2024年04月17日 08:30
百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。 今月のゲストは、ツアー12年目を迎える葭葉ルミ。 11年間の経験や今の現状を活かし、これまでとは違ったテーマで新シーズンに挑むという。 12年目のテーマは“チャレンジ” 裏テーマは“楽しむ” 武井:やっぱり飛びますねー。飛距離は僕といい勝負。 葭葉:私は、まだまだ飛ばし足りないな、と思いました(笑) 武井:さすがは、全米女子オープンに出場したときに、4日間平均飛距離1位を記録したプロですね。 葭葉:2017年のことなので、6年前ですけどね。 武井:プロ入りしてから何年目になりますか? 葭葉:ツアーに出るのは今年で12年目です。 武井:もう10年以上ですか! 最近のゴルフはどうですか? 葭葉:昨シーズンは飛距離が出る自分の武器を活かしたプレーができませんでした。意識してできなかった、というのもあるんですが、そこが持ち味なので、今オフは飛距離をさらに伸ばすことに取り組んでいます。 武井:それで狙うは2勝目ですね? 葭葉:はい。もう初優勝から8年も経っていて、記憶もだいぶ薄れてきました(笑) アプローチ、バンカーもうまい! 女子プロでも武井と同じくらい飛ぶ選手は稀なのに「もっと飛ばしたい」という葭葉。アプローチとバンカーも「得意なんですよ♪」と、何度もベタピンに寄せるのを見て、打ち方を教わる武井 武井:葭葉プロが飛距離をさらに伸ばしたら、パー4のセカンドはウエッジで打てますね。 葭葉:2打目を100ヤード以内にして、その短い距離も一辺倒の打ち方ではなく、いろんなクラブや打ち方でピンにつけられるバリエーションを増やしたいと思っています。 武井:今日も短い距離から、見事にベタピンにつけるシーンを見せつけられました。 葭葉:高い球で上から落とすのが、私にとっては一番寄せやすいのですが、いつもその球筋で寄せられるとはかぎらないので、スピンを増やして止めるとか、ドロー回転でランを出して寄せるとかを突き詰めていきたいです。 武井:それって、男子プロっぽい寄せ方ですよね。 葭葉:そのほうが楽しいかな、と思って。今シーズンの裏テーマは「楽しむ」なんです。 今季の裏テーマどおり、チャンスでもピンチでも終始笑顔で楽しんでプレーする葭葉 武井:今日もずっと楽しそうにプレーしていましたよね。 葭葉:楽しかったですよ! 最近、男性ゴルファーを倒すのがブームで、リキませて負かすのが楽しい♪(笑) 武井:僕はその術中にはハマりませんでしたよ! 葭葉:武井さんはリキんでくれませんでしたね。メンタル強いなぁと思いました。 武井:裏テーマが「楽しむ」なら、表のテーマはなんですか? 葭葉:「チャレンジ」です。じつは、ここ2年くらいアイアンで悩んでいて……。練習だとうまく打てるけど、試合だとうまく打てないというのが続いています。だからパー3でめちゃくちゃ打っちゃうんですよ。 武井:僕もアイアンが苦手で、パー3が一番ムズい。 葭葉:パー3でティーアップした瞬間に「当たんない」って感じがしちゃう。まだパー4のセカンドのほうがいい。パー3って乗らないともうミスになってしまうじゃないですか。 武井:そうそう。簡単にボギーのピンチがきちゃう。 葭葉:試合にずっと出ていると「乗ればいい」って頭になって、グリーンのセンターを狙うようになるんですけど、それがすごく悪循環を生むって昨年気づきました。左ピンなのにセンター狙いで打ったら、うまく当たらなくて右に飛んでピンから大きく離れてしまったり、うまく当たらないから大きい番手を持ってしまったりとクラブ選びも失敗してしまう。 武井:安全策が裏目に出る。 葭葉:そうなんです。グリーンのセンターを狙っていいショットを打っても、バーディチャンスはこない。よかったころを思い出すと、そんな攻め方はしていませんでした。 武井:女子プロのレベルは年々上がっていて、バーディを獲らないと優勝争いができなくなりましたよね。 葭葉:昔はパーを積み重ねていったら上位に入れましたが、今はそれじゃ予選通過も厳しいですよ。昨シーズンは、予選通過がアンダーだったのが10試合くらいありましたからね。 武井:今はピンを狙うようにしている? 葭葉:はい。調子が悪くてもピンを狙っていかないといけない、ピンを狙うのをおろそかにしていました。もちろん絶対に打ってはいけないところは見極めますが、左ピンで左に外すと寄せにくい状況なら、ピンを狙いつつ左にだけはいかない球を打てばいいだけなのに。 武井:それを積み重ねないといけませんよね。 葭葉:ミスしてもいいじゃん、と思うようにもなりました。逃げてのミスは、なんでミスしているのか。向きなのか、球筋なのか、スイングなのか、状況的に苦手だったのか、原因がわからなくなってしまうんですよ。 武井:蟬川泰果プロって、果敢にピンを攻めるじゃないですか。