2024年04月16日 11:30
ポルトガル1部リーグのカーザ・ピアでプレーする相馬勇紀。 15日に行われたポルティモネンセ戦でGK中村航輔から今季3点目となるゴールを奪っている(試合は2-2の引き分け)。 今年2月にカーザ・ピアの監督に就任したゴンサロ・サントスが、相馬を先発起用するのはこの日が初めてだった。 『A Bola』では、相馬は序列をひっくり返し、ポルトとの次戦でも先発起用される可能性が高いと伝えている。 「この日本代表選手は現監督の下で初めて先発出場し、ゴールでそのチャンスを正当化してみせた。 相馬は(指揮官の)賭けを正当化し、相手DFを困難に陥れ、ゴールも決めて、本当に信頼できる人物であることを監督に示した。 彼はチャンスを待つ術を心得ている。カーザ・ピアは新たなチャンスへの準備ができているこの日本代表選手の影響力を頼りにしている。特に両サイドどちらでもプレーできる多才ぶりを」 相馬は前監督体制下では先発起用されていたが、新体制では控えとして干されかかっていた。だが、2か月半ほど待った末に得た先発のチャンスをものにした。 日本代表で「危機的状況」にある5名 同紙では、相馬の復活は朗報だとも伝えている。
2024年04月30日 00:24
U-23日本代表は現地4月29日、カタール・ドーハで開催されているU-23アジアカップの準決勝でU-23イラク代表戦と対戦する。
勝利すれば今大会3位以上が確定し、パリ五輪の出場権を獲得できる重要な一戦。その会場ジャシム・ビン・ハマド・スタジアムの外にはイラクサポーターの姿も。駐車場の横に座って話をしていた男性3人組に直撃した。
そのうちの1人に対戦する日本の印象をたずねると、「あまり詳しくないんだけど…」としつつも、準々決勝の日本対カタール(4−2)を見たと明かし、強烈なミドルで先制点を挙げた山田楓喜に触れ、次のように答えてくれた。
【PHOTO】松木玖生や川粼颯太らが絶妙ポージング!アジアカップを戦うU-23日本代表全選手&監督のポートレートを一挙紹介!
「日本の選手は良いミドルシュートを持っているよね。カタール戦を見たけど、11番(山田楓喜)のシュートは素晴らしかった。イラクにとっても脅威になる。日本はプレースピードが速い良いチーム。パスも正確で組織的に攻撃してくる印象だけど、イラクも負けないよ」
また、「日本が警戒すべきイラクの選手は誰?」と訊くと、準々決勝のベトナム戦ではPKで決勝ゴールを決めたMFアリ・ジャシムの名を挙げた。
20歳のアタッカーについて、「7番のアリ・ジャシムは注目だね。フル代表の経験もしていて、何と言っても彼はドリブルがすごいんだ。絶対にゴールを決めてくれると信じているよ」と語った。
イラク戦はこのあと日本時間30日2時30分キックオフ予定。パリ五輪出場がかかる一戦に注目だ。
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
2024年04月30日 00:00
リヴァプール監督に就任する可能性が濃厚になったと言われるアルネ・スロット氏。これまでAZアルクマールやフェイエノールトを率いてエールディビジでインパクトを残してきた指揮官が、イングランド・プレミアリーグに進出するかもしれない。
ただ、オランダ・エールディビジで活躍したストライカーはあまり信用できないと言われることもあり、他のリーグで同じように通用するかどうかはわからないとも。
今回は『Planet Football』から「オランダ・エールディビジで優勝し、イングランドに進出した監督たち」をご紹介する。エリック・テン・ハフ
オランダリーグを優勝したクラブ:アヤックス
プレミアリーグで率いたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
アヤックスで驚異的な成績を収めたオランダ人監督。若い選手を積極的に起用し、多くのビッグプレイヤーを育て上げ、チャンピオンズリーグでレアル・マドリーやユヴェントスを撃破した。
そしてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任。ラルフ・ラングニックとのコンサルタント契約を途中で打ち切ってまでの招聘で、クラブにとってはギャンブルにも近い決断だった。
