2024年05月10日 00:00
サッカー界において長く強豪国として君臨し続けているフランス。今回は『FourFourTwo』から「歴史上最高のフランス人ミッドフィルダー」をご紹介する。10位:ポール・ポグバ プレーしたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド、ユヴェントス フランス代表成績:91試合11ゴール ポール・ポグバはその才能に見合った高みにたどり着くことができなかった選手だ。しかしながら、それでも彼は世界最高クラスのプレーヤーであったし、フランスの歴史上最も偉大なミッドフィルダーの1人である。 クラブレベルでは浮き沈みの激しいキャリアを送り、今年はドーピング違反によって長期の出場停止を言い渡されるなど、多くのトラブルにも見舞われた。 しかしながらフランス代表では常に活躍を見せ、2018年のワールドカップでは決勝のクロアチア戦でゴールを決め、優勝に貢献した。9位:アラン・ジレス プレーしたクラブ:ボルドー、マルセイユ フランス代表成績:47試合6ゴール アラン・ジレスは体格に恵まれなかった選手だが、持って生まれたプレーメイキング能力によって魔法のようなサッカーを作り上げた人物だ。 1982年と1986年のワールドカップとEURO1984でフランス代表の中心選手として活躍し、ミシェル・プラティニやルイス・フェルナンデス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンジニらとともに「魔法陣」と呼ばれる中盤を形成した。 162cmと小柄な体格を生かし、敏捷性と加速力でチームのリズムを作り出す攻撃的ミッドフィルダー。代表では29歳からレギュラーを務めたため、出場数は47試合に留まっている。8位:クロード・マケレレ プレーしたクラブ:ナント、セルタ、レアル・マドリー、チェルシー、PSGなど フランス代表成績:71試合0ゴール 世界最高の「守備的」ミッドフィルダー。イングランド・プレミアリーグでは彼のような役割を「マケレレ・ロール」と呼ぶようになり、まさに代名詞のような存在となった。 レアル・マドリーでは「銀河系」と呼ばれたスター軍団の中で守備の役割を一手に任され、ピッチの掃除屋として確かな信頼を獲得。その後チェルシーやPSGでも活躍した。 フランス代表では1998年のワールドカップやEURO2000に参加していないためタイトルに恵まれず。2006年のワールドカップでも準優勝に終わっている。7位:アントワーヌ・グリーズマン プレーしたクラブ:レアル・ソシエダ、アトレティコ・マドリー、バルセロナ フランス代表成績:125試合44ゴール 攻撃的ミッドフィルダーとストライカーの間の何処かに存在するポジション。アントワーヌ・グリーズマンはその間隙に入り込ませれば世界で最も優れた選手だ。 2018年のワールドカップ優勝におけるフランス代表の主人公の1人である彼は、クラブレベルでもアトレティコ・マドリーとバルセロナで数多くのタイトルを手にした。 そしてフランス代表のキャップ数を見てもミッドフィルダーとしては歴代最多の記録を持っており、彼を上回るのはウーゴ・ロリス、リリアン・テュラム、そしてオリヴィエ・ジルーだけだ。6位:ジャン・ティガナ プレーしたクラブ:リヨン、ボルドー、マルセイユなど フランス代表成績:52試合1ゴール フランス領スーダンでマリ人の父親とフランス人の母親の下で生まれたジャン・ティガナ。パスタ工場や郵便配達員で働きながらサッカーをしていたが、後に80年代最高のセントラルMFに成長した。 ミシェル・プラティニやルイス・フェルナンデス、アラン・ジレスとともに「魔法陣」と呼ばれる中盤を形成し、EURO1984の優勝に大きく貢献した。 168cmと小柄であったが、無尽蔵のスタミナと長短のパス、さらに攻守に渡って貢献できる万能性と推進力に優れた選手であった。5位:ディディエ・デシャン プレーしたクラブ:ナント、マルセイユ、ユヴェントス、チェルシーなど フランス代表成績:104試合4ゴール 2012年からフランス代表監督を長く務めるディディエ・デシャンは、歴史上3人しかいない「選手としても監督としてもワールドカップを制覇した」人物の1人だ。 エリック・カントナから「水を運ぶ男」と揶揄された彼は、中盤の底で無私無欲にプレーする堅実性を武器にした選手だった。 