2024年04月28日 18:19
U-23日本代表の大岩剛監督は4月28日、カタール・ドーハで開催されているU-23アジアカップの準決勝・イラク戦の前日会見に出席した。 大岩監督はイラク戦に向けて、「難しい試合になる。明日も我々はこの大会、目の前に試合に対してしっかり準備していくスタイルでここまできた。明日も対戦相手をしっかりと分析したうえで、試合に臨みたい」と意気込みを語った。 また対戦国メディアが「日本の攻撃は強いが、守備で欠けている部分があるのではないか。我々には良いストライカーがいるが」と指摘。これに対し、指揮官は次のように返した。【PHOTO】松木玖生や川粼颯太らが絶妙ポージング!アジアカップを戦うU-23日本代表全選手&監督のポートレートを一挙紹介! 「(イラクには)良いストライカーがいると感じていますが、しっかりと守備をしていく。我々にも良いストライカーがいるので、得点を狙っていきたい」 イラクとの準決勝は日本時間29日の26時30分キックオフ予定だ。取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
2024年05月13日 07:40
今季限りでPSGを退団することを発表したキリアン・エムバペ。
12日にホームラストゲームとなるトゥールーズ戦を戦ったが、パルク・デ・プランスで試合前に名前がアナウンスされた際にはブーイングが鳴り響いていた。Énorme ovation pour Bradley Barcola, pas pour Kylian Mbappé sifflé à l’annonce de son nom #PSGTFC pic.twitter.com/r0plmMFcY9
— Hanif Ben Berkane (@HanifBerkane) May 12, 2024
ただ、ウルトラスグループが巨大なコレオグラフィ−を用意するなど、これまでの功績に対する敬意も払われていた。
エムバペは前半8分に先制ゴールを叩き出すも、チームは1-3で逆転負け。
CLドルトムント戦と合わせて3連敗となったが、試合後にはリーグアン優勝セレモニーが行われた。❤️ @KMbappe profite avec ses supporters pour sa dernière au Parc.#PSGTFC pic.twitter.com/Jyyw2c4CZC
— Prime Video Sport France (@PVSportFR) May 12, 2024
『RMC』は「PSGは12回目のリーグ優勝を祝う。 しかし今のところ、退団前にホーム最終戦をプレーしたエムバペに対する特別なトリビュートは行われていない。PSGから特別な賛辞が贈られなかったとしても、エムバペはチームメイトたちとともに満面の笑みを浮かべている」などと伝えている。
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PSGは、この後にアウェイでのリーグ戦2試合、リヨンとのクプ・ドゥ・フランス決勝(試合会場はリール)を戦い、今季を終える。
2024年05月13日 07:26
ファンもその貢献を称えている。
5月12日に開催されたセリエAの第36節で、鎌田大地が所属する7位のラツィオが17位のエンポリと対戦。前半アディショナルタイムにパトリック、89分にマティアス・ベシーノがゴールを決め、2−0で快勝を飾った。
3−4−2−1のダブルボランチの一角で先発した鎌田は的確なパスや持ち上がりに加え、激しい守備でも奮闘。攻守に小さくない貢献を果たした。
24分に見事なスルーパスをチーロ・インモービレに供給するなど何度か決定機を創出。ボックス内に入り込む動きも良く、果敢なプレスで守備でも奮闘した。
その活躍を称えられ、88分に交代する際には、ホームサポーターから拍手喝采を浴びている。
【動画】エンポリ戦で交代時に拍手を受ける鎌田大地
このシーンについて、ラツィオの専門メディア『LAZIONEWS24.COM』は、「時間が経つにつれてレベルが上がった。トゥドール監督にとって欠かせない選手であり、ファンもそれを知っている。拍手は当然だ」と綴った。
また、『Lazio channel』も「小さなミスはあったものの、彼のパフォーマンスは高く評価され、交代時の観衆の拍手は、ピッチ上での日本人MFの働きがいかに高く評価されているかを示していた」と評している。
