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2024年04月27日 07:08
プロレスリング・ノアは27日までに5・4両国国技館大会で清宮海斗がGHCヘビー級王者のイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.へ挑むことを発表した。 清宮は22日の新宿FACE大会でジェイク・リーとの挑戦者決定戦に勝利した。試合後のバックステージで「あきらめなければ明るい未来は見えてくるんじゃないですか。次は両国。ワグナー、あなたはめんどくさくない。めんどくさい相手を片付けて、やっとたどり着いたGHC戦だよ。両国で俺がベルト巻いてやる」と王座奪還を宣言した。 ◆5・4両国大会対戦決定カード ▼GHCヘビー級選手権 王者・イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. VS 挑戦者・清宮海斗 ▼GHCタッグ選手権 王者組・ジャック・モリス アンソニー・グリーン VS 挑戦者組・オープンチャレンジ ▼GHCジュニアヘビー級タッグ選手権 サバイバル3WAYマッチ 王者組・YO―HEY、タダスケ VS 挑戦者組・近藤修司、X VS 挑戦者組・ドラゴン・ベイン、アルファ・ウルフ ▼GHCハードコア選手権 王者・ニンジャ・マック VS 挑戦者・石川修司 ▼GHCジュニアヘビー級選手権 王者・ダガ VS 挑戦者・アレハンドロ ▼超女両国列伝 ジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣 VS 野崎渚、愚零闘咲夜、高瀬みゆき、彩羽匠
2024年05月07日 15:36
新日本プロレス11日(日本時間12日)の米国・カリフォルニア大会の全対戦カードが発表された。
大会のメインでは海野翔太がIWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリー(38=AEW)に挑戦する。海野の挑戦はすでに発表済みだったが、モクスリーが4日福岡大会で成田蓮の挑戦を退けV2に成功したことで、師弟対決が正式決定。キャリア初のIWGP挑戦となる海野は、米AEWに流出中の団体最高峰王座を奪回できるか注目が集まる。
さらにNEVER無差別級王者の鷹木信悟には、上村優也が挑戦する。上村は「NEW JAPAN CUP」1回戦で鷹木に敗れており、今回が雪辱戦。KOPW保持者としても負けられない戦いとなる。
また棚橋弘至とザック・セイバーJr.のスペシャルシングルマッチ、内藤哲也&辻陽太VSデビッド・フィンレー&KENTAのタッグマッチも決定。NJPW WORLD認定TV王者のジェフ・コブはランス・アーチャー(AEW)との初防衛戦に臨むことも合わせて発表された。
2024年05月07日 15:26
衝撃の逆転TKOから一夜明け会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が7日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は34年ぶりの東京Dボクシング興行で指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ち。4万3000人の観衆を熱狂させた。ダウンを3度奪い返して逆転勝ちしたが、初回に試合では人生初ダウン。井上は笑いながら「ダウンシーンを切り取ってXで上げるのはやめてほしい」とファンに“お願い”をしていた。
井上は珍しく少しアザのできた顔で会見した。「昨日、無事にドーム決戦が終了し、映像も見直した。初回のダウンを含め、6回をしっかり見ました。内容的にも満足。凄くいい試合でした。陣営の方々は凄くヒヤヒヤしたと思うけど、ああいう試合は4万人のお客様全てが満足していただいたと思う。自分自身歴史に残るいい日になりました」と話した。
この日は前座のWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦で、弟で王者の拓真が同級1位の指名挑戦者・石田匠(井岡)に3-0で判定勝ち。拓真も初回にダウンを喫しながらも2度目の防衛に成功した。
