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阪神・浜田 開幕スタメン照準 藤川監督からMVP指名「ありがたい」空白の左翼争い「どんどん打ってアピール」

2026年02月26日 05:01

 「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神・浜田太貴外野手(25)が25日、移籍1年目での開幕スタメンに照準を定めた。昨年12月の現役ドラフトでヤクルトから加入。虎戦士として臨んだ初のキャンプを完走し、藤川監督からMVPの一人として名前を挙げられた。沖縄では自慢の打棒で存在感を際立たせ、目指すは“空席”となっている左翼の定位置奪取。バットの勢いを加速させ、激しい競争を勝ち抜く。  大きな荷物を重そうに持って、浜田は球場から引き揚げてきた。その表情に、心地いい疲労感が漂う。新戦力という位置から始まったサバイバルは上々の好発進。「ケガもなく、充実した1カ月になりました」と中身の濃い2月を振り返った。藤川監督からMVPの一人に挙げられ「選んでもらって、ありがたい」と笑顔で受け止めた。  ここからはオープン戦も本格化する。狙うは自身3年ぶりとなる開幕スタメンの座。3月27日・巨人戦(東京ド)のラインアップに名を連ねるべく、前川や高寺、中川らとの激しい競争に挑む。「オープン戦でどんどん打ってアピールして、そこ(開幕スタメン)を目指して頑張ります」と闘志をみなぎらせた。  そのための第一関門は突破したと言っていい。先乗り合同自主トレ初日の1月29日は、フリー打撃で今年の“宜野座1号”をマーク。今キャンプ初の実戦形式となった4日のシート打撃では右翼ポール際に自身の“虎1号”を放った。  さらに今春初の対外試合、8日の練習試合・日本ハム戦では左越えに先制ソロ。持ち前の長打力を惜しみなく披露し「打ってアピールできたので、良かったなって思ってます」と持ち味の発揮をプラスに捉えた。  紅白戦も含めると、今春の実戦は14打数5安打3打点で打率・357。「もう去年のこともあんまり覚えていない。今年は一からのスタートだったので、必死にやってました」。新天地で己の立場を確立しようと、ガムシャラに汗を流した。チームの旗印でもある「没頭」を体現したからこそ、好結果につながった。  打撃の取り組みは良化途上。「打撃フォームを固めるというテーマでやってきた。できていない部分もあれば、少しできていることもあった」と自己分析した。今後はその完成度を高めていく。「長打を打っていきたい気持ちもあるけど、力み過ぎずにやっていきたい」と浜田。春の大目標に向かって、力強くアクセルを踏み込んでいく。

