2024年04月29日 14:55
ソフトバンク5―4西武(パ・リーグ=29日)――ソフトバンク先発のスチュワートの力強い真っすぐに押し込まれ、西武打線は三回まで沈黙状態だった。 1点を追う四回、反撃ののろしを上げたのが40歳のベテラン中村剛。二死から直球を振り抜いて、左中間テラス席へ。「打ててよかった」と淡々と口にしながらも、今季3本目のアーチを喜んだ。かつて6度の本塁打王に輝いたスラッガーが、さらに1本ずつ積み重ねていく。
2024年05月16日 08:25
● パドレス 0−8 ロッキーズ ○
<現地時間5月15日 ペトコ・パーク>
コロラド・ロッキーズが2カード連続のスイープに成功。2019年の8連勝以来、5年ぶりとなる7連勝を達成した。
ロッキーズは2回表、5番ブレントン・ドイルの5号ソロ、9番ジョーダン・ベックの2点適時二塁打で3点を先制。続く3回表にも2点を追加し、6回表にはベックがMLB初本塁打となる1号2ラン。ベックは8回表にもダメ押しの適時打を放ち、この試合3安打、5打点の活躍を収めた。
投手陣は先発オースティン・ゴンバーとリリーフ3投手で完封リレー。連勝開始前にはMLBワーストのチーム防御率5.67を記録していたが、連勝期間に入ってからは全体2位の防御率1.85という豹変ぶり。昨季のワールドシリーズ王者レンジャーズに続き、同地区2位のパドレスをスイープした。
1週間ほど前には今季MLBで唯一、連勝の無いチームとして8勝28敗、30球団ワーストの勝率.222に沈んでいたロッキーズが快進撃。依然として地区最下位、エンゼルスと並んで全体27位という成績ではあるが、地区4位ジャイアンツまで3.5ゲーム差に接近。次カードはそのジャイアンツとの3連戦を控えている。
一方、パドレスは本拠地で痛恨の同地区カード3連敗。借金が2つに増え、勝率の差で上回っているが、地区3位ダイヤモンドバックスにゲーム差無しとなっている。
2024年05月16日 08:24
約4%の確率で“ビジターバージョン”がゲットできる
ドジャースは15日(日本時間16日)、16日(同17日)に行われる本拠地・レッズ戦で配布される大谷翔平投手のボブルヘッドの中に“ビジターユニホームバージョン”を封入すると発表した。4万個のうち、1700個がビジターバージョンとなり、確率は約4%となる。
配布日は以前から発表されており、試合での大谷のグッズ配布はドジャース入団後今回が初めて。白いホームユニホームを着用した大谷のボブルヘッドがプレゼントされる予定だった。配布の前日となって、ビジターユニホームバージョンが球団公式X(旧ツイッター)で突如発表された。
フィギュアの形は変わらないが、ユニホームのカラーだけ変わる形で、封入率は約4%。ゲットできたファンは幸運だ。
8月28日(同29日)のオリオールズ戦でも大谷ボブルヘッドが配布される。6月13日(同14日)のレンジャーズ戦では山本由伸投手のボブルヘッド、7月22日(同23日)のジャイアンツ戦では大谷のハット、9月21日(同22日)には大谷のシャツの配布が予定されている。(Full-Count編集部)
2024年05月16日 08:20
後輩・羽田慎之介に言及「日本人左腕最速を更新するのは彼だと思います」
ブルージェイズの菊池雄星投手が、古巣の西武に現れた超有望株に言及した。14日(日本時間15日)に自身のX(旧ツイッター)を更新。14日の日本ハム戦(エスコンフィールド)でプロ初登板を果たした羽田慎之介投手を絶賛した。
2019年に西武からポスティングシステムでメジャー挑戦したが、現在でもNPBの左腕最速記録(158キロ)を保持。「噂には聞いていましたが、リリースの強さが強烈ですね。日本人左腕最速を更新するのは彼だと思います」と綴った。
プロ3年目、20歳の羽田は8回に救援登板。1イニングを投げて1安打1失点(自責0)だったが、18球の内の4球で155キロをマークするなど才能を示した。身長191センチの長身で、しなるような左腕からの剛速球はロマンの塊だろう。
大先輩からのお墨付きのファンも反応。「菊池雄星はすでに羽田の存在を知っているのか!」「先輩からの一言が熱いなぁ」「にメジャーでも西武のことを気にかけてくれてるの嬉しすぎる」「まさかの雄星からこんな発言が出るとは」「雄星が羽田君についてつぶやくなんて胸熱」との声が寄せられている。(Full-Count編集部)