イゴール・トゥドール監督の下で覚醒した鎌田は、いまや不可欠な存在となっている。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月13日 07:20
ラツィオは12日のセリエA第36節エンポリ戦に2-0で勝利した。
鎌田大地は先発出場すると後半43分までプレーしている。イゴール・トゥドール監督体制になったラツィオは、最近6試合で5勝1分と好調。鎌田も現地での評価を上げている。
『Virgilio』によれば、この日の鎌田は最も多くのチャンスをクリエイトし、最も多くのタックルを決め、最も多くのチャレンジに勝利していたそう。
『TUTTO mercato WEB』も、「ピッチ上でバランスと最高のアイデアを与えた。オリンピコ(のサポーターたち)は彼に拍手喝采を送った。謎の存在だった日々は過ぎ去った」と賞賛している。
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現在7位のラツィオは、インテル、サッスオーロとの2試合で今季を終える。
2024年05月13日 07:07
セリエA第36節が12日に行われ、ローマがアタランタに1−2で敗れたため、ボローニャの今季リーグ5位以内が確定。
2024年05月13日 07:00
ガンバ大阪は5月11日、J1第13節で名古屋グランパスと敵地で対戦した。
前半からチャンスを作るG大阪は67分、坂本一彩のシュートのこぼれ球を岸本武流が押し込んで先制。この1点を守り抜き、1−0で白星を手にした。
試合後、クラブの公式Xが「試合後の監督インタビュー時、『バモ!ダニ!』の雄叫びをあげていたのはこちらの方です」と綴り、一本の動画をアップ。そこには、ダニエル・ポヤトス監督のフラッシュインタビュー中にキャプテンの宇佐美貴史が声を掛ける様子が収められている。
【動画】「みんないい笑顔や!」「わちゃわちゃしてて可愛い」などファン注目! 雄叫びを上げる宇佐美貴史
この投稿に、SNS上では「最高の雰囲気ですね」「愛されてる」「叫んでたのタカシか」「なんか泣きそうほんま」「みんないい笑顔や!」「非常に良き良き!」「ダニさんの嬉しそうなお顔が好き」「わちゃわちゃしてて可愛い」などの声が上がった。
難敵を下したG大阪はリーグ戦2連勝で、5位に浮上。そんな好調なチームの良い雰囲気が垣間見える一コマだった。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月13日 06:55
12日に行われたエールディビジ第33節、NECナイメーヘン対フェイエノールト戦で佐野航大と上田綺世が揃ってゴールを決めた。
NEC佐野は後半2分に同点ゴール、フェイエ上田は後半43分に決勝ゴールを叩き込んだ。NECの小川航基も途中出場した一戦は、3-2でフェイエノールトが勝利している。
先発フル出場した上田は1ゴール1アシストの活躍。『De Telegraaf』によれば、アルネ・スロット監督は「綺世はゴールを量産するだろう」と来季の爆発を予言していたそう(スロット監督はリヴァプール行きが濃厚)。
ただ、現地では上田の評価はまだ分かれているようだ。元アヤックスFWケネス・ペレスと元フェイエノールトMFカリム・アルアハマディは、『ESPN』の番組でこう指摘していたそう。
ケネス・ペレス
「上田はいい選手だと思う。ずっと監督はまだ納得させられていないと言っていたが、我々は出場時間が少ないと反論してきた。トレーニングでは得点を量産していると。いまの彼は3試合で3ゴールを決めている。(来季の上田にはいいチャンスがある)実際そうなるだろう。すでに彼に900万ユーロ〜1000万ユーロ(15億円〜16.7億円)も支払っているのに、別のストライカーを補強するとは考えにくい。パスかシュートの瞬間をうまく認識できる場面が増えた。来季に向けてはMFをもっと離してプレーさせれば、ストライカーへのラインがフリーになり、つながることができる」
カリム・アルアハマディ
「彼はフィニッシュのクオリティが高い。だが、プレッシングやプレー全体ではまだステップを踏む必要がある」
フェイエノールトは上田獲得にクラブ史上最高額の900万ユーロを投じた。アルアハマディは、上田のフィニッシュは評価しつつ、プレッシングなどは改善点だと指摘していたようだ。
日本人vs韓国人!市場価値が最も高い8人を比べるとこうなる
すでに2位が確定しているフェイエノールトは、19日の最終戦でエクセルシオールと対戦する。
2024年05月13日 06:39