  • 野球
  • 人気先行で「組織票かな」 2軍調整中に球宴選出…「もう嫌」を変えた夏の甲子園

    2026年02月26日 06:50
    太田幸司氏は高卒1年目から2軍調整続くも注目された  三沢高時代に甲子園を沸かせた元近鉄の太田幸司氏(野球評論家)がプロで“きっかけ”をつかんだのは高卒3年目の1972年だ。2年目オフからフォームをスリークオーター気味にして、真っ直ぐ、カーブだけでなくシュート、スライダーも駆使するスタイルへの“改造”に着手。その成果が徐々に出始めた。舞台は甲子園、相手は巨人の王貞治内野手と長嶋茂雄内野手で「松坂じゃないけど、自信が確信に変わった」試合もあったという。  甲子園のアイドル球児という看板を背負って1969年ドラフト1位で近鉄入りした太田氏の成績は1年目25登板で1勝、2年目14登板で0勝。2年目はシーズン中に投球フォームもバラバラの絶不調に陥り、一時は引退も考えるほどに落ち込んだが、ある寺の住職に「甲子園で投げていた太田幸司を捨ててみなさい」などと言われて、気持ちを切り替えてフォーム改造などに取り組みはじめた。3年目はいわば再スタートの年だった。  すぐさま結果を出せたわけではない。新しい形を自分のモノにするまでには時間がかかった。1972年シーズンは、開幕9戦目の4月22日の南海戦(日生)で初登板。1-7の8回に3番手でマウンドに上がったが、門田博光外野手に一発を浴びるなど、1回4失点。その後は2軍調整が続いた。それでも人気は相変わらず絶大だった。「そんな中でオールスターのファン投票があって、また1位でしたからねぇ」。  これで入団以来、3年連続で球宴にファン投票選出。人気先行と言われることに抵抗を感じながらも選ばれてしまうのだから、どうしようもない。「何か組織票でもあるのかなって思ったくらいでした」と苦笑するが、この3年目は、これまでとちょっと違った。まずは球宴前の前半最終戦の7月20日の西鉄戦(平和台)に先発のチャンスを得て、2失点で初完投勝利。1年目の1970年4月19日のロッテ戦(藤井寺)以来のプロ2勝目をマークしたことが大きかった。 「オールスターに0勝じゃなくて1勝で行けた。それも最初の(プロ)1勝目はおこぼれみたいな(味方の)サヨナラホームランで勝ったけど、(プロ2勝目は)自分の力で、スライダーやシュート、自分の新しいピッチングスタイルで勝てたということで、何とか行けるかな、みたいな自信めいたものを持ってオールスターに行けたのでね」。2年目オフから取り組んできたことへの手応えをついに感じたのだ。球宴で長嶋茂雄に“禁断”のシュート攻勢  3度目の球宴、太田氏の出番は7月25日の第3戦だった。舞台は思い出いっぱいの甲子園、そこで全パの阪急・西本幸雄監督から先発に起用された。相手の全セ先発は阪神・江夏豊投手だったが、臆することなく腕を振った。そこには球宴特有のお祭り感覚はない。新しいスタイルがセ・リーグのスター選手たちに通じるか。その思いで勝負に挑んだ。結果は3回1失点で敗戦投手になったが「あれがまた、僕の野球人生の大きな転機になりました」と話す。  忘れられないのは3回の投球だ。無死から四球と失策の走者を置いて、阪神・池田祥浩外野手に右前適時打を許し、その後だった。このピンチで3番・王、4番・長嶋のON砲を打ち取った。「ノーアウト一、二塁だったかな。王さんを外スラで泳がせてショートフライ。で、長嶋さんはシュートでセカンドゴロゲッツー。天下の長嶋さんに普通、オールスターでシュートは投げないよ。ぶつけたらえらいことだからね。でも、あの時の僕はそんなことを言っていられなかった」。  それは太田氏にとって最高の結果だった。「マスターしたてのスライダーとシュート、これは使えると思った。あれで新しい太田幸司のピッチングというのが、松坂じゃないけど、自信が確信に変わった」。これより27年後の1999年5月16日に西武・松坂大輔投手はオリックス・イチロー外野手と西武ドームで初対戦し、3打数3三振1四球に抑えて「自信が確信に変わってきました」とコメントしたが、その“名言”を例にするほどの感触だったということだ。 「このスタイルで行けるというオールスターだった。それまでは『もうオールスターに出るのは嫌だよ』って言っていたんだけどね。あの時、場所が甲子園だったというのも何か因縁めいていてねぇ……。僕のある意味、プロのピッチャーとして、野球人として新しくスタートしたのが、あのオールスターだったかなと思いますね」  3年目の太田氏は後半戦初登板となった8月10日の西鉄戦(平和台)に先発で7回2/3、4失点で勝利投手。その後は白星をつかめず、16登板(8先発)2勝1敗、防御率3.90に終わったものの、引退をも考えた1年前の2年目オフと違って、3年目オフは気持ちも完全に前向きだった。「次の年から6勝、10勝、12勝かな。(2年目オフに)辞めなくてよかったですよ」。きっかけはプロ3年目のON封じ。また“夏の甲子園”でレベルアップへの道を切り開いた。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

