソフトバンク入団。23年は35試合に出場したが、オフに戦力外通告を受け、今季からヤクルトに加入した。今季はここまで6試合出場で打率・222、0本塁打、0打点。
2024年05月12日 09:07
元ロッテ、巨人のクルーズ氏が大谷&山本と談笑
■パドレス ー ドジャース(日本時間12日・サンディエゴ)
かつてロッテ、巨人でプレーしていたルイス・クルーズ内野手が11日(日本時間12日)、ペトコパークで行われるドジャース-パドレス戦を観戦。ドジャース・大谷翔平、山本由伸両投手と談笑する場面があった。
クルーズは息子の試合が近くで行われたため、息子とともに観戦しに来たという。かつてドジャースでもプレー。三塁ベンチ付近で園田芳大通訳を交え10分ほど談笑。その後、ベンチの中で大谷と息子と3ショットをとるなど会話を楽しんだ。
2014年から4年間日本でプレー。大谷とは巨人時代の2016年6月5日に対戦し、大谷が当時自己最速となる163キロを投じていた。大谷との再会は2017年以来。「球界でもトップクラスの選手と対戦したことを、僕はうれしく思っているし、恵まれていると感じるんだ。彼がNo.1の選手だと僕は思うよ」と過去の対戦を喜んだ。
当時から投手としては大成すると思ったと振り返る。「対戦した時に、えげつない球を投げていたんだ。打者としてはよくわからなかったけどね。当時は(現在と)異なっていたから。だけど、(上手くプレーするための方法を)理解してからは、彼はリーグでもトップクラスの打者になったと思う。数字はうそをつかないからね」と感嘆していた。
日本メディアには「ニホンゴ、チョット」と笑顔で応じたクルーズ。当時の大谷と今を比較し、「彼は今の方がデカく見えるね。状態は良さそうだし、打者としてすごく成長したね」とジェスチャーを交えて体の大きさを強調した。(川村虎大 / Kodai Kawamura)
2024年05月12日 09:00
● ヤクルト 3 − 4 巨人 ○
<7回戦・神宮>
11日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター ヤクルト−巨人』で解説を務めた里崎智也氏が、巨人の三塁手・坂本勇人の守備を絶賛した。
坂本は4−2の7回無死一塁で、長岡秀樹の三塁前のセーフティバントを素早く処理しランニングスローで一塁アウトにすると、4−2の9回無死一、三塁で中村悠平のボテボテのサードゴロを二塁へジャンピングスローし二塁アウトにすると二塁・吉川尚輝が一塁へ送球しダブルプレーを完成させた。
里崎氏は「正直、坂本は岡本敬遠の後1本打てなくて打点は稼げませんでしたけど、守備で長岡のセーフティバントもそうでしたけど、相手の打点を減らすことができているので、守備で打点2ありますね。打ではそこまで貢献できませんでしたけど、守備の貢献度は高いですね」と絶賛した。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月12日 08:52
◆ 全米1位有望株のスキーンズがMLBデビュー
ピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズ投手(21)が現地時間11日のカブス戦でMLB初登板初先発。
2024年05月12日 08:49
元ロッテのクルーズが球場を訪れる
■パドレス ー ドジャース(日本時間12日・サンディエゴ)
ドジャース・大谷翔平投手が11日(日本時間12日)、ペトコパークでのパドレス戦前にロッテ、巨人などでプレーしたルイス・クルーズ内野手と談笑する場面があった。ベンチでは息子らと3ショットを撮影していた。
クルーズは2014年から4年間日本でプレー。2014年にはロッテで126試合に出場して16本塁打、2015年も133試合に出場して16本塁打を放った。その後は巨人、楽天でプレー。2016年の6月5日、大谷が当時自己最速となる163キロを投じたのは巨人時代のクルーズだった。
現在40歳で、昨年もメキシカンリーグの球団に所属していた。球場に訪れたクルーズは、息子とともに園田芳大通訳を交えて山本由伸投手と約10分間談笑。その後、グラウンドに姿を見せた大谷とも言葉を交わした。(Full-Count編集部)
2024年05月12日 08:10
オリックス・育成の木下元秀「凡打ならどうしよう…という気持ちは一切ありません」