圧倒的な仕事率と粘り強さ、スタミナ、試合を読む知性、恐れを知らないタックル、優れたポジショニング、そしてリーダーシップ。まさにピッチ上の監督であった。4位:エンゴロ・カンテ プレーしたクラブ:カーン、レスター・シティ、チェルシーなど フランス代表成績:53試合2ゴール クロード・マケレレの後継者であり、究極なる中盤の破壊者であるエンゴロ・カンテ。2015年の夏にカーンからレスター・シティへと移籍したときには無名であったが、プレミアリーグ優勝に貢献したことで一気に世界のスターとなった。 チェルシーへと移籍したあともすぐにプレミア優勝を経験し、違ったクラブで2年連続のタイトルを獲得するという珍しい選手に。守備的MFながらPFAとFWAの年間最優秀選手賞をダブル受賞するという快挙もあった。 フランス代表でも2018年のワールドカップでは重要な役割を担い、チームの優勝に大きく貢献している。3位:パトリック・ヴィエラ プレーしたクラブ:ミラン、アーセナル、ユヴェントス、インテル、マンチェスター・シティなど フランス代表成績:107試合6ゴール 1998年のワールドカップとEURO2000を制覇したフランス代表の中心選手であり、2004年にアーセナルを伝説の無敗優勝に導いた「インビンシブルズ」の中核。 190cmを超える長身、スピードとパワーを兼ね備えた身体能力、パス、ドリブル、シュートと隙がない万能性、守備から攻撃に至るまでの幅広い貢献。世界で最もパーフェクトな選手であった。 晩年には怪我が多くなってしまったことから30代は苦しいキャリアとなってしまったが、全盛期の彼は誰にも置き換えられないほどの存在だった。2位:ミシェル・プラティニ プレーしたクラブ:ナンシー、サンテティエンヌ、ユヴェントス フランス代表成績:72試合41ゴール 1983年から1985年までのバロンドールを連続受賞したフランス代表の「将軍」。開催国として戦ったEURO1984優勝の立役者であり、感動をもたらしたキャプテンでもあった。 サッカーの歴史上最も偉大なプレーメーカーのひとりでもある彼は、圧倒的なパスセンスとフリーキックの技術を持ち、エレガントで知的なアタッカーであった。クリエイティブでありながらストライカー顔負けの得点力も持ち、両足から正確なシュートを放った。 「ル・ロワ(王)」とも呼ばれるほどのリーダーシップを持ち、ユヴェントスとフランスに数多くのタイトルをもたらした。1位:ジネディーヌ・ジダン プレーしたクラブ:カンヌ、ボルドー、ユヴェントス、レアル・マドリー フランス代表成績:108試合31ゴール ゴミスで7人目!Jリーグにいた「フランス国籍選手」6名。全員覚えてる? ジネディーヌ・ジダンは史上最高のフランス人ミッドフィルダーである。そしてあらゆるポジションを合わせても史上最高のフランス人選手である。それに異論を唱える人もほとんどいないだろう。 1998年のワールドカップとEURO2000を制覇するにあたって、ジダンが繰り出す魔法のようなトラップやパス、シュートは不可欠なものであった。 クラブレベルでもユヴェントスやレアル・マドリーで世界の頂点を極め、選手として獲得できるタイトルを全て手にした。そして監督としてもチャンピオンズリーグを何度も制覇した。
2024年05月20日 19:36
現地5月19日に開催されたリーグ・アンの最終節で、伊東純也と中村敬斗が所属するスタッド・ドゥ・ランスがホームでレンヌと対戦。2ー1で勝利を収めた。
崩しの切り札である伊東は、この試合でも切れ味鋭いプレーを連発。なかでも圧巻だったのが76分の高速ドリブルだ。
自陣の中央でボールを受けると、相手3人を引き連れて右サイドを一気に駆け上がり、フリーの味方を見つけてマイナスのクロス。チャンスを構築してみせた。
【動画】伊東純也のキレキレ高速ロングドリブル
このプレーにファンからは「超速かった」「伊東らしさ全開」「あれだけゴリゴリにドリブルしていくのにちゃんと視野が広いの本当に凄い」「素晴らしい個人技見れていい日になりそう」「一人であの局面から打開してしまう」「すごい!いっきに目が覚めたー」「クロスほんとさすがだわ。よく見えてる」といった声が上がった。
リーグ・アン2年目の今シーズンも、武器であるドリブルが抑え込まれるシーンは少なかった。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月20日 19:33