  • ドジャース・佐々木朗希、OP戦初登板で2回途中3失点 先発再転向のメジャー2年目は苦しいスタートに

    2026年02月26日 06:45
     ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手(24)が現地時間25日、ダイヤモンドバックスとのオープン戦に先発登板。今春初登板は2回途中3失点という投球だった。  佐々木は初回、先頭打者ペルドモに96.5マイル(約155.3キロ)のフォーシームを右前安打とされると、続く2番タワには四球。一死から4番アレナドに低めのスプリットを左翼線へ運ばれ、先制の適時二塁打を許した。続く5番バルガスにも高め95.5マイル(約153.7キロ)のフォーシームで右翼線への2点適時二塁打を浴び、いきなり3点を失った。  その後、6番ロウラーに対しては97.0マイル(約156.1キロ)のフォーシームで空振り三振。7番ウォルドシュミットは外角低めのシンカーで見逃し三振に仕留めた。回を跨いで先頭の8番ジョーンズと3者連続三振を奪ったが、続く9番ガルシアに四球を与えたところで降板し、1回1/3、36球を投げて3被安打、2四球、3奪三振、3失点という投球。最速98.6マイル(約158.7キロ)だった。  昨季の佐々木は右肩痛による長期離脱もあり、10登板で1勝1敗、防御率4.46。シーズン終盤はリリーフとして起用され、ポストシーズンでは9登板で防御率0.84、3セーブと活躍を収めた。2年目の今季は先発再転向で開幕ローテーション入りを目指している。

  • 広島・ドラ1平川「9人全員が1軍で試合に出ればチームは強くなる」 ドラ2斉藤汰&ドラ3勝田らと!キャンプ打ち上げで誓った

    2026年02月26日 06:00
     「広島春季キャンプ」(25日、沖縄)  広島が25日、春季キャンプを打ち上げた。1日からは宮崎県日南市で1次キャンプ、14日からは沖縄県沖縄市に拠点を移し、野球漬けの日々を送った。ドラフト1位・平川蓮外野手(21)=仙台大=は対外試合デビューから6試合連続安打をマークするなど、存在感を発揮。同2位・斉藤汰直投手(22)=亜大、同3位・勝田成内野手(22)=近大=らとともにルーキーの力で、チームに活気をもたらしていくことを誓った。  キャンプ最終日はあいにくの雨。そんな空模様を忘れるようなワクワク感を、この男は抱かせてくれる。平川は自身初のキャンプを堂々と完走。「80点ぐらいですかね」と笑顔で自己採点し、「まずはけがなく1カ月を終えることができて、ほっとしています」と充実感を漂わせた。  「存在感を出す」というテーマを掲げ、キャンプイン。そこから約1カ月間、その言葉をグラウンドで体現し続けた。打撃練習では左右両打席から鋭い打球を連発。守備でも自慢の強肩を披露し、観客をどよめかせる場面もあった。日南での1次キャンプでは疲労を考慮され、紅白戦に指名打者で出場することはあったが、別メニューでの調整は一度もなし。「野球だけじゃなく、コンディショニングの面でも成長できた」と、プロ仕様ボディーへと仕上がりつつある。  沖縄へ拠点を移してからも“平川劇場”は続いた。対外試合デビューとなった15日・巨人戦(那覇)から6試合連続安打を継続中。そのうち5試合で複数安打をマークし、計28打数13安打、打率・464、1本塁打、3打点と大暴れ。「積極的に初球から自分のスイングができた」と初対戦の投手に対しても臆することなくバットを振り抜き、ドラ1の称号がだてではないことを証明した。  平川の背中を追うように同期も牙をむいた。ドラフト3位・勝田はオープン戦の打率4割超えで平川と“レンナル”コンビを結成し、打線をけん引。同2位・斉藤汰、同4位・赤木も奮闘を見せ、27日からは育成2位・岸本の1軍昇格も決まった。「(ドラフト同期の)9人全員が1軍に登録されて試合に出ればチームは強くなる。自分たちの世代が頑張りたい」と平川。ドラ1として「引っ張るじゃないですけど、自分らしさを出していきたい」と、黄金世代の先頭に立つ覚悟を示した。  開幕まで残り約1カ月。激しいレギュラー争いが続いていく中でも、平川に気負いはない。「一喜一憂せずにみんなやっていると思うので、シーズンが始まってもルーキーらしく、楽しく野球をやりたいなと思います」。新風を吹き込む若き力。“新鮮力”が逆襲を狙うチームの起爆剤となる。

  • 阪神 “空席”左翼争いは三つ巴の様相 前川か高寺か新加入浜田か 不動の中堅・近本&右翼・森下は順調【担当記者総括・外野】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神は25日、宜野座キャンプを打ち上げた。