結果は求めず、シンプルに練習の成果を出す。オリックスの育成・木下元秀外野手はウエスタン・リーグで7本塁打を放った広島での新人時代(2020年)の気持ちに戻り、支配下選手登録を目指す。
「打てなかったらどうしよう、凡打ならどうしよう……という気持ちは、一切ありません」。結果を求めず打席に立つと、良い結果が生まれるという。今年4月7日のウエスタン・リーグ、くふうハヤテ戦に「5番・一塁」で先発出場すると、今季初のマルチ安打を放った。
大阪府出身の22歳。敦賀気比高3年夏の甲子園で6割に近い打率を残し、2019年育成ドラフト2位で広島に入団した。プロ1年目は2軍戦で7本塁打をマーク。34安打のうち6本の二塁打を含め、長打が13本とパワフルな打撃で注目を集めたが、プロ2年目は本塁打は2本、3年目は3本にとどまり、ノーアーチに終わった4年目のオフに戦力外通告を受けた。
長打力を評価され、再び育成契約で入団したオリックスでは、3月13日の楽天とのオープン戦(草薙)での本塁打を含め、3試合連続安打を放つなど、持ち味の打撃力をアピールした。ただ、シーズン開幕前後の試合には、主力選手が調整のため2軍戦に出場することも多く、育成選手が打席に立つ機会は限られる。
そんな中で木下がたどり着いたのは、無我の境地だ。「3桁(の背番号)なので、出番が少ないということはわかっています。立場上、結果を求められていますが、意識はしません。意識をすると、余計に崩れてしまうからです。ヒットが出るとかでないとかを考えず、練習していたことを出すことだけを考えています」。戦力外通告を味わって辿り着いた“境地”
経験がある。7本塁打を放った1年目の打席だ。「今考えてみると(相手投手には)高卒1年目の打者に変化球でかわすことへのプライドもあったのでしょう、真っすぐを投げてくることが多かったですね。でも、当時は打席で何も考えていませんでした」。投手に向かっていくことだけに集中することが快打を生んでいたが、プロで年数を重ねるにつれ、その意識は薄まっていった。「2年目はまだよかったのですが、段々、知識がつき結果も求められるようになってしまって」と成長できなかった時代を振り返る。
環境が変わり、初心に戻った。今季は2軍で10試合に出場して打率.263を残している。「結果を求め過ぎないことが大事なのかなと。求めていかないといけないのですが、そこにばかり向かってしまうとうまくいきません。バッティングは相手のあることで、打てない時もあります。それをどう変えていくか。結果はついてくるもので、それを求めないんです。状況に応じたチームバッティングや自分のスイングをするだけなんです」。良い意味で上下関係が厳しくないチームの居心地の良さもあり、迷いが吹っ切れて表情も明るくなった。
心強い味方もいる。高橋信二打撃コーチの存在だ。「余計な情報や余計なことを考えると、彼の持ち味がなくなってしまいます。彼なりにいろんなことを考え過ぎて、フォームが縮こまったりしてしまうんです。できることだけをやればいいのです」とシンプルに寄り添う。ロングティーで緩いボールを打つことを教わった木下は、体を大きく使うことができるようになり、快音が戻った。
「今までは、綺麗に打たなくてはいけないという思いがありました。でも、崩しにくる相手に対し、自分も崩れていってしまっては余計にダメ。崩されても、自分のタイミングで打てればいいと考えられるようになりました」。22歳。無限の可能性を秘め、無心にバットを振る。(北野正樹 / Masaki Kitano)
2024年05月12日 08:08
序盤こそ不調も…2年連続首位打者が本領発揮
■パドレス 2ー1 ドジャース(日本時間11日・サンディエゴ)
パドレスにトレード加入したルイス・アラエス内野手が、状態を上げてきた。シーズン序盤こそ苦しんだものの、10日(日本時間11日)の試合終了時点で打率.311はリーグ12位。50安打は同4位で、ともに同1位の大谷翔平投手(ドジャース)にジワリと迫ってきている。
27歳のアラエスは昨季、6月下旬まで打率4割をキープ。キャリアハイの打率.354で2年連続となる首位打者に輝いた。今季は所属していたマーリンズが地区最下位に沈んでいたこともあって、4日(同5日)にパドレスへトレード移籍となっていた。