5月19日、湘南ベルマーレはJ1第15節でアルビレックス新潟とホームで対戦し、2−1で勝利した。
3−5−2の布陣でスタートした湘南は、熟年のビルドアップと個々の高い技術が売りの新潟に対し、前半から後手に回る。2トップのプレスは、相手の4−2−3−1のCB2枚とGKの3人に剥がされ、簡単にボランチにボールを経由されて自陣への侵入を許し、30分に先制点を献上。直後の35分にルキアンのゴールで追いついたが、前半は内容面で圧倒されたと言えるだろう。
ハーフタイムに修正を施し、後半の立ち上がりは前線からの連動した守備でボールを奪ってチャンスにつなげる。60分には平岡大陽のシュートのこぼれ球をルキアンが詰めて、試合をひっくり返す。
だが、時間が進むにつれて徐々にプレスが効かなくなり、再び押し込まれる時間に。終盤は常に自陣ゴール前でのプレーを余儀なくされた。
69分までプレーした平岡は、難しい展開のなかで粘り強く戦った結果の白星を、こう振り返る。
「相手に持たれたなかで、チームとして我慢強く戦えた。前半は前からの守備が連動せず、僕らサイドボランチ(インサイドハーフ)も低い位置取りになってしまい、自陣に侵入されてしまいました。
ただ、後半は2トップからプレスをかけて、僕らも高い位置でプレーする意識でやったら、ある程度は良い守備ができた。新潟はボール回しが上手いので、今日みたいな展開になりがちですけど、後半に修正できたのは収穫かなと」
【動画】平岡のシュートのこぼれ球をルキアンが決める!
チームとしては、苦しみながらも勝利し、手応えを得られた一戦だったはずだ。平岡も自らのシュートが決勝点につながり、一定の成果を示したと言えるだろう。ただ、本人は「個人的としては全然ダメだった」と語る。
「強度も出ていなかったし、3連戦の最後で疲労もあり(第13節のサガン鳥栖戦〜第15節の新潟戦の3試合は中3日で開催)、いつものプレーを表現できない自分の不甲斐なさを痛感した。ピッチに立つ以上、日程を言い訳にはできない。反省の多いゲームになりました。ただ、幸いにも今日はチームに助けられて勝てた。結果として、勝ちながら反省できる、一番良い形にはなりました」
この3連戦ではいずれの試合でも先発した平岡。厳しい自己評価の背景には、自らに課すハードルの高さと、左サイドでコンビを組む、同じ2002年生まれのDFの存在がある。
「今年に入って、アベレージを高くするのを意識しています。去年よりも自分に求めるレベルが上がっているなかで、自分が求めているもの、監督に求められるものを毎試合発揮して、満足してゲームを終えられるようになりたいです。
あとは最近、畑(大雅)さんが良すぎるんで(笑)。僕も負けじと、彼を活かし、行かされる関係を毎試合できるようにならないといけません」
第10節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初ゴールを決めて以降、左サイドで攻守におけるキーマンとなっている畑の存在が、平岡の基準を引き上げているのだろう。
パリ五輪世代のふたりが切磋琢磨し、それぞれのさらなる成長につながれば理想的だ。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
2024年05月20日 19:05
現地時間5月19日に開催されたラ・リーガの第37節で、ビジャレアルは今季のリーグ王者に輝いたレアル・マドリーとホームで対戦。4−4で引き分けた。
この一戦で4ゴールを奪う大活躍を見せたのが、ビジャレアルのノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロトだ。まずは0−2とリードを許して迎えた39分、右からのクロスに打点の高いヘッドで合わせてネットを揺らす。
さらに後半、1−4とされた48分にも、再び豪快なヘディングシュートでゴールを奪うと、52分には巧みな切り返しでエデル・ミリトンをかわし、冷静に流し込んでハットトリックを達成する。
止まらない28歳のストライカーは、56分にも左足でネットを揺らし、3点差を追いつく同点弾をゲット。マドリー相手に怒濤の4ゴールを奪ってみせた。
【動画】ビジャレアルFWセルロトがマドリー相手に圧巻の4ゴール!
