2024年04月26日 19:45
DDT26日のひがしんアリーナ大会(東京・墨田区)で、ユニバーサル王者のMAO(27)が中村圭吾(24)の挑戦を退け、8度目の防衛に成功した。 21日の鶴見大会で中村がMAOに直談判し、急きょ決定した一戦。右ヒザの故障から1年ぶりに復帰した中村は気合十分だ。王者に計12発もの蹴りを見舞い、周囲の不安を蹴散らした。 だが試合は終始、MAOが優勢。大声援に背中を押され粘りを見せる挑戦者を、最後は得意技のキャノンボール450°(450°スプラッシュ)で沈めた。 試合後は「復帰おめでとう。ケガしたとこは大丈夫か?」と問いかけ、大きくうなずく中村に「年間何百試合、ケガせず出続けるのが強いレスラーだ。勝てば強いんじゃねえ。試合し続けるから強いんだ。圭吾も強いレスラーになれ」とゲキを飛ばした。 一方、敗れた中村は万感の思いを込めて「応援の力で1年ぶりに復帰できました。MAOさんが言ったように、ケガをせず1試合1試合、全力で戦います。これからもよろしくお願いします」と誓った。
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、王者・井上尚弥(31)=大橋=がWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=を6回1分22秒TKOで下し、防衛に成功した。初回にはまさかのプロ初ダウンを喫したが、そこから3度のダウンを奪い返しての完勝。「自分の中でも激闘という試合ができたんじゃないかなと。1ラウンド目にダウンを喫したが、最終的にはKOで勝つことができたので、自分の中でいいキャリアを積むことができた」と胸を張った。
1回には接近戦からネリの左フックをもろに浴びてリング上にはいつくばり、まさかのプロ初ダウンを喫した。ただ、2回にダウンを奪い返すと、5回にもダウンを奪い、6回には一気に攻勢に出て衝撃的な右ストレートで“悪童”をたたきのめした。
大橋秀行会長は「まず、(東京ドーム興行に向けた)この2カ月の準備で寿命が縮んだが、試合内容で2カ月寿命が縮みました」と“悲鳴”を上げ、笑いを誘った。「ただ、東京ドームでの試合内容はものすごいインパクトを与えられたと思うので。(陣営として)試合内容は満足してないが、一般のファンの方はボクシングってすごいものだと感じたと思う」と大きくうなずいた。
また、試合後の会見では、井上チャンピオンから「今日獲得したWBCのダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたい」とサプライズ贈呈も。大橋会長は隣で「マジで…」とつぶやき、「34年前にタイソンを見て、僕も東京ドームやりたいと思っていたが、(自身が1990年10月のWBC世界王座防衛戦で敗れた)リカルド・ロペスに雪辱した気持ちです(笑)。ありがとう」と感慨を込めた。
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
元K−1王者で、同級5位の武居由樹(27)=大橋=が、王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=に判定3−0で勝利し、世界初挑戦で王座を獲得した。通算成績は9戦9勝8KOとし、史上6位タイのスピードでの世界ベルト獲得となった。また、日本ジム所属の選手としては記念すべき100人目の世界王者誕生となった。
1回は序盤互いに探りながらの展開。中盤からは武居が距離を詰めて左ボディーを打ち込み、主導権を握り続けた。終盤に入ると、モロニーも反撃したが、武居もしっかり打ち返した。最終12回にモロニーが最後の猛攻に出て武居が棒立ちになる場面もあったが、何とかしのぎきった。
大橋会長は「武居は厳しい王者に勝った」とねぎらった後、「(大会までは報道陣に)内緒にしていたが、試合前に(井上)尚弥と武居でスパーリングをやって、こてんぱんにやられてもうダメかと思ったが、でもそのスパーリングが生きて(今日の)最終回12回、尚弥と最後にやったみたいにできたので、あれでチャンピオンになれたと思う」と内幕を告白。防衛に成功した井上拓真とともに3人が王座に就き、「大橋ジムの3人の王者が一致団結した力だと思う」とまな弟子達に目を細めた。
念願の世界タイトルを手にした武居は「とにかく今はホッとした気持ち」と一息つきつつ、「今日の試合内容じゃまだまだ。強くなって戻ってきます、必ず」と誓った。
2024年05月07日 06:00
お騒がせ女子プロレスラーことウナギ・サヤカが、今度は新団体「マリーゴールド」との対抗戦を勝手にぶち上げた。
6日の「エボリューション(エボ女)」(東京・新木場1stRIGN)に電撃登場し、改めて全日本プロレスの諏訪魔が務めるプロデューサー職を奪うと宣言。先日はエボ女の定期参戦を争うオーディションで落選したばかりだが、22日新木場大会でChiChiとの対戦が決定的となった。