移籍当日の試合ではいきなり4打数連続安打をマークするなど、6打数4安打。移籍後は代打も含めて6試合に出場し打率.375と好調。大谷にとっては手強い存在がライバル球団に加わった。
10日(同11日)の本拠地・ドジャース戦では、サヨナラ打を放つなど存在感を発揮。ネット上のファンも「パドレスがアラエス取れたのデカすぎるだろ」「さすがアラエス」「やっぱりアラエスすごい」「アラエス獲得がいい方向にいってるな」と注目した。
同じ“安打製造機”のイチロー氏(現マリナーズ球団会長付き特別補佐兼インストラクター)も、アラエスの打撃を評価している、2022年には対面を果たし、アラエスも感激していた。(Full-Count編集部)
2024年05月12日 08:00
● ヤクルト 3 − 4 巨人 ○
<7回戦・神宮>
11日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター ヤクルト−巨人』で解説を務めた里崎智也氏が、巨人・菅野智之について言及した。
2024年05月12日 08:00
「DeNA11−9阪神」(11日、横浜スタジアム)
左うちわの展開が数時間後、まさかの結末に激変した。3回までに近本の自身初となる満塁弾などで9得点を奪っていた阪神が、最大7点差をひっくり返されて負けた。9得点して勝てなかったのは、2018年6月29日のヤクルト戦に9−10で敗れて以来6年ぶり。7点リードからの逆転負けは2022年の開幕戦、3月25日のヤクルト戦以来の悪夢となった。なぜ、阪神は7点差を逆転されたのだろうか。
試合開始前から横浜スタジアムには強風が吹き付けていた。読めない落下地点に守備陣が苦しみ、打ち取った打球が安打、適時打になる場面があったが、条件は両軍一緒。そんな中、阪神は1点リードの三回に佐藤輝と井上の連続適時打で追加点を奪った後、近本が右翼席にグランドスラム。一挙6点を奪ってリードを7点に広げた。まだイニングが浅かったとはいえ、誰もが阪神勝利を疑わなかった。
だが、である。先発の伊藤将は立ち上がりからボールが少し高く浮いていた。ボールも本来のキレを欠いているように見えた。3点を先制した直後の二回に2失点する悪い流れ。それでも2失点目は木浪の失策が絡み、四回の1失点も佐藤輝の一塁悪送球が端緒になっていた。まだ6点のリードがあった。
だが、勝利投手の権利がかかった五回2死一、二塁から佐野に中前適時打を許した。球数は66ながら、伊藤将の指先を離れた分身からは徐々に勢いが失われていた。それでも4−3の接戦を制した前日10日に先発・青柳の後に石井、島本、岩崎、ゲラの4投手を送り込んでいた。熱発で前日はベンチ入りメンバーから外れていた桐敷は大阪に帰しており、カード最終戦となる12日に救援陣が3連投になることを避けるためには、伊藤将には勝ち星をつかんでもらいたいという思いと同時に、少しでも長いイニングを投げてほしいという考えがあった。
伊藤将は4月17日の巨人戦で2勝目を挙げた後、同24日のDeNA戦で7回3失点(2自責)と粘りながらも勝てず、5月1日の広島戦でも5回1失点(0自責)で白星を手にできていなかった。勝利は何よりの精神安定剤になる。岡田監督は伊藤将がこの日、抜群のデキではないことを理解しつつも、何とか勝利投手にさせたいと考えていたに違いない。
しかし、そんな親心は無残にも打ち砕かれる。続く山本に四球。満塁となって京田に走者一掃の適時二塁打を浴びて風雲急を告げる2点差。我慢も限界だった。
2番手・富田がイニングをまたいで1回1/3を無失点。3番手・漆原も七回1死一、三塁のピンチで京田を二ゴロ併殺。好守にも助けられて2点リードを守り抜き、何とか無失点で切り抜けた。相手に傾きかけた流れは、ここで食い止めたはずだった…。
だが、直後の八回1死一、二塁で佐藤輝が二ゴロ併殺打に倒れ、またも風向きが変わる。その裏、連投の岩崎が1死から代打・桑原に珍しくストレートの四球を与えると、続く蝦名に直球を捉えられ、中越えに同点2ラン。関根の遊ゴロを挟んで筒香には勝ち越しソロ。代わった4番手・岡留も牧に2者連続本塁打となるソロを浴びた。筒香、牧は、ともに確信歩きの本塁打。まさかの3被弾4失点だった。