この圧巻の4発にSNS上では、「爆発してるやん」「現実でもゲームでも理不尽」「セルロトとハーランドがいるノルウェーえぐい」「完全に覚醒したな」「レバンドフスキを彷彿させる」「ハーランドに似てる」「相手の守備を破壊した」などの声が上がっている。
これでセルロトはリーグ戦のゴール数を23に伸ばし、得点ランキングでトップに浮上。最終節を前にピチーチ(ラ・リーガ得点王)に大きく近づいている。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月20日 19:00
ユヴェントス指揮官マッシミリアーノ・アッレグリは15日に行われたコッパ・イタリア決勝でアタランタを撃破して優勝を果たしたが、試合中の審判への侮辱行為などが問題視され、17日に解任されることが決まった。
2024年05月20日 19:00
日本代表MF守田英正が所属するスポルティングとキットサプライヤーのNikeは18日、2024-25シーズンの新ホームユニフォームを発表した。同日に行われた今季(2023-24)のリーグ最終戦から着用を開始している。Sporting 2024-25 Nike Home
スポルティング 2024-25 Nike ホーム ユニフォーム
24-25新ホームユニフォームは、伝統的なグリーンとホワイトにブラックを加えた3色ボーダーという想定外のデザインが登場。ブラックを差し色で使うことはこれまでにもあったが、この3色ボーダーはおそらく史上初となる。
背面は打って変わりほぼブラック一色に。これはチャンピオンズリーグなど、欧州カップ戦におけるUEFAのユニフォーム規定に対応したものと考えられる。
間違いなく異例の3色ボーダーデザイン。これは一人のクラブレジェンドの“100周年”と関係があるようだ。Fundador, jogador, treinador e primeiro grande símbolo do #SportingCP 🦁
Francisco Stromp é a Lenda em destaque no #JornalSporting desta semana 📰
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— Sporting CP 🏆 (@SportingCP) June 20, 2020
1906年に誕生したクラブの創設者の一人は、選手でもあったフランシスコ・ストロンプ。生涯をスポルティング一筋で過ごし、1923-24シーズンを最後に現役を退いている。
新ホームユニフォームは、そのストロンプの引退100周年に敬意を表したデザインだという。大胆にもボーダーにブラックを混ぜたのは、ストロンプが着ていた時代のユニフォームに触発され、改めて再構築したものと思われる。
そんな新ホームユニフォームは、18日にホームで行われた23-24シーズン最終節のシャヴェス戦でデビュー。試合は3-0でスポルティングが勝利を収めた。なお、スタメン出場の守田は73分までプレーしている。
世界の名門クラブが「日本ツアーで着たユニフォーム」を覚えているか
非常に珍しいデザインを採用となった24-25新ホームユニフォームは、スポルティングの公式オンラインストアで販売を開始している。
2024年05月20日 18:55
現地時間5月18日に開催されたブンデスリーガの最終節で、今シーズン限りで現役を引退する長谷部誠が所属するフランクフルトは、ホームでRBライプツィヒと対戦。2−2で引き分けた。
この試合が現役ラストマッチとなる長谷部はベンチスタート。後半アディショナルタイムに、同じく現役を引退するキャプテンのセバスティアン・ローデとともに投入されると、スタジアムは大歓声に包まれた。
クラブの公式サイトによると、フランクフルトのディノ・トップメラー監督は試合後、長谷部とローデについて、以下のように述べている。
【動画】ラストマッチを終えた長谷部が我が子と抱擁して男泣き
「彼らがいなくなるのは寂しいよ。このようなメンタルモンスターたちを見つけるのは簡単ではない。マコトは絶対的なプロフェッショナルであり、これまで出会ったことがない存在だったし、おそらくこれからも二度と出会えないだろう。彼は素晴らしい模範となる選手だ。1年間、2人と一緒に仕事をする機会を与えてくれて、とても感謝している」
22年のプロキャリアに終止符を打った40歳に対して、指揮官は感謝の言葉を口にするとともに敬意を示した。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月20日 18:46
Jリーグは5月20日、ブライトンに所属する三笘薫の川崎時代のJ1全ゴール集を公開した。
この日は三笘薫の27回目の誕生日。バースデーを祝福する形で、アップロードされた動画には、20年の湘南戦で決めたプロ初ゴールや、21年の4試合連続弾などが収められている。
【動画】三笘薫の川崎での全21ゴール!