その理由を聞いてみたんですよ。そしたら、葭葉プロと同じく、真ん中とか逆サイドを狙って乗せたとしてもバーディチャンスがこない。練習のときからピンを狙って打っているし、ショートサイド側に外したあとの練習もひたすらしているので自信がある、といっていました。 葭葉:今の若い子はみんなその思考なんですよ。嫌がって攻めなさすぎてダメっていうのが一番後悔する。今までと同じじゃ戦えないから古い思考は捨てて、もっとアグレッシブにチャレンジしないといけません。 後悔したくないから「ピンを狙う」にチャレンジします。ーー葭葉 武井:たしかに、今のトッププロはスーパーアグレッシブ! 葭葉:アイアンの調子は上がってきているんですよ。ドライバーが振れているのでアイアンも振れるようになってきている。 武井:めっちゃ振りますよね!素振りから「ブン!」って振るもんね。 葭葉:それはすごく意識しています。ボールに合わせて打たないのが大前提。ドライバーは「あそこに打つぞ!」と思ってバーンと打っていい結果が出ているので、アイアンも同じようにしたいです。 武井:女子ツアーも2月末には開幕ですが、今シーズンの意気込みは? 葭葉:今季の出場資格だと、かぎられた試合しか出られませんが、貪欲にウエイティングします。万全の準備をして、ウエイティングで出場権が下りてきたら結果を残す。 武井:リランキングで後半戦の出場資格を得ることもできますよね。ステップアップツアーには? 葭葉:今のところ出る予定はなく、レギュラーツアーのスポット参戦でリランキングの上位に入ることが絶対条件。そのためにチャレンジャーの気持ちで挑みますが、これまでの11年間とは違った感覚で挑むのは、逆に新鮮で楽しみです。 自主的にコース内を目土しながら回る姿にも好感度アップ! 武井:12年目にして、フレッシュな気持ちで挑めるのはいいですね。 葭葉:出れる試合が決まったらSNSで早めに発信するので、チャレンジしながら楽しんでいる姿をぜひ観にきてほしいです! 武井:ベテランになると落ち着くか、引退する選手も少なくはないなか、30代でのチャレンジャーって魅力的かも。2勝目、期待しています! いかがでしたか? 今後も葭葉プロの動向には目が離せませんね! 武井 壮 ●たけい・そう/スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。1月からテレビ東京系列で、新番組「武井壮のゴルフバッグ担いでください」(日曜朝9:30から)をオンエア中。 ●オフィシャルサイト gogotakei.com/ ●X(旧Twitter)アカウント @sosotakei ●インスタグラムアカウント sosotakei 葭葉ルミ ●よしば・るみ/1993年生まれ、東京都出身。162cm。12年のプロテストに合格。13年にステップアップツアーで初優勝し、14年に初シードを獲得。15年には予選会から「全米女子オープン」に出場して14位。16年「ニッポンハムレディス」でレギュラーツアー初優勝。ドライビングディスタンスは17、18年連続1位。23年も252.90ヤードを記録し12位。富士住建所属。 ●X(旧Twitter)アカウント @yoshibarumi ●インスタグラムアカウント yoshiba0312rumi 写真=相田克己 協力=日神グループ 平川カントリークラブ
2024年04月30日 08:00
今月はツアープロがオフシーズンに取り組む〝スイング強化〞のための練習法を紹介。
開幕までに、もっと飛距離を伸ばす、もっと方向性を上げるためのドリルは、アマチュアにも効果大!
単に球を打つだけなく、目的をもった練習で春までにスイングを大きくレベルアップさせよう! 速く振るよりゆっくり振ったほうが前傾角度をキープしやすい ゆっくり振る! 足や背中などの大きい筋肉を使い、ヘッドで円を描くようにゆっくりスイングしよう
ボールをフェースの真芯でとらえて真っすぐ正確に飛ばすには、アドレス時の前傾角度をインパクトまでキープすることが必須。そこで僕は、足や背中の大きい筋肉を使って、ゆっくり振る練習をします。
ドライバーの場合、遠くに飛ばそうとして速く振れば振るほど、体が起き上がったり沈んだりしてミスが出る。反対に、あえてゆっくり振ったほうが「前傾キープ」がしやすく、正しいスイングが身につきます。手打ちも修正できるので、初・中級者にオススメですよ。 ゆっくり振れば前傾角度が崩れない 素振りでゆっくり振る感覚をつかんだら、通常の半分の飛距離を目安にして球を打ってみよう 体が上下動すると当たらない アマチュアは体が起き上がったり沈んだりしがち。ドライバーを持つとこの動きが顕著に現れてしまう 手打ちはNG 手や腕の小さい筋肉を使ってクラブを上げると、手打ちになり、ゆっくり振っても意味がない
いかがでしたか? スイングをするときにはゆっくり振ることを意識してみてくださいね!
