2024年07月04日 16:04
広島の中村奨成外野手が4日、今季2度目の1軍昇格となった。宇草孔基外野手が腰を痛めて登録抹消されたことによる緊急昇格となった。 中村奨成は高卒7年目で今季から背番号も22から96に変更し、外野手に本格転向。開幕は2軍で迎えるも、レイノルズ、シャイナーが負傷離脱したことによって、開幕3戦目で1軍昇格を果たした。1軍では3試合で4打数無安打に終わり、4月8日に登録抹消。ウエスタンでは3日の時点で53試合に出場し、打率・280、4本塁打21打点の成績を残していた。 この日もウエスタン・ソフトバンク戦(由宇)で「2番・右翼」としてスタメン出場し、適時打を含む2安打1打点。三回の守備から途中交代した。
2024年07月07日 08:00
「阪神2−1DeNA」(6日、甲子園球場)
阪神が連敗を2で止めて、再び貯金1とした。6月以降に勝率5割から借金生活突入を阻止するのは4度目となった。岡田監督は球団では歴代単独トップとなる通算515勝目を挙げた。元阪神エースでデイリースポーツ評論家の井川慶氏は「改めて思うのは投手陣の整備のうまさ」と祝福した。
◇ ◇
岡田監督が阪神監督最多となる通算515勝ということで、おめでとうございます。私が阪神に入団して、2軍の時から見てもらっていましたが、1軍の監督をされてから選手として一緒に戦わせてもらったのは、2004年からの3年間。改めて思うのは投手陣の整備のうまさでしょうか。
05年の優勝時で言うと、ウィリアムス投手、藤川投手、久保田投手の「JFK」が有名ですが、その勝利の方程式を確立させただけでなく、同時に、劣勢の展開などで投げる形として桟原投手、橋本投手、江草投手の「SHE」もつくった。リリーフ6人が強いという陣容でしたが、これはなかなかできることではないですね。
昨年からのつながりでは、ビーズリーを先発に転向させた見極めもですし、今年も雨天中止などもあった中で、安定して長いイニングを投げられる才木投手を日曜日から火曜日に持っていくとか。昔もそうでしたが、今も投手の運用に関しては、本当に細かく考えられているのが分かります。
おそらく岡田監督のことなので、515勝というのは特に意識されていなかったでしょうし、まだまだ続いていく通過点の数字だと思います。
2024年07月07日 08:00
楽天・古謝が6回2安打無失点で2勝目、登板5試合で4度のQSの安定感
■楽天 4ー0 ソフトバンク(6日・みずほPayPayドーム)
楽天の古謝樹投手が、6日にみずほPayPayドームで行われたソフトバンク戦で2勝目を挙げた。パ・リーグを独走中の“最強軍団”相手に6回89球を投げ2安打無失点の快投。空振り三振した山川が天を仰ぐほど“宝刀”も冴え「山川や近藤から三振をバンバン取れるのすごすぎる」「めちゃくちゃ打ちにくそうなモーションだな」など絶賛の声が上がっている。
初回は2四球を与えて1死一、二塁のピンチを招いたが、現在打点トップの山川を直球で空振り三振、打率&本塁打で2冠の近藤を左飛に封じて脱出した。さらに圧倒的だったのは3回だ。1死二塁から、山川に対して内角ツーシームで空振り三振。3度の本塁打王を誇る男は思わず天を仰ぎ「うわー」と吐き出した。さらに近藤からも外角に落ちるツーシームで空振り三振を奪った。
桐蔭横浜大からドラフト1位で入団した左腕は、ここまで登板5試合で4度のクオリティスタート(QS=6回自責点3以下)の安定感を誇る。勝ち星こそ恵まれていない(2勝3敗)が、勝負の夏場に向けて頼もしい戦力だ。
「パーソル パ・リーグTV」公式YouTubeが映像を公開すると「エグい!」「山川近藤を封じてるのまじ偉い」「ポテンシャルの高さを感じた」「ホークス打線を0点に抑えられたの本当にデカすぎるしよくやりすぎてる」「楽天に古謝あり!」「楽天の2023年ドラフト強すぎるだろ」と喜ぶコメントが並んだ。(Full-Count編集部)
2024年07月07日 07:50
