2024年04月18日 00:00
16日に行なわれたU23アジアカップの初戦で、センターバックの西尾隆矢が前半のうちに退場してしまった日本代表。しかし松木玖生のゴールを最後まで守りきり、なんとか勝利をあげることに成功した。 なお、日本のフル代表がワールドカップで退場者を出したケースはこれまでゼロ。25試合に渡ってレッドカードを受けていないという記録を持っている一方、アジアカップではこれまで5回の退場者が出ている。 今回はその5名の選手を振り返っていこう。ちなみに10人になった5試合の成績は4勝1分けと負けなしで、退場者が出た4大会全てで日本は優勝を果たしている(逆に言えば退場者を出さなかった大会は全て敗退)。松永成立 退場したアジアカップ:1992年広島大会 退場した試合:準決勝中国戦 その試合の結果:3-2で勝利 自国開催のアジアカップで、初めてA代表チームを構成して臨んだ1992年。ハンス・オフト体制のチームはギリギリでの戦いを乗り越えて優勝を果たした。 退場者が出たのは準決勝の中国戦。ゴールキーパーの松永成立が相手選手への乱暴な行為によってレッドカードを受けたが、その後中山雅史の決勝ゴールが決まって3-2と勝利を収めている。 なお、松永成立が出場停止となったあとにゴールを守ったのは前川黛也(現ヴィッセル神戸)の父親にあたる前川和也であった。海本慶治 退場したアジアカップ:2000年レバノン大会 退場した試合:グループステージ第3節カタール戦 その試合の結果:1-1の引き分け レバノンで行なわれた2000年のアジアカップ。フィリップ・トルシエ監督に率いられたチームは、中田英寿がクラブの事情で辞退したにもかかわらず、名波浩や中村俊輔、小野伸二、高原直泰などの有力選手が揃い、攻撃的なサッカーで優勝を果たした。 グループステージでサウジアラビア、ウズベキスタンに連勝して決勝トーナメント進出を決めていたこともあり、カタール相手の第3節ではターンオーバーを敢行。しかし22分に先制点を許し、先発起用された海本慶治が39分で退場になってしまった。 ただ60分には西澤明訓が同点ゴールを奪い、苦しい状況の中でなんとか勝点1を奪取することに成功している。遠藤保仁 退場したアジアカップ:2004年中国大会 退場した試合:準決勝バーレーン戦 その試合の結果:4-3で勝利 日本代表の歴史上でも最も劇的な逆転劇と言えるアジアカップ2004のバーレーン戦。しかもさらに伝説的なヨルダンとのPK戦を終えたあとということで、非常に印象強いゲームだった。 開始直後にアラー・フバイルの先制点を許し、さらに前半40分で遠藤保仁の腕が相手選手に当たったとしてレッドカードが提示されてしまう。10人になった代表は中田浩二と玉田圭司のゴールで逆転するも、その後再び2失点して絶体絶命の状態に。 ところが90分に中澤佑二が起死回生の同点弾を決め、さらに延長に入ってすぐに玉田圭司が逆転ゴールを奪取。ドラマのような展開で勝利をもぎ取った。川島永嗣 退場したアジアカップ:2011年カタール大会 退場した試合:グループステージ第2節シリア戦 その試合の結果:2-1で勝利 李忠成の劇的なゴールで優勝を果たしたザックジャパン。しかし開幕戦のヨルダン戦はギリギリまで追い詰められ、なんとか吉田麻也のアディショナルタイムでのゴールで勝点を拾っただけだった。 そして迎えた第2節のシリア戦も、長谷部誠のゴールで先制しながら72分に川島永嗣が退場してしまう。相手選手がオフサイドかどうかが微妙な状況での接触だったが、退場処分が覆ることはなかった。 PKで追いつかれたものの、その後本田圭佑のPKで再びリード。なんとか勝点3をつかみ取り、決勝トーナメント進出の可能性を高くした。吉田麻也 退場したアジアカップ:2011年カタール大会 退場した試合:準々決勝カタール戦 その試合の結果:3-2で勝利 U-23日本代表、U23アジアカップに招集できなかった「海外日本人」の逸材たち12名 そして2011年大会はもう一人退場者が生まれた。決勝トーナメントの1回戦で地元のカタールと対戦した日本は、13分にセバスチャン・ソリアに先制点を許すという厳しいスタートになった。 その後香川真司が同点ゴールを奪ったものの、61分に吉田麻也が2枚目の警告を受けて退場に。さらにその直後のフリーキックをファビオ・セーザルに直接叩き込まれ、絶体絶命の状況となる。 しかしその後香川真司がこの日2点目を決めて追いつくと、試合終了間際にまさかの伊野波雅彦が決勝点を奪取。劇的な展開で逆転勝利をあげ、優勝への道を繋げた。
2024年04月30日 18:00
イタリア1部カリアリ・カルチョとキットサプライヤーのEye Sportは28日、サルデーニャ島の歴史で重要な日となる祝日に合わせて限定ユニフォームを発表した。5月5日のリーグ戦で着用する。Cagriali 2023-24 EYE Sport Special Edition