植竹勇太
●うえたけ・ゆうた/1995年生まれ、北海道出身。163㎝、63㎏。正確無比なショットに定評があり、フェアウェイキープ率はつねに上位にランクイン。今季はツアー初優勝に期待。セガサミーホールディングス所属。
構成=小山俊正、鈴木康介
写真=田中宏幸、相田克己
2024年04月30日 07:00
創刊から32 年で、スイングとギアはどのくらい変わったのか? アニバーサリー号の年代を代表する選手とモデルを比較!
スイングは32年間の変遷を語らせたら、この人の右に出るものはいない、ゴルフ界の生き字引・タケ小山が徹底解説! 【2023年】原点回帰⁉最新スイングは”教科書的”! お手本はマキロイ!タイガーをアップデートした世代
中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177㎝、75kg。昨年プロ転向し、今季から国内ツアーに本格参戦。横浜ミナトChampionship、マイナビABCチャンピオンシップなど計3勝をあげ、新・賞金王誕生の期待がかかる。フリー。
ワッグル創刊からの節目の年を代表するトッププレーヤーのスイングを振り返ると、時代とともに変化してきた変遷が見えてきます。
現在(2023年)を象徴する代表的なスイングといえば、中島啓太選手でしょう。理路整然と整った教科書のような美しいスイング。ローリー・マキロイなど、タイガー・ウッズよりも少し下の世代の選手がお手本になっている印象です。
タイガーは試行錯誤しながらスイングをどんどん変えていった選手ですが、それゆえの遠回りもあった。中島選手の世代は、そういった回り道を避けるかのように、効率的に最適解を作ってきたスイング。効率を重視する最近の若者らしいですが、これが今後のスタンダードとなっていくでしょう。 【1992(創刊号)年】90年代前半は「教科書的」と「個性派」両タイプが活躍 教科書タイプのデービス・ラブⅢに対しカプルスは〝感性〟で育ったスイング
一気に時代をさかのぼって、創刊号が出た1992年。この年は、デビッド・レッドベターが名を馳せた時代で、スイングをコーチから学ぶことが一般的になりはじたころ。レッドベターの教え子、ニック・ファルドなどが活躍しました。
デービス・ラブⅢとフレッド・カプルスのペアがワールドカップで優勝した年でもあり、この2人は、まさに時代を象徴する存在でした。ラブはお父さんもプロゴルファーで、幼いころから英才教育を受けてスイングを身につけてきた選手。ゴルフをはじめたときから理論どおりにスイングを習得した最初の世代といっていいでしょう。
一方のカプルスは、ジュニア時代から自分の感性を頼りに自由にスイングを身につけてきた個性派。教科書どおりの優等生ではありませんが、いま見てもしなやかでカッコいいですね。
私はこのころに渡米し、レッドベターのアカデミーがあったフロリダ州オーランドのコースに所属しましたが、そのアカデミーはオーランド内の別のコースに移ってしまったため、マーク・オメーラの師匠であるリナ・リッツェンの指導を受けていました。それがいまだに私のスイングの土台となっています。
フレッド・カプルス
●1959年生まれ、アメリカ出身。180㎝、84kg。81年からPGAツアーに参戦し、83年に初優勝。92年にはマスターズを制して世界ランク1位、賞金王にも輝く。レギュラー15勝、シニア10勝をあげ「フレディ」の愛称で親しまれる人気選手。 【1999 (100号)年】真のアスリートタイガー・ウッズがゴルフを変えた! すべてのゴルファーのあこがれに!変化を恐れないのが一番のすごさ
第100号が出た1999年。この時代のゴルフ界はタイガー・ウッズ一色。翌年から01年にかけては「タイガー・スラム」も達成し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
タイガー・ウッズは、ゴルフ界に登場した最初の本格的アスリートといえるでしょう。科学的なトレーニングに取り組み、圧倒的なスピードと飛距離でツアーを席巻します。以後、すべてのゴルファーがタイガーにあこがれ、目標や手本となる存在に。彼の練習方法やスイングを見てマネする選手が増えるなか、スイングを壊してしまったり己を見失っていく選手も少なくはなったですね。
このころタイガーは、ブッチ・ハーモンに師事していましたが、その後、コーチを変えるたびにスイングも大きく変えていきます。そのなかには成功とはいえないケースもありましたが、最強であってもさらに高みを目指して変えることを恐れない姿勢こそが、タイガーの最大のすごさではないかと思います。
99年は日本ではJGTO発足の年。私はアメリカで解説業をしながら、ミニツアーに参戦していたころでした。
タイガー・ウッズ
●1975年生まれ、アメリカ出身。185㎝、84kg。PGAツアー歴代1位の通算82勝 (うち4大メジャーで15勝)をあげ、日本でも2勝。度重なるケガや故障に見舞われるが、少しずつツアー復帰しており、完全復活が待たれる。 【2007(200号)年】パーシモンを知らない世代スイングに大きな変化が 15 歳で勝てた理由のひとつは体の成長とクラブの進化のマッチング
第200号は、2007年。石川遼選手が15歳でアマチュア優勝し、日本のゴルフ界はその話題で持ちきりでした。