イングランドにやってきたテン・ハフ監督はより現実的なアプローチをし、アヤックスでのポゼッション重視のスタイルを捨てて1年目はそれなりに結果を残した。
しかしながら2年目となった今季、プレミアリーグではトッテナムに差をつけられての6位と欧州カップ戦出場圏外になっており、期待したほどの上昇傾向を見せていない。メディアやファンからの批判も大きくなっている。フィリップ・コクー
オランダリーグを優勝したクラブ:PSVアイントホーフェン
プレミアリーグで率いたクラブ:ダービー・カウンティ
かつてバルセロナで長く活躍した稀代のユーティリティプレーヤー。知性的な動きで知られた彼は、ファンの期待通りに引退後は指導者として活動を開始。オランダ代表のアシスタントを務めたあと、古巣でもあるPSVアイントホーフェンを率いて成功を収めた。
そして2018年にフェネルバフチェを率いたあと、2019年にダービー・カウンティの監督に就任した。フランク・ランパードが退任したあとのクラブはフィカヨ・トモリ、メイソン・マウント、ハリー・ウィルソンが退団していたが、その苦境のクラブを10位とそこそこの位置に導いた。
ただ、2年目は経済的に苦しいクラブを最下位に落としてしまい半年で辞任。そして2年の浪人期間を経てからフィテッセの監督を務めたが、この際もリーグ最下位に沈んで辞任している。ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
オランダリーグを優勝したクラブ:フェイエノールト
プレミアリーグで率いたクラブ:グラスゴー・レンジャーズ
コクーと同じくオランダ代表の中心選手として活躍したファン・ブロンクホルスト。アーセナルやバルセロナで左サイドバックを務めた万能ディフェンダーは、2010年にフェイエノールトで現役引退したあと指導者に転身した。
その後はフェイエノールトでアシスタントコーチを務め、2015年に監督へと昇格。初年度でKNVBベカーを制覇し、さらに2016-17シーズンは念願のエールディビジ優勝も果たす。
その後中国の広州富力を経て2021-22シーズンからスコットランドの名門グラスゴー・レンジャーズの監督に就任。アストン・ヴィラに去ったスティーヴン・ジェラードの後任となった。
ただちょうどアンジェ・ポステコグルー率いるセルティックがかなり好調だったこともあり、レンジャーズではリーグ優勝には手が届かず。2022年11月に解任されることになった。フランク・デ・ブール
オランダリーグを優勝したクラブ:アヤックス
プレミアリーグで率いたクラブ:クリスタル・パレス
オランダ代表では長くリベロとして活躍した名ディフェンダー。双子であるロナルト・デ・ブールとともに90年代のサッカーを彩ったスーパースターだ。
現役引退後に指導者となった彼は古巣アヤックスの下部組織からコーチングをスタートし、2010年にマルティン・ヨル氏の退任を受けて暫定監督に就任。さらに数週間後には正式に監督としての契約を結んだ。
そして2010年からなんと4シーズン連続でアヤックスをエールディビジ優勝に導き、素晴らしい成績を収めることに成功した。当然ながら数々のビッグクラブから関心を持たれる存在に。
ところが2016年夏に就任したインテルでは3ヶ月も持たずに解任。次年度のクリスタル・パレスでもわずか77日で解任されることになった。その後はアトランタ・ユナイテッドとオランダ代表、アル・ジャジーラを指揮した。スティーヴ・マクラーレン
オランダリーグを優勝したクラブ:トゥウェンテ
プレミアリーグで率いたクラブ:ミドルズブラ、ノッティンガム・フォレスト、ダービー・カウンティ、ニューカッスルなど
2001年から指揮したミドルズブラではリーグカップで優勝、FAカップやUEFAカップで決勝進出するなどいくつかの素晴らしい瞬間を経験したスティーヴ・マクラーレン監督。
イングランド代表での指揮を経て2008年にエールディビジのトゥウェンテで監督に就任すると、なんと2009-10シーズンにクラブの歴史で初となるリーグ優勝を果たし、年間最優秀監督賞も獲得した。
ただ、その後はノッティンガム・フォレストやトゥウェンテ(2回目の指揮)、ダービー・カウンティ、ニューカッスルなど様々なクラブを率いたもののかつての栄光を取り戻すことはできず。