◆ 7回まで1失点好投も平松氏「まあ気持ちだろうね」と指摘
今季9戦9敗のロッテから白星を挙げたい西武は6日、カード2戦目を3−4で落とした。西武先発は今季7勝目を狙う隅田知一郎。立ち上がりから安定した投球を続けるも4回、佐藤都志也に適時二塁打を浴び1点を失う。その後も好投を続けたが、8回に二者連続安打を許し一死一・二塁のピンチを背負うと、藤岡裕大に適時打を放たれ無念の降板。さらに2番手・ヤンが佐藤に2点適時二塁打を浴びた。隅田は7回1/3・8安打7奪三振1四球4失点で6敗目を喫した。
8回に力尽きた隅田に対し、6日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』解説・館山昌平氏は「非常に良い投球をしていた。8回の続投も意気に感じてマウンドに上がったと思う。走者を溜めた状態になったが、これからエースになる存在としてイニング途中に代わってしまうのは悔しかったと思う」と分析。
隅田自身もロッテ相手に1勝7敗と相性が悪い中、平松政次氏は「今日の投球を見ても、そんなに打たれて負けるような投手ではない。何か歯車がかみ合わないような…まあ気持ちだろうね」とメンタル面を指摘した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』
2024年07月07日 07:40
◆ 平松氏感嘆「完投させてもよかった」粘投実り今季2勝目!
カード勝ち越しを狙う楽天は6日、ソフトバンクとの第2戦目を4−0で快勝した。
2024年07月07日 07:40
オリックス・トーマス「僕は野球を一生懸命に頑張って……妻を喜ばせたいです」
1軍での躍動を目指して、ファームで鍛錬を積む。今季からオリックスに加入したコーディ・トーマス外野手が奮闘を続けている。灼熱の大阪・舞洲で腐らずに結果を残し続け、打率を徐々に上昇させている。
シーズン開幕時は日本野球へのアジャストに苦しんだものの、今季2軍でここまで46試合に出場して打率.271、2本塁打、11打点の成績を残している。懸命にバットを振り、一塁までの全力疾走を怠らない。理由を尋ねると「家族やオリックスファンに誇りに思ってもらえるようなプレーをしていきたいと思っています」と優しく微笑む。
「家族」とは、ともに来日した妻のシェイリーさんのことだ。「高校時代のクラスメートです。12年間、付き合っていました。そして2年半前に結婚して、一緒に日本に来てくれました」。照れて赤くなったほっぺたが愛くるしく映る。
ストレートに結婚の意思を伝えた1年後、今度は「決断」を真っすぐに伝えた。「昨年から日本でプレーする可能性を感じていました。だから、その話は妻にしていました。妻は5年前に旅行で日本に来たことがあって、その時に『日本をすごく好きになった』と。『コディが日本でプレーすることがあるなら、私は全然大丈夫だよ』と。背中を押してくれて本当にうれしかったです」。15歳で出会い、交際を開始。愛するパートナーと、心が通じあっている。
来日して驚いたことがある。「日本で洋楽をこんなに聞くとは思っていなかったので、それはすごく驚きました。向こう(米国)のジムで流れていたものと似ていますね。人気ランキングも似ていて、馴染みがあります」。耳から入ってくる“文化”に違いを感じなかった。
食事については「基本的に全部が美味しいです。寿司で言えばサーモンやマグロ、ラーメンでは味噌、醤油の全種類……。まずい食べ物にまだ出会ったことがありません」と喜びの声を上げる。レストランを選ぶ際は「妻が下調べをしてくれます。当日もインスタグラムのDMで予約できているか確認してくれます」と笑顔で明かす。
「妻も日本の生活を気に入ってくれています。すごく楽しんでいるみたいです。僕より自由な時間が多いので満喫してほしいなと思いますね。僕は野球を一生懸命に頑張って……妻を喜ばせたいです」