  • 阪神・岩崎&及川&ドリス&モレッタは当確 桐敷&湯浅に復活の予感 ポスト石井など残り4枠を巡る激戦【担当記者総括・救援】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神は25日、宜野座キャンプを打ち上げた。就任2年目を迎えた藤川球児監督(45)の下、約1カ月間で選手はどのような進化を遂げ、競争はどうなったのか。デイリースポーツの阪神担当が「先発」「救援」「捕手」「内野」「外野」に分けて総括し、現状を分析する。   ◇  ◇  昨季の救援防御率1・96は12球団、断トツの圧倒的な数字だった。今季もタレント豊富なリリーフ陣だが、一抹の不安が残るのは絶対的な存在だった石井の離脱。アキレス腱断裂のショックは癒えない。藤川監督も「チームみんなが悲しんでいる」と涙。ポスト石井を狙う戦いが続いている。  ブルペンは8人体制が基本線。今季も藤川監督から抑えに指名されている岩崎を筆頭に、昨季ブレークの及川、ドリス、モレッタの助っ人コンビも当確だろう。新助っ人の実力は未知数ではあるが、指揮官は「彼は生粋のリリーバー」と全幅の信頼を置く。残る4枠を巡る争いは激しそうだ。  経験ある桐敷には復調の予感が漂う。昨季は左上肢の筋疲労などで43試合の登板。成績、ポジションを落としたが、今年はチーム内でも評価が高い。難病から完全復活を目指す湯浅の状態も良く、体調次第ではあるが実績組の2人は不可欠だ。  藤川監督は石井離脱の前から課題として、リリーフ右腕の育成が急務としている。有力候補は工藤、木下、石黒の超速球派トリオ。出てこい、球児2世−。雨降って…ではないが、落とした涙で地が固まると期待したい。(デイリースポーツ・田中政行)

  • 阪神 注目のディベイニーは土に苦労 新加入の元山&ドラ2谷端が存在感 一、二、三塁は不動【担当記者総括・内野】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神は25日、宜野座キャンプを打ち上げた。就任2年目を迎えた藤川球児監督(45)の下、約1カ月間で選手はどのような進化を遂げ、競争はどうなったのか。デイリースポーツの阪神担当が「先発」「救援」「捕手」「内野」「外野」に分けて総括し、現状を分析する。   ◇  ◇  内野の激戦区は今年も遊撃になりそうだ。中でも注目を集めたのが、新外国人・ディベイニー。ただ、土のグラウンドに苦労し、実戦では記録に残らない形のミスも目立った。環境に慣れるため早出特守に参加。順応に励んだ。打撃ではDHの出場で多く打席を重ね、結果も出始めた。  最大のライバルといえる小幡は、22日のヤクルト戦で3安打3打点の大暴れ。守備でも安定感を見せている。他では具志川組スタートとなったが、実戦で快音を響かせている木浪、昨季飛躍した熊谷も虎視眈々(たんたん)とその座を狙う。  一塁の大山、二塁の中野、三塁の佐藤輝と不動のレギュラーがそろうポジションでは、ドラフト2位の谷端(日大)が存在感を見せた。対外試合でこそ安打は出なかったが、積極的にスイングを仕掛け、インパクトを残した。新加入の元山もユーティリティー性に加え、打撃でも結果を残し、アピール。一方で昨秋キャンプから藤川監督に評価され、宜野座組に抜てきされた百崎は攻守で結果を残せず。割って入ることはできなかった。(デイリースポーツ・滋野航太)

  • 阪神・ドラ1立石 辛抱の2月「自分自身のレベルアップにつながった」キャンプ打ち上げ 3月で完全復活目指す

    2026年02月26日 05:01
     「阪神2軍春季キャンプ」(25日、具志川)  阪神ドラフト1位の立石正広内野手(22)=創価大=が初の春季キャンプを打ち上げた。1月中旬に発症した「右脚の肉離れ」で別メニュー調整を続けたゴールデンルーキーは開幕に向けてコンディションを整えていく方針。辛抱の2月を経て、3月からペースを上げて完全復活を目指す。  沖縄での1カ月間、立石は復帰までの道のりをとても、とても慎重に歩んだ。藤川監督がかねて「2月はゆっくりになる」と明言した通り、キャンプ中には本格復帰せず。それでも、立石は球団を通じたコメントで「自分自身のレベルアップにつながった」と、初キャンプをまとめた。開幕に向けて「まずはしっかりコンディションを整えたい」と、いまはただ万全の状態を目指す。  別メニュー調整が始まって1カ月強が経過。できるだけ早く復帰したい気持ちは当然あるだろう。平田2軍監督は「(練習したくて)うずうずしているところでね、こちらがブレーキをかけて」とキャンプでは慎重な対応をとったが、「SGLに帰ってから、徐々にペースを上げていくプラン」と、次の段階に移ることを明かした。  キャンプでは屋外での「ショートゲーム」(打撃投手が近距離から投球する打撃練習)を行い、具志川に快音を響かせた。次なるステップは、本格的なフリー打撃の再開だ。立石の完全復活への道のりが、3月の大物で加速度的に動き出す。