会見で尚弥は、拓真のダウン時について「バンテージ巻きながら何やってんだよって」と状況を説明。父でトレーナーの真吾氏は「俺なんてビックリだよ」と、息子2人が初回ダウンを喫する展開に驚きを口にした。同じく会見した拓真も「ナオの初ダウンは心臓が止まるかと。お兄ちゃんのダウンは見たくない」と話した。
試合では初のダウンを喫した尚弥からは異例の“お願い”も。「ダウンシーンを切り取ってXで上げるのはやめてほしい(笑)。X開くたびに出てくる」と、SNSで自身がキャンバスに倒れる場面が拡散されていることについて語った。
前夜は初回に井上が左アッパーを放った後、ネリの左フックが井上の顎に着弾。試合ではまさかの人生初ダウンを奪われた。再開後はロープに詰められたが、2回に左フックでダウンを奪い返し、5回にもロープ際から左フックで2度目のダウン奪取。6回、右アッパーからの右フックで3度目のダウンを奪い、見事な逆転TKO勝ちを収めた。ドーピング騒動と体重超過で過去に日本と因縁のあったネリを退けた。
東京Dのボクシング興行は、1990年マイク・タイソン―ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶり。井上は日本人で初めてメインイベントを務めた。試合後のリングでは、18勝(8KO)の26歳、WBO&IBF世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)と交渉すると明言。9月頃の対戦を希望していた。
(THE ANSWER編集部)
2024年05月07日 14:02
ノアは7日までに6月16日横浜大会で新日本プロレスのゲイブ・キッド(27)がGHCヘビー級王者の清宮海斗(27)に挑戦することを発表した。
事件が起きたのは6日の日本プロレスリング連盟発足記念大会「ALL TOGETHER」(日本武道館)だった。メインの6人タッグ戦で勝利を収めた清宮がマイクで大会を締めくくり、出場選手による記念撮影が終了した直後にゲイブが襲撃。レッグトラップ・パイルドライバーで清宮をKOしたゲイブはGHCのベルトを奪い取り挑戦をアピールした。同大会は能登半島復興支援チャリティー大会だったのだが、まさかのバッドエンドとなった…。
ゲイブと清宮は昨年の新日本「G1クライマックス」公式戦で両者リングアウトによる引き分けに終わっている。清宮も「やりてえんだったらノアに来てみろよ!」と自団体への出頭を条件に挑戦を受諾。団体の迅速な判断により、襲撃当日の夜には横浜大会での初防衛戦が正式に決定した。
また22日後楽園大会には新日本の内藤哲也、鷹木信悟、石井智宏の3選手の参戦が決定。内藤、鷹木組はジェイク・リー、タダスケ組とタッグ戦、石井智宏はマサ北宮とシングル戦でそれぞれ激突する。
2024年05月07日 12:47
「プロレス・東京女子」(6日・後楽園ホール)
「YES! WONDERLAND ’24」のメインイベントで、第14代プリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩が、元王者で誰よりも尊敬する先輩・中島翔子の挑戦を退けて初防衛に成功した。
2024年05月07日 12:20
34年ぶりに東京ドームで行われた6日のボクシング興行で4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチで王者井上尚弥に6回TKOで敗れた挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=が一夜明けた7日、自身のXを更新。階級変更を示唆した。
「アディオス(さようなら)122」と綴り、122ポンドのスーパーバンタムからの撤退を予告し、「126」に拳を合わせる絵文字とメキシコ国旗を並べた。126ポンドのフェザー級にはWBCのバルガス、IBFのロペス、WBOのエスピノサと3人のメキシコ人ボクサーが王座についており、対戦への意欲を示したとみられる。フェザー級の王座を獲得すれば、3階級制覇となる。
ネリは前日の試合後は病院に直行し、予定されていた会見は中止となったが、インスタグラムのストーリーズを更新。「良い時も悪い時も」と切り出し、「皆さんの応援に感謝します。俺は大丈夫。できる限りのことをした」と伝えた。