2024年05月16日 08:10
ドジャースとジャイアンツはライバル関係にあるが…ここ数年は対照的
■ドジャース 10ー2 ジャイアンツ(日本時間15日・サンフランシスコ)
ドジャースとジャイアンツのライバル対決で、意外な光景が広がっている。
2024年05月16日 08:00
○ 巨人 4 − 0 DeNA ●
<8回戦・福井>
15日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人−DeNA』で解説を務めた田尾安志氏が、巨人の先制点の場面について言及した。
巨人は0−0の初回、二死走者なしから3番・吉川尚輝が二塁・牧秀悟のファンブルで出塁すると、続く4番・岡本和真が四球を選び一、二塁。ここで坂本勇人が、DeNA先発・石田健大が2ボールから投じた3球目のストレートをレフト前に弾き返す適時打で先制。
田尾氏は「あそこで坂本が凡退していたらチャンスだったのに残念だったなというイニングになるんですが、あそこで1本出たことで一気にジャイアンツが優位になりましたよね。4番・岡本を迎えて、あの場面でまともに勝負できないですよね」と振り返った。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
2024年05月16日 08:00
「ヤクルト2−0広島」(15日、坊っちゃんスタジアム)
ヤクルトの村上宗隆内野手が八回、史上最年少24歳3カ月で200号本塁打を放った。清原和博の24歳10カ月を更新。偉業の陰には至近距離で見守ってきた打撃投手の存在があった。
◇ ◇
とんでもない成長曲線を描く村上を支え、近くで見守ってきた。距離にして約14メートル、時間にして約3分間の短い“対話”を積み重ねてきた信頼がある。左腕・佐藤賢打撃投手が投じる球を幾度となくスタンドへ運び、令和の三冠王は日々グラウンドに向かってきた。
新人王を獲得した翌年、20年から七條祐樹打撃投手を含めた“三人四脚”は始まった。その過程の中で村上は史上最年少記録を100号、150号と塗り替え、三冠王にもなった。相手投手からの攻めは厳しくなる一方だからこそ、佐藤打撃投手は「僕らは気持ちよく打たせてゲームに臨んでもらいたい」と精神面を支え続けた。
村上からの基本的なコース、高さなどの要望はない。「本当に何でも打ってくれる」4番だからこそ、「ゴロになるよりは打球が上がった方がいいのかな」と互いを思い合うことが快進撃につながっている。
だが、今季から村上からある“お願い”をされるようになったと笑う。ビジターでの練習は時間が制限されることもあることから、「おかわりをするようになりましたね、最近は特に。外でフリー打撃をやって、室内に移ってまた投げたりとか」。4番として背負う重責に加え、村上自身の持つ青天井の向上心が行動を変え、史上最年少200号への道筋を立てた。
グラウンドを出れば、今年24歳になったばかりの無邪気な野球小僧でもある。食事の席では「ムネ(村上)はね、肉奉行。焼き肉に行けば肉を焼いてくれて、みんなに振る舞ってくれる」と主砲の素顔を明かす。
そして、1年間に一度は必ず訪れる好不調の波を受けても変わらない姿に感謝した。「結果が出てないと、選手ってそのまま持ち込んできてしまう。でもムネはいつも一生懸命。ナイターデー(ナイター翌日のデーゲーム)や連戦でも、いつも通りやってくれるので助かります」。底知れない成長は、さまざまな支えがあってこそ輝きを増している。(デイリースポーツ・ヤクルト担当・松井美里)
2024年05月16日 08:00
「ヤクルト2−0広島」(15日、坊っちゃんスタジアム)
役目は果たした。先発した広島・森下暢仁投手が6回8安打1失点。打線からの援護がなく、今季初黒星を喫したものの、「しっかりゲームをつくっていたら点をとってもらうタイミングもあると思う」と攻撃陣を信じて前を向いた。
五回以外は毎回安打を浴びるも要所を締めた。それだけに悔やまれるのは二回だ。先頭・サンタナに二塁打を許すと1死一、三塁から武岡の右前適時打で先制点を与えた。「点を取られたり、打たれている回は先頭打者を出しているので、そこができなかった。先頭打者をとれている回はしっかりできていたので、その辺かなと思う」と反省を口にした。