私は07年から日本に戻りプレーしていたので、よく覚えています。石川選手のおかげで報道番組などにも出演する機会が増えて、翌年からはMCを務めるラジオ番組「グリーン・ジャケット」もはじまりました。
当時の石川選手のスイングはまだジュニア特有の雰囲気が強く、全身をダイナミックに使って強振していました。しかし、前出のフレッド・カプルスなどと異なるのは、ゴルフをはじめたときからメタルのドライバーで、パーシモンを使ったことがない世代だということ。スイング中に余計なことをしなくてもクラブが飛ばしてくれるオートマチックさが根底にあり、クラブの進化の恩恵を大きく受けています。
彼が若くして活躍できたのは、クラブの進化と自身の肉体的成長のバランスがちょうどいいタイミングだったのが要因のひとつで、とくに飛んで曲がりにくくなった当時の最新ギアの性能の向上にスイングがマッチしていたことは間違いありません。
石川選手はこの後、身体的な成長に合わせてスイングをアップデートしていきます。
石川遼
●いしかわ・りょう/1991年生まれ、埼玉県出身。175㎝、75㎏。07年にマンシングウェアオープンを15歳でアマチュア優勝。09年には18歳で最年少賞金王を獲得。13年から16年には米ツアーにも挑戦。ツアー通算18勝。CASIO所属。 【2015 (300号)年】シャットフェース全盛の時代到来!再び個性派が輝く タイガーを見て育った世代の台頭。スタック& チルトの影響が強い
第300号が出た2015年。私はというと、翌年の日本シニアオープン挑戦に向けて、練習量を増やしていたころでした。
この年はジョーダン・スピースがマスターズで初優勝した年で、ほかにも新しい世代の選手たちが数多く台頭してきました。スピースのスイングは、左ヒジを曲げて使うなど少し個性的。同世代のジャスティン・トーマスやリッキー・ファウラーなどもあまり教科書的でなく、このころは個性派スイングの持ち主が多いように思います。
彼らはタイガー・ウッズにあこがれてプロを目指した世代ですが、タイガーがスイングを固定せずにあれこれ改造を繰り返してきたのを見ているので、1つのお手本にこだわらないマインドももった世代だと感じています。
彼らのなかで目立つのは、「スタック&チルト」の左1軸的なメソッドと、それにともなうシャットなフェース使い。「スタック&チルト」はタイガーの影響が大きいでしょうが、まさに当時の流行りでしたね。
こうやって32年の歳月をスイングとともに振り返ってみるといろいろな傾向が見えてきます。次の時代はどうなるか、いまから楽しみです。
ジョーダン・スピース
●1993年生まれ、アメリカ出身。185㎝、84㎏。アマチュア時代から活躍し、12年にプロ転向。15年にはマスターズ、全米オープンに勝ち、フェデックスカップも制して賞金王・世界ランク1位に。メジャー3勝を含むPGAツアー13勝。
解説=タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。89年にアメ リカのツアーに参戦。帰国後はゴルフ解説者や国内のレギュラー・シニアの両 ツアーに出場。現在はテレビ出演やラジオ・インターFMの「Green Jacket」と 「SUNDAY FINISHING LINE」でパーソナリティを務める。
2024年04月30日 06:00
寒い季節に出がち! 出るとスコアが崩れてしまう!この冬しっかり直したい!”チーピン病”対策レッスン 「左から左に曲がる」はじつはスライサーに出やすいミス
左に出て左に曲がる引っかけ球、通称「チーピン」はコントロール不能な球でOBになりやすい最悪のミスショット。寒い冬は体の動きが悪くなって、頻発するミスでもあります。
チーピンは左に曲がるので、フック系が持ち球の人のミスだと思われがちですが、カット軌道でフェースがかぶったときにも起こりやすく、じつはスライサーにもよく出ます。
それ以外にもさまざまな要因があるので、まずは自分のチーピンがどのタイプかを知ることが大事。防ぎ方は上の3タイプに分けて解説していきますので、ミスの傾向などを参考にタイプを見極めて対策してください。 【case1 シャフトクロスアンダー型】
ソールを地面に落とすイメージ
“ワンタッチ素振り”でクラブの重さを感じよう
1つめの、シャフトクロスのトップからダウンスイングでシャフトが寝てアンダー( 下か
ら)にクラブが入るタイプのチーピンは、腕と体の同調が崩れ、スイングの最下点がボールより手前にくることで起こります。 ソールで地面を叩くイメージの延長
クラブを上下方向に動かし、ソール面で地面を叩くイメージ。
これに体の回転を加えてスイングしよう
このタイプの人がコースでチーピンが出はじめたら、ドライバーのソールを地面にワンタッチさせる素振りが有効。スイングの最下点がイメージでき、クラブが下から入りにくくなります。ソール面で地面を叩くようなイメージで腕を上下方向に振りましょう。
根治を目指すなら、腕と体の動きを分解した素振りで、腕と体の同調性を高める練習がオススメ。腕を動かしてから体を回す動きの順番を意識してスイングするのがポイントです。 練習場ではコレで修正!「分解素振り」で腕と体の同調性アップ 【バックスイング】クラブを担ぎ上げてから体を回す