この投稿には、ファンから以下のような声が上がった。
「本当に凄かったね」
「ずっと見てしまう」
「何度見ても惚れ惚れする」
「生でプレーを見られて本当に幸せでした」
「ずっと見てたら泣けてきた」
「ドリブルがスーパー過ぎる」
「サイドネットに流し込むのが上手くてため息がでてしまう」
「この時のフロンターレ全員上手い」
「簡単そうにゴールするよなー」
「アシスト集も観たいです!」
Jリーグの舞台で放った輝きは、今も色褪せない。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月20日 18:37
ランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制でスタートした今季の鹿島アントラーズ。
2024年05月20日 18:30
マンチェスター・シティでも長く活躍し、今季セルティックでもリーグ制覇に貢献したGKジョー・ハート(37)は、今季限りで現役を退く決断を下している。
37歳は大ベテランと呼べる年齢で、年齢的には引退を決断しても不思議はない。ただ、ハートは今季もセルティックの守護神として実に4286分をこなしている。
英『HITC』によると、元スコットランド代表のジェイムズ・マクファデン氏は引退の決断が早すぎるとコメント。まだプレイできるはずと嘆いている。
「彼のキャラクターは貴重だよ。トレーニングでも、ドレッシングルームでもね。今季は彼がいかに優れたGKであるかを皆に思い出させたと思う。(引退が)個人的な決断なのかどうかは分からないけど、私にとっては早すぎる決断だ。今季の彼は自分が依然としてトップレベルのGKであり、少なくとももう1シーズンはプレイできることを示したよ」
クラブには精神的支柱となる選手も必要だ。セルティックの場合はMFマット・オライリーなど若手の引き抜きの可能性にも備える必要があるが、ハートのようなリーダーと呼べる選手の退団も衝撃は大きい。ベテランのハートだからこそ作れた空気もあるはずで、セルティックにとっては痛手となりそうだ。
2024年05月20日 17:57
かつては「名伯楽」ギー・ルーが44年間チームを率いてリーグ優勝1回、カップ優勝1回、UEFAチャンピオンズリーグベスト8を経験しているフランス・ブルゴーニュの名門オセール。エリック・カントナ、バジール・ボリ、フィリップ・メクセス、ジブリル・シセらを輩出した育成の名門として、名を馳せていた。
ルーは2005年に勇退し、その後も2010-11シーズンにCLに出場するものの、2011-12シーズンについにリーグ2降格。その後、深刻な財政難によりクラブ存続の危機に陥り、財政的なステータスを失ったオセールは10シーズンも2部に彷徨った。2022-23シーズンに10年ぶりにリーグ1を戦い、17位となって1年で再びリーグ2に戻った。かつては32年間リーグ1の座を守ってきた名門も、現在ではリーグ2が板についてしまっている。
降格も主力の大半は残留
久々に昇格した2022-23シーズンは序盤から低迷し、当時の指揮官ジャン・マルク・フルラン(現カーン)は解任。2022年10月からクリストフ・ペルシエがチームを率いた。かつては堅実的な戦い方を得意とする指導者で、残留最優先で5バックをベースとした守備重視の戦術を取っていた。前半戦わずか3勝と大苦戦を強いられたチームは復調し、一時は降格圏から脱出したものの、最終節に残留を争うナントに逆転され、惜しくも降格した。
降格はしたもののオセールはペリシエと契約延長。かつてはアマチュアクラブのリュゼナックを3段階昇格させて、その後もアミアン、ロリアンを昇格させた「昇格請負人」として期待をかけた。更に臨時FW強化コーチとして、ジブリル・シセが就任した。
主力選手はキャプテンでマリ代表のMFビラマ・トゥレ、元セネガル代表FWママドゥ・ニアンは契約満了し、ルーマニア代表GKアンドレイ・ラドゥ、フランスU-21代表DFイサーク・トゥレらのローン移籍組の放出は余儀なくされた。しかし、攻撃の中心選手であるMFガエタン・ペラン、MFゴーティエ・アン、ブラジル人DFジュバルをはじめに、マリ代表右WGラシヌ・シナヨコ、ガーナ代表MFエリシャ・オウス、DFギデオン・メンサー、マダガスカル代表MFライアン・ラベロソンなど、多くの主力の残留に成功し、1年での復帰に万全な体制で挑んだ。
昇格のラストピースになったオナイウ