異国の地まで寄り添ってくれる、愛する妻へ。恩返しを届ける夏にしてみせる。(真柴健 / Ken Mashiba)
2024年07月07日 07:30
スキーンズにとって球宴は「存在を知らしめることができる最高の機会になる」
【MLB】パイレーツ 14ー2 メッツ(日本時間6日・ピッツバーグ)
パイレーツのポール・スキーンズ投手を球宴の先発投手に推す声が上がっている。MLB公式サイトのウィル・レイッチ記者は「スキーンズが球宴で先発すべき理由」として、5つの理由を唱えている。
1つ目の理由は単純で「(先発に)値がするから」だと述べている。同記者は「控えめに言って彼は球界最高の投手の1人だ。持ち球5つ球種の全てが素晴らしい。そして、パイレーツがプレーオフに進出した場合、恐れられる唯一の選手だ。彼は信じられない活躍をしている」と言及している。
2つ目の理由は「彼にとって存在を知らしめることができる最高の機会になる」からだという。同記者は「スキーンズは全国区の舞台でまだ投げたことはない。彼は熱狂的なファン層がいるパイレーツで投げているが、チームは苦戦しているため(パイレーツは)全国区のスポットライトをしばらくの間浴びていない。多くの人が見る球宴で、才能を見せつけるべきだ」と指摘している。
3つ目には「興奮させることのできる存在」だと言及している。同記者は「彼は球界で有名な投手の1人だけでは留まらない存在だ。彼は(球界で)最も人気のある選手の1人。SNS上では絶大なフォロワー数がいるが、彼の彼女であるSNSスター(そして体操選手)のオリビア・ダンさんに比べると見劣りする。軽いフットワークで野球の試合を見ようとしない人たちにも、彼の存在はフィールド内外で興味を引きつける」と彼女の存在を引き合いに出した。
4つ目の理由は「彼は大舞台に強い」ことだと述べている。「カレッジワールドシリーズで最優秀選手を獲得してからまだ1年しか経っていないし、MLBデビュー戦でも緊張していないようだった。彼は大舞台を求めている」。そして5つ目には「対戦する打者を想像してほしい」とのことで「最高の最高との対戦を見たい? 1回にヘンダーソン、ソト、ジャッジと対戦する姿を想像してほしい。スキーンズ対ジャッジの対決を見たくない人などいないだろう」としている。
2023年のドラフト全体1位で入団したスキーンズは今季ここまで10試合に登板して5勝無敗、防御率2.12の結果。スキーンズの恋人、オリビア・ダンさんはルイジアナ州立大の体操選手で、インスタグラムでフォロワー520万人、TikTokも800万人のフォロワーを誇るインフルエンサーであり“共演”が期待されている。(Full-Count編集部)
2024年07月07日 07:20
初芝清氏は高卒でプロ入り希望、西武が4位“確約”も…まさかの展開
「もう野球をやりようがない。辞めていたかもしれません」。ロッテ一筋17年で「ミスターロッテ」と呼ばれ、現在は社会人野球「オールフロンティア」で監督を務める初芝清氏。高校卒業後の進路は、社会人の東芝府中に決まるまで行き場のない状況に陥ったという。
初芝氏はエースで主砲だった二松学舎大付高3年の夏、東東京大会決勝で敗れ、甲子園の夢は叶わなかった。しかし、高校最後の打席で本塁打を放つなど、強烈に存在感を示した。「学校とかにプロから何球団か話は来ていたみたいです。『ドラフトで指名はあるだろう』との事でした。うちは母子家庭でしたから負担をかけたくないので、大学進学は選択肢にない。先生には『プロ1本でお願いします』と言っていました」。
1984年11月20日のドラフト会議。12球団が68選手を指名した中、初芝氏の名前が呼ばれることはなかった。その時点でもショック。「西武からドラフト前日に『4位で指名します』と連絡が入っていたと聞きました」。後に伝わってきた話でさらに落胆した。