アドレスからクラブを右肩に担ぐように手元を持ち上げてから、そのまま上体を右に回してトップを作る 【ダウンスイング】体を開く前に腕を下ろしてから回転
トップから体の向きはそのままに腕だけ伸ばしてシャフトが地面と水平になる位置まで下げ、そこから体を回して振り切る
いかがでしたか? チーピンをなくすために練習してみてくださいね。
レッスン=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー〞の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=千葉セントラルゴルフクラブ
2024年04月29日 14:59
男子ゴルフ米国ツアーのダブルス戦、チューリヒクラシック・オブ・ニューオーリンズ(Zurich Classic of New Orleans 2024)は28日、ルイジアナ(Louisiana)州アボンデール(Avondale)のTPCルイジアナ(TPC Louisiana、パー72)で最終日が行われ、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)/シェーン・ローリー(Shane Lowry、アイルランド)組がプレーオフを制して優勝を飾った。
2024年04月29日 11:33
女子プロゴルファー・小祝さくらの公式スタッフインスタグラムが29日、新規投稿され、バーベキューで特大の貝を網焼きにし、周囲に振る舞う姿がアップされた。
軍手を装着し、大きな貝を手に満面の笑みを浮かべる小祝。スタッフは「みんなに貝を焼いてくれる小祝さん」とつづり、バーベキューで自ら焼役を務めて周囲に振る舞った模様だ。
ゴルフ場では見られない意外な姿に、ファンからは「ワイルドだろ〜」「さくらちゃんが焼くとめっちゃ美味しそうに見えるよ」「すげえ可愛い」と反響の声が多く挙がった。また誕生日会と竹田麗央の祝勝会を兼ねたパーティーの様子もアップされ、ピカチュウのケーキ持った小祝とフルーツ盛りだくさんのケーキを手に笑みを浮かべる竹田。小祝がオリックスのTシャツを着ていたことから「オリ姫?」と指摘するファンもいた。
2024年04月29日 10:14
◆米女子プロゴルフツアー JMイーグルLA選手権 最終日(28日、米カリフォルニア州・ウィルシャーCC=6258ヤード、パー71)
最終ラウンドが行われ、6打差21位から出た西郷真央(島津製作所)が6バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算3アンダーで日本勢最上位の8位に入った。2差6位からスタートした畑岡奈紗(アビームコンサルティング)はバーディーを奪えず、74と崩れて2アンダーの13位に終わった。
古江彩佳(富士通)は2つ落として、1アンダーの25位。2週連続予選通過の渋野日向子(サントリー)は71で回り、7オーバーで73位だった。ハナ・グリーン(オーストラリア)が12アンダーで大会連覇を果たした。
2024年04月29日 09:00
寒い季節に出がち! 出るとスコアが崩れてしまう!
この冬しっかり直したい!”チーピン病”対策レッスン 「左から左に曲がる」はじつはスライサーに出やすいミス
左に出て左に曲がる引っかけ球、通称「チーピン」はコントロール不能な球でOBになりやすい最悪のミスショット。寒い冬は体の動きが悪くなって、頻発するミスでもあります。
チーピンは左に曲がるので、フック系が持ち球の人のミスだと思われがちですが、カット軌道でフェースがかぶったときにも起こりやすく、じつはスライサーにもよく出ます。
それ以外にもさまざまな要因があるので、まずは自分のチーピンがどのタイプかを知ることが大事。防ぎ方は上の3タイプに分けて解説していきますので、ミスの傾向などを参考にタイプを見極めて対策してください。 あなたはどのタイプ?チーピンには3つのパターンがある! 【case1】シャフトクロスアンダー型
FWで大ダフリが出る
シャフトクロスからダウンスイングでクラブが寝て、そこから一気にフェースが返って起こる。FWで大ダフリが出る人はこのタイプ 【case2】軸倒れフェース返り型
シャンクがよく出る
ダウンスイングで腰がスエーし
上体が右に倒れてシャフトが寝て、そこからフェースが返って引っかける。シャンクもちの人はこのタイプ 【case3】カット軌道ぶっつけ型
特大スライスも出る
大根切りのような強いカット軌道で、ふだんは芯を食っても特大のスライスも出るタイプ。フェースが返って当たるとチーピンも出る
いかがでしたか? どんなミスが出やすいかを振り返って、改善していきましょう。
レッスン=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー”の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=千葉セントラルゴルフクラブ
2024年04月29日 08:00
ドライバーはミスヒットが多く、曲がるほど飛距離も落ちるクラブです。
2024年04月29日 07:00
今月はツアープロがオフシーズンに取り組む〝スイング強化〞のための練習法を紹介。
開幕までに、もっと飛距離を伸ばす、もっと方向性を上げるためのドリルは、アマチュアにも効果大!