主力の放出は最小限に抑えたオセールだったが、降格の原因となっていたチームの最多得点が5点という貧弱な攻撃陣には大きな課題を抱えていた。2023年夏にはCFを全員放出。新加入としてブレシアから下部組織出身のFWフロリアン・アイエが復帰したが、前線の迫力不足は懸念材料になっていた。
8月28日、オセールはトゥールーズから、元日本代表FWオナイウ阿道を70万ユーロ(約1億2000万円)で獲得した。2023-24シーズンの開幕3試合はベンチ外になり、トゥールーズで構想外になっていたオナイウは、クラブ史上初の日本人選手としてオセールで再起を図ることになった。
シーズン途中に加入したオナイウ。[4-2-3-1]を採用しているオセールは、開幕当初からアイエが1トップに定着し、トップ下のアンがゴールを量産しており、序盤から上位争いを演じていたため、加入当初は途中出場での起用が多かった。
転機が訪れたのは第14節のサンテティエンヌ戦。2連敗中のオセールは、3試合ぶりにオナイウが左WGで先発出場すると、ハットトリックの活躍で5-2で勝利。昇格候補のライバルであるサンテティエンヌ相手の大活躍で信頼を得たオナイウは、左WGのレギュラーに定着し、左サイドから中央に侵入する動きからゴールを量産した。
守備的な戦術を徹底していた昨季と一転、アイエ、アン、オナイウの3人がゴールを量産する攻撃的なフットボールを展開した。中盤戦まではアンジェとのデッドヒートが続いたが、第25節に首位に立つと、そのまま最終節まで首位を明け渡すことなく、リーグ2優勝を果たし、1年での復帰を果たした。戦術変更により爆発的な得点力を手に入れ、リーグ最多の72得点を奪ったオセールを率いたペリシエは、リーグ2最優秀監督に選出された。
オナイウは、最終節のコンカルノー戦でもハットトリックを達成し、リーグ2位の15得点と海外移籍後ではキャリアハイの記録を残した。優勝に貢献したオナイウは、2シーズンぶりのリーグ1での飛躍が期待される。
Photo: Getty Images
2024年05月20日 17:43
中村俊輔は、手強い。
ある質問をする。最初はそれに答えてくれるが、徐々に話がそれていくことがわりと多い。言い方を変えれば、脱線する。それはそれで面白い内容なので、興味深く聞いていると、いつのまにか最初の質問の答えに帰結したりする。え、つながっていたの? と驚かされる。決して脱線はしていない。
思考が深すぎるのだ。俯瞰する世界の奥行が果てしない。質疑応答で到着点は見えているが、そこに至るまでのルートがいくつもある。A、B、C、D、E...。Aを進みながら、新しい道が見つかれば、そこを進んだりする。話しながら、あれもあるよ、これもあるよ、となる。そんなイメージだ。
もっとも、現役時代を振り返れば、さもありなん、だ。ピッチに立てば、状況に応じて戦略を組み立て直すのは当たり前。自分たちの強みをどう活かすかに集中し、実践する。あの手、この手で。相手の出方を確かめるために“エサ”をまくプレーも。即効性はなく、遠回りのように見えても、次のための布石を打つ。勝利という到達点を見据えて、常に最適解を探りながら振る舞う。
今は指導者となり、後進たちにも自身の経験を伝えようとする。
「たとえばボクシングで言えば、相手が明らかに格上だとして、自分は最初にジャブで様子を見る。すごい一発が来るけど、なんとか耐える。そうやってやりながら、相手が嫌がるところを探す。サッカーで言えば、なんかハイボールを嫌がっているな、とか。それで選手同士で、ちょっとあそこを狙ってみるかって。勝ちから逆算して、ゲーム中にそれをやる。急にカウンターを入れてみたり。カウンターを出せば、相手は中を閉じる。そうしたら外が空くから、外から攻めよう、とか。そういうのを瞬時に感じて、できるようになってほしいよね」
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
さらっと話すが、簡単ではないのではないか。そりゃ中村俊輔ならできるだろうけど、と思わず口に出してしまった。そんなリアクションも俊輔は想定済み。間髪入れずに「って言われたりもするけど、でも...」と、指導者としての想いを明かす。
「練習からコツコツと、ね。サッカーってこういうもんだよっていう、勝ちにもっていくための、大まかなものを知っていて、それができれば、たとえば移籍しても、どの監督さんのもとでも、違うサッカーにも合わせられるような気がする」