この年は6位まで指名可能で、10球団はフル活用。ところが、西武は3位で打ち切った。「3位までってないでしょ」と今でこそ笑って語れるが、あるはずの指名が消えていた。「西武が助っ人で台湾の郭泰源(投手)を獲った年なので、選手の枠や資金的にそっちに回ったのかなぁ。実際には分かりませんけどね。だけどプロで郭泰源と対戦した時は『お前のせいでー』って燃えました」。後には発奮材料にしたのだが。失った行き場「もう野球をやりようがない」…周囲の力添えで得たチャンス
年末が迫っていた。「プロだけを考えていたので、就職も何も決めていませんでした。11月も終わりの頃ですから、どこの会社だって内定とか既に決まってしまっています。大学も無理だし。どうにもなんない。もう野球をやりようがない」。焦燥感にかられた。
“気は優しくて力持ち”を地で行くような初芝氏の大ピンチ。救うべく周囲は懸命に奔走した。高校の先輩の仲村恒一氏(後に日大監督)が所属する東芝府中の練習に参加できることになった。「夏の大会後はラーメン店でバイトばっかり。一応投手をやってましたからブルペンにも入りましたが、1球投げる度に捕手は首を傾げていました。そりゃあ練習してませんからね。ピッチャーをやる気は全くなかったですけど。打つ方は何とかなった。野手で、すぐ(獲得を)決めてくれたみたいです」。プレーの方はクリアした。
難関は残っていた。「入社する人の枠が決まっていたし、時期も過ぎている。『もう枠がない』と言われたんですが、監督さんが会社に『1人だけ増やして欲しい』と頼む形で、わざわざ作ってくれたそうです」。筆記試験も待っていた。「とっくに通常の試験は終わっているので、僕1人だけ個室で受けました」。周囲の力添えもあって無事、合格した。「野球を辞めていたかもしれませんからね。助けて頂いた大人の方々に感謝しかないです」。
社会人の練習はどうだったのか。「毎日『ここは地獄か』と思いましたよ。大学から入って来た選手たちが『東芝府中だけは来たくなかった』って言うんです。いや、あなた達もう入社してるじゃないですかって話ですが。有名だったみたいです。必ず走るメニューがあって、それがとんでもない量。強化合宿なんて最悪でした」。30メートルダッシュが10本、50メートルが10本、70メートルが10本、最後に100メートルを20本。「これがウオーミングアップ。それが終わって個人ノック。みんな、『こんなの出来るかーっ』って悲鳴を上げてました」と回想する。東芝府中に入社、3冠王3度の大打者が過ごした環境で急成長
午前中は出社し、生産部で働いた。「工場の最も奥の建屋で、部品を資材部から取ってくるんです。広い敷地の移動も自転車で回る。部署の偉い方が『君は野球が1番、仕事は2番。そんなに仕事はしなくていいから』と仰ってくれて。部品を取りに行ったら2時間ぐらい帰らなくても大丈夫。本当に有り難い職場でしたね」。
生活は苦しかった。「最初の給料は寮費とかを引かれて手取りで月に5、6万円。大卒の給料の高い先輩たちにご飯に連れて行って貰ったりしていました。お酒も外へ出るとお金がかかるので、近くの酒屋で買って部屋飲み」。それでもプロを目指す身だ。「やっぱり食べないといけない。寮の食事では全然足りないので」。多少の借金を覚悟してでも体への“先行投資”だけは惜しまなかった。
初芝氏は東芝府中からロッテに入団することになるのだが、全く同ルートの大先輩に落合博満氏(元中日監督)がいる。「府中のグラウンドのライト方向にはもの凄く高いネットがありました。『落合ネット』って呼ばれてましたね」。プロ入り後に挨拶に赴いた際に「あー、お前か。名前は知ってたよー」と喜んでくれたのは嬉しい思い出だ。
3冠王3度の大打者も汗を流した場所で、初芝氏は急速にレベルアップした。「あんなに早く補強に選ばれるとは思ってなかったですね」。高卒2年目にして社会人最高峰の大会・都市対抗に、NTT東京の補強選手として名を連ねてみせた。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)
2024年07月07日 07:00