単に球を打つだけなく、目的をもった練習で春までにスイングを大きくレベルアップさせよう! 3つのステップを踏んでから同じ感覚でドライバーを打つ 腰の高さの振り幅からスタート!
僕が高校生のころからやっているのが「小さい振り幅で目いっぱい飛ばす」という練習です。まずはショートアイアンを使用し、腰の高さの振り幅で最大の飛距離を出す。これにより、ムダな動きが取り除かれ、体が効率よく動きます。
次は、その体の動きを必要最小限にしたまま、肩の高さの振り幅に。そして最後にフルスイングを行なう。この3つのステップが重要で、これができたら同じ感覚でドライバーを打ちます。以前の僕はオーバースイングでしたが、今はコンパクトなトップになり、ミート率が向上。飛距離だけでなく方向性もよくなりました。 「この練習のおかげでオーバースイングが直りドライバーの精度がよくなりました」(大岩) どのような振り幅でも、手と体の同調性を高めて、体の正面で球をとらえる 振り幅を手先で調節すると、手が体から外れやすくなるので注意しよう Step1 腰の高さ バックスイングは腰の右側、フォローは腰の左側の高さ。この振り幅のなかで最大の飛距離を出す Step2 肩の高さ 体の動きを必要最小限にしたまま、右肩から左肩の高さに振り、球を目いっぱい飛ばす Step3 フルスイング クラブの遠心力で手が高く上がるだけで、体の動きは肩の高さのスイングとほぼ同じ
いかがでしたか? 「小さい振り幅で目いっぱい飛ばす」ことを意識して練習してみましょう!
大岩龍一
●おおいわ・りゅういち/1997年生まれ、千葉県出身。182㎝、92㎏。21年に初シードを獲得。翌年は4度のベスト10入りを記録し、賞金ランキング28位。23年シーズンはハナ銀行インビテーショナル8位。フリー。
構成=小山俊正、鈴木康介
写真=田中宏幸、相田克己
2024年04月29日 06:25
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出た、所属契約を結ぶ大会ホストプロの桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。日本勢の欧州制覇は青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目となった。昨季は米下部ツアーに挑戦したが、シード権を獲得できずに日本で再出発。10月までの今季残りを含めて3季分の欧州シード権を勝ち取り、再び世界に打って出る。
* * * *
桂川の勝利は、少し早い母の日の贈り物になった。観戦に訪れた亜紀さん(44)に感謝の思いを届け、「初めて母の前で勝てたのでうれしい」。一段と優しい表情になった。母子家庭で育った。中学卒業後にフィリピンへのゴルフ留学を決断したのは、苦しい経済事情を知っていたから。知人の紹介で、日本と比べてお金がかからない土地へ渡り、鍛錬を積んだ。
亜紀さんは愛知の自宅から、日帰りで応援に駆けつけた。「初優勝のときはテレビの前でウルウルしていたけど、今日は平気でした」と笑顔で見届けた。「昔からとても優しい子」で、契約しているウェアの女性ものをわざわざ購入してプレゼントしてくれるなど、いつもさりげなく気遣ってくれる。「私から見ても、遠い届かない所にいってしまったような不思議な気持ち」。息子の雄姿を横目に、喜びに浸った。(高木 恵)
2024年04月29日 06:15
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出た、所属契約を結ぶ大会ホストプロの桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。日本勢の欧州制覇は青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目となった。昨季は米下部ツアーに挑戦したが、シード権を獲得できずに日本で再出発。10月までの今季残りを含めて3季分の欧州シード権を勝ち取り、再び世界に打って出る。
18番でパーパットを沈めると、桂川は大きく息を吐いた。最終組の3つ前から見せた大まくりで逆転優勝。「ゴルフ人生で一番のラウンドかもしれない。高いステージに上がるために練習してきた。これで欧州ツアーに参加できるのでうれしい」。2位に3打差をつける完勝で、日本勢6人目の欧州ツアー制覇を成し遂げた。
10番でトップにいることを知った。緊張が襲い、グリーン上で手が震え出した。「こういう時、外しちゃうよな」。頭に浮かぶマイナス思考を必死に追い払い「自分はできると思い込んだ」。14番で110ヤード第2打を2メートル半につけ、15番では10メートルをねじ込みガッツポーズ。16番ではグリーン奥からの6メートルをパターで沈めて3連続バーディーを奪い、一気に後続を突き放した。
昨年10月からかつて松山英樹も師事した目沢秀憲コーチ(33)の下、課題だったショートゲームを強化してきた。「感覚だけでやっていた。一から教えてもらい、知識を書き換えることができた」と成長を実感。この日の13番パー3で第1打をグリーン左に外しながらパーをセーブ。トレーニングにも力を入れ、平均飛距離が302ヤードまで上昇。相対的なゴルフ力の進化があった。