現在はマンチェスター・ユナイテッドでエリック・テン・ハフのアシスタントコーチを務めているが、ここでも厳しい時間を過ごしている。ルイス・ファン・ハール
オランダリーグを優勝したクラブ:AZアルクマール、アヤックス
プレミアリーグで率いたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
詐欺で逮捕された者も…歴史上「最も早く退任した監督」ワースト10
比類のない戦術家であるルイス・ファン・ハール。1991年にアヤックスで監督となり、そこで3シーズン連続のエールディビジ制覇とUEFAカップ制覇、チャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。
その実績を引っ提げてバルセロナ、オランダ代表を指揮したあと、AZで再びエールディビジを優勝させた。さらにバイエルン・ミュンヘンと2度目のオランダ代表で結果を残し、2014年に初めてイングランド・プレミアリーグにやってきた。
マンチェスター・ユナイテッドは当時混乱のるつぼにあり、多くの補強を行いながらなかなか成功できず。2015-16シーズンにFAカップを制覇した2日後、クラブから解任を言い渡されている。
2024年04月29日 23:56
カタールで開催されているU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)の準決勝が現地4月29日に行なわれ、インドネシアとウズベキスタンが対戦している。
立ち上がりにペースを掴んだのはウズベキスタン。ポゼッションで上回り、自分たちのリズムでボールを動かしながら、緩急をつけたアタックを繰り出す。
守勢に回るインドネシアは、スペースを不用意に空けないポジショニングで対抗。自陣ゴール前では個々がより厳しい守備を見せる。
30分には、ウズベキスタンのボリエフが強烈なミドルを放つ。これは惜しくもクロスバーに弾かれて得点には至らず。
【PHOTO】松木玖生や川粼颯太らが絶妙ポージング!アジアカップを戦うU-23日本代表全選手&監督のポートレートを一挙紹介!
なかなかシュートにまで持ち込めないインドネシアは、アーハンのロングスローに活路を見出すも、思うようにゴールチャンスにはつなげられない。
主導権を握り、何度も相手ゴールに迫ったウズベキスタンだが、結局、前半は相手の堅陣を崩し切れず。試合はスコアレスで折り返した。
アジア勢に与えられたパリ五輪の出場枠は「3.5」。今大会で上位3か国に入るか、3位決定戦で敗れた場合は、大陸間プレーオフでギニアと対戦。準決勝で勝利したチームは、その時点でパリへの切符を手に入れることができる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年04月29日 23:29
バルセロナがスペイン代表DFパウ・クバルシとの新契約締結に近づいているようだ。
2024年04月29日 23:10
今回のレンタル移籍も失敗に終わるのか。イタリアのフロジノーネで出番が限られているのは、レアル・マドリードからのレンタルで加わっているブラジル人MFレイニエル・ジェズスだ。
現在レアルではFWヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスが活躍しているが、レイニエルも同じくブラジルからやってきた期待の若手アタッカーだった。
しかし、ここまでの欧州キャリアは対照的だ。ヴィニシウスとロドリゴが定位置を確保しているのに対し、レンタル移籍を繰り返しているレイニエルはかなり影が薄くなってしまっている。
レイニエルはまず2020年にドルトムント、2022年にジローナ、そして今季はフロジノーネにレンタル移籍しているが、どのクラブでも目立った成績は残せていない。今季のフロジノーネではセリエAで2ゴール2アシストを記録したのみだ。
ブラジル国内のフラメンゴ在籍時に2500万ユーロあった市場価値は、今や400万ユーロまで低下。スペイン『SPORT』は「彼はレアル・マドリードのシャツを着たことがない。契約は2026年まで残っているが、いつか着る日がくるとは誰も思っていない」と辛口で、今のところレアルでの未來を想像するのは難しいか。
2024年04月29日 23:00