絶対王者を相手に敵地をどよめかせた。衝撃のシーンは1回終盤。ネリが接近戦から左フックを井上に浴びせ、プロ初ダウンを奪った。しかし、その後は井上の猛攻の前に徐々に失速。2回にダウンを奪い返されると、5回にロープ際の攻防で井上の左フックを浴びて2度目のダウンを喫した。
さらに6回にロープ際に追い詰められ、右ストレート浴びて3度目のダウン。戦意喪失し、TKO負けが宣告された。
2024年05月07日 08:13
4回の攻防で起きたまさかの場面
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。過去にドーピング騒動や体重超過を起こし、日本と因縁深い悪童を成敗した。初回にまさかのプロ初ダウンを喫してからの完勝劇だったが、試合中にはネリに対して挑発に打って出るシーンで沸かせた。
初回、左フックを顎に食らい、まさかのプロ初ダウンを喫した井上。直後はロープに詰められたものの、すぐに冷静さを取り戻した。2回はネリの打ち終わりに狙いすました左フックでダウンを奪い返し、挑戦者を見下ろした。リズムを失ったネリは頭をつけ、井上の攻撃を封じようとした。4回、井上はガードを下ろしたと思いきや、フェイントでパンチを見舞う。さらに自らの顔を指さし、「打ってこいよ」と言わんばかりのジェスチャーでネリを挑発。不敵にニヤリと笑った。
米スポーツ専門局「ESPN」のストリーミングチャンネルで実況を務めたジョー・テシトーレ氏は「見てください! 派手に見せびらかして誘い込んでから強打を打ち込みました!」と驚きの声を上げ、解説の元世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏も「Hahahaha!」と思わず爆笑したほど。
ブラッドリー氏はさらに「イノウエと対戦したら、彼のスピード、パワー、正確さを相手にするのだからディフェンスがばっちりじゃないといけない。ネリはパンチに耐えているけど、これがいつまで続けられるかな。それが問題だ」と語っていたが、井上は5回終盤に左フックで2度目のダウンを奪取。6回には連打で3度目のダウンを奪い、レフェリーストップ。終わってみれば、4万人の観衆の前でモンスターの強さが際立つ完勝劇だった。
(THE ANSWER編集部)
2024年05月07日 07:00
「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回1分22秒TKOで下し、ベルト4本の防衛に成功した。WBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3−0で判定勝ちし新王者に。WBAバンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。歴史的な34年ぶりの東京ドーム興行を3階級制覇の元世界王者・長谷川穂積氏が、戦いを分析した。
◇ ◇
井上尚弥選手が、いきなり1回にネリの左フックをもらってダウンを喫したのはビックリした。ただ、普通はすぐに立ち上がったりするものだが、冷静にカウント8まで聞いていた。こんなピンチもあると想定して、しっかりシミュレーションをしていたのだろう。
落ち着きを取り戻した2回以降は回を重ねるごとにペースをつかみ、5回のダウンはショートの左フックを短くきっちり当ててみせた。これでネリは、かなりのダメージがたまった。最後のダウンも右アッパーから右ストレートのコンビネーション。東京ドームという大舞台で存分に魅せて勝ち切る。ネリとの力の差を見せつけたし、周囲の期待を上回る尚弥選手ならではの勝ち方だった。
武居由樹選手は2回にローブローで減点されたが、その後もひるまずに左ボディーを打ち続けて、メンタルの強さを発揮した。さらにモロニーがサウスポーが得意ではなく、優位に運ぶことができた。ただ、最終12回に急速にスタミナ切れしたのは今後の課題として残った。
井上拓真選手は前回の試合でKO勝ちしたことで、かなり自信をつけたようだ。こちらも1回にダウンに喫しながら、焦らず石田選手の後ろ重心のディフェンスの弱点をついて大差の判定勝ちにつなげた。武居選手が王者になったことで、バンタム級は4団体が全て日本選手が王者。すごい時代になった。これから本当に面白くなりそうだ。(デイリースポーツ評論家)