そもそもプロデューサーとして、エボ女をどうしたいのか。取材に「エボ女を乗っ取って私がプロデューサーになって、マリゴ(マリーゴールド)と対抗戦をしたいと思います。やっぱね、一番倒すべきところはあそこじゃないですか。マリゴを倒したら、エボ女が一番になったと言っても過言ではない。そこにウナギ・サヤカがいないと」と明かす。
ウナギは20日に後楽園ホールで旗揚げする「マリーゴールド」に強い対抗意識を持つ。だが、同団体はジュリア、林下詩美のツートップをはじめ、13人の所属選手がいる。そこで「周りから『出るの? どうするの?』と言われているけど、私は1人なので団体を持った方がいい」という結論に至ったそうだ。
そのためにも、まずはプロデューサーの座を手にしなければならない。「諏訪魔とプロデュサーチェンジマッチをしたいなと。ChiChi、まずはお前を査定して、諏訪魔を引っ張り出してやるよ」と予告したウナギは本気だ…。
2024年05月07日 06:00
全日本プロレスの史上最年少3冠ヘビー級王者・安齊勇馬(24)が、みそぎの防衛ロードに挑む。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛を果たした。
拓真が執念でベルトを守り抜き、勝利のバトンをつないだ。1回、2分過ぎにカウンターの左ジャブが顎に入り、まさかのダウン。東京ドームがどよめきに包まれたが、すぐに反撃を開始した。鋭いアッパーで石田の顔面を血染めにすると、相手の代名詞でもある左ジャブに苦戦しながらも、12回まで集中力を切らさず前に出た。「唯一の収穫は勝てたことだけ」。反省が口をついたが、メイン兄尚弥の“露払い”を務めあげた。
19年11月以来となる兄弟での世界戦そろい踏み。前回は王座陥落の屈辱を味わったが、大差判定で2度目の防衛に成功し、役目を果たした。「これだけの大観衆の中で競り勝てた、それだけが今日の収穫」と繰り返した。
同級では4団体で日本人の世界王者が4人並び立つ活況となっている。セミでは同門の武居が初戴冠。また、リングサイドにはWBC王者の中谷潤人(M・T)も訪れた。拓真は試合前「このバンタム級で一番強いのは井上拓真なんだぞというところを見せていきたい」と期していたが、快勝とはいかなかっただけに「まずは今日は勝てたことが収穫。こんな内容じゃ統一戦とか言ってられない。課題をクリアして、もっと強いチャンピオンになりたい」と渋い表情。志の高さが渇望となってあふれ出た。
◇井上拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川県座間市出身。アマチュア戦績57戦52勝(14KO)5敗。2013年12月にプロデビュー。15年に東洋太平洋スーパーフライ級王座、18年にWBC暫定世界バンタム級王座、21年にWBOアジアパシフィック王座、22年に日本スーパーバンタム級王座、23年にWBA世界バンタム級王座を獲得。身長164センチ。右ボクサーファイター。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
格闘技K−1で活躍したWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3−0で判定勝ちし、新王者となった。日本ボクシングコミッション(JBC)公認で日本のジムに所属する100人目の男子の世界王者。WBAバンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。
歴史をつくった。新王者のコールを聞くと、両手を上げた武居は八重樫トレーナーと抱き合い、そして目に浮かぶ涙を拭った。転向から3年余り。史上初となるK−1王者からのボクシング世界王者が誕生した。
正統派の王者から、トリッキーなスタイルでリズムを奪った。2回にローブローで減点を受けても、左ボディーをしつこく攻撃。右を突いては左の強打を繰り返し、ポイントを重ねた。最終12回にはモロニーのラッシュをまともに受けてダウン寸前。それでもゴングの瞬間まで気力で立ち続け、最後はかすかに笑った。
この日は、小学生の頃から指導を受けてきたキックボクシングジム「パワーオブドリーム」の古川誠一会長の56歳の誕生日。母子家庭で育った自身を自宅に住まわせて導いてくれた同会長に、最高のプレゼントを贈った。勝利者インタビューでは「今日は自分の“オヤジ”の古川誠一の誕生日。いつも洋服をあげても文句を言うんで。今日は文句ありますか?お誕生日おめでとう!」。恩師を前に、笑顔で声を張り上げた。