ただ、直球は今季自己最速の152キロをマーク。今季初登板から5戦連続のクオリティースタートという安定感に、新井監督も「ナイスピッチング」と評価した。
2024年05月16日 07:40
大谷翔平の大きな背中にファンが熱視線
ドジャース・大谷翔平投手の“大きな背中”に注目が集まっている。
2024年05月16日 07:30
ロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平の元通訳で、違法賭博問題などにより解雇された水原一平被告。賭博による借金を返済するために大谷の口座から不正に送金していたこと、また虚偽の納税申告をしていたことを水原被告も認め、起訴されている。
【写真】「ちょっと似てる」「目の奥が善人じゃない」水原一平役の期待が寄せられる俳優たち
そんな水原被告の一連の騒動がアメリカでドラマシリーズ化される予定であると、複数の米メディアが報道。製作は映画『ラ・ラ・ランド』(2016年)などを手がけた『ライオンズゲート』で、日本でも大きな注目を集めている。 「伝説として後世まで残る」
ドラマ化については現状、ネット上では賛否両論。まだ半信半疑の声もあるが、すでに大きなニュースとなっていることもあり《アメリカは仕事早い》《アメリカならそれくらいやる》などと受け止めているネットユーザーも。さらに、
《普通に見たい》
《これは伝説として後世まで残る》
《日本でもヒットするんちゃうか》
《ネトフリ配信希望》
といった期待の声も続々と寄せられている。加えて、注目が集まるのは……。
「ネットユーザーの関心はやはり“キャスト”です。アメリカで製作されるわけですから、日本人俳優ではないかも……とする意見もありますが、一部では“一平役が日本人だったら誰がいいか”などと盛り上がっています」(スポーツ紙記者)“嘘の経歴”によるシンデレラストーリーにも期待の声
これまでに、以下のような意見が挙げられている。
《水原一平役 : 藤原竜也 希望》
《堺雅人で。詐欺師っぽく演じてもらいましょう》
《浅野忠信に演じて欲しい》
《真剣佑とか?? 英語ペラペラな通訳できるアジア人役なんてピッタリ! 目の奥が善人じゃなく、ちょっと悪い人な雰囲気もいいのでは》
《山下智久に演じてもらいたいな、実は結構前からちょっと似てるんじゃないかな?って思っていた》
《日本人となると小栗旬とか?この前ハリウッドゴジラ出てたし》
「小栗さんが出演していたのは2021年公開の『ゴジラvsコング』ですが、彼だけはあり得ないかも……。というのも、小栗さんは同年10月放送のTBS系『A-Studio+』にゲスト出演した際、自身の姉と水原被告が“仲良くて”と明かすなどしていて、今となっては気まずいでしょうから」(テレビ誌ライター)
水原被告はスーパースターである大谷を騙し、裏切っていた存在だけに《一平役をやる俳優も複雑よね》《誰がやりたがるの?》とも言われており、小栗でなくとも遠慮したい役かもしれない。一方、水原被告は騒動の中で経歴詐称疑惑も浮上していたとあって、《賭博より嘘の経歴でどのようにシンデレラストーリーを歩んでいったかのほうが知りたい》という意見も。
ライオンズゲートがどのような作品に仕上げるつもりなのか、また大谷役は誰になるのかも含め、新情報が明らかになるたびに話題を呼びそうだ。
2024年05月16日 07:29
法廷にメディアは一切入れず、別室で音声のみ傍聴する形に
ドジャース・大谷翔平投手の元通訳で、銀行詐欺などの罪に問われた水原一平被告の罪状認否の法廷にメディアが立ち入れなかったことについて、裁判所が15日(日本時間16日)に謝罪した。14日(同15日)に米ロサンゼルスの連邦地裁で裁判が行われるも、メディアは法廷には入れず、別室で音声のみ傍聴するという対応となり、記者団が抗議文を送っていた。
今回の裁判では、一般人の傍聴も禁じられた。南カリフォルニアで法律問題のレポーターとして活動するメーガン・カニフさんは、裁判所が発表した文章をX(旧ツイッター)に投稿。「『裁判長の任に最近就いた連邦地方裁判所の判事ドリー・ジーは、昨日のイッペイ・ミズハラの罪状認否においてジャーナリストの立ち入りを禁じた件について発言した。『残念な間違い』と語っている」と綴った。
