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2024年06月15日 20:15
2024年1月にベトナム1部のハノイFCの指揮官に就任し、結果を残している岩政大樹監督。彼はどんな想いで異国の地での挑戦を続けているのか。特別インタビューの最終回をお届けする。 ――◆――◆―― ――岩政監督はプロの指揮官として、まだキャリアは短いと思いますが、ベトナムで経験値を積み重ねられているということですね。 「やっぱり経験しないと分からないことってたくさんある。そのひとつは、どのくらいで自分のチームができていくのかという感覚。特に攻撃面は、自分がどのくらいの期間で何を植え付けられるのか、正直、未知数でした。今思えば、そこは鹿島の監督に就任した時も(2022年8月から23年12月まで指揮)、自分自身、不安に感じていたのだろうなと。だから、実質監督1年目だった昨季(鹿島時代)は、守備からチーム作りを始めて、まずしっかりゼロで抑えることを念頭に、勝点を拾いながら攻撃を修正していった。 そのうえで自分が2年、3年と受け持つことになれば、チームを固めていったのだろうなと。それは僕の中で時間的猶予を設けるためだったんですが、結局、自分の中の不安だったり、経験値のなさが出てしまったんだと思います。 今回は逆に、最初から攻撃、それもフィニッシュの形から逆算したチーム作りに取り組んでいて、守備は前ほどはやらずに進めてみました。結果として、このくらいの期間でこうなるんだなというのは、僕の中で掴めた。すごく面白い5か月になりました」 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開! ――では最後に、シーズンは佳境を迎え、ここからラストスパートとなりますが、そこでの目標は? 「ハノイでの半年間の集大成になるので、最高の締めくくりにしたいですね。ただ何よりも、ハノイの選手たちが、新しいサッカーにこれだけ前向きに取り組んでくれたので、実際にタイトルを取る経験をさせてあげたいとの想いが一番です。それが、恐らく、今後のベトナムサッカーを変えるキッカケになると思う。そのために、勝ち切りたい、タイトルを取りたいというのが最大の目標です。 最後のカップ戦の準決勝と決勝は、リーグ戦で僕たちが負けたチームと戦うんです。僕らはこれまで3チームに負けたのですが、その3チームがうちとともにベスト4に残っている。これも何かの縁だと感じるので、リベンジを果たして、優勝したい。 その3チームは、まさにベトナムサッカーらしいチームで、タレントも揃っているので、紙一重の試合になるはずです。ただ、僕らの異なるサッカーでタイトルを取る姿をベトナム中に見せたいですね」 ※このシリーズ了 取材・文●平 龍生(サッカーダイジェスト編集部)
2024年06月25日 14:57
マンチェスター・ユナイテッドが、ボローニャに所属するオランダ代表FWジョシュア・ザークツィーの獲得に近付いている模様だ。24日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。
現在23歳のザークツィーは、2018年にフェイエノールトのユースチームからバイエルンの下部組織に入団。2019年12月にトップチームデビューを飾った。その後はパルマとアンデルレヒトへのローン移籍を経て、2022年8月にボローニャへと完全移籍で加入。加入2年目となる2023−24シーズンは公式戦37試合に出場して12ゴール6アシストをマークし、クラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に大きく貢献した。
これまでは同じセリエAのミランに加入する可能性が囁かれていたザークツィーだったが、最近ではミランが4,000万ユーロ(約68億5,000万円)の契約解除金を支出することができずに交渉が停滞しているという報道が各メディアで報じられていた。
『スカイスポーツ』によると、マンチェスター・Uはこの契約解除金を支払うことが可能であり、移籍が実現するかどうかはザークツィー本人と代理人の意思次第だという。さらに、アーセナルも獲得に関心を示しているとみられており、資金力のあるプレミアリーグのクラブがザークツィーに接近している模様だ。
2024年06月25日 14:22
ハンガリーサッカー連盟(MLSZ)は24日、頬骨骨折および脳震盪を起こしたハンガリー代表FWヴァルガ・バルナバーシュの手術が無事成功したことを公式サイト上で報告した。