タイトルの行方を左右する大一番でメンバー入りさえ、叶わなかった。
5月11日に開催されたスコットランドリーグの第36節で、日本人5選手が所属する首位のセルティックが勝点3差で2位の宿敵レンジャーズとホームで対戦。前田大然が誘発したオウンゴールが結果的に決勝点となり、2−1で伝統のオールドファームを制した。
【動画】前田大然が果敢な仕掛けからオウンゴールを誘発→喜びを爆発
この天王山で、小林友希はメンバー外となったものの、旗手怜央が左インサイドハーフ、前田が左ウイング、古橋亨梧がCFでスタメン出場。岩田智輝も旗手に代わって途中出場を果たしている。
一方、オ・ヒョンギュ、ヤン・ヒョンジュンの韓国代表2選手は、ベンチ入りもできなかった。
この状況を受けて、韓国メディア『Xpors News』は「セルティックのコリアンリーガーは、ダービーマッチで全員メンバーから排除された、3銃士はどこに行った? 日本人は3人が先発」と見出しを打った記事を掲載。次のように綴っている。
「シーズン最後のダービーマッチで、スタメンはもちろんベンチメンバーにもセルティックの韓国人選手を探すことができずほろ苦い」
同メディアは、「MFのクォン・ヒョクギュは冬の移籍市場でリーグ内のセント・ミレンにレンタルされたなか、セルティックに残っているオ・ヒョンギュとヤン・ヒョンジュンもリストから除外された」と悲嘆。「日本人選手は、セルティックの戦力の中核であり続けている」と続けている
日韓の明確な差に愕然としているようだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月13日 06:30
横浜F・マリノスは5月12日、クラブの公式Xでスペシャルムービーを公開した。
2024年05月13日 06:25
アーセナルは12日のプレミアリーグ第37節マンチェスター・ユナイテッド戦に1-0で勝利した。
日本代表DF冨安健洋は出場が危ぶまれていたが、敵地での一戦にフル出場。現地の採点はこうなった。
『London Evening Standard』「6点。ユナイテッドの攻撃がほとんど逆サイドからだったため、ボールがない場面でテストされることはあまりなかったが、ポゼッション時にはしっかりしていた」
『football london』「6点。集中を欠く場面が散見され、アントニーに侵入されそうなシーンも。トリッキーなアマド・ディアロとの1vs1の守備はよかった」
『The Sun』「7点。活力あるディアロとの試練を与えられたが、満足できる尽力を見せた。前への脅威はあまり提供できなかったが、守備では役割を果たした」
アーセナルは今季11度目のクリーンシート達成(プレミアリーグ記録は2008-09シーズンのチェルシーで12回)。一方、ユナイテッドは今季全コンペティションで9度目となるホームでの敗戦となり、クラブワースト記録に並んだ。
アーセナルが「放出したことを後悔してる」8名のスター
5連勝のアーセナルは暫定ながらリーグ首位を維持。最終戦ではエヴァートンと対戦する。
2024年05月13日 06:05
ブンデスリーガ優勝を決めているレヴァークーゼンは12日の第33節ボーフム戦に5-0で勝利した。
レヴァークーゼンが最後に負けた昨季最終戦でゴールを決めたボーフム浅野拓磨は、先発出場するも前半20分で無念の交代。
前半15分に右サイドバックのフェリックス・パスラックが退場になると、ハイコ・ブッチャー監督は浅野をベンチに下げてDFを投入した。指揮官は「拓磨はとてもいい練習ができている。とてもフレッシュな印象だし、完全に100%に戻った」と試合前には期待を口にしていたのだが…。
『Spox』では、「監督は交代を余儀なくされた。苦しみを味わったのは浅野。DF投入のために犠牲になった」、『Bild』でも「ブッチャー監督は、深い位置まで何度も侵入するなどいいプレーを見せていた浅野を“いけにえ”にした」と同情的に伝えている。
また、スカパーで解説した元ボーフムFWチョン・テセ氏も、ボーフムはいいプレーをしていたのであの退場がなければ…と嘆いていた。
浅野の大物斬り!“最強GK”ノイアーを涙目にさせた日本人3名
試合後、レヴァークーゼンのシャビ・アロンソ監督はボーフム選手たちの労を労っており、浅野とハイタッチするシーンもあった。
レヴァークーゼンはこれで無敗記録が50試合に到達。残りはリーグ最終戦、アタランタとのUEFAヨーロッパリーグ決勝、カイザースラウテルンとのDFBポカール(ドイツカップ)決勝の3試合だ。