連邦地裁は声明で「誤った伝達が発生した」と説明。「これは判事の意向でも、我々裁判所の方針でもありませんでした。その上、このような締め出しは、刑事訴訟に国民がアクセスすることを保証するという司法の透明性が確立された原則に反するものです。メディア関係者たちはオーディオを聞くことができた一方で、我々の法廷に一般の方々がアクセスできる重要性を、裁判所は理解しています」と発表した。
水原被告は法廷で、形式上無罪を主張。集まった報道陣の質問には無言を貫いていた。(Full-Count編集部)
2024年05月16日 07:10
吉田裕太さんは現在、自動車販売店「bond cars」の浦和店で勤務
元ロッテ捕手の吉田裕太さんは2022年シーズンで現役を引退し、現在は自動車販売店「bond cars」の浦和店で勤務している。9年間のプロ生活を経て営業職に転身。パソコンも全く使えなかった中で異業種に転身した理由とはーー。
幼少期から車が好きだった吉田さんは中学生の時、自宅の近くを走る日産「GTR」を見かけた。「ビビビッときたんです。すごいなって思って」。それ以来、この車が欲しいと一途に思い続けた。
「親に『それに乗るならプロ野球選手になるしかない。普通の企業で働いていたらなかなか買えないよ』と言われました。それが欲しくてプロ野球選手になったというのも多少はありますよね」
日大三高、立正大を経て2013年ドラフト2位でロッテに入団。プロ1年目、ついに憧れの車を買った。あのとき夢見たGTRで当時1200万円の大きな買い物。10年が経った今も、ナンバーを外して自宅に置いているほど、思い入れのある大切な車だ。
2022年限りで戦力外となり、NPB球団での現役続行を模索したが声は掛からず、現役引退を決めた。「野球はやり切った感があったので、ほかの仕事に就こうと。色々な方に相談したら、自分の好きなことを仕事にしないと長く続かないよというお話をもらったので……」。自分の好きなことを考えた結果、自動車業界に進むことを目指したのは自然の流れだった。“コピペ”に苦戦も…鳥谷氏の言葉を胸にイチから勉強
吉田さんの1日は長い。朝5時半に起床し、ジムへ。約1時間のトレーニングを経て、自宅から勤務する店舗まで約1時間半をかけて電車通勤する。店舗の閉店は午後8時だが、岐路に着くのは午後10時近くになることがほとんど。それでも「電車通勤、意外と楽です。携帯いじれるし寝られるし。プロ野球選手のとき、なんであんなタクシー乗っていたのかな。もったいないですよね」と笑う。
2023年1月に入社して、1年以上が経った。三十路を過ぎてからの新たな挑戦は、パソコンの“コピー&ペースト”すらできないところからのスタートだったが、先輩スタッフからの温かい指導もあり、メキメキと力をつけている。
純粋に物事を吸収する背景には、かつてともに戦った“レジェンド”の言葉がある。2020年から現役最後の2年間をロッテで過ごした鳥谷敬氏だ。「『野球を辞めてほかの仕事に就く時に、何もできないのは当たり前。それなのに、俺は野球でしか生きていけないと考えるのは違うと思う』という話をずっとしていた。それを凄く覚えていたんです。最初からできる人はいないですもんね」。“元プロ野球選手”というプライドはない。新人として、イチから勉強する姿勢を忘れなかった。
妻と9か月の愛娘のためにも「まずは車の営業として一人前になりたいんです」という目標を掲げる吉田さん。32歳の今も真っ直ぐに努力する姿は、現役時代と何も変わっていなかった。(町田利衣 / Rie Machida)
2024年05月16日 07:00
クリスマットが今季2度目のDFAに…サラザーとエリザー・ヘルナンデスが昇格
大谷翔平、山本由伸両投手が所属するドジャースは15日(日本時間16日)、エドゥアルド・サラザー投手をメジャー昇格させ、エリザー・ヘルナンデス投手をメジャー契約を結んだ。
2024年05月16日 07:00
野球ファンの皆さんはプロ野球選手の「セカンドキャリア」についてどのようなイメージをお持ちだろうか?