ヴァルガは、UEFA EURO 2024グループステージ第3節のスコットランド代表戦に先発出場したものの、後半中盤にMFドミニク・ソボスライのFKに飛び込んだ際にスコットランド代表GKアンガス・ガンと激しく交錯。顔面を強打し、ピッチに倒れ込んだ。チームスタッフが布を広げてヴァルガを取り囲んで目隠しをした状態で治療が行われ、約7分間の中断後に同選手はストレッチャーに乗せられピッチを後に。その際も布で目隠しされた状態が続き、容態が心配されていた。
試合後にシュツットガルトの病院に入院したヴァルガは、頬骨骨折および脳震盪と診断。MLSZの公式サイトによると、24日午後に実施された手術は無事成功した模様だ。さらに、同サイトは「顔面の損傷を専門とする施設の医師によれば、手術はそれほど複雑ではなく、26日には退院できる可能性がある」と伝えている。
試合後、ハンガリー代表のマルコ・ロッシ監督は「仮にベスト8まで勝ち進んだとしても、今大会中にヴァルガが復帰することはないだろう」とコメントしている。また、キャプテンを務めるソボスライは、ヴァルガが倒れ込んだ際にメディカルチームの到着より前に現場をシーツで覆うことが優先された点について「皆が数秒を節約することで命を救えることを願っている」と、対応に苦言を呈している。
2024年06月25日 14:18
サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2024)は24日、グループリーグの試合が行われ、グループBのクロアチアはイタリアと1-1で引き分けた。クロアチアのルカ・モドリッチ(Luka Modric)は、終了間際に許した同点弾で敗退の瀬戸際に追い込まれたのは「残酷」な形だったと述べた。
モドリッチは55分に先制点を挙げて大会史上最年長のゴールスコアラーとなり、チームも主要国際大会で5大会連続となる決勝トーナメント進出へ前進していた。
しかし、イタリアは試合終了間際の後半アディショナルタイム8分にマッティア・ザッカーニ(Mattia Zaccagni)が同点ゴールを決め、試合を引き分けに持ち込んで16強入りを決めた。クロアチアはこの組で、首位スペイン、2位イタリアに次ぐ3位に終わった。
モドリッチは「最後まで戦い続けたが、残念なことに今夜のサッカーは僕らに容赦しなかった。残酷だったが、それもサッカーの一部だ」とコメントした。
5度目の欧州選手権出場を果たし、W杯(World Cup)も4大会でプレーしているモドリッチ。所属するスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)では欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2023-24)を制覇するなど高いレベルのパフォーマンスを続けており、まだ引退するつもりはないという。
「ずっとプレーし続けたいが、おそらく引退しなければならないときは来るはずだ。プレーは続けていくつもりだけど、あとどれくらい続くかはわからない」
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2024年06月25日 13:53
鼻骨を骨折したフランス代表FWキリアン・エンバペの復帰タイミングについて、同国代表のディディエ・デシャン監督がコメントした。
2024年06月25日 13:41
J2の横浜FCは6月25日、元日本代表FW三浦知良がJFLのアトレチコ鈴鹿クラブへ期限付き移籍すると発表した。
現在57歳のカズは、2023年2月に横浜FCからポルトガル2部のオリベイレンセに期限付き移籍し、2シーズンにわたりプレー。通算で9試合に出場していた。鈴鹿には22年にも在籍しており、約1年半ぶりの復帰となる。
【画像】“11”のトレーニングウェアで練習するカズ
今回の移籍にあたり、カズは横浜FCの公式サイトで次のようにコメント。
「横浜FCファン・サポーターの皆さんこんにちは。三浦知良です。この度、JFL所属のアトレチコ鈴鹿クラブに期限付き移籍することを決めました。昨シーズンはポルトガルでプレーし、悔しい思いもありながらも毎日刺激のある日々を送ることができました。新天地でも走り続け、ゴールを決めたいです。横浜FCのこれからの幸運とJ1復帰を願っています。Boa Sorte」
なお、期限付き移籍期間は2025年1月31日までとなる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年06月25日 13:37