カリアリ 2023-24 Eye Sport スペシャル・エディション
カリアリのホームタウンが属するサルデーニャは、地中海で2番目に大きな島。“Sa Die de sa Sardigna”(サルデーニャの日)と名付けられたこのユニフォームは、この島の歴史に関するデザインを施している。
このユニフォームは1794年4月28日に起きた“革命”を祝うためのもので、その日に合わせて発表されている。
後にイタリア王国の王家となるサヴォイア家の支配下にあった当時のサルデーニャは、半ば植民地的な扱いを受けていた。そんな抑圧に島民の不満が爆発したのが1794年4月28日で、傲慢な副王(君主の代理人)や官僚に対して革命ともいえる反乱を起こし、島から追い出すことに成功した。
農民から貴族まで島民が立場を超えて反乱に参加し、サルデーニャの自由を勝ち取った日。その4月28日は「サルデーニャの日」として、島の祝日に定められている。
このデザインは、民衆が勝利した日の様子を描いたフレスコ画(絵画)「Entrata di Giovanni Maria Angioy a Sassari」に触発されたもの。絵画を直接的にデザインするのではなく、モザイク的なピクセルアートで表現している。
ただ、絵画がモチーフと言われなければ単なるモザイク。その絵画がどのようなものかを知っているか否かで、このデザインに対する感想も異なるかもしれない。
今季「特別ユニフォームを着て、ホームで負けた」欧州の6チーム
「サルデーニャの日」を祝したこの特別ユニフォームは、5月5日にホームで行われるセリエA第35節レッチェ戦で、選手たちが着用する。
なお、一般販売については今のところ発表されてない。
2024年04月30日 17:45
主砲の美弾に海外からも注目が集まっている。
大岩剛監督が率いるU-23日本代表は現地4月29日、カタールで開催されているU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)の準決勝でイラクと対戦。2−0で快勝し、8大会連続のオリンピック出場を決めた。
この大一番で、貴重な先制ゴールを決めたのがエースの細谷真大だ。28分、MF藤田譲瑠チマが供給した浮き球のパスを見事なトラップで収め、ボックス内に侵入すると、巧みにターンをして冷静にフィニッシュ。華麗にゴールに流し込んでみせた。
【動画】海外ファンも絶賛! 細谷真大の華麗な反転弾
この鮮烈弾に、中国メディアの記事やウェイボー(中国版X)の投稿には、「チームがうまく連係していて秀逸だ」「中国のFWの95%は決められない」「東アジアの選手の器用さと協調性を極限まで高めたようだ」「とにかく美しい」といった称賛の声が上がった。
ビッグマッチでチームを勝利に導く、まさにエースの一撃だった。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年04月30日 17:27
湘南ベルマーレは30日、湘南ベルマーレU−18に所属するDF本多康太が2025シーズンよりトップチームに昇格することが内定したことを発表した。
2006年5月20日生まれの本多は現在17歳。湘南ベルマーレU−15からU−18に昇格するとともに、世代別の日本代表にも選出されてきた同選手は、来シーズンのトップチーム昇格内定に伴い、クラブ公式サイトでコメントを残している。
「小学6年生からお世話になった湘南ベルマーレでプロ選手のキャリアをスタートできることを大変うれしく思うと同時に、この挑戦にとてもワクワクしています。これまで私の成長に関わってくださったコーチ、トレーナー、先生方、スタッフの皆様に心から感謝いたします。湘南のために、全力で進み続けます。皆さま応援よろしくお願いします」
2024年04月30日 16:49
セビージャは29日、FWイサーク・ロメロのメディカルレポートを報告した。
2024年04月30日 16:45
アヤックスやバルセロナで長く活躍し、オランダ代表でも通算40ゴールを決めてきた偉大なる父と比較されるのは苦しいかもしれない。
元オランダ代表FWパトリック・クライファート氏の息子であるFWジャスティン・クライファートは、これまで欧州各地を転々とするキャリアを歩んできた。
10代からアヤックスでインパクトを残したのは見事だったが、その後のステップアップが思うように進まなかった。ジャスティンは24歳にしてローマ、ライプツィヒ、OGCニース、バレンシア、そして現在所属するボーンマスと、欧州5大リーグ全てを経験している。
思い描いたキャリアとは異なるかもしれないが、ジャスティンは今季ボーンマスでリーグ戦7ゴールを記録。プレミアリーグでの通算得点数では、父のパトリックを超えた。父のパトリックはニューカッスルでプレイしていた時期があり、プレミアリーグでは6ゴールしか奪っていない。