岡田監督は「初回からボールが高いってお前、言うてんのに。初回の5球見てみい、全部高めやんか。高い、高い、高い言うてんのに、修正できへんのやなあ」と伊藤将の乱調を敗因に挙げ、嘆き節を漏らした。続けて「ランナーためんことよ、結局な。初球ポンポンそらな、簡単に(ストライクを)取りにいったのをな、ランナーためるというかな」と、五回2死一、二塁で佐野に許した中前適時打、同2死満塁で京田に浴びた3点二塁打が、いずれも安打、四球後の初球を痛打されたシーンに触れ、左腕へ苦言を呈した。八回に2被弾して今季初黒星を喫した岩崎についても「まあでもお前、(リードは)2点あったからな」とかばうことはしなかった。
楽勝ムードが一転、今後に尾を引きかねないような敗戦となり、首位の座から滑り落ちた。このところ、自慢の投手陣が得点直後に失点するケースが目立ち始めた。貯金がある間に立て直したい。横浜スタジアムの左翼の人工芝には、阪神ファンの憤りを表すかのように、投げ込まれたメガホンが転がっていた。(デイリースポーツ・鈴木健一)
2024年05月12日 08:00
「広島0−4中日」(11日、マツダスタジアム)
自身への怒り、悔しさを胸に閉じ込めた。降板後の試合終盤、広島・九里亜蓮投手は守備を終えて戻ってくるナインを先頭に立って出迎えていた。先発して6回3安打2失点。無援護で4敗目を喫し、「先に点を与えてしまって、チームを勝ちに導けなかった。そこだけですかね」と自らの投球にフォーカスした。
気合は入っていた。初回を三者凡退で終えると、グラブを数回強くたたいて感情を表現。今季初めて会沢とバッテリーを組み、「会沢さんがいろんなボールを使いながら、しっかりリードしてくれた」。しかし、0−0の六回2死一、二塁から中田に中越えの適時二塁打を浴び、投手戦で先制点を献上。イニングを完結させると口元をグラブで隠しながら悔しさを爆発させた。
これで開幕投手を務めてから7戦連続未勝利で今季初星が遠い。打線も九里が登板した試合では4戦連続で援護点が0。これではいくら好投したって報われない。新井監督は「本人も苦しいと思うし、その中でもしっかり試合をつくってくれている。こちらもよく分かっているので」と無念の思いをにじませた。
九里は無援護による投球への影響も「特にはない」と言い訳も一切なかった。この姿を野手陣も胸に刻みつけているはずだ。次回こそ投打かみ合い、我慢の時に終止符を打つ。
2024年05月12日 07:50
◆ 前回登板は今季2度目の完投勝利!
「母の日なので母のために勝利をプレゼントできるようにやるだけです」。
ロッテの小島和哉は13時から行われる日本ハム戦に先発する。
前回登板の楽天戦では、9回・105球を投げ、今季2度目の完投勝利で3勝目を手にした。小島は4回まで59球を投げていたが、5回以降は5回(9球)、7回(8球)、8回(6球)は10球以内に抑える省エネ投球で一人で投げぬいた。
小島は「三振取れるピッチャーじゃないので、球数少なく長い回を投げられたのは良かったと思います」と振り返り、小野晋吾投手コーチは「安定した投球ができているので、よくなった点と言えば、四球を与えずにストライク先行でバッターと勝負できているなと思います」と評価した。
小野コーチが話すように、小島は現在3試合連続で四死球が0。小島は「ストライクからボールでのゾーンで抑えようとかカウントよってはありますけど、基本的にはゾーンで勝負できているので、そこが一番の要因なのかなと思います」と与四球が減少している要因について説明した。
◆ 知人から教わった面白い発想
今季は既に2度完投勝利を挙げ、現在3試合連続で7イニング以上を投げる。
「しっかりとHQSをするのを最低限の目標にしている。7回まではしっかり投げたいと考えていますが、それも1人ずつの積み重ねなので、その結果が長くなっているという今の感覚です」。
「イニングの終わりも、1回裏、2回裏を今はイニングごとにプツッと切っているわけではなく、ずっとつながっていると思います。ランニングのインターバルをとっている感じです。よし、2回とか、先頭とかいう感覚はなくて、7人目、8人目、9人目という感じです」。
ではそういった考えに至ったのは何かきっかけなどあるのだろうかーー。
「知り合いの方で野球をやったことがない人がいるんですけど、その人がすごく面白い発想を教えてくれました。 “見ていてもテンポが長いと見飽きるからさ、もうちょいテンポ早くしたほうがいいんじゃない?”とか教えてくれますね。僕のことをよく知ってくださっている人で、その人もスポーツマンだったのでマインドの部分とか、野球をやったことないけど、新鮮なんです」。