ブラジル代表は25日に行われたコスタリカとのコパ・アメリカ初戦を0-0のスコアレスドローで引き分けた。
怪我で今大会を欠場することになったネイマールは、友人であるNBAのスター選手ジミー・バトラーらとともにスタンドで試合を観戦した。
そのネイマールは試合が行われたロサンゼルスのSoFiスタジアムに車で向かう際、露天商からブラジル代表のユニフォームを購入していた。 Neymar stopped at a traffic light & bought a Brazil jerseys from vendors 🤣🇧🇷
When they noticed it was him 😭
pic.twitter.com/XvmlKJtPjv
— Ginga Bonito 🇧🇷 (@GingaBonitoHub) June 25, 2024
サイズは?を聞かれたネイマールはLと返答。車までユニフォームを持ってきた露天商は、相手が世界的スターだと気付くと思わず驚いていた。
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ネイマールは、「もう一着!速くしてね」と頼んでいたが、写真攻めにあっていたようだ。
2024年06月25日 13:32
元日本代表MFの前園真聖氏が、フジテレビ系列で放送されたバラエティ番組「なりゆき街道旅」で、中田英寿氏との出会いについて語った。
中田氏とは「サッカー選手で一番仲が良い」という前園氏は、2人で食事やゴルフに行く間柄だと明かす。初めて関わったのは、世代別代表の合宿だった。
「代表で初めて一緒になった時、彼は19歳。だいたい同じようなポジションとルームメイトになるんですけど、たまたま中田ヒデが入ってきて、僕と同じ部屋になって」
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年齢では前園氏が4つ上だが、事前の承諾はなしでいきなり「呼び捨てでしたから、初対面から。ゾノって」と振り返り、中田氏のこだわりも回想する。
「洋服も僕はスーツケースから出して着ていたんですけど、それも、彼はホテルのクローゼットに全部入れて並べているんですよ。几帳面だなと思って、次の日に見たら俺のも並べてありました。『ここからとった方が楽でしょ、見やすいでしょ』って」
日本サッカー史に名を残した中田氏は、10代の頃から確固たる自分を持っていたようだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年06月25日 13:28
日本代表の切り札、三苫薫を擁するブライトンは近年、目覚ましい躍進を遂げた注目クラブの一つだ。
2024年06月25日 13:15
ブラジル代表は25日に行われたコスタリカとのコパ・アメリカ初戦を0-0のスコアレスドローで引き分けた。
4-2-3-1システムだったブラジルのスタメンはこちら。
GK:アリソン(リヴァプール)
DF
ダニーロ(ユヴェントス)
エデル・ミリトン(レアル・マドリー)
マルキーニョス(PSG)
ギリェルミ・アラナ(アトレチコ・ミネイロ)
MF
ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)
ジョアン・ゴメス(ウォルヴァーハンプトン)
ラフィーニャ(バルセロナ)
ルーカス・パケタ(ウェストハム)
ロドリゴ(レアル・マドリー)
FW
ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)
右にラフィーニャ、左にロドリゴ、トップ下にパケタという形。
ブラジルはポゼッション73.6%、シュート19本と押し込んだものの、最後までゴールを奪えず(枠内シュートは3本)。
北中米のチームが主要大会でブラジル相手に無失点を達成するのは、2001年のコパ・アメリカでのホンジュラス以来だとか。
『Globo』は、「マルキーニョスの得点はオフサイドで取り消し。ブラジルはスペースを見つけられず。コスタリカ守備陣は8人がペナルティエリア内で守りを固めていた。ブラジルはボールを保持したものの、決定機にはつながらず。コスタリカは出来るだけ多くの選手をペナルティエリア付近に配置して守るという明確な戦略があった」と伝えていた。
なお、怪我で欠場のネイマールはスタンドから試合を観戦。
後半26分にヴィニシウスに代えて、17歳のエンドリッキが投入された際には「(下げるのは)ヴィニなの?」と交代策に納得がいっていない様子だったそう。
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ブラジルは第2節でパラグアイと対戦する。