クリスタル・パレスに所属するイングランド代表DFマルク・グエイ(23)の獲得を巡って、アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドが争う可能性があるようだ。英『The Times』が報じている。
2019年にチェルシーでプロデビューした同選手は2020年1月、スウォンジーへのレンタル移籍を経て、2021年7月にクリスタル・パレスへの完全移籍を果たした。1年目からプレミアリーグで36試合の出場を果たすなど、パレスの守備の要として君臨。今シーズンもパレスを支える1人であったが、2月頭のブライトン戦で膝を負傷してしまい、現在は離脱している。
まだ23歳という若さでありながら、イングランド代表でもCBを務める同選手はプレミアリーグのビッグクラブが目を光らせている選手の1人であり、今夏の去就が注目されている。ステップアップの可能性が高い同選手の獲得には少なくとも5500万ポンド(約108億円)が必要になるだろう、と同メディアは伝えている。
アーセナルにはガブリエウ・マガリャンイスとウィリアム・サリバといったプレミア屈指のCBコンビがいるものの、この2人の稼働率は気になるところで、できればもう一人トップレベルのCBが欲しいところか。しかし冨安健洋やユリエン・ティンバーというCBをこなせる選手もいるため、優先度はそこまで高くないかもしれない。
一方のユナイテッドは守備陣の立て直しは必須だ。今シーズンはディフェンスラインの要のリサンドロ・マルティネスが怪我に悩まされていることもあり、リーグ戦34試合で51失点を許している。ラファエル・ヴァランが今夏に退団する可能性が高く、CBを探している。エヴァートンのジャラッド・ブランスウェイト獲得の噂も浮上しているが、CBの補強は必須ポイントとなる。
グエイはプレミアを代表するCBの1人だが、今夏にビッグクラブへの移籍を果たすのか。
2024年04月29日 22:20
最近のサッカー界では、10代から当たり前のように活躍する猛者が次々と出てきている。バルセロナの16歳FWラミン・ヤマル、17歳のDFパウ・クバルシといった選手はその代表例だが、この1年で最も出番を得てきたティーンエイジャーは誰なのか。
今回『CIES Football Observatory』は欧州トップリーグにて、昨年4月からの1年で最もプレイタイムを得てきたティーンエイジャーを紹介している。
まず1位はポルトガル代表デビューも果たしているベンフィカMFジョアン・ネヴェス(19)だ。この1年で4905分間ものプレイタイムを記録しており、ベンフィカではすっかり主力だ。
2位は若手育成に定評あるオランダの名門アヤックスの最終ラインに入るDFヨレル・ハト(18)で4758分、3位はベルギーのヘンクでプレイするモロッコ代表MFビラル・エル・カンヌス(19)で4480分、4位はフランスのトゥールーズの守護神を務めるGKギヨーム・レステ(19)で4140分と続く。
ポルトガル、オランダ、ベルギーは若手を積極的に育成しているリーグで、こうしたリーグではかなり早い段階からチャンスをもらっている若手も目立つ。ネヴェスやハトは5大リーグでも活躍するポテンシャルがある選手だ。
この1年でステップアップした例で言えば、ベルギーのアントワープでプレイしていたベルギー代表MFアルトゥール・ヴェルメーレン(19)がアトレティコ・マドリードに引き抜かれている。まだアトレティコではレギュラーに定着していないが、アトレティコは同選手獲得へ2500万ユーロを投じており、将来への期待は大きい。
アルトゥールもアントワープ時代を含めれば、この1年で3949分の出番を得ている。すでにベルギー代表デビューも果たしており、成長スピードはかなり速い。
他にはブラジルのアトレチコ・ミネイロでプレイしていたブラジル人FWヴィトール・ロッキ(19)がバルセロナへ移籍。ロッキもこの1年で2902分のプレイタイムを記録している。
同じブラジル期待のFWエンドリック(17)もパルメイラスで3252分間のプレイタイムを得ており、とんでもない速度で経験を積み重ねている。
最近は10代から活躍する選手も珍しいものではなくなり、若手へのイメージも変わりつつある。今後もこの傾向は続いていくことだろう。
2024年04月29日 22:10