「よく準備と言われるんですけど、1球ストライク投げるか、1球ボールを投げるか枝分かれしていく。そのプランを2日前くらいから頭に入れているので、こうなったら、こう、(佐藤)都志也と組んでいても3球目くらいまではほぼ投げる球が決まっていて、“ボールだったらこれ行こう”、“これがストライクだったらこれ行こう”、“スイングかけてきたらこれ行こう”とほとんど決まっている。 “マウンドで考えたらダメだよ”とよく言われています。そこで何投げようとなったら勝負になっていないので、気持ちが落ち着いている時に攻め方を考えておいて、マウンドに行って緊張することになっても決まっているからそれをやるだけみたいな。マウンドに行ったから強気に攻めようとかじゃなくて、その前から平常心の時に組んどいて、それ通りに投げています」。
話を聞いていると、どことなく学生時代、試験範囲を勉強してテストに挑む感覚に似ているような気がする。
「そんな感じです。予習して。机の上で勉強することを大事にしています。“全球本気で投げなくてもいいんじゃない”とよく言われるんですけど、“100キロくらいのストレートを投げればいいじゃん”ともよく言われるので、そういうのも面白いなとかそういう発想もありだなと」。
首脳陣、バッテリーを組む佐藤都志也、ネフタリ・ソトをはじめ、知り合いのスポーツマンからの意見を取り入れ、それが良い形に繋がっている。ソフトバンク・和田毅、西武・高橋光成、21年には左打者のインコース対策で巨人・高梨雄平の助言を生かしたこともあった。いろんな人からのアドバイスを聞き、その度に引き出しを増やしている。
「気持ちとかも変えず、やることも変えずに長いイニングを。初回の入りを120%で入ることだけ考えてやっています」。今日も目の前の打者を打ち取ることだけを考えて投げていく。
取材・文=岩下雄太
2024年05月12日 07:20
オスナが「会いたい」…17年前にお世話になったホストファミリー
探していた人が見つかった。
2024年05月12日 07:10
2007年オフにロッテを自由契約…藤田宗一氏は巨人を選択した
やっぱりジャイアンツは違った。愛しのロッテを2007年オフに自由契約となった中継ぎのスペシャリスト藤田宗一氏は、数チームから獲得オファーが届いた中で巨人を選んだ。球界を引っ張ってきた伝統球団で3年間プレーしてみて「メディアを始め、人が多かったですね。どこで誰が見ているか分からない」と注目度の高さを実感したという。
藤田氏は、どのチームも喉から手が出るほど欲しい実績十分の救援サウスポー。巨人が提示した待遇より好条件の球団はあったという。それでも巨人に決めた理由は「セ・リーグでやってみたかった」。人気面で魅かれたと捉えられそうだが、違った。
藤田氏は2007年シーズンは肩の怪我に悩まされ、防御率12点台に終わった。「肩が100%ではないので、7、8割の力しか出せません。その中で抑えないといけない。そうして考えた時にセの方が抑えられるだろう、と。交流戦とかで対戦していましたから。パとセのレべルです」。冷徹に分析した上での選択だった。
名門ならではの慣習には、驚かされた。シーズン中の遠征でのことだ。巨人は“ジャイアンツタイム”と呼ばれる程に時間に厳しい。藤田氏も予定時間よりかなり早めに球場に向かうバスの乗り場へと歩いていった。されど既に出発済み。「僕は、ほっておかれました(笑)。マネジャーに尋ねると『あーごめん、タクシーで来て。原(辰徳)さんが乗ったら出るんだ』。巨人では監督が乗車したら出発でした。でも日によって原さんの入りの時刻が異なるんですよ」。
肩が万全でないにも関わらず、移籍1年目の2008年は39試合登板でリーグ優勝に貢献してみせた。2009年も19試合と登板数こそ減ったものの、防御率2.08の安定感。チームも日本一に輝き、11月22日には東京・銀座パレードが実施された。3.1キロの沿道に押し寄せた約34万人ものファンから途切れることのない大歓声を浴びた。
藤田氏は2005年、ロッテ日本一の際にも千葉・幕張で優勝パレードを経験している。「こればかりは、やっぱりジャイアンツやな、違うなーと思いました。幕張の時も『千葉にこんなに人がいるのか』でしたが、巨人は銀座を抜けていきますからね。『セ・リーグとパ・リーグの人気の差が出るなぁ』と、もっとビックリしました」。巨人3年目は「干されて」1軍なし…古巣ロッテの復帰も土壇場で消滅