2024年06月25日 13:14
スタッド・ランスは24日、『株式会社ヤスダグループ(以下:ヤスダグループ)』がメインスポンサーに就任したことを発表した。契約期間は2027年夏までの3年間となる。
今回の発表によると、スタッド・ランスがヤスダグループと3年間のパートナーシップ契約を締結したとのことだ。2024−25シーズンから、メインスポンサーとしてユニフォームの前面に会社名が記載される他、「ヤスダグループは、ユニフォームにおける存在感や多くの付加的な知名度に加え、地域におけるスタッド・ランスの存在感と知名度を強化するために、そのノウハウとネットワークを提供していく」と明らかにしている。
スタッド・ランスのジェネラルマネージャーを務めるマチュー・ラクール氏は、ヤスダグループとのパートナーシップ契約締結に伴い、クラブ公式サイトにて「この戦略的パートナーシップは、フランス、ヨーロッパという枠組みを超えてクラブの魅力と評価が高まっていることを示すもの。ヤスダグループの協力のもと、国際的な知名度の向上や、両国の文化的・スポーツ的な結びつきを強化することができると確信している」とコメントを残している。
また、ヤスダグループの安田慶祐CEOも「私たちは、スタッド・ランスのメインパートナーになれることを大変光栄に思っています。特にチームに所属する日本人選手の存在に感謝し、将来的にスタッド・ランスと日本の関係をさらに強化するべく、さまざまな取り組みを展開していきます」とコメントとした。
なお、日本代表FW中村敬斗とFW伊東純也を擁するスタッド・ランスは今夏、ジュビロ磐田、清水エスパルス、FC町田ゼルビア、ヴィッセル神戸と対戦する日本ツアーを控えている。
2024年06月25日 13:10
FC大阪は25日、ブラジル人DFジョアン・モウラの加入をクラブ公式サイト上で発表した。
FC大阪のクラブ公式サイトによると、J・モウラの背番号は『98』になる模様。また、同サイトには次のようにJ・モウラのコメントが掲載されている。
「はじめまして、ジョアン モウラです。FC大阪の選手になることができて嬉しいです。J2昇格という目標を達成できるよう全力を尽くします。応援よろしくお願いいたします」
現在26歳のJ・モウラは、2016年に母国ブラジルのクラブであるアトレチコ・ミネイロでトップチームデビューを飾ると、数多くの国内クラブを渡り歩いた。2023年から今年6月まではナッシャー・ライオンズ(マルタ)でプレー。2023−24シーズンは公式戦26試合に出場して3ゴールをマークしていた。
2024年06月25日 12:45
アメリカで開催されているコパ・アメリカ。
2024年06月25日 12:41
「東京五輪に出て、海外へ行って、プレミアリーグに行って、いい時期にワールドカップもあって、自分はすごく運がいいなと感じています。ただ、次(2026年北中米W杯まで)の3年半はより難しくなる。代表は移動や連戦もあるので、メンタルのところだったり、チームがうまくいかない中で打開する力が求められてくる。クラブ以上に負荷が高くなると思いますし、過酷な環境の中でクラブと両立させられるタフさが必要になる。それを身に着けたいですね」
2002年のカタールW杯を経て、第2次森保ジャパンが始動した2023年3月。三笘薫は日本の主軸として新チームをけん引していく強い覚悟を口にした。その時点ではまだプレミアリーグ参戦1年目だったが、世界を震撼させるほどの突出した存在感を見せ、一世を風靡していた。本人も自らの立ち位置を自覚していたはず。その後も順調に右肩上がりの成長曲線を辿っていくと思われていた。だが、そこからの1年3カ月は予期せぬケガの連鎖に苦しみ、長期間ピッチを離れることになった。23-24シーズンはプレミア19試合出場3ゴールにとどまり、代表も1年間で4試合に出場しただけ。長い足踏み状態には本人も悔しさと焦燥感を覚えたはずだ。
それでも、27歳の稀代のドリブラーの本領発揮はここからが本番。三笘には多少の困難に直面しても乗り越えられるだけのインテリジェンスと粘り強さがある。彼はその能力をこれまでのサッカーキャリアの中でじっくりと養ってきたのである。
康嗣と小井戸正亮、2人の恩師が語る三笘薫
日本屈指のアタッカーにとって、最初の飛躍の場となったのが、川崎フロンターレのアカデミー。特に1つ上に板倉滉、三好康児、1つ下に田中碧といったタレントがひしめく中、常に「世界基準」や「自分のストロング」と向き合い続けてきたのだ。U-12時代に指導した康嗣監督は「いつでも・どこでも・誰とでも・自分の力を出せるのがいい選手」と常日頃から口を酸っぱくして言い続け、意識向上を促していたという。