J1第10節浦和レッズ対名古屋グランパス戦が28日に埼玉県さいたま市内で行われ、2-1で3試合ぶりの白星を奪取した。
2024年04月29日 21:40
今季終了後の退任予定から一転、バルセロナは現指揮官シャビ・エルナンデスの続投を表明した。
今季は国内リーグでライバルのレアル・マドリードに差をつけられており、納得のいくシーズンではないだろう。チャンピオンズリーグでは奮闘したものの、それもベスト8で敗れてしまった。
しかし、シャビ体制での収穫も大きい。何と言ってもカンテラ(下部組織)出身の若手を成長させてきたことだ。16歳のFWラミン・ヤマルに続き、今季は17歳のDFパウ・クバルシも積極的に起用してきた。スペイン『MARCA』はこの若手育成こそシャビ体制に最も期待することと主張する。
「現時点では、シャビほど若手の成長を保証してくれる指揮官はいない。現在のバルセロナにおいて最も重要なことは、ヤマル、クバルシ、フェルミン、ガビ、エクトル・フォルトのような若い選手がペドリ、バルデ、アラウホのような他の若き主力選手とともに未来の基礎となることである」
18歳のFWマルク・ギウもシャビの下でトップチームへの一歩を踏み出していて、今のバルセロナは若手が非常に充実している。シャビ体制で数年先を見据えた我慢強いチーム運営ができれば面白いが、シャビは成功への礎を築けるか。
2024年04月29日 21:36
明治安田J1リーグにおいて4月は1勝3敗と苦境に直面していた浦和レッズ。しかし24日のYBCルヴァンカップでJ3のガイナーレ鳥取を5−2で撃破。武田英寿やエカニット・パンヤらここまで出番に恵まれない選手たちも活躍し、ようやく光明が見えてきた印象だった。
こうした中、迎えた28日の名古屋グランパス戦。浦和としてはリーグ3試合ぶりの勝利が求められた。
ペア・マティアス・ヘグモ監督は鳥取戦で途中出場した安居海渡を左インサイドハーフに先発起用した。左サイドでフリーマン的に動く中島翔哉をサポートさせつつ、攻守両面でダイナミズムを生み出す役割に期待。その安居がいきなり24分に一瞬の隙を突いて先制点を挙げることに成功し、チームとしても大いに弾みがついたと言える。
アグレッシブな姿勢を押し出す仲間に勇気をもらい、徐々に本来のリズムをつかんでいったのが、右FWで先発した前田直輝だ。今季から浦和の一員になったが、古巣である名古屋との対戦は初めて。永井謙佑や稲垣祥など慣れ親しんだ仲間たちと対峙するとなれば、やはり特別な感情が湧いてくるのも当然だろう。
「正直、ちょっと空回りしたところありました(苦笑)。相手がマンツーマンでコンパクトにタイトに来たイメージがあって、いつも通り、余裕を持ってプレーできればよかったんですけど、少なからず緊張まではいかないものの、ずっと楽しみにして、ソワソワしていた部分もあった。それが自分の甘さなのかなと思います」と本人も普段とかけ離れた入りになってしまったことを反省。本来のドリブル突破や局面打開を積極的に出そうと士気を高めていたに違いない。
それを具現化したのが、68分の大仕事だった。アレクサンダー・ショルツが奪ったボールをサミュエル・グスタフソンがキープし、前を走る伊藤敦樹にパスが出た瞬間、右サイドでフリーになっていた前田は仕掛ける気満々だった。そしてボールを受けると一目散にペナルティエリア内でドリブルを見せ、稲垣祥のファウルを誘った。これでPKを獲得し、チアゴ・サンタナがゴール。この2点目が決勝点となり、浦和は2−1で勝利。今季リーグ4勝目を挙げたのである。
「数字に残らないのがちょっと悲しいですけど、あれが大仕事と言ってもらえているのであればうれしいですね。(決めた)チアゴはいつも『ありがとう』と言ってくれるんです。チアゴが今季決めているPKの3点とも僕が取ったPKなので(笑)。『あなたがエースなんだから、もちろんだよ』と彼には話していますけど」と前田本人はチアゴに対する大いなるリスペクトを口にした。
やはりチームとしてもエースFWの得点数が伸びた方が勢いに乗れる。前田の気配りを有難く感じているはずだ。
前田は今、完全に”浦和の男”となり、チームを勝たせることのできる選手になりつつある。
「僕はもう浦和の一員なので、浦和の勝利のためにやっています。浦和にしっかり染まっていきたい」と本人も今回の古巣対決を経て、自分の意識を高めた様子だ。