小さな記録かもしれないが、ジャスティンは胸を張る。
「それは僕にとって大きな意味がある。クラブにとっても僕自身にとっても特別だよ。父を超えることができた。それはとても嬉しいよ」(オランダ『Voetbal Primeur』より)。
ここまでのプレミア7得点という数字は悪くない。オランダ代表では2018年以降プレイ出来ていないが、まずは1つのクラブで継続的に結果を出す必要がある。今季ボーンマスではその一歩を踏み出せていると言えるはずで、年齢的にもまだまだオランダ代表入りを狙える若さだ。
2024年04月30日 16:22
26日にアストン・ヴィラと対戦したチェルシーは、2-2で引き分けた。2点をリードされたところから追いついたのは見事だが、勝ち切れないのは相変わらずだ。
このゲームで再び厳しい評価を受けたのは、左サイドで先発したFWミハイロ・ムドリクだ。
スピードに乗ったドリブルは可能性を感じさせるものがあるのだが、それを上手くチームプレイの中で活かせていない印象がある。ここまでプレミアリーグでの成績は4ゴール2アシストとなっており、満足できる数字ではない。
『ESPN』によると、クラブOBのフランク・ルブーフ氏はチームプレイを理解していないと辛口だ。
「彼はどのようにチームメイトたちとサッカーをすればいいのかまるで理解していないようだ。チームメイトとプレイすることを学んでいない」
このアストン・ヴィラ戦では12回のボールロストがあり、デュエルも8回中3回のみ勝利と不十分だ。サポーターからの視線もかなり厳しくなっているように感じられるが、チェルシーの10番が似合う選手になれるのか。
2024年04月30日 15:17
現地時間28日に行われたプレミアリーグ第35節でアーセナルはトッテナムと対戦し、3−2で勝利した。
今シーズン2度目のノースロンドン・ダービーは手に汗握る接戦となった。敵地に乗り込んだアーセナルは前半だけで3点を先行するも、64分にスペイン代表GKダビド・ラヤのキックミスから1点を返されると、84分には韓国代表FWソン・フンミンにPKを沈められ1点差に。その後はトッテナムの猛攻にさらされたものの、最後まで集中力を切らさず、3−2で試合を締め括った。苦しみながらも勝ち点「3」を獲得したアーセナルは暫定首位の座をキープしている。
勝敗を分けたのはセットプレーだと言っても過言ではないだろう。アーセナルの先制点となったデンマーク代表MFピエール・エミール・ホイビュルクのオウンゴール、3点目のドイツ代表FWカイ・ハフェルツのヘディングシュートはいずれもCKから生まれたもの。対するトッテナムアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロがセットプレーから2度決定機を迎えており、20分にはイングランド代表MFジェームズ・マディソンのFKに合わせたヘディングシュートが身右ポストを叩いている。仮にこれが決まって同点に追い付いていれば、少なくとも試合展開は異なるものとなっていただろう。
アーセナルがセットプレーに強いのは今節に限った話ではない。イギリスメディア『スカイスポーツ』によると、今シーズンのアーセナルはPKを除いたセットプレーから合計22ゴールをマークしているが、これはリーグ最多の数字。また、セットプレーから喫した6失点も今シーズンのリーグ戦における最少の数字となっている。
とりわけCKで強みが発揮されており、ここまで挙げた16ゴールは2016−17シーズンのウェストブロムウィッチと並んで、プレミアリーグの1シーズンにおける最多記録となっている。イングランド代表FWブカヨ・サカと同MFデクラン・ライスのキック精度が高いのは言うまでもないが、イングランド代表DFベン・ホワイトが相手GKの動きを制限したり、ブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイス、フランス代表DFウィリアン・サリバ、ハフェルツが敢えてオフサイドポジションに陣取ったりするなど、得点の可能性を高めるための多様な工夫がなされており、ショートコーナを含めたバリエーションは豊富だ。
これを主導しているのがセットプレーコーチを務めるニコラス・ジョバー氏。かつてモンペリエのアナリストやブレントフォードのコーチを務めた42歳のフランス人は、マンチェスター・シティ時代に仕事を共にしたミケル・アルテタ監督の誘いを受けて、2021年夏にアーセナルへ加入。すると、ジョバー氏の着任初年度からアーセナルのセットプレーは大幅に改善され、得点数はその前のシーズンの「6」から「16」まで増加した。
アルテタ監督は同氏の就任直後に「彼の専門知識は我々にとって信じられないほど有益で価値がある」とコメントしていたが、その言葉通り、ジョバー氏の編み出すセットプレーはアーセナルに多くの勝ち点をもたらしている。