厳しいプロの世界をどう生き延びていくか――欧州を含め、6クラブを渡り歩き、活躍するために常にもがいてきた俊輔は、その術を知っている。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)
2024年05月20日 17:00
パリ・サンジェルマンに所属するフランス代表FWキリアン・ムバッペはフランス、リーグ・アンの年間得点王に輝いた。
2024年05月20日 16:56
スコットランドリーグ3連覇を果たしたセルティックは、5月18日にリーグ戦最終節でセント・ミレンにホームで3−2と勝利した。2度にわたり先行されながら逆転し、優勝に花を添えている。
この日の試合は、タイトルを獲得してから迎えたホーム最終戦。お祭りムードのなか、試合後の古橋亨梧の様子を地元紙『Daily Record』が伝えた。
今季公式戦19点目となるゴールを決めた古橋について、同紙は「彼はファンの人気者であり、今季はその評判を強めた。彼がファンを愛しているのも明らかだ。自分の名前をチャントする全員に会おうと、集まったファンたちの周りを2周するまで立ち去ろうとしなかった」と、スタジアムを後にする際のサポーターとの交流を称賛している。
【動画】旗手のクロスから古橋が同点弾!リーグ最終戦で公式戦19点目
「セルティック・パークの外でのファンとの交流を終えたように思われたキョウゴだが、スタジアムの入り口まで走って戻り、またやり直したのだ。サポーターはすでに彼を愛しているかもしれない。だが、すべてのファンに感謝しようとする感動的な行動で、セルティック・サポーターの間でその評判はさらに高まるばかりだろう」
こうした振る舞いが、ファンから愛される所以なのだろう。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年05月20日 16:35
「平常心で戦うことしか考えていませんでした」
2月24日の開幕節・川崎フロンターレ戦以来、約3か月ぶりの出場となった背番号9の働きが、勝利を引き寄せたと言っても過言ではないだろう。
5月19日、湘南ベルマーレはJ1第15節でアルビレックス新潟とホームで対戦し、2−1で勝利した。
湘南は前半、立ち上がりにいくつかのチャンスを作るも、徐々に相手に押し込まれる時間が増え、30分に先制を許した。35分には新潟のDFとGKの連係ミスのこぼれ球を拾ったルキアンが無人のゴールに流し込み、タイスコアとしたが、前半は狙いを出せたとは言い難い内容だった。
後半に向け、山口智監督がハーフタイムに打った一手は、FWディサロ燦シルヴァーノの投入だった。新潟戦が14試合ぶりの出場となった28歳は阿部浩之に代わってピッチに立つと、2トップの相方であるルキアンと縦に並ぶ形で相手のビルドアップを牽制。
守備のタスクをこなしながら、52分に自慢の左足で強烈なミドルシュートを放つと、60分には自らのパスが起点となり、ルキアンの決勝ゴールが生まれた。
攻守で存在感を発揮したディサロは、2点目のシーンをこう振り返る。
「ルキ(ルキアン)に入った時に前向きで良いフォローができた。本当は自分で打ちたかったけど、右足のミドルが決まる感覚がなかったので、相手を引き付けてから左右どちらかを使おうと思っていました。見えてなかったけど、(平岡)大陽の大外から(畑)大雅が上がってくるだろうなと思って、大陽の方を使った結果、ゴールにつながりました。相手のベクトルを折れたという意味でも、良かったのかなと」
【動画】ディサロのパスが起点、ルキアンの決勝弾
ディサロは今節に至るまで、難しい日々を過ごしていたはずだ。開幕戦での出場時間は90+1分からの数分間に留まり、翌節からベンチ外に。ルキアンや福田翔生(いずれも5ゴール)、鈴木章斗(3ゴール)や阿部(1ゴール)ら、同ポジションのライバルが結果を残すなか、ディサロはどんな想いでピッチを見つめていたのか。
「嬉しいが半分、悔しいが半分です。チームが勝つのは嬉しいけど、同じポジションの選手が活躍するのは歯がゆい部分もある。だからといって、他の選手にどう思うとかはなくて。自分に出番が巡ってきた時に、自分のプレーをするだけです。
いつ出ても戦える準備をしていました。練習でできたことしか試合で出せないので、取り組んできた結果が、今日ピッチで出せたかなと。身体的にはキツかったですけど、変な緊張はなく、すんなり試合に入れました」
昨季の湘南のエースで、大学選抜時代に交流のあった大橋祐紀(現・サンフレッチェ広島)に負けたくないと、覚悟を持って臨んだ今季は、思った通りのスタートではなかったかもしれない。ただ、新潟戦でのディサロのプレーは、今後の活躍を予感させるものだった。