切れ味鋭い29歳のレフティーの存在価値を痛感している1人が、右サイドで縦関係を形成している右SB石原広教だろう。
「直輝君は鳥取戦の時もそうですけど、攻撃でパワーを発揮して、ああやってPKを取ってくれる選手。僕としては『戻らなくていいから、前にいて攻撃で結果を残してほしい』と言っていますけど、直輝君も頑張れる選手なので、守備に戻ってきてくれます。今年はキャンプからずっと一緒にいて、お互いに遠慮することなくいろいろと言い合っていますし、先輩なのにすごくコミュニケーションを取ってくれるので、いい関係ができています」
石原が前向きに語る通り、右サイドの連携面が試合を重ねる毎にスムーズになっている印象は少なくない。彼らが活性化はすれば、右インサイドハーフの伊藤がもっと高い位置に侵入できるだろうし、グスタフソンのシュートチャンスも増えるはず。そしてヘグモ監督の目指すサッカーに近づけることができれば理想的だ。前田直輝という人材は現在の浦和に必要不可欠だと言っていいだろう。
「だけど、自分としてはもっともっとゴールに直結するプレーをしたいイメージはあります。チームとしても決定機を増やし、ゴールを取れるようにしたい」と背番号38は語気を強めたが、確かにアタッカーである以上、自身の得点も増やすことは重要なタスクである。
3月17日の湘南ベルマーレ戦で今季初ゴールを奪って以来、彼には歓喜の瞬間が訪れていない。そこはやはり物足りないというしかない。名古屋時代の2019年に記録したシーズン9点を上回るべく、ここからゴールを量産していくことが重要だ。そうすれば、自ずと浦和の戦績も順位も上がる。前田のやるべきことは明確なのだ。
5月の浦和は直近の川崎フロンターレ、横浜F・マリノス戦を筆頭に7試合の超過密日程。そこをうまく乗り切れば、もっと順位を上げられる。「自分はいつも60〜70分しか出ていないので、コンディションは大丈夫」と言い切る右のキーマンのパフォーマンスが今後のカギになるのは間違いなさそうだ。
取材・文=元川悦子
2024年04月29日 21:33
U-23日本代表は現地4月29日、カタール・ドーハで開催されているU-23アジアカップの準決勝でU-23イラク代表戦と対戦。この試合からDF西尾隆矢の出場停止処分が解かれる。
初戦の中国戦で一発退場となった西尾は、3試合の出場停止処分が明け、イラク戦から出場可能に。これまでも、年代別代表でセンターバックとしてコンビを組んできた木村誠二も仲間の復帰を喜ぶ。
「やっと戻ってきてくれる。本当にセンターバックとしての能力はやっぱり高いですし、今までずっと一緒に代表で組んだりしてきた。センターバックの中でも同い年で、ずっと今まで一緒にやってきた特別な思いもありますし、やっと一緒に戦えるようになったのは嬉しいですね」
【PHOTO】松木玖生や川粼颯太らが絶妙ポージング!アジアカップを戦うU-23日本代表全選手&監督のポートレートを一挙紹介!
また西尾の能力はチームにとって心強いと強調。プレーをこう分析した。
「ディフェンスラインの統率能力が高いですし、結構、マメなタイプなので、ラインの上げ下げもたぶん一番細かいんじゃないかなってぐらい、結構細かくやります。センターバックとして必要なマメさはかなりある。あとシンプルに、身体を見ればわかると思うんですけど強いので、当たり負けもしない。ゴール前の守備の強さもやっぱり日本人としては抜けている部分があると思う。そういう部分で頼りになる選手です」
復帰を歓迎したが、ピッチ上ではプロの選手同士。「ただ、試合に出るってなったらそんなの関係ない。隆矢が出るにしろ、自分にしろ、(高井)幸大でも、(鈴木)海音でも。それぞれがちゃんとやれることをやるだけ」と闘志を燃やした。
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
2024年04月29日 21:20
首位セルティックと2位レンジャーズの勝ち点差は未だ3ポイントと、今季スコットランド国内リーグの優勝争いはかなり激しいものとなっている。
2024年04月29日 20:46
2月に横浜F・マリノスからスイスリーグのセルベッテへ買取オプション付きのレンタル移籍をしている西村拓真。スイスにわたり2か月余りがたった。どんな時間を送っているのだろう?