● 西武 3 − 4 ロッテ ○
<10回戦・ベルーナドーム>
ロッテの佐藤都志也が6日の西武戦、逆転の2点適時二塁打を含む2安打3打点の活躍で勝利に大きく貢献した。
2024年07月07日 06:56
ロバーツ監督「ショウヘイは低めの球に対してアグレッシブになりすぎている」
■ドジャース ー ブルワーズ(日本時間7日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手は6日(日本時間7日)、本拠地・ブルワーズ戦に「1番・指名打者」で先発出場する。4日(同5日)の本拠地・ダイヤモンドバックス戦から自己ワーストの6打席連続三振を記録。デーブ・ロバーツ監督は「ショウヘイは低めの球に対してアグレッシブになりすぎている。本人は分かっていると思う」と復調のポイントを語った。
30歳の誕生日だった前日5日(同6日)の敵地・ブルワーズ戦は球審の判定に泣かされ、今季6度目の1試合3三振。6月28日(同29日)の敵地・ジャイアンツ戦からの7試合で15三振となっている。「ショウヘイは自分が何をやっているか、よく分かっていると思う」とロバーツ監督。低めの球に対する見極めがポイントとなりそうだ。
打率.312はリーグ3位で、トップのパドレス・プロファーと4厘差。64打点はトップで並ぶフィリーズ・ボーム、ブレーブス・オズナと6点差のリーグ3位となっている。再加速となるか。(小谷真弥 / Masaya Kotani)
2024年07月07日 06:52
○ ヤンキース 4−14 レッドソックス ●
<現地時間7月6日 ヤンキー・スタジアム>
ボストン・レッドソックスが同地区2位ヤンキースに14失点の大敗。吉田正尚外野手(30)は「6番・指名打者」でフル出場し、一時勝ち越しとなる適時打を放った。
レッドソックスは1点ビハインドの4回表、ラファエル・ディバースの通算1000安打となる適時打で同点とし、さらに二死一、二塁の好機で吉田の第2打席。昨季アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞右腕コールに対し、カウント1-2から真ん中付近のスライダーを詰まりながらもレフト前へ運び、勝ち越しの適時打。続くリース・マグワイアも適時打を放ち、2点のリードを奪った。
しかし、1点リードで迎えた5回裏、1番ライスにこの試合2発目となる3号3ランを浴びるなど一挙7失点。7回裏にもライスに4号3ランを打たれ、ライス一人に3本塁打、7打点を許し逆転負け。連勝が5でストップした。
この試合の吉田は4打数1安打、1打点、1三振という内容。同地区カードで2戦続けて安打と打点をマークし、今季成績は打率.258、OPS.683となっている。
2024年07月07日 06:00
「中日2−1広島」(6日、バンテリンドーム)
広島・大瀬良大地投手(33)が今季初黒星を喫した。試合前時点で4戦連続無失点だった中、三回に先制点を献上して連続無失点記録は37回1/3でストップ。四回は今季83イニング目で初被弾した。チームは3カード連続の負け越し。中日戦は3勝8敗1分けで、8敗は全て1得点以下と貧打は深刻さを増す。まずは総力を挙げ、同一カード3連敗を阻止したい。
約1カ月ぶりに大瀬良が本塁を踏まれた。好投も報われず、今季初めて土が付いた。7回2失点に「しっかりまた反省して次勝てるように頑張りたい」と視線を上げた。
二回まで無失点と上々の滑り出し。だが、三回1死から9番・梅津に右前打を浴びると、そこから連打で満塁のピンチを背負った。ここで福永に右犠飛を許し、先制点を献上。5月31日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)の二回から続いていた連続イニング無失点記録は37回1/3で終止符が打たれた。
本人は「本当にいつか止まるものだと思っていた。それがあの場面だったと思いますが、結果的に先制点という形になってしまった。そういった意味では反省しないといけない」と唇をかんだ。