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われ、王者・井上尚弥(31)=大橋=がWBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(29)=メキシコ=を6回1分22秒TKOで下し、防衛に成功した。
2024年05月07日 06:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
元K−1王者で、同級5位の武居由樹(27)=大橋=が、王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=に判定3−0で勝利し、世界初挑戦で王座を獲得した。通算成績は9戦9勝8KOとし、史上6位タイのスピードでの世界ベルト獲得となった。また、日本ジム所属の選手としては記念すべき100人目の世界王者誕生となった。
1回は序盤互いに探りながらの展開。中盤からは武居が距離を詰めて左ボディーを打ち込み、主導権を握り続けた。終盤に入ると、モロニーも反撃したが、武居もしっかり打ち返した。最終12回にモロニーが最後の猛攻に出て武居が棒立ちになる場面もあったが、何とかしのぎきった。
大橋会長は「武居は厳しい王者に勝った」とねぎらった後、「(大会までは報道陣に)内緒にしていたが、試合前に(井上)尚弥と武居でスパーリングをやって、こてんぱんにやられてもうダメかと思ったが、でもそのスパーリングが生きて(今日の)最終回12回、尚弥と最後にやったみたいにできたので、あれでチャンピオンになれたと思う」と内幕を告白。防衛に成功した井上拓真とともに3人が王座に就き、「大橋ジムの3人の王者が一致団結した力だと思う」とまな弟子達に目を細めた。
念願の世界タイトルを手にした武居は「とにかく今はホッとした気持ち」と一息つきつつ、「今日の試合内容じゃまだまだ。強くなって戻ってきます、必ず」と誓った。
2024年05月07日 06:00
お騒がせ女子プロレスラーことウナギ・サヤカが、今度は新団体「マリーゴールド」との対抗戦を勝手にぶち上げた。
6日の「エボリューション(エボ女)」(東京・新木場1stRIGN)に電撃登場し、改めて全日本プロレスの諏訪魔が務めるプロデューサー職を奪うと宣言。先日はエボ女の定期参戦を争うオーディションで落選したばかりだが、22日新木場大会でChiChiとの対戦が決定的となった。
そもそもプロデューサーとして、エボ女をどうしたいのか。取材に「エボ女を乗っ取って私がプロデューサーになって、マリゴ(マリーゴールド)と対抗戦をしたいと思います。やっぱね、一番倒すべきところはあそこじゃないですか。マリゴを倒したら、エボ女が一番になったと言っても過言ではない。そこにウナギ・サヤカがいないと」と明かす。
ウナギは20日に後楽園ホールで旗揚げする「マリーゴールド」に強い対抗意識を持つ。だが、同団体はジュリア、林下詩美のツートップをはじめ、13人の所属選手がいる。そこで「周りから『出るの? どうするの?』と言われているけど、私は1人なので団体を持った方がいい」という結論に至ったそうだ。
そのためにも、まずはプロデューサーの座を手にしなければならない。「諏訪魔とプロデュサーチェンジマッチをしたいなと。ChiChi、まずはお前を査定して、諏訪魔を引っ張り出してやるよ」と予告したウナギは本気だ…。
2024年05月07日 06:00
全日本プロレスの史上最年少3冠ヘビー級王者・安齊勇馬(24)が、みそぎの防衛ロードに挑む。
史上最年少優勝&デビュー最短優勝の記録がかかった春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」Bブロックでは開幕から2連勝を決め、中大レスリング部の先輩・諏訪魔からも勝利を奪った。
だが、4勝3敗の勝ち点8で全日程を終了。優勝決定戦(12日、横浜BUNTAI)への切符は、勝ち点10の斉藤ジュンに奪われた。「チャンピオンとして試されていると感じていた。チャンピオンだから負けも許されない。だからといって、勝つだけじゃ王者として認められない。勝ち方にもこだわりましたし、死に物狂いで戦いました」と振り返る祭典は安齊にとって、決して納得のいくものではなかった。