一方、ブンデス14位のボーフムは残留が確定せず。最終戦ではブレーメンと対戦する。
2024年05月13日 05:55
現地時間5月12日に開催されたプレミアリーグ第37節で、冨安健洋を擁する2位のアーセナルは、8位のマンチェスター・ユナイテッドと敵地で対戦。20分にレアンドロ・トロサールが奪ったゴールを守り切り、1−0で接戦を制した。
この結果、1試合消化が少ないマンチェスター・シティをかわし、暫定で首位に浮上。一騎打ちの優勝争いを最終節まで引っ張った。
このビッグマッチに、冨安健洋はいつも通り左SBで先発し、フル出場。地元メディアの評価はまずまずといったところで、それぞれ採点記事で及第点を与えている。
『THE Sun』7点
「溌剌とした(アマド・)ディアロに試練を与えられたが、彼の奮闘には満足できる。前への脅威はあまり与えなかったとはいえ、守備では役割を果たした」
【動画】ハバーツ→トロサール!マンU撃破に導く絶好調コンビ弾
『PAIN IN THE ARSENAL』6.5点
「ディアロのプレーはホームチームの中で光ったが、トミヤスを振り切ることはほとんどなかった。日本代表はポゼッションではほとんど効果を発揮しなかったものの、持ち前の頑丈さを見せつけた」
『football.london』6点
「集中力を欠く場面が何度かあり、そのうちの1つはアントニーの侵入を許しかけた。アマドという厄介な相手との1対1の守備は良かった」
7日の全体トレーニングを欠席し、状態が心配されながら、タフに戦い抜いた冨安。絶好調というわけではなかったが、マッチアップしたディアロら相手に決定的な仕事はさせず、完封勝利に貢献した。
最終節のエバートン戦でも仕事人ぶりを発揮できるか。加入3年目をより良い形で締め括りたい。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月13日 05:50
オランダ1部のAZでプレーしてきた日本代表DF菅原由勢。
2024年05月13日 05:38
やるせない表情がすべてを物語っていた。
現地時間5月12日に開催されたブンデスリーガの第33節で、浅野拓磨が所属するボーフムが優勝を決めているレバークーゼンとホームで対戦。0−5で惨敗を喫した。
まさかの事態が起こったのは15分だ。敵FWネイサン・テラに裏を取られたボーフムのDFフェリックス・パスラックが後ろから抱え込むようなファウルで止めてしまい、決定機阻止で一発退場となったのだ。
DFを投入する必要があったため、ハイコ・ブッチャー監督は、3試合ぶりに先発に復帰していた浅野を下げる決断を下す。
【動画】王者レバークーゼンを相手に浅野がチャンス創出も...
わずか20分での交代にファンからは、「うそやろ」「ふざけんなよ」「いい加減にしろ」「なにしてんねん」「まじかよ」「せっかく起きてたのに」「何この展開」「普通にかわいそうすぎる」「意味不明」といった怒りや同情の声が上がった。
序盤にチャンスを作り出していただけに、本人もさぞ無念だろう。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月13日 05:30
13日に行われるラ・リーガ第35節バルセロナ対レアル・ソシエダ戦。久保建英にとっては古巣対戦にもなる。
バルサはソシエダMFマルティン・スビメンディの獲得に関心を持っていると伝えられてきたが、チャビ・エルナンデス監督は前日会見でこう話していた。
「すでに言ってきたように、彼は非常に重要な選手に思える。だが、スビメンディだけではない。ミケル・メリノ、ブライス・メンデス、バレネチェア、久保もいる。彼らは素晴らしい監督が率いる非常にハイレベルなチームだ」
イマノル監督が率いるソシエダには久保ら好選手が揃っていると警戒しているようだ。
「バルセロナ、契約しなかったことを後悔している5人」
現在6位のソシエダは残り4試合で今季が終了。その直後には来日して東京ヴェルディとの親善試合を行う。
2024年05月13日 05:28
オランダリーグ2位が確定しているフェイエノールトは5月12日、敵地でNECと対戦し、激しい点の取り合いの末、3対2で勝利した。この日、フル出場した上田綺世は1ゴール・1アシストを記録したうえ、ドリブル突破後の切り返しからNECディフェンダーの退場を誘うなど、高パフォーマンスを発揮した。
【動画】上田綺世がNEC戦で決めた3戦連続&今季5点目をチェック!