例えばコーチ、スコアラー、スカウトなどの職種で球団内に残る元プロ野球選手は多い。社会人や独立リーグなどで現役を続行する例も増えているし、近年は「YouTuber」として活躍をしているOBもいる。とはいえ全員が球界内に残れる、希望した仕事に就けるわけではない。さらに球団のコーチ、スタッフは大半が1年契約で、セカンドキャリアでなく「サードキャリア」が人生の大きな岐路になる場合もあるという。
日本プロ野球選手会は20年以上に渡って、セカンドキャリア問題に取り組んできた。今回は森忠仁事務局長のインタビューを通して、引退後のキャリアに関する取り組みと課題、そして「元プロ野球選手が持つ可能性」をファンの皆様にお伝えしたい。
◆ プロ野球まで行く過程、プロ入り後の努力は、野球界の外でも役に立つ
プロ野球選手にとって何より大切なこと――。それはプレイヤーとしての能力を出し切る、やり切ることだ。セカンドキャリアはあくまでも「その次」の話になる。森事務局長は日本プロ野球選手会が目指す取り組みについて、こう説明する。
「現役選手にはしっかり野球をしてもらって、悔いを残さずユニフォームを脱いでほしい。やり切って、納得した中で、次のステップに行く環境を作ってあげたい。ただどんな選手もユニフォームは脱ぐときが来ることは理解してもらって、そのときが来たときに選択肢を持てる状態を目指しています」
キャリアの岐路は秋に訪れる。メジャーリーグを目指す選手、フリーエージェントから移籍をする選手、在籍する球団との契約更改に臨む選手と様々だが、10月に入ると「戦力外通告」が始まっている。
日本プロ野球選手会は10月に宮崎県で開催されるフェニックスリーグに合わせて、キャリアに関する研修会を行っている。またSBヒューマンキャピタルと提携して、元プロ野球選手向けの再就職情報を掲載するサイトを設けている。
一般論としてプロ野球選手のセカンドキャリアは、他競技に比べると恵まれている。球団内、野球界で次の仕事を得られる可能性がこれだけ高いプロスポーツは他にないだろう。
森事務局長はこのように説明する。
「引退したその年の進路の7割、8割は野球関係です。社会人や独立リーグなど(NPBの)外で続ける選手もいます。球団のフロントに入るケースも野球関係に含まれます。ただ残る約3割のOBは一般企業や起業、進学などのキャリアを選択しています」
当然と言えば当然だが、プロ野球選手は引退後も野球に関わる仕事に就こうとする例が多い。それは自然だし、決して悪いことではない。一方で野球界に「こだわりすぎる」ことは、彼らの可能性を狭める。
「辞めた後『野球しかやってこなかったから』というような言葉を口にする選手が多いです。しかしよく一般企業の方から言われることですが、プロ野球まで行く過程、プロ入り後の努力は、野球界の外でも役に立ちます。元選手にもそういう認識を持ってもらいたいし、『野球しかやってこなかったから、他の世界に行くのは厳しい』みたいな考えは変えてもらいたいのです。『自分が本当にやりたいことか』が大事で、まずは色んな選択肢の中から選んでほしいと願っています」(森事務局長)
元プロ野球選手は「体力的に恵まれている」「努力をできる」「礼儀が身についている」といったイメージが強い。それが間違いということではないのだが、体力・努力・礼儀だけでは言い尽くせない潜在能力の持ち主も多い。例えば近年は、コンサルタントのような「知識集約型産業」に転身する、そこで活躍する例が増えている。
「ジャイアンツの育成選手だった柴田章吾さんが、2016年にアクセンチュアへ入社しました。大粼雄太朗さんも2017年に『YCP JAPAN』というコンサル系の企業に進んで、久古(健太郎)さんは2019年にデロイトトーマツコンサルティングへ入りました。DeNAにいた松下(一郎)さんは2017年にセールスフォース・ジャパンに入社しています。ITソリューションの世界的企業ですが、5年ほどでマネージャー(管理職)クラスになりました」(森事務局長)