「自分が指導した川崎ジュニアの中で、薫のポテンシャルは頭抜けていました。でも彼は成長が遅くて、小6の時点で150センチくらいしかなく、中学まではかなり小さかった。フィジカルコンタクトの部分では苦労したと思いますが、『間合いゼロ』『敵とぶつかって痛いと思わなかったら守備じゃない』『パスばっかりじゃダメ』と本当にいろんなことを要求し、視座を引き上げていきました」
周囲のアプローチが奏功し、選手として順調な成長を見せていったが、ユース年代でメンタル的な課題にぶつかった。当時の三笘にはやや人見知りな一面があり、自分に自信が持てない部分も散見されたという。クラブ側からはトップ昇格を打診されたが、本人は固辞。「じっくり時間をかけて心身両面を鍛え上げた方が自分にとってはいい」と慎重なスタンスを貫き、筑波大学進学を決断した。恩師である小井戸正亮監督は大学4年間の三笘をこう語る。
「本人は『フィジカル的に通用しない』と考えて大学に来たようですが、『同時に勉強もしっかりやったうえで、サッカーに取り組みたい』という意思を示していました。同期の推薦入学の選手は山川哲史(現ヴィッセル神戸)ら5〜6人がいましたが、みんな総じて学習意欲が高く、それに触発されたところはあったと思います。『人生の選択肢を広げておこう』と教員免許取得にも乗り出し、単位は取り終えましたね。卒業論文は『サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究』。ドリブルを仕掛ける選手の視線の位置や角度などが人によってどう違うかを分析するため、20人の選手の頭に小型カメラをつけ、データを蓄積。自分なりに突き詰めたと思います。その研究と並行して三笘は自らの1対1の練習を徹底的に繰り返し、スキルを習得しようとしていた。研究と実践の両方があって、世界をキリキリ舞いする高度なドリブル技術が身に着いたんだと思います」
こういった地道な積み重ねが2020年に加わった川崎Fで一気に出る。プロ入り当初は「自分は体力面や守備に不安があるので、早くそこを克服してコンスタンに試合に出られるようになりたい」と謙虚な口ぶりを見せていたが、新型コロナによる中断明けから急激にブレイク。主にスーパーサブとして勝負を決定づける大仕事を繰り返し、川崎FのJ1・天皇杯の2冠達成の原動力になったのだ。
続く2021年も「三笘のドリブルは手が付けられない」「誰も止められない」などと特別視され、どこから見てもJリーグ最高峰プレーヤー以外の何物でもなかった。ご存じの通り、同年夏に彼はブライトンに完全移籍し、そこからベルギー1部のユニオン・サン・ジロワーズにレンタルされたが、「半年しかプレーしていない三笘がMVPでいいのではないか」という声も関係者から聞かれたほどだった。
ケガを乗り越え、日本で“新生ブライトン”初陣へ
そんな圧巻パフォーマンスを見せつけても、本人は「まだまだ」「もっとやれる」と決して満足することはなかった。高い領域を渇望する姿勢は川崎ジュニア時代から全く変わらない。三笘薫という選手はまさに「向上心の塊」なのである。24歳での海外移籍は、一般的に見れば遅い部類だったが、一切、関係なかった。21-22シーズンにユニオンで27試合出場7ゴールという数字を残すと、森保一監督から満を持してA代表に招集される。初キャップは2022年11月のオマーン戦。後半からピッチに送り出されたが、卓越した局面打開力で試合の流れをガラリと変え、伊東純也の決勝弾をアシスト。日本を窮地から救う大仕事を果たしてみせたのだ。
さらに、翌2022年3月のオーストラリアとの最終決戦では、スコアレスの状況で終盤出てきた三笘が自ら2発を叩き出し、日本にカタールW杯切符をもたらした。この頃から森保監督も「戦術・三笘」という言葉を公の場で使い始めたが、まさに三笘が出てくるだけで試合の流れが一変するようになった。それだけ彼の個人能力が頭抜けていたということ。同年夏にレンタル元のブライトンに復帰してからは、瞬く間に左ウイングの定位置を奪取。プレミアで見る者を釘付けにし、11月5日のウルヴァーハンプトン戦でプレミア初ゴールをゲット。カタールW杯に弾みをつけた。
そして、長年、夢に描き続けていた初めてのW杯の大舞台で、彼はジョーカーとして全4試合に出場。スペイン戦では田中碧の逆転弾につながる奇跡的な折り返しを披露。これが「三笘の1ミリ」と命名されるなど、献身的かつアグレッシブなパフォーマンスが高く評価された。それでも、クロアチア戦でのPK失敗後には人目をはばからずに号泣。「チームを勝たせる存在にならないといけない。4年間もう1回、そこを目指そうと思います」と毅然と発言。その挑戦は今もなお続いている。