団体最高峰王座を持つ身として、公式戦で本田竜輝、斉藤レイ、鈴木秀樹の3人に敗れるふがいない結果だったからだ。早期の雪辱を狙う安齊は「タッグを組んでいる本田、キャリアの近い斉藤レイ、そして優勝決定戦につながるチャンスがあった中で負けた鈴木秀樹。全員に対して悔しさが残ってますし、下を向いている暇なんてないので、ベルトをかけて今すぐにでも戦いたいです」と拳を握る。
決して楽な防衛ロードではないが、王道マットを混乱に陥れた中嶋勝彦から至宝を取り返した安齊の、新時代を担う覚悟は大きい。「俺が全部受け止めますよ。もう王者として負けることはない。(CC)優勝者と負けた3人をまとめてポンポンポンポンと倒して、このベルトを防衛します」
6日の後楽園大会ではAブロック最終公式戦でデイビーボーイ・スミスJr.を下した宮原健斗の優勝決定戦進出が決定。12日は宮原とジュンが激突する。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=が同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛を果たした。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
格闘技K−1で活躍したWBO世界バンタム級5位の武居由樹(27)=大橋=は王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に3−0で判定勝ちし、新王者となった。日本ボクシングコミッション(JBC)公認で日本のジムに所属する100人目の男子の世界王者。WBAバンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=は同級1位の石田匠(井岡)に3−0の判定勝ちで2度目の防衛。世界主要4団体のバンタム級王座は日本選手が独占した。
歴史をつくった。新王者のコールを聞くと、両手を上げた武居は八重樫トレーナーと抱き合い、そして目に浮かぶ涙を拭った。転向から3年余り。史上初となるK−1王者からのボクシング世界王者が誕生した。
正統派の王者から、トリッキーなスタイルでリズムを奪った。2回にローブローで減点を受けても、左ボディーをしつこく攻撃。右を突いては左の強打を繰り返し、ポイントを重ねた。最終12回にはモロニーのラッシュをまともに受けてダウン寸前。それでもゴングの瞬間まで気力で立ち続け、最後はかすかに笑った。
この日は、小学生の頃から指導を受けてきたキックボクシングジム「パワーオブドリーム」の古川誠一会長の56歳の誕生日。母子家庭で育った自身を自宅に住まわせて導いてくれた同会長に、最高のプレゼントを贈った。勝利者インタビューでは「今日は自分の“オヤジ”の古川誠一の誕生日。いつも洋服をあげても文句を言うんで。今日は文句ありますか?お誕生日おめでとう!」。恩師を前に、笑顔で声を張り上げた。
JBC公認の日本ジム所属男子選手では100人目の世界王者。バンタム級は4人の日本選手が制圧した。「足立区から来た武居が、東京ドームで世界チャンピオンになりました!」。下町から生まれた異色のチャンピオン。客席を埋めたファンから祝福の大歓声と拍手が降り注いだ。
◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京都足立区出身。10歳でキックボクシングを始め、足立東高ではボクシング部主将。2014年、キックボクシングデビュー。17年、Kー1ワールドGPスーパーバンタム級王者に輝いた。21年、プロボクシングデビュー。22年、東洋太平洋スーパーバンタム級王者。23年、バンタム級転向で王座返上。キック戦績23勝(16KO)2敗。サウスポー。身長170センチ。血液型B。
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
モンスターの一撃が、34年ぶりの東京ドーム興行でさく裂した。スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が元世界王者で挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=に6回TKO勝ちし、ベルト4本の防衛に成功。1回にダウンを喫しながらも、6回に仕留めた。井岡一翔(志成)に並ぶ歴代1位の世界戦22勝目。次戦として9月頃に、WBO、IBF同級1位サム・グッドマン(25)=オーストラリア=と対戦するプランを明らかにした。