柴田氏は明治大、大粼氏と久古氏は青山学院大、松下氏は関西外国語大の出身だが、プロの超有名選手だったわけではない。それぞれが自分で考え、自ら掴み取ったセカンドキャリアだ。
企業側の元プロ野球選手に対する評価も、変わってきているという。
「私達が嬉しいのは、選手に対する企業側の評価が変わってきたところです。以前は挨拶ができるとか、根性があるといった評価がほとんどでした。今は『チームビルディングができる』『ソーシャルスキルがついている』『PDCAを回してくれる』といった評価をいただきます」(森事務局長)
当然ながら野球界も平成、令和と時代が進むにつれて変化しつつある。トレーニングについても、試合に関しても、今は豊富な情報を処理する知性が要求されている。また監督、コーチから選手、先輩から後輩への「一方通行型指導」では結果が出ない時代だ。仮説と検証、データの咀嚼、そして対話といった「知的な裏付けがある努力」が必要だし、その経験は一般企業でも生きる。
また企業の採用活動は多様化している。新卒でなくても、一般企業のキャリアがなくても、選考の入口には立てる時代だ。そもそも「体育会」は就職活動で評価されるのだから、より高いレベルのプロを経験した人材が評価されるのは不思議でない。かくしてプロ野球選手のセカンドキャリアも進化を遂げつつある。
「セカンドキャリアの開拓者」たちは、選手向けのセミナーなどで、協力もしているようだ。
「アクセンチュアの柴田さんはフェニックスリーグのとき、一般の社会人が持っているスキルを、野球に置き換えて語ってくれていました。『こういうことを考えながら野球をやっていれば、社会に出たても考え方は同じで、実はスキルが身に付いている』と教えてくれました」(森事務局長)
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取材=大島和人
撮影=野口岳彦
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2024年05月16日 06:50
◆ 藤岡は今季初失策…五十嵐氏も「この場面じゃなくてもいいよなと思ってしまう」
昨日雨天の沖縄・那覇で勝利を収めたロッテは15日、オリックスとのカード2戦目も1−0とリードのまま9回二死まで進めるも、藤岡裕大のファンブルの間に三塁走者が生還し、同点に追いつかれた。試合は延長12回の末、1−1の引き分けに終わった。
ここまで好守備でチームを引っ張ってきた藤岡の今季初失策に、14日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』でも驚きの声が上がった。
谷沢健一氏は「先発の種市篤暉が良い投球を続けていて、僅差の展開で大事に捕ろうという気持ちもあっただろう。(那覇の)土のグラウンドで今季初失策は責められない」と擁護。五十嵐亮太氏も「普段守り慣れていない球場だから」と語り「(今季初失策が)この場面じゃなくてもいいよなとも思ってしまう」と堅守を続けてきた藤岡の痛恨のプレーを庇った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年05月16日 06:45
敵地・ジャイアンツ戦に「2番・指名打者」で出場
■ジャイアンツ ー ドジャース(日本時間16日・サンフランシスコ)
ドジャース・大谷翔平投手は15日(日本時間16日、午前10時45分開始)、敵地・ジャイアンツ戦に「2番・指名打者」で出場する。2戦連発13号本塁打に期待がかかる。
前日14日(同15日)の同カードでは、4回に12号ソロ。5回無死一塁の第3打席は中前打、7回無死三塁の第4打席では左翼線へ適時二塁打を放ち、5打数3安打2打点で打率.361とし、再び両リーグトップに立った。
12本塁打はブレーブスのマルセル・オズナ外野手に並びリーグトップタイ。チームも2連勝を飾った。
ジャイアンツの先発はローガン・ウェブ投手。大谷とは5打数2安打の打率.400となっている。オラクルパーク名物の“スプラッシュヒット”なるか。(Full-Count編集部)