JBC公認の日本ジム所属男子選手では100人目の世界王者。バンタム級は4人の日本選手が制圧した。「足立区から来た武居が、東京ドームで世界チャンピオンになりました!」。下町から生まれた異色のチャンピオン。客席を埋めたファンから祝福の大歓声と拍手が降り注いだ。
◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都足立区出身。10歳でキックボクシングを始め、足立東高ではボクシング部主将。2014年、キックボクシングデビュー。17年、Kー1ワールドGPスーパーバンタム級王者に輝いた。21年、プロボクシングデビュー。22年、東洋太平洋スーパーバンタム級王者。23年、バンタム級転向で王座返上。キック戦績23勝(16KO)2敗。サウスポー。身長170センチ。血液型B。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
◇ ◇
東京ドームのメインイベントで防衛戦を行った全勝の統一王者、といえば、これまではマイク・タイソン(米国)だった。それまで37戦全勝(33KO)と圧倒的な強さを誇ったWBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級王者の鉄人だったが、1990年2月11日の東京ドームでジェームズ・ダグラス(米国)にKOされ、初黒星を喫した。
井上尚弥は3月6日の記者会見でそのことについて質問され「毎度そんな予想を立てられながら試合をしているので、会場は関係なく、いつも通りの試合に臨みます」と受け流した。なお、タイソンも東京ドーム初戦の88年3月21日、トニー・タッブス戦では2回TKO勝ちしている。
今回のあおり番組では「負ければ無敗の価値が一瞬にして崩れ落ちますからね。試合が決まってからずっと、そこの恐怖はつきまとうものだと思う」と胸中を明かした。
その恐怖を毎試合乗り越えて、井上は10年間にわたって頂点に立ち続けてきた。のみならず、1月29日のWOWOW番組収録では「来年再来年、もっと強い姿をお見せしたい」と、飽くなき向上心を見せていた。一つの敗戦の重みは、井上自身がよく理解しているのだろう。(デイリースポーツ・ボクシング担当・藤澤浩之)
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりとなるボクシングの東京ドーム興行が行われた。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
操り人形の糸が切れるように、ネリがロープに絡みつきながら倒れ込んだ。6回に強烈な右を受け、3度目のダウン。座りこんだままマウスピースを口から吐き出し、完全に戦意を喪失した。顔は赤く腫れ上がり、目はふさがった。試合後は大事を取ってインタビューを行わず、病院に直行した。
山中慎介との2度の対戦でドーピング陽性疑惑、体重超過と問題を重ねた“悪童”。今回も一挙手一投足に注目が集まったが、不祥事は一切なかった。計量は500グラムアンダーでパス。さらに5〜6度のドーピング検査も実施し、ファイターとして試合までの準備は怠らなかった。
“怪物”の相手は強者でないと務まらない。1回に左フックで尚弥から奪ったプロ初ダウンは会場を震え上がらせ、実力を証明した。入場時に起こった大ブーイングは、退場時には拍手に変わっていた。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が同級3位の桑原拓(大橋)を3−0の判定で破り、初防衛に成功した。
2021年7月の日本フライ級タイトルマッチでKO勝ちして以来、2年10カ月ぶりの再戦。阿久井が、友人でもある桑原を寄せつけずに3−0の判定勝ちで初防衛に成功し「きょうは僕の日でした」と勝ち誇った。
開始早々、友の成長に危機感を感じ、スイッチが入った。手数で勝負するスタイルの桑原の左フックに、以前はなかった力強さを感じ「効かされましたね」。2回以降は前に出て圧力をかける攻めのボクシングに徹すると、タイミングの良いジャブやガードの隙を突くボディーに、挑戦者は反応できなくなった。
中盤以降は圧倒。最後の12回開始直前には「いよいよ最後だな」と互いに抱き合う場面も。倒しきれなかったことには不満が残ったものの、世界のベルトを初めて守り切り「勝ててホッとしている」と笑顔を見せた。
1月のダラキアン(ウクライナ)戦勝利で、岡山のジムから初の世界王者となった“岡山の星”。今年はもう1試合戦うことに意欲を示すが、激闘続きに「とりあえずここまでスパンが短かったんで休みたい」と正直に笑った。