鳴り物入りでフェイエノールトに入団したものの、メキシコ代表ストライカー、サンティアゴ・ヒメネスの存在が壁となり、限られた出場機会のなかでなかなか結果を残すことのできなかった上田。そんな彼のことを前節の試合後会見で、アルネ・スロット監督は「綺世にとってアンラッキーだったのは、ヒメネスが開幕から絶好調だったこと。今季後半戦のヒメネスは調子の波こそあったものの、悪くはなかった。もし綺世がスタメンでプレーし続けたら、ヒメネスと同じくらいゴールを決めたはず。それは間違いない」と断言していた。つまり、上田にはオランダリーグでシーズン23ゴールを決めるだけのポテンシャルがあるということだ。
しかし、いくら指揮官が上田に信頼を寄せても、メディア、ファン、専門家の「フェイエノールトのストライカーが務まるのか?」という疑念の声を黙らせるには自身の活躍あるのみ。4月25日のゴー・アヘッド・イーグル戦(3対1)を皮切りにPECズウォーレ戦(5対0)、そして今回のNEC戦と3戦連続ゴールを決めたことは、来季につながる貴重なものだった。
「少しずつ点を取るリズムみたいなのを作れてきたのかなと思います。でもそれは出場時間あってのもの。このパフォーマンスを維持して、自分で出場時間を勝ち取らないとこういう風にはできないんで、そこがまず一番大事かなと思っています」
3連続弾で上田は今季5ゴール目。本来のゴールを奪う感触を、彼はどのようにして取り戻したのか。
「なんでしょうね。たぶん、そんな大したことじゃないと思います。どこかで自信を持ってプレーをできるキッカケがあったのかなと思いますけれど、自分でも別によく分かりません。でもずっと『こういう風に自分がやりたい』と思うことができるように今シーズン、トライしてきました。本当に最後の最後になっちゃいましたけれど、こうやって自分で出場時間をある程度勝ち取って、自分なりにいいパフォーマンスができているのは、いいことだと思います」
PECズウォーレ戦では強靭なフィジカルで敵の密着マークをいなしながらボールを運び、PKを奪った上田は、NEC戦では相手CBを背負いながら圧をかけて後退りさせ、ターンからシュートを撃とうとした。このシュートはミートしながったが、結果としてミンテのゴールのアシストになった。
「アシストに関してはパスしたつもりなくて、自分で撃ちに行きましたけど、こうやってシーズンを通して背負うことだったり、自分に求められていることをずっと練習してきて、今、できるようになりつつあるのは、自分としてもすごい成長を感じられる。相手を背負うこと、背負って壁になることは、自分があんまり得意としてなかった部分でした。でもそれが自分の選択肢としてひとつ増えるよう、今シーズンずっとトレーナーやコーチとトライしてきたんで、少しずつ身になってきているのかなと思います」
2対2で迎えた87分、CBベーレンの縦パスから右ウイング、ジャジャンバクスが右ポケットを取り、ファーポストで上田がワンタッチシュートで決勝ゴールを決めた。右SBを本職とするニーウコープが奪ったゴール、不振期のヒメネスがPSV戦で難なく決めたゴール、そして今回の上田のゴール...。これだけではなく、スロット監督がAZのコーチを務めていたことから、アルネのチームはポケットを執拗に突いてゴールを奪ってきた。スロット監督に「綺世のゴールは、『アルネ・ゴール』ですね」ということを確認してから、上田にこのゴールを振り返ってもらった。
「(ポケットを突くプレーは)共通理解の中でやっています。僕らはボールを握れるし、やっぱりああいうチャンスメイクが多い。 実際、あのシーンだけじゃなくて、前半からもポケットを取って、『マイナス』なのか、『ゴール前』なのか、シュートなのか、というシーンはたぶん何回も作っていました。(そのパターンを)数多くやって、一発当たった(=上田のゴール)というのが実際のところで、それを(フィニッシュのパターンとして)練習しているというよりも、ポケットの取り方がチーム次第ということ。そこを取ったら選択肢は別にそんな多いわけじゃない。マイナスかシュートかゴール前か――その3択、4択の中でどれが当たるかということだけであって、戦術的にポケットを取りに行く練習はしています」
AZのコーチ時代にスロットは『AZ、5つのゴールパターン』というものをまとめ、それをアップデートしてフェイエノールトでも活かしている。ポケットを執拗に突き続けて、将棋で言うところの『一手詰み』。その戦術自体に目新しさはないが、そのことを実践し続け、現実にゴールを奪い続ける実効性は素晴らしい。
上田のゴールはワンタッチのシンプルなものだが、チームとして個人として、これまでの多くの取り組みが実った結晶だった。
取材・文●中田 徹