昨年は米下部ツアーに初挑戦し、ポイントランクで130位でシード権を得られずも「後悔はない」と言い切る。空港で言葉が全く通じず苦労したことも、ゴルフができる喜びに比べたら何てことはない。1年での撤退を余儀なくされたが、串田雅実キャディーが「漢(おとこ)」と言い切る愚直な25歳ははい上がった。
欧州のポイントランクで10位以内に入れば、翌シーズンの米ツアーの権利を獲得できる。「そこを目指してやっていきたい。強い選手と戦ってみたい。小さい頃からの憧れの場所だから」。次週は地元で日本ツアーの中日クラウンズに出場し、欧州転戦準備を進める。世界への道を切り開いた大きな1勝だった。(高木 恵)
◆桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)1998年10月9日、愛知・清須市生まれ。25歳。シングルプレーヤーだった祖父の勧めで4歳からゴルフを始める。通信制のルネサンス豊田高に進み、フィリピン・マニラに3年間のゴルフ留学。日大で18年日本学生選手権優勝。20年にプロ転向し、22年にコロナ禍で日本ツアー単独開催された「ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント」で日本ツアー初優勝。167センチ、70キロ。家族は祖父と母。
2024年04月29日 06:00
プロゴルファーの安田祐香がInstagramを更新。
2024年04月29日 05:55
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
首位タイで出た本格参戦3年目の天本ハルカ(25)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66で、大会記録の通算19アンダーでツアー初優勝。プロテストに4度失敗した苦労人が1998年度生まれ「黄金世代」で15人目の優勝者となった。今季9試合目で全体1位のトップ10入り7回。得意のショットと、高校時代から師事する2001、03年賞金王の伊澤利光(56)とオフに磨いた小技で急成長を遂げた。尾関彩美悠(あみゆ、20)=JFEスチール=ら3人が2打差2位だった。
天本を女手一つで育てた母・結子さんは18ホールで付いて見守り「家族2人で、二人三脚でここまで来た。早いうちに勝ちたい、と本人も言っていたので本当に勝てて良かったです」とうれしそうに晴れ姿を見つめた。母によると娘の性格は「まじめ。遊びもそんなに行かずにゴルフ、ゴルフという感じ。プロテストが終わってやっと(ツアー生活が)スタートして、この3年間、本当に生活が楽しいようです」と目を細めた。母は仕事をしているため、幼少時には週末に祖父の家で過ごすことが多く、ゴルフ中継で宮里藍のプレーを見て「ゴルフがやりたい」と始めたという。天本は「私はプロテストに通る前も長かった。優勝という大きな結果につながり、最後あがって母のうれしい顔が見られてホッとしている」と感慨深げに話した。(岩原 正幸)
2024年04月29日 05:45
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
首位タイで出た本格参戦3年目の天本ハルカ(25)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66で、大会記録の通算19アンダーでツアー初優勝。プロテストに4度失敗した苦労人が1998年度生まれ「黄金世代」で15人目の優勝者となった。今季9試合目で全体1位のトップ10入り7回。得意のショットと、高校時代から師事する2001、03年賞金王の伊澤利光(56)とオフに磨いた小技で急成長を遂げた。尾関彩美悠(あみゆ、20)=JFEスチール=ら3人が2打差2位だった。
夏日の混戦を抜け出し、格好良く初優勝を決めた。18番パー3。天本は第1打を右のバンカーに入れたが、最後は2・5メートルのパーパットを沈めた。何度も右拳を揺らし「なかなか実感が湧かず、フワフワしているけどうれしい」と喜んだ。
通算79戦目で自身初の最終日最終組。3人が並ぶ首位で出て3番で一歩抜け出すと、8番から怒とうの5連続バーディーを奪った。一時は4打差。13番ボギーなどで後続に1打差に詰め寄られた17番で2メートルを決め、突き放した。「ひと安心した。(18番のパットは)すっきりした気持ちでラインも見えていた。自信になった」と息詰まる終盤を回想した。
98年度生まれ、黄金世代で通算15人目のV。3月に臼井麗香(25)が勝ち「周りから『次は(今季好調の)ハルカの番だね』と言われ、重圧もあったと思う」と母・結子(ゆいこ)さん(54)はまな娘を思いやった。昨年までは5位が最高だった天本は「同世代に刺激をもらっていた。いつか追いつこう、追い抜こうと、まずは1勝できた」とかみ締めた。
21年11月。5度目のプロテスト挑戦でようやく合格した。「5回目で通らなかったらやめようと母とも約束していた。皆合格して、焦りもあった」と当時の心境を口にした。「テストの経験は今でも生きている。決して無駄ではなかった」。昨年は初シード。本格参戦3年目の今季はトップ10の常連にまで飛躍を遂げた。