巨人で最も印象に残る一戦は、2009年9月4日のヤクルト戦(東京ドーム)。延長11回に加藤健捕手が頭部死球を受けて退場し、本職が1人もいなくなった。3-3の12回は内野手登録の木村拓也が急きょマスクをかぶった。その回の1死からリリーフした藤田氏は、臨時キャッチャーの巧みな配球に導かれ、青木宣親外野手から三振を奪った。木村氏は2010年4月のコーチ時代に試合前の練習中に倒れ、亡くなった。「タクヤとは同い年で一緒に食事をしたりする仲でしたから」。
巨人3年目の2010年、藤田氏はプロ13年目で初めて1軍登板がなかった。
「肩は治って、ジャイアンツに来てから一番良かった。ファームでも結構投げて、ずっと抑えたんですけど……。1軍から声が掛からない。プロで長くやっていれば、干されたのかな、と分かります」。翻ってみると心当たりがあった。“直言居士”の藤田氏はあるコーチに対し、他の選手への指導について「あと一言が足りないのでは。もう少しフォローしてやってくれませんか」とお願いしていた。
夏場には状況を変える行動に出た。球団幹部に直談判したのだ。「今年で自由契約にして下さい」と申し入れ、了承された。
2度目の自由契約で迎えた秋、古巣ロッテに連絡した。肩の状態を見極めてもらうため、千葉・鴨川キャンプで入団テストを受けた。「『獲るよ』とまで言って頂いていたのですが……」。再出発に燃えていた12月半ばになって「悪いな。獲れなくなった」と話がひっくり返ってしまった。
「球団も会社なので、いろんなことがあるでしょう。そこは仕方ないですけどね。ただ、もうちょっと早い時期に伝えてもらえていれば、他を調べられたかもしれない」。ドラフトやトレード等で、年末には各チームとも新しい陣容を整えている。38歳だった藤田氏は野球人生の瀬戸際に立たされた。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)
2024年05月12日 07:01
◆ 前田健太が負傷者リスト入り
現地時間11日、デトロイト・タイガースは前田健太投手(36)がウイルス性疾患により15日間の負傷者リストへ入ることを発表。前回登板翌日の同8日に遡って適用される。
今季からタイガースへ加入した前田は、開幕から7試合に先発登板して1勝1敗、防御率6.75という成績。開幕から5試合白星が付かなかったが、現地時間5月1日に移籍後初勝利をマーク。しかし、前回登板では今季ワーストとなる2回7失点を喫していた。
代わって4年目外野手のアキル・バドゥが今季初昇格。今季は3Aトレドで30試合に出場し、打率.257、4本塁打、OPS.844という成績をマークしている。
2024年05月12日 06:50
◆ “繋ぎの意識”に着目
ソフトバンクは11日、オリックスに逆転勝ちを収め今季2度目の5連勝。打撃陣はここまで無傷の4連勝中だったオリックス・エスピノーザに10安打を浴びせるなど攻略に成功した。
1点を追う5回、打撃好調の9番・三森大貴の右前適時打で同点。6回は3番・柳田悠岐、4番・山川穂高、5番・近藤健介のクリーンアップ3連打で2−1と逆転。なおも一死二・三塁で、7番・栗原陵矢が2点適時打を左中間へ運び4点目を奪った。
エスピノーザを攻略したソフトバンク打線について、11日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の笘篠賢治氏は「今年のソフトバンク打線は強引にいかないんですよ」話を切り出すと、「ホームランも出るし豪快なイメージがあると思うんですけど、追い込まれてからは進塁を目的とした軽打であったり、4番の山川も豪快な一発がありますけど、次へ繋ごうとする意識を開幕から終始見せてますよね」とソフトバンク打線の“繋ぎの意識”に着目。
続けて「こういう形で繋いでいって、最後は近藤が決めると。右バッターは逆方向に、左バッターは引っ張るくらいのつもりでバッティングをしていましたよね。その意識を持って、エスピノーザを攻略していったのかなと思いますね。やっぱり強いなという野球をしていますね」と攻略の要因を分析した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』