セルベッテは首位ヤングボーイズと優勝争いをしているが、レギュラーシーズンの終盤に4試合連続勝ち星に見放され、流れを取り戻すのに苦労していた。今季は残留争いをしているバーゼルとの32節は、きっかけを掴むために勝利が是が非でも欲しいところだったが、相手の堅守を崩しきれず、1−2で敗れている。
31節のチューリッヒ戦に続きべンチスタートとなった西村は、この試合は8分から途中出場。負傷したFWエンゾ・クリベリに代わってFWの位置に入る。ピッチに入った瞬間から、ダッシュで相手に向かってプレスをかけていく。直後の9分には左サイドからのクロスにファーポスト際で打点の高いヘディングシュートを見せた。ゴール右へと惜しくも外れたが、数分後には左サイドのスペースに飛び出して味方からのパスを引き出すなど、《らしい》ダイナミックな動きを見せていた。
「しばらくは最初から出てましたけど、今日と前回とは(ベンチスタート)。結果という部分では監督に求められてると思います。けどその中でも僕にしかできないところは多くあると思うんで、自分の長所をずっと出し続けて、より良い選択肢になれるようにしていきたいです」
【動画】セルベッテ西村拓真がルツェルン戦で2ゴール!
精力的な前線からの連続プレス、一瞬のスキをついてスペースに飛び出すタイミングとそのスピード、ゴール前で相手を外す動き出しの巧みさなどらしい動きを随所で披露している。空中戦でも負けていない。ただ決定的なシュートチャンスはほとんど訪れないまま試合が終わってしまった。
一度、前半途中にセンターからサイドに流れてプレーしようとしていた西村に対して、レネ・ヴァイラー監督がコーチングゾーンから「もっとセンターに入ってプレーして」といったジェスチャーを送っていた。
「点を取れる位置にいてほしいってことだと思いますけど、ただ全然ボールが来ないんで。まあしようがない」
FWは時にジレンマを抱えながらプレーしている。相手守備をひきつけ、ゴールの可能性が高くなるペナルティエリア付近に陣取ることの大切さはわかる。でもあまりにもボールに触る機会が少ないままだと、リズムも勢いも出にくくなる。西村はそのあたりで試合の流れに絡みつつ、ゴール前にもしっかりと残るためのやり取りを探っているようだ。
「我慢といったらあれですけど、やっぱり相手との駆け引きがあるので、例えば僕がサイドに流れたら誰かがセンターに入ったりとか、いろいろ考えてやっていきたいです」
レギュラーシーズン最後のグラスホッパー戦を1−0で勝利したセルベッテ。ここからは1位から6位までのチーム同士が総当たりで当たるプレーオフに突入する。残りのシーズンに向けて、西村はどのように自分を高めていきたいと思っているのだろう?