  • 阪神 坂本に続く2、3番手争いし烈 “35歳の新入生”伏見の存在感、育成・嶋村は打撃で猛アピ【担当記者総括・捕手】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神は25日、宜野座キャンプを打ち上げた。

  • 阪神・藤川監督 春季キャンプMVPに9人 石井離脱も「戦力ダウンとは思っていない」石黒&木下が代役台頭

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神が25日、沖縄・宜野座キャンプを打ち上げた。充実の25日間に藤川球児監督(45)は「どんな形でも一番高いところに行く」と総括。MVPには投手から石黒、木下、伊原。野手では嶋村、浜田、高寺、中川、元山、小野寺と9人を挙げた。異例の大量選出でチームの底上げを表現。石井が左アキレス腱断裂で離脱したが「戦力ダウンとは思っていないです」とし、リーグ連覇へ新戦力の台頭に自信を見せた。  少し日焼けした目尻にシワを寄せ、藤川監督が一人、一人、ゆっくり選手の名前を挙げた。今キャンプ初めて降った大雨で、ドーム球場に場所を移した最終日の練習。沖縄・宜野座に注がれた、一足早い歓喜のシャワーか。2リーグ制導入後、球団史上初のリーグ連覇に向け、「黙って積む」を掲げた25日間。確かな手応えが言葉になった。  「投手であれば石黒、それから木下。この辺りが非常に伸びてきたなと感じますね」。恒例のキャンプMVP選出。指揮官が真っ先に名前を挙げたのは、就任時から課題としてきたリリーフ右腕の2人だ。22日のオープン戦・ヤクルト戦(浦添)では、いずれも1回無失点と結果でアピール。キャンプを通じて存在感が際立っていた。  11日の紅白戦(宜野座)。登板した石井が左アキレス腱断裂の重傷を負った。同じアスリートとして不遇を憂い「復活の時を…」と涙ながらに回復を願った。あれから2週間。深い悲しみは残るが「このユニホームを着ている以上、気には留めない」と、代わる戦力の見極めに重点を置いた。そして言い切った。「戦力ダウンになるとは思っていない」。2人の成長が確かな手応えだった。  凡事徹底、没頭を掲げた昨春のキャンプから、選手に「黙って積む」を求めた2月。「一番の成長」とした伊原を加え、若い3人の投手がチームの伸び代になった。「一度、チームを壊す」とゼロから再出発を図った中、新戦力が加わった野手にも収穫は多かった。「捕手で嶋村」。脳裏で1カ月を振り返りながら、さらに5人を選出した。  「浜田、それから高寺。あとは中川に元山、小野寺。非常にいい兆しを見せてきている。チームを作り上げるという部分で、いい素材が集まってきていると思いますね」  昨季、固定しきれなかった遊撃、そして左翼の候補。新戦力の浜田、元山に、嶋村ら“新鮮力”も加わり、チームは新たな化学反応を見せる。「総戦力」と表現した指揮官は、何度も「今はいい兆しがある」とうなずいた。「一歩、一歩、チームを作り、どんな形でも一番、高いところに行かなければいけない」。勝ちながら育てるを実践する就任2年目の春。MVP9人が示す収穫を、3月で戦術に落とし込む。連覇へ、総仕上げに入る。