◆ユーリ阿久井政悟(ゆーり・あくい・せいご)本名・阿久井政悟。1995年9月3日、岡山県倉敷市出身。元プロボクサーの父の影響を受けてボクシングを始め、倉敷翠松高から環太平洋大に進学。倉敷守安ジム入りし、14年4月プロデビュー。15年12月にライトフライ級で全日本新人王に輝いた。19年10月に日本フライ級王座決定戦を制し、23年1月に同王座を返上。24年1月にWBA世界フライ級王者となった。リングネームの「ユーリ」は1990年代に活躍した元世界王者、勇利アルバチャコフから。家族は夫人と2女。163センチ、右ボクサーファイター。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
1回から戦慄(せんりつ)が待っていた。尚弥はもつれたところから左アッパーをヒットさせたが、打ち終わりにネリの左フックを被弾し、回転して腹からダウンした。初めて倒され、思わず苦い笑みがもれた。
試合後「1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか?」とちゃめっ気を見せたが、実際は「必死だった」。普段のイメージトレーニングの成果で「落ち着いて対処できた」といい、ダウンに「燃え上がるところもあるので、非常にハイテンションで試合をしていた」と、ギアを上げていった。
2回には左フックをかわすと、左フックでお返しのダウンを奪取。4回に入ると、ネリの動きを見切ったようなムーブを見せるようになった。
5回にはロープに詰められての接近戦で左フックを打ち抜き、2度目のダウンを奪取。6回に入ると打ち合いから右ストレートで吹き飛ばし、下半身から崩れたネリは立てなかった。“日本国民の敵”を鮮やかに逆転TKOした尚弥に、4万3000人の大観衆は総立ちで拍手喝采だ。
入場から度肝を抜いた。日本を代表するギタリストの布袋寅泰が、入場ゲートで代表曲「バトル・ウィズアウト・オナー」をかき鳴らし、ホワイトタイガーの新コスチュームに身を包んだ尚弥が大歓声の中、姿を見せた。チームが掲げる4本のベルトを背に場内を見渡し、口を引き結んでリングイン。長い花道の東京ドームならではの豪華な演出だった。
尚弥は日本ボクシング史上最大の興行に「すごいプレッシャーがあった」と告白し、大観衆の応援に感謝。「倒した瞬間はいつになく最高の気持ち」とフィニッシュを振り返った。ボクシング34年ぶりの東京ドーム興行を名勝負で締めくくり「本当に満足する試合だったと思う」と自負したが、王者に休息はない。
IBF・WBO1位のグッドマンがリングインし、尚弥は「次戦、9月ごろ、サム・グッドマンと防衛戦をしたい、これから交渉をしていきたい」と“1位指名”。18戦全勝(8KO)の戦績を誇るグッドマンも「絶対にやりましょう」と応じ、無敗対決が決定的になった。
◆ネリ−山中慎介のVTR ネリが山中のWBC世界バンタム級王座に挑戦したのは2017年8月15日。4回2分29秒、TKO勝ちで王座を奪取した。その後WBCは8月23日、ネリが試合前のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したと公式サイトで発表。10月31日、ネリ側に意図的摂取の証拠がないとして王座保持を認め、山中と即時再戦を交渉するよう命じる裁定を下した。再戦は18年3月1日に行われたが、ネリは最終的に1・3キロ超過で失格し王座をはく奪された。山中が勝てば王者、負けか引き分けなら王座は空位の条件下、山中は2回TKO負けで引退を表明した。
◇井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年4月10日、神奈川県座間市出身。相模原青陵高時代にアマチュア7冠、12年10月にプロデビュー。14年4月にWBC世界ライトフライ級王座、同年12月にWBO世界スーパーフライ級王座、18年5月にWBA世界バンタム級王座を奪取し3階級制覇した。19年5月にはWBAに続きIBF王座を奪取し2団体統一を果たした。22年6月には日本人初の3団体王座統一。12月にバトラー(英国)に勝利し、アジア勢とバンタム級では初の4団体統一を果たした。165センチ。右ボクサーファイター。既婚。3児の父。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
スーパーバンタム級4団体タイトルマッチでの大一番を制した統一王者の井上尚弥(31)=大橋=は、鮮やかなTKO勝利に高揚感を漂わせた。
2024年05月07日 05:00
厳しい現実が突きつけられた。日本プロレスリング連盟発足記念大会「ALL TOGETHER(AT)」(6日、東京・日本武道館)で新日本プロレスの内藤哲也(41)は、ノアのジェイク・リー(35)に6人タッグ戦で敗れた。その悔しさに拍車をかけたのが、会場の空席が目立ったことだ。観客動員数が4583人(主催者発表)にとどまった事実を受け止めつつ、ATの今後についても緊急提言した。
昨年6月の両国大会以来となる第4回大会で、内藤はジェイクのFBS(串刺しフロントハイキック)で3カウントを奪われた。屈辱の敗戦と同等に悔しさをあらわにしたのが、興行としても大きな成功を収められなかったことだ。