続く四回は先頭・板山に2ボールからの直球を右中間席に運ばれた。試合前の段階で今季、12球団の規定投球回に到達している投手で唯一、本塁打を打たれていなかったのが大瀬良だった。
リードを広げられた一発は今季83イニング目での初被弾。「やっぱり甘くなってしまったというところで、しっかり捉えられたかなと。ガクッとさせてしまう流れにしてしまったので、そこは反省しなきゃいけない」と悔やんだが、五回以降は無失点。新井監督は「しっかりゲームをつくってくれてナイスピッチングだった」とたたえた。
エースの粘投に応えたかった攻撃陣は相手先発・梅津を打ちあぐねた。初回は1死一、二塁で坂倉が二ゴロ併殺。四回も2死二、三塁で二俣のバットが外角スライダーに空を切った。
そして1点を追う九回。相手守護神・マルティネスから1死二、三塁と一打逆転の好機をつくった。ここで代打・松山は三邪飛。ファウルゾーンで三塁・福永が後ろ向きに捕球すると、三走・羽月が果敢にスタートを切るも本塁タッチアウト。まさかの幕切れでゲームセットを迎えた。ただ、指揮官は「羽月もアウトになったけど、よくトライしたと思う。あそこは福永君を褒めるしかない」と相手をたたえた。
チームは3カード連続負け越しで中日戦は8敗目。黒星を喫した8試合は全て1得点以下で敗れており、攻撃陣の奮起が待たれる状況だ。打線全体が束になって相手に襲いかかり、7日の一戦で負の流れを止めにいく。
2024年07月07日 06:00
巨人4―1ヤクルト(セ・リーグ=6日)――巨人が3連勝で2位浮上。
2024年07月07日 05:01
「阪神2−1DeNA」(6日、甲子園球場)
金字塔を打ち立てても、いつもと何ら変わりはなかった。岡田監督が阪神の監督として歴代最多となる通算515勝を挙げた。「数字(の話題)が出るとね、毎日がすごく長く感じるんでね、あんまり気にしないようにしてたんですけど」。これまでの歩みをかみしめるように言葉を紡いだ。
藤本定義氏を上回った。岡田監督の幼少期、父勇郎さんが阪神の後援者だったこともあり、1962年の御堂筋優勝パレードに参加した。当時の監督が藤本氏だった。そんな縁の深い名将を超えた。「あんな小さい時に監督なんか見てるかいな。監督目当てに来てるんちゃうんやから」と“岡田節”で感慨に浸った。
記念の勝利はもう一つの縁が導いた。同点の六回に佐藤輝が勝ち越し打を放った。佐藤輝が近大に入学する直前の春だった。岡田監督は母校早大と近大の試合を見るため生駒市のグラウンドまで出向いた。そこで佐藤輝の打撃を目にすると、田中秀昌監督(当時)に「使わなあかん」と助言を送ったという。数年前に見初めた大砲が時を経て、虎将に節目の1勝をもたらした。
6月以降、勝率5割で迎えた試合は4連勝で、またも借金生活を阻止した。瀬戸際の勝負強さも際立つが「もうちょっとゆっくりね、野球をしたい」と本音も漏れた。
試合後、坂本から手渡されたウイニングボールに視線を落として見つめると、ズボンの右後ろポケットにそっとしまった。「当然、家に持って帰りますけどね」と穏やかな笑みを浮かべた。
2024年07月07日 05:01
「阪神2−1DeNA」(6日、甲子園球場)
七夕前夜、横浜の星を輝かせまいと左腕を振った。自己ワーストタイ3連敗中だった阪神・伊藤将が、今季5度目のDeNA戦で粘投し、7回1失点で4勝目。6月7日・西武戦(甲子園)以来1カ月ぶりの白星に、「ホッとしてます。なんとか自分のピッチングをしてチームが勝てるようにと考えてました。ベイスターズは打線がいいんで、最少失点でいけたのは良かったと思います」と勝利の味をかみしめた。
立ち上がりはドタバタだった。初回先頭の梶原が中前打で出塁すると、次打者の初球で二盗を決められた。無死二塁。気落ちする隙を作らず、次の瞬間、二塁へ素早くけん制を入れた。判定はセーフだったが、岡田監督のリクエストによるリプレー検証でアウトに。「あそこでアウトを取れたっていうのは、非常に自分の中でも大きかったですね。アイコンタクトです」。相手に流れを渡さなかったビッグプレーを笑顔で振り返った。