  • 阪神・村上 日本S雪辱へ新選手会長手締め&決意のスピーチ「強くなったチームを見て」2年連続開幕投手狙う

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  抜け目はない。阪神・村上頌樹投手(27)が25日、今春キャンプを総括。開幕投手の筆頭候補であり、今季もエースとしての活躍が期待される中、「結果を出し続けたい」と力を込めた。  安堵(あんど)の表情で取材場所に現れた。練習後、新選手会長として手締めのあいさつを担当。“大役”を終え「めちゃめちゃ緊張しました…」と柔らかく笑った。スピーチの中では「日本シリーズで敗れ、悔しい思いをした。それを経て強くなったチームの姿を見ていてください」と宣言。雪辱に燃える猛虎の先頭に立ち続ける覚悟だ。  自身初の開幕投手を務め、投手3冠を獲得した昨季を経ても「自信になることは多かったですけど、やることは変わらない」と慢心はない。全体練習のブルペンではチーム3位の計672球を投球。一時、2段モーションを封印するなど試行錯誤しながら“エースの背中”を見せてきた。キャンプのMVPに選ばれた伊原、石黒ら新戦力の台頭もある中で「競争が激しくなって、良いレベルでできるのは良いこと。ずっと中心でいたい」と燃える思いも明かす。  22日にはヤクルトとのオープン戦(浦添)で今年初登板し2回無安打無失点と順調に状態を上げている。「不安なく(3月からの)オープン戦にいける。皆さんを安心させるためには(結果も)必要やと思うんですけど、一番は自分の感覚、捕手の人の感覚を確かめたい」。2年連続の大役へ、ブレることなく突き進む。

  • 阪神・嶋村 異例の育成選手MVP 藤川監督「姿勢」を評価 伏見、梅野、坂本らから学び多く「勉強になった」

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  2年目の阪神・嶋村麟士朗捕手(22)は育成選手としては異例のキャンプMVPに選ばれた。藤川監督の期待に応えるため早期の支配下登録を目指す。  「宜野座組で1軍の先輩方と練習ができて、朝から高い意識で練習とかやるべきことをやっていて本当に勉強になった。一番のキャンプの収穫ですね」  嶋村にとって、先輩の姿勢が何よりの教材だった。新加入の伏見、ベテランの梅野や坂本らの姿を間近で見て、学ぶことは多かった。藤川監督から「姿勢ですね。結果はフォアボールなどですから」と打席での貪欲な姿勢を評価された。  昨年の具志川キャンプでは右膝を痛め、リハビリからのスタートだった。1年が経過し、成長を見せた。キャンプ中の実戦でも4試合に出場し、打率・667と高い数字をマークした。「支配下、支配下ってなっちゃうと、性格的に気負ってしまう。好きで野球をやってきたのでずっと好きでいられるような選手生活を送っていきたいです」。気負わず自然体のプレーで、残り5枠の支配下枠を勝ち取る。

  • 阪神・村上&才木ローテ当確 高橋、ルーカスも有力 後を追う伊藤将や伊原らも結果次第で“大逆転”も【担当記者総括・先発】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神は25日、宜野座キャンプを打ち上げた。