◇ ◇
東京ドームのメインイベントで防衛戦を行った全勝の統一王者、といえば、これまではマイク・タイソン(米国)だった。それまで37戦全勝(33KO)と圧倒的な強さを誇ったWBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級王者の鉄人だったが、1990年2月11日の東京ドームでジェームズ・ダグラス(米国)にKOされ、初黒星を喫した。
井上尚弥は3月6日の記者会見でそのことについて質問され「毎度そんな予想を立てられながら試合をしているので、会場は関係なく、いつも通りの試合に臨みます」と受け流した。なお、タイソンも東京ドーム初戦の88年3月21日、トニー・タッブス戦では2回TKO勝ちしている。
今回のあおり番組では「負ければ無敗の価値が一瞬にして崩れ落ちますからね。試合が決まってからずっと、そこの恐怖はつきまとうものだと思う」と胸中を明かした。
その恐怖を毎試合乗り越えて、井上は10年間にわたって頂点に立ち続けてきた。のみならず、1月29日のWOWOW番組収録では「来年再来年、もっと強い姿をお見せしたい」と、飽くなき向上心を見せていた。一つの敗戦の重みは、井上自身がよく理解しているのだろう。(デイリースポーツ・ボクシング担当・藤澤浩之)
2024年05月07日 05:00
「ボクシング・四大世界タイトルマッチ」(6日、東京ドーム)
34年ぶりとなるボクシングの東京ドーム興行が行われた。4団体統一スーパーバンタム級世界王者の井上尚弥を擁し、所属する4選手で国内初の4大世界戦をプロモートする大橋ジムの大橋秀行会長(59)に、今回のドーム興行にかける思いを聞いた。
◇ ◇
1988、90年の東京ドームがマイク・タイソンありきだったように、2024年の東京ドームは井上尚弥なしでは考えられなかっただろう。大橋秀行会長は「井上尚弥という夢の超特急に乗っている気分ですよ。連れてきてもらいましたよ」と率直に述べる。
尚弥との関係には運命を感じている。大橋のラストマッチは93年2月10日だが、2カ月後の93年4月10日に尚弥が生まれたこと、大橋が達成できなかった高校1年生でのインターハイ優勝、全日本優勝、当時のプロ最短記録だった7戦目での世界奪取(尚弥は6戦目)、3階級制覇(尚弥は4階級)といった目標を「ことごとくかなえて」くれたこと、そして東京ドーム。「本当にすごく縁を感じます」と言う。
井上尚弥のすごさは「試合内容、強さだけで」東京ドーム興行を実現させるまでに、ファンのみならず一般層をも引きつけてきたことだろう。
大橋自身は、観客に見てもらうための仕掛けやパフォーマンスには肯定的だ。その上で「ただ、井上尚弥に関しては試合内容、強さだけでいけると思っていたので。それをブレなくやってきたんで、結果、大きな人気になり、東京ドームでできるようになったと思いますね」と言う。
当初、観客動員は「実力だけじゃ苦戦して」いたが、18年から「一気に」増えた。尚弥はこの年、3階級制覇を達成し、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で1回KO勝ち。「あれから常に超満員」で、東京ドーム興行は「バンタム級で4団体統一したぐらい(22年12月13日)からはいつでもできると思っていました」と明かす。具体化したのは「去年の5月くらい」だった。
大橋ジムは今年で30周年。大橋は「30年前の自分に言いたい、30年後に東京ドームでやっているぞって。たぶん信じないだろうな。30年前にジムを始めた時って、初めて興行をやって、4回戦で5人続けて負けたんですよ。そこからスタートだったんで」と感慨を込めた。
東京ドーム興行の継続について「その可能性も高い」と話す。そのためには直近なら井上尚弥の存在、将来的には「井上尚弥に続くようなスター」の存在が不可欠だ。大橋は「この東京ドームから、また大橋ジムの始まりなんで。どんどん若手も、アマチュア選手も入ってきている。だから、またスタートラインに立てたっていう感じですかね」と常に未来を見据えている。