5失点KOだった前回6月29日・ヤクルト戦(神宮)の反省を生かして、低めにボールを集めた。六回と七回は単打で先頭打者の出塁を許したが、いずれもゴロ併殺で切り抜けた。「監督からも『低く投げろ』とミーティングありましたし、その中で修正できてたので良かったと思います」。指揮官には阪神監督歴代最多の515勝目をプレゼントしたが、「自分で良かったんかなって」とおどけて見せた。
『ファンの方が野球を楽しんでくれますように』−。七夕の短冊にはプロ野球選手らしい願いを書いた。「野球は楽しいんだよというのを、どんどん子供とかいろんな人に届けられたらいいな」と使命感を胸に上がったマウンドで快投。虎党キッズを喜ばせた勝ち星に、「楽しんでもらえたかなと思います」と胸を張った。
ヒーローのお立ち台で約束した。「次の登板も勝てるように頑張ります」。一夜だけの仕事ではない。これから先も聖地を埋めるファンの“願いごと”をかなえていく。
2024年07月07日 05:01
「阪神2−1DeNA」(6日、甲子園球場)
阪神・佐藤輝明内野手(25)が殊勲の一打でチームの危機を救った。同点の六回に右前に勝ち越しタイムリー。先制された試合は14連敗中だったが、“負の連鎖”を断ち切るとともに、借金生活転落も阻止。岡田彰布監督(66)は阪神監督として通算515勝となり、藤本定義を超えて歴代単独1位に。背番号8がメモリアルな1勝を贈った。
お祭り騒ぎだ。黄色く染まったスタンドから輝コールが鳴りやまない。全身に心地いい大歓声を浴びた佐藤輝。ひと振りで連敗を止め、岡田監督に阪神の監督として歴代単独トップとなる通算515勝目を届けた。
勝利をグイッと引き寄せたのは、同点の六回。2死一、三塁の好機で打順が巡ってくると、DeNAは先発の森唯から左腕のディアスにスイッチした。「真っすぐかスライダーのどっちかだったので。頭に入れながら」と初対戦ながらも頭の中は冷静に打席に入った。
勝負はあっという間だ。初球、真ん中寄りに甘く入ったスライダーに反応。力みのないコンパクトなスイングで放たれた打球は右前へ。その間に三走・中野が生還。「うれしかったので出ました」と、勝ち越し打に一塁ベース上でど派手なガッツポーズを決めて感情を爆発させた。
交流戦以降、打撃の状態は上昇曲線を描く。二回1死でもチーム初安打となる左前打を放つなど、2試合連続となるマルチ安打をマークした。これでリーグ戦再開後の11試合に出場し、41打数16安打で打率・390、2本塁打、7打点。好調の要因について「積極的にいって、捉えられているのがいい状態かなと思います」と自己分析する。
今季は不振のため、5月15日に2軍降格。約1カ月ファームで過ごし、結果を残して再昇格を果たした。この日、仲のいい後輩である森下が打撃不振で出場選手登録を抹消。直接声をかけることはできなかったが「彼なりにいろいろ思うところはあると思いますけど。頑張ってほしい」と再起を願った。
チーム一丸となりつかんだ1勝は大きな白星だ。この試合前まで先制されれば14連敗だったが、ようやく不名誉な数字から解き放たれ、指揮官の偉業も達成した。
7日は七夕。球団企画の「ねがいごと」で短冊には「サヨナラホームランを打てますように!」と記した。この流れを止めるわけにはいかない。「いま結果が出ているので。いい波に乗れているので、頑張っていこうと思います」と佐藤輝。向上心で満ちあふれている若き主砲の勢いは止まらない。
◆阪神の粘り腰 今季黒星先行は4月17日巨人戦終了時(7勝8敗2分け)が最後。5月23、25日に今季最多の貯金7。その後失速し5割で迎えた試合は4度あり(6月7日西武戦、16日ソフトバンク戦、7月2日広島戦、6日DeNA戦)、そのすべてで勝利を収めている。