  • 阪神・浜田 開幕スタメン照準 藤川監督からMVP指名「ありがたい」空白の左翼争い「どんどん打ってアピール」

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神・浜田太貴外野手(25)が25日、移籍1年目での開幕スタメンに照準を定めた。昨年12月の現役ドラフトでヤクルトから加入。虎戦士として臨んだ初のキャンプを完走し、藤川監督からMVPの一人として名前を挙げられた。沖縄では自慢の打棒で存在感を際立たせ、目指すは“空席”となっている左翼の定位置奪取。バットの勢いを加速させ、激しい競争を勝ち抜く。  大きな荷物を重そうに持って、浜田は球場から引き揚げてきた。その表情に、心地いい疲労感が漂う。新戦力という位置から始まったサバイバルは上々の好発進。「ケガもなく、充実した1カ月になりました」と中身の濃い2月を振り返った。藤川監督からMVPの一人に挙げられ「選んでもらって、ありがたい」と笑顔で受け止めた。  ここからはオープン戦も本格化する。狙うは自身3年ぶりとなる開幕スタメンの座。3月27日・巨人戦(東京ド)のラインアップに名を連ねるべく、前川や高寺、中川らとの激しい競争に挑む。「オープン戦でどんどん打ってアピールして、そこ(開幕スタメン)を目指して頑張ります」と闘志をみなぎらせた。  そのための第一関門は突破したと言っていい。先乗り合同自主トレ初日の1月29日は、フリー打撃で今年の“宜野座1号”をマーク。今キャンプ初の実戦形式となった4日のシート打撃では右翼ポール際に自身の“虎1号”を放った。  さらに今春初の対外試合、8日の練習試合・日本ハム戦では左越えに先制ソロ。持ち前の長打力を惜しみなく披露し「打ってアピールできたので、良かったなって思ってます」と持ち味の発揮をプラスに捉えた。  紅白戦も含めると、今春の実戦は14打数5安打3打点で打率・357。「もう去年のこともあんまり覚えていない。今年は一からのスタートだったので、必死にやってました」。新天地で己の立場を確立しようと、ガムシャラに汗を流した。チームの旗印でもある「没頭」を体現したからこそ、好結果につながった。  打撃の取り組みは良化途上。「打撃フォームを固めるというテーマでやってきた。できていない部分もあれば、少しできていることもあった」と自己分析した。今後はその完成度を高めていく。「長打を打っていきたい気持ちもあるけど、力み過ぎずにやっていきたい」と浜田。春の大目標に向かって、力強くアクセルを踏み込んでいく。

  • 阪神・藤川監督 「次のステージにいよいよ行けるなと」伊原「キャンプを見ていて取り組みがプロになった」【一問一答】

    2026年02月26日 05:01
     「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)  阪神が25日、沖縄・宜野座キャンプを打ち上げた。充実の25日間に藤川球児監督(45)は「どんな形でも一番高いところに行く」と総括。MVPには投手から石黒、木下、伊原。野手では嶋村、浜田、高寺、中川、元山、小野寺と9人を挙げた。異例の大量選出でチームの底上げを表現。石井が左アキレス腱断裂で離脱したが「戦力ダウンとは思っていないです」とし、リーグ連覇へ新戦力の台頭に自信を見せた。藤川監督の主な一問一答は以下の通り。   ◇  ◇  −没頭、黙って積むをテーマに掲げた2月。  「次のステージにいよいよ行けるなと、そういった状況ですね」  −新加入選手の動き。  「監督に就任した昨年から順調であることを疑い、不安である自分たちを信じて進んできました。選手たちがベンチの背もたれに背中をつけない、前向きな姿勢でというところは貫けているのかな。不安であるところが順調だなと思います」  −MVPに選出した選手たちには、アピールをして勝ち取ってほしい。  「アピールをする必要はないですね。彼らを必要とするところで、こちらが起用していく。そこに応えられるかの見極めを、私たちができるかどうかですから。彼らはいつも正面からぶつかっていけばいいです」  −「一番伸びたのは伊原」と。起用方針は。  「それは言えませんね。起用法ではなくて彼の伸びてくれた部分は、たくさんの方に見られたとしても、進むべき方向を間違わない選手だとある程度、確信が持てました。キャンプを見ていて取り組みがプロになった。役割はハッキリと言えませんが、2年目は非常に楽しみなシーズンになると思っていますね」

  • ヤクルト・池山監督 新庄監督に負けない 同じラッキーカラー赤色「身につけながら頑張る」

    2026年02月26日 05:01
     「練習試合、ヤクルト(降雨中止)日本ハム」(25日、ANA BALL PARK浦添)  ヤクルト・池山隆寛新監督(60)は25日、日本ハム・新庄剛志監督(54)との“共闘”を誓った。予定していた同球団との練習試合が雨天中止。ラッキーカラーが赤色という共通点がある敵将と握手を交わし、「新庄監督に負けないように。しっかり赤いものを身につけながら頑張っていきたい」と笑顔で話した。  同じ指揮官として刺激を受ける存在だ。1月の監督会議では「存分に暴れてください」とメッセージを送られたという。次回対戦は、オープン戦の最終カードとなる3月20日からの日本ハム3連戦(エスコン)。池山監督は「チームの状態を上げて、そこでまたお会いできれば」と話した。  26日にはキャンプを打ち上げる。ここまで実戦6試合で計13得点で本塁打は0。打撃の上向きが懸念材料だが「結果よりも自分の良さを出してもらえれば。残り1カ月、(開幕に)合わせてもらいたい」と力を込めた。