「もう1試合1試合、目の前の試合に対して、全力で臨みたいです。やっぱり優勝がチームの目標でもあるんで。そこに自分が強く貢献していきたいなと思います」
1点で流れは変わる。西村ゴールの連続で現在3位のチームを2位、さらには首位にまで導いてほしい。
取材・文●中野吉之伴
2024年04月29日 20:25
待望のゴールはチームを救う一発だった。サンフレッチェ広島は28日、明治安田J1リーグ第10節で川崎フロンターレをホームに迎えて2−2で引き分けた。FW加藤陸次樹はフル出場で同点ゴールをマーク。今シーズン初得点を決めてチームの無敗に貢献した。
1点を追う75分、MF満田誠がペナルティエリア前に持ち上がってクロスを入れる。ふわりとしたボールに目の前のFWピエロス・ソティリウも反応していたが、加藤は「ピエロス選手が触るかなと思ったけど、触らないことに賭けて走り込んだ」と自分の直感を信じた。
ボールはソティリウを超え、待ち構えていた加藤が左足で押し込んでゴールネットを揺らした。その瞬間、待ちに待った背番号51の今季初ゴールにホームサポーターの歓喜が爆発した。だが、本人は喜びもほどほどにすぐ自陣へ戻り、主審のゴール確認を待っている間も、「勝ちに行こう」と視線はすでに逆転を目指していた。
今季はJ1開幕から9試合連続でスタメン出場し、どの試合も80分以上プレーしてきたが、不発続きで苦しんでいた。それでも、「マジで吹っ切れていた」と加藤はチームの勝利のために戦う決心だった。
「点が取れないなら、もうチームのためにできることをやるしかないし、その中で点はそのうち取れるだろうと思っていた。ホームだったし、勝利がみんなのためになるなと思ったので、チームのためにできることを意識していた」
試合を通じて前線で体を張り、走り続け、攻撃をつなぎ、サイドでチャンスメイクし、攻守にわたってチームのために戦った。すると、逆転を許して苦しい展開となった直後に同点弾。劇的なタイミングでの今季初ゴールでチームを救った。試合後の加藤は、「ホッとした」と初得点に安堵した様子だった。
「ゴールの瞬間は落ち着いていたので、自分らしくない得点だった。いつもなら初ゴールは思い切って振り抜いて決める感じだけど、今日は落ち着いてゴールを決められた」と得点シーンを振り返り、「広島のサッカーは失点しても一人ひとりがビビらずに前にどんどんボールを運ぶし、その(失点後の)瞬間にチャンスが来たので、決めきれて良かった」と胸を張った。
ミヒャエル・スキッベ監督も試合後の会見で「ここまで非常に苦労した部分があったので、これで少し肩の荷が下りたと思う。ゴールを量産する選手なので、これからはどんどんやってくれると思う」と話し、ストライカーのさらなる活躍に期待を寄せている。
広島はリーグ戦開幕10試合無敗を維持したものの、3試合連続ドロー。チャンスを多く作れている中で勝ち切れない試合が多く、加藤は「広島のサッカーはチャンスがめちゃくちゃ多いので、その分決められなかった時に気持ち的にも体力的にも代償が大きい。今日も(守備に)戻りきれない部分が多くて、危ないシーンがたくさんあった。でも、決めきれれば、勝てると思うので、そこにこだわらないといけない」と得点への意欲を燃やす。
次節は5月3日、アウェイでのアルビレックス新潟戦。ゴール連発と4試合ぶりの勝利を誓う加藤は、「(初ゴールを決めて)かなり安心しているけど、勝てなかったので。チームとしていい状況ではないけど、次勝てば一気にいい状況に持っていけると思う」と話し、次はチームを勝利に導く得点を狙う。
取材・文=湊昂大
2024年04月29日 20:16
4月28日に開催されたプレミアリーグの第35節で、5位のトッテナムが暫定首位のアーセナルがとホームで対戦。宿敵とのノースロンドン・ダービーを2−3で落としている。
前半にまさかの3失点を喫したスパーズは、63分にようやく1点を返す。相手GKダビド・ラジャのパスミスをカットしたクリステャン・ロメロが、落ち着いてゴールに流し込んだのだ。
【動画】なぜそこにいた? トッテナムDFの驚愕弾
CBのアルゼンチン代表が、なぜ最前線にいたのか。ファンからは次のような驚きの声が上がっている。
「どこにおんねん」
「神出鬼没すぎ」
「シュートうま」
「なんかスパーズにロメロ3人くらいいないか?」
「今までで一番なんでそこに?って思ったわ」
「ストーンズもびっくりの偽センターバック」
「ワントップに置いてください!」
「スパーズはなんでロメロがゴールに一番近いねんw そして決めんねん」
この一発で流れを取り戻したスパーズだったが、あと1点が及ばなかった。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部