次節のジュビロ磐田戦には、14節の柏レイソル戦でのレッドカードによる出場停止が明ける福田も帰ってくる。FW陣の熾烈な競争が巻き起こるなか、ディサロは出場機会を掴めるか。シーズン後半戦へ向け、湘南のエースナンバーに恥じない活躍に期待したい。
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
2024年05月20日 16:32
ラ・リーガ第37節が18日と19日に各地で開催された。
6位レアル・ソシエダと7位ベティスのヨーロッパリーグ(EL)出場権を巡る直接対決が、『ベニート・ビジャマリン』を舞台に幕を切って落とされた。試合は5分、MFブライス・メンデスが直接FKを沈めてレアル・ソシエダが先制点を挙げると、42分にはFWミケル・オヤルサバルのパスを受けたMFミケル・メリーノが抜け出して追加点。後半はベティスの攻勢がより強まったものの、GKアレックス・レミロのPKストップなどもあり、このまま2−0で逃げ切った。この結果、レアル・ソシエダがEL行きの切符を手中に収め、5シーズン連続の欧州大会出場に。対するベティスのヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)出場権獲得の有無は、同時刻開催の8位ビジャレアルの結果次第となった。なお、日本代表MF久保建英は出場なしとなっている。
そのビジャレアルは、本拠地『デ・ラ・セラミカ』に王者レアル・マドリードを迎えたものの、3戦連発となるMFアルダ・ギュレルや5シーズン連続のリーグ戦2桁得点に乗せるFWホセルのゴールが決まり、前半終了時点で1−4のスコアに。が後半、イエローサブマリの“ヴァイキング”が暴れ回った。FWアレクサンダー・セルロートは、48分にこの日2点目となるゴールを頭で叩き込むと、52分にはスペースに抜け出し、並走した相手DFとうまく入れ替わり、最後は相手GKとの1対1を沈めてハットトリックを達成。そして56分にも左足で決め、3点ビハインドから試合を振り出しに戻した。しかし逆転ゴールは遠く、4−4でタイムアップ。シーズン3人目の指揮官となったマルセリーノ・ガルシア・トラル監督就任以降の追い上げは見事だったが、最終節を前にベティスとの勝ち点差が『4』と一歩及ばず。連続欧州大会出場記録は『4』で途絶えている。一方、ビジャレアルの引き分けにより、ベティスがECL出場を確定させた。
すでにアルメリアとグラナダのセグンダ降格が決定し、残すは1枠となった残留争いも今節で決着が付いた。前節セビージャ戦でFWセルジ・グアルディオラの後半アディショナルタイム決勝弾で望みを繋いだ18位カディスは、ホームで15位ラス・パルマスと対戦。勝利が絶対条件の中、DFハビ・エルナンデスのゴールがオフサイドにより取り消されると、FWフアンミやFWクリス・ラモスのシュートも1点には至らない。そして試合はスコアレスドローで終了。2020−21シーズンの昇格以降は、何度も死線をくぐり抜けてきたカディスだったが、ここでラ・リーガでの冒険を一度終えることになった。
今シーズン限りでアスレティック・ビルバオ退団するMFイケル・ムニアインと、現役を引退するFWラウール・ガルシアの『サン・マメス』でのラストマッチとなった今節セビージャ戦。試合は17分にDFオスカル・デ・マルコスのクロスにラウール・ガルシアが頭で合わせて先制点を挙げると、2分後には、今度はFWニコ・ウィリアムズのマイナスの折り返しに飛び込んだムニアインが追加点。主役2人が自身のゴールで、自身の花道を飾ったのだ。そして63分、交代ボートに『10』の数字が記された。スタジアム全体からのスタンディングオベーションに加え、まるで神様さえも別れを惜しむような大粒の雨が降る中、ワン・クラブ・マンの“王様”がピッチを後にする。続けて82分には、ラウール・ガルシアも万来の拍手に包まれながらベンチへと下がっていた。試合も2−0で勝利するなど、これ以上ない有終の美となっている。
その他、バルセロナがラージョ・バジェカーノに、ジローナはバレンシアに勝利。前者は2位が確定し、来シーズンのスーペルコパ・デ・エスパーニャ出場の権利を得た。また、オサスナがアトレティコ・マドリードを4−1で下し、リーグ戦における同カードで10年ぶりの白星を飾っている。
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