オフは、高校時代からの師匠・伊澤=写真=の指導で30〜40ヤードのアプローチを磨いた。「勝てる選手だから。上を目指して頑張れ」と励まされ、「最高の教材」というレジェンドから学んだ。リカバリー率は昨季64・2%(ツアー29位)から71・7%の同5位まで改善し、パーセーブ率89・9%は今季堂々の3位。「もったいないミスが減り、安定してアンダーが出せている」と分析する。
国内メジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップ(5月2日開幕・茨城GC東C、報知新聞社後援)に向けては「明日(29日)から練習ラウンドして、しっかり準備したい」と言葉に力を込めた。「今季は複数回優勝目指して頑張りたい」。遅咲きの25歳は、メジャーの大舞台でもV争いに加わる。(岩原 正幸)
◆1998年度生まれの「黄金世代」
米ツアー6勝で日米11勝の畑岡奈紗、国内10勝の小祝さくら、同8勝の勝みなみ、日米7勝の渋野日向子、国内5勝の原英莉花ら。天本は、3月のアクサレディス宮崎を制した臼井麗香に続く15人目のツアー優勝者。優勝15人は国内ツアー最多の世代。今季は小祝(1勝)を含め3勝。
◆天本ハルカ(あまもと・はるか)
▽生まれ、サイズなど 1998年7月23日、福岡・太宰府市。25歳。162センチ、58キロ。家族は母。
▽ゴルフ歴 8歳から始め、通信制の福岡・第一学院高卒業。19年には全米女子オープンに予選会を突破して出場。21年11月のプロテストに5度目挑戦で合格。
▽ダンス 幼稚園から小6までストリートダンスを経験した。
▽師匠 男子ツアー通算16勝の伊澤利光。高校時代に福岡のインドアスタジオに入門したのがきっかけ。今季は3月のVポイント×ENEOS(鹿児島)に同行しており、指導を受けた。
▽登録名 本名は遥香で「覚えてもらいやすいから」と登録名をカタカナに変更した。
▽ショットメーカー 今季のパーオン率77・17%は2位。「もともとはショットが苦手だったが、米女子ツアーのプレーを見てイメージを高めた」。活躍度の指標となるメルセデス・ランクは5位。
2024年04月29日 05:00
「男子ゴルフ・ISPSハンダ欧州・日本トーナメント・最終日」(28日、太平洋C御殿場C=パー70)
欧州ツアーと日本ツアーの共催で大会は行われた。8位から出た桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマーク。初日83位からの出遅れを挽回し、通算17アンダーの263で、ホストプロが逆転優勝を果たした。日本ツアー開催だった22年の同大会以来、2年ぶりのツアー2勝目。日本人史上6人目、今季だけで3人目の優勝で、26年までの欧州ツアーの出場権を手に入れた。欧州ツアー出場2連続優勝を狙った中島啓太は10アンダーの11位に終わった。
桂川が再び世界への切符を手に入れた。米ツアーを目指した23年の米下部ツアー挑戦は振るわず、不本意ながら1年で撤退。日欧共催ではなかった2年前とは違い、今度こそ正真正銘の欧州V。26年までの欧州ツアー出場権を獲得し、再び世界最高峰の米ツアーにつながる道を切り開いた。
「高いステージに上がるために練習してきた。これから欧州ツアーで戦えると思うとうれしい」。
砂上の窮地では2度も“神業”を魅せた。ティーショットをグリーン手前に落とした7番パー3、3打目が目玉になっていた9番はともにチップイン寸前のパー。ショートゲームが弱点だったが、昨秋から目沢秀憲コーチに教わり劇的に改善。元々、感覚派だったショットメーカーは、かつて松山英樹とコンビを組んでいた名伯楽に「一から教わった。企業秘密ですけど」と確かな技術をたたき込まれた。
後半は緊張との戦いだった。10番のバーディーで単独首位に立つと、「手が震えた」。大事なところで「こういう時に失敗する自分がいる」とマイナス思考に陥りがちだが、この日ばかりは振り払った。14番で2・5メートルを沈めると、15番はピンから10メートルの長いバーディーパットを成功。16番はグリーンの外から6メートルをねじ込み、勝負どころでの神懸かりな3連続バーディーで後続を突き放した。
昨季の米国挑戦は不発に終わり、今季は国内専念を掲げていたとはいえ、世界へ挑む気概は消えていない。昨年は久常が欧州経由で、米ツアー行きをかなえた。夢の舞台に一歩近づき、桂川は「やっぱり強い選手と戦ってみたいというのもあるし、小さいときからの憧れや夢もある」と目を輝かせた。
◆桂川有人(かつらがわ・ゆうと)1998年10月9日生まれ、愛知県清須市出身。クラブチャンピオンだった祖父の指導で4歳からゴルフを始める。西枇杷島中卒業後、通信制のルネサンス豊田高で学びながら単身フィリピンへゴルフ留学。帰国後は日大に進み、2018年中部アマ、日本学生などを制覇し、ナショナルチーム入り。22年プロ転向に転向すると4月の「ISPSハンダ−」でツアー初優勝を果たした。同年11月の米下部ツアー予選会を経て、23年は米国を主戦場とした。167センチ、70キロ。