冒頭の通り、23-24シーズンはケガに泣かされたが、今夏開幕する新シーズンは頭からフル稼働してもらう必要がある。ブライトンも三笘が加入したタイミングで指揮官となったロベルト・デ・ゼルビ監督が昨季限りで退任し、31歳のファビアン・ヒュルツェラー監督が就任。新体制で再出発することになる。三笘とわずか4歳違いの若き指揮官がどんなチーム作りを進めていくのか。そこは未知数の部分が大だが、まずは7月末の日本ツアーが大いに注目される。彼らは7月24日に鹿島アントラーズ、28日に東京ヴェルディと2試合を消化する予定で、三笘にとってもケガからの復帰シリーズとなる。ここで力強いドリブル突破を見せてくれれば、日本中のファンが安堵するはず。未来への希望を持てるようなパフォーマンスを強く期待したいところだ。
そのうえで、8月に24-25シーズンが開幕。9月からは2026年W杯最終予選も始まる。前回は途中参戦だった三笘にしてみれば、クラブと代表を毎月のように行き来しながら、エースとしての働きを見せるというのは、非常に高いハードルになる。それでも、カタールW杯で誓った通り、彼は日本を勝たせ、ブライトンでも勝たせる存在にならなければいけない。
「大学時代の彼は無双していたわけではありません。でも目指すべき場所に辿り着くべく、ブレることなく自分のやるべきことをやり続けたのは確かです。今の環境で何をすべきかを考え、取り組んでいく『自己解決能力』は本当に際立っていた。そこが最大の強みだと思います」。恩師・小井戸監督も太鼓判を押すように、彼には傑出した賢さと解決力を駆使して、困難をくぐり抜けることが肝要だ。
ここから先は、よりパワーアップした三笘薫の一挙手一投足が見られるはず--。多くの人々が熱望するような理想的な軌跡を彼には着実に歩み続けてほしいものである。
取材・文=元川悦子
ブライトン&ホーヴ・アルビオン・ジャパンツアー2024
対戦カード:鹿島アントラーズ vs ブライトン
試合会場:国立競技場
開催日時:2024年7月24日(水)19時試合開始
放送予定:Amazonプライム・ビデオ
対戦カード:東京ヴェルディ vs ブライトン
試合会場:国立競技場
開催日時:2024年7月28日(日)18時30分試合開始
放送予定:Amazonプライム・ビデオ
2024年06月25日 12:25
40歳まで現役としてプレーした元日本代表長谷部誠。今後は10年所属したフランクフルトで指導者としての道を歩み始める。
その長谷部は、Instagramに日本サッカー協会から贈られた特別な日本代表ユニフォームを投稿。
背中には「HASEBE」というネームと「114」という背番号が入っており、胸には出場したワールドカップ3大会が印字されている。
114は長谷部が日本代表で出場した試合数。これは歴代7位となるキャップ数だ(1位は遠藤保仁の152試合)。長谷部は「ありがとうございます!」「Thanks」と感謝を綴っていた。
日本代表で「奇妙な背番号」をつけた7人
なお、贈られた日本代表のユニフォームは、先日発表された最新モデルではなく、背番号がイエローのひとつ前のもの。
2024年06月25日 12:15
バルセロナからの関心が伝えられているミオ・バックハウスこと長田澪。
20歳の彼は、ドイツ人の父と日本人の母を持ち、ドイツU-20代表経験がある選手だ。昨季ブレーメンからオランダのフォレンダムに貸し出されて評価を上げた。
その長田は、川崎フロンターレDFファン・ウェルメスケルケン・際と日本で対面していたようだ。
際は長田が美容師からヘアカットされている様子をInstagramに投稿。2人は神宮前付近でヘアカットしたようで、美容師との3ショットも確認できる(美容師さんは、「ありがと」と長田宛にメッセージ)。
際はオランダ人の父と日本人の母を持ち、今年1月までオランダでプレーしていた。オランダで長田と知り合った感じだろうか。
ちなみに、際は、女子カーリングチームのロコ・ソラーレがコロナ禍だった2021年にオランダに滞在した際、「1時間以上かけて食材やレンジまでもをホテルまで届けてくれた、本当にびっくりするぐらい優しい人(吉田夕梨花さん)」だそうで、面倒見がいいタイプなのかもしれない。
海外からキャリアを開始!Jリーグで活躍した「逆輸入選手」10人
また、長田は同じ20歳の柔道選手である服部辰成さん(東海大学)とも知り合いのようで、日本での交流もあるようだ。