今大会には新日本、ノア、DDT、ドラゴンゲート、大日本プロレス、スターダムの6団体が参加。しかし観客動員は同会場で2011年8月に行われた第1回大会の1万7000人と比べ、3分の1以下となってしまった。
大会後に取材に応じた内藤は「負けた俺が偉そうなことは言えませんが」と前置きしつつ、こう続けた。「確かに日程だったり、原因を探せばいろいろ出てくるのかもしれない。でも、そもそもこれだけの数の団体が一つのリングに集まるだけで、超満員にするくらいの期待感を集めないといけないですよね。単純に集客に関しては悪いのは俺らレスラーであって、やはり悔しいですよ」
ましてやこの日は、ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)がルイス・ネリ(メキシコ)に6ラウンドTKO勝利し、東京ドームに4万3000人を動員した。内藤は「何ならほぼ一人で4万人以上集めてるわけですから。ジェイク・リーに負けたことも悔しいですけど、井上尚弥選手一人にプロレス界が負けたのかなと考えると…。その点は選手一人ひとりが今日という日を悔しいと思わないといけないと思いますよ」と完敗を認めた。
一方で問題点もある。すでに6月15日に札幌大会が決定済みのATは、この1年で3回という乱発傾向にある。「このペースではどうしても新鮮味は薄れますし、期待感も集めにくいですよね」と分析。能登半島復興支援チャリティーという目的であれば違ったアプローチがあってもいいと持論を展開し、高橋ヒロムが提案した被災地での無料興行開催を強く支持した。
内藤の印象に強く残っているのは13年7月に岩手・宮古魚菜市場で新日本が開催した東日本大震災復興支援チャリティープロレスだ。多くの被災者と直接触れ合い、プロレスの魅力を再確認した。「大会場を札止めにして義援金が送れたら、それは素晴らしいと思いますよ。でもプロレスの一番の力って心に響かせる、訴えかけるものだと俺は思っていて。札幌大会の後でもいいですし、何ならATじゃなくてもいいですよ。現地で被災者の方々にプロレスを通じて『俺も頑張ろう』というエネルギーを送ることも大事なことだと思いますね」
新世代の台頭で希望も見えた反面、課題も見えた今回のAT。プロレスの力が、今まさに試されているのかもしれない。
2024年05月06日 23:35
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、WBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=は、王者・井上尚弥(31)=大橋=に6回1分22秒TKOで敗れた。キャリア通算2敗目を喫した。ネリの通算成績は36戦35勝(27KO)2敗となった。
試合後は病院に直行し、予定されていた会見は中止となったが、インスタグラムのストーリーズを更新。「良い時も悪い時も」と切り出し、「皆さんの応援に感謝します。俺は大丈夫。できる限りのことをした」と伝えた。
絶対王者を相手に敵地をどよめかせた。衝撃のシーンは1回終盤。ネリが接近戦から左フックを井上に浴びせ、プロ初ダウンを奪った。しかし、その後は井上の猛攻の前に徐々に失速。2回にダウンを奪い返されると、5回にロープ際の攻防で井上の左フックを浴びて2度目のダウンを喫した。
さらにロープ際に追い詰められ、右ストレート浴びて3度目のダウン。戦意喪失し、TKO負けが宣告された。
その後はなかなか立ち上がれず、呆然。ただ、勝利者インタビューで、尚弥から感謝を示されると、晴れやかな表情を浮かべながらうなずき、握手を交わした。退場の花道では観客と握手する姿もあった。“悪童”と呼ばれた男が、最後は爽やかに姿を消した。
2024年05月06日 22:46
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、王者・井上尚弥(31)=大橋=がWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=を6回1分22秒TKOで下し、防衛に成功した。
ネットでは井上戦に関連し、「ロバート山本」がトレンド入り。リング上に上がり、勝利をおさめて退場する井上の後ろを歩くお笑いトリオ「ロバート」の山本博に注目が集まった。
山本はプロボクサーのライセンスを取ったことで知られ、実際に試合も経験。24年にはJBCのインスペクター(試合進行)のライセンスも取得するほどの本気度で、この日は真剣なまなざしで井上の試合をサポートした。
ネットでは「ロバート山本が気になってしょうがないw」、「ロバート山本なじみすぎw」、「試合に集中できないw」、「似てる人が映ってると思ったら本人」などの声が寄せられた。