長かった2023−24シーズンも残りわずか。20年ぶりのリーグ制覇を目指すアーセナルの戦い、そしてセットプレーに注目だ。
2024年04月30日 15:10
リーグ・アン3連覇を決めたパリ・サンジェルマン(PSG)。
2024年04月30日 14:48
現地時間4月29日、U-23イラク代表はカタールで開催されているU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)の準決勝で、大岩剛監督が率いるU-23日本代表と対戦。0−2で敗れた。
中東メディア『winwin』は試合後、イラクの3選手のコメントを紹介。それぞれ日本戦を振り返り、次の3位決定戦に向けての意気込みを口にしている。
MFザイド・イスマイル
「怪我で欠場した選手がイラクのレベルに影響を及ぼした。我々はいくつかのチャンスを逃し、幸運に恵まれなかった。しかし、インドネシアに勝てばパリ五輪に出場できるという希望がまだ残っている。
次は母国のファンを喜ばせるつもりだ。生きるか死ぬかの戦いであり、我々にとっては最後のチャンス。日本に負けたことで、自分たちのプレーには満足していないが、自信を持っている」
【動画】細谷が鮮烈フィニッシュで2戦連発弾&荒木が華麗な連係から追加点
GKフセイン・ハサン
「日本戦の結果を乗り越えなければいけない。次のインドネシア戦は必ず勝つ。この試合は我々にとって最も重要だ。イラクは目を覚ます必要があり、自信を取り戻せることを楽しみにしている。日本は非常に強い相手なので、負けるのは仕方ない。にもかかわらず、我々は後半、彼らの脅威を抑えることができた」
MFブルンド・アザド
「イラクは(日本戦の)後半にプレーを改善できた。僕たちは決定力を欠いていただけだ。今はインドネシアとの対戦に集中している。勝利はもちろん、イラクのファンを魅了するためにプレーする」
パリ五輪の出場権がかかるイラク対インドネシアの3位決定戦は、日本時間で5月3日の0時30分にキックオフ予定。敗れたほうが、大陸間プレーオフでアフリカのギニアと対戦する。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2024年04月30日 14:42
23-24スペイン1部リーグは29日、第33節の試合が行われ、2位FCバルセロナ(FC Barcelona)はロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)のハットトリックなどでバレンシア(Valencia CF)を4-2で下した。
バルセロナはフェルミン・ロペス(Fermin Lopez)のゴールで先制した後、ウーゴ・ドゥロ(Hugo Duro)の得点とペペル(Jose Luis Garcia Vaya)のPKで逆転を許したが、前半終了間際にGKギオルギ・ママルダシュビリ(Giorgi Mamardashvili)がハンドで退場し10人になった相手に対し、後半にレワンドフスキがハットトリックを達成して打ち合いを制した。
これでバルセロナは残り5試合で首位レアル・マドリード(Real Madrid)との勝ち点差11をキープし、レアルが次節のカディス(Cadiz CF)戦で自力で優勝する可能性はなくなった。ただし、次節バルセロナが勝ち点2差で3位につけるジローナ(Girona FC)との一戦に敗れた場合は、レアルの優勝が決まる可能性がある。
敗れたバレンシアは、来季の欧州カップ戦出場を目指す中で8位につけている。
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2024年04月30日 14:13
五輪切符の懸かった準決勝は、今大会最高のチームパフォーマンスを見せる試合となった。
「負ければ予選敗退」という背水の陣で臨んだ準々決勝・カタール戦は、選手たちが口を揃えて「これまで感じたことのないプレッシャー」と形容する重圧の中、判断も鈍り、決断も翳り、精度も落ちる中で自分自身に打ち克ったような苦しい試合だった。
一転して準決勝・イラク戦は、その強烈なプレッシャーの反動も出る形で溌剌とプレー。イラクは日本の右サイドを厳重に警戒してきたが、それをあざ笑うように左から切り崩し、中央をぶち抜き、2つのゴールを前半の内に流し込んでの快勝となった。
「この試合、みんなの共通認識として『負けても次がある』という考え方は止めようという話はしていましたけど、でもやっぱり、『負けたら何も残らない』というカタール戦のほうがプレッシャーは感じていました」(MF藤田譲瑠チマ)
イラクが守備的な布陣を敷いてきたことも、逆に日本にとってはやりやすくなった面もあった。試合前から5バックのチームに対する「慣れ」を語ってくれていたのはMF松木玖生だが、これだけ5バック相手の試合が続けば、自然と選手たちの“攻略法”に関する共通理解も育つもの。「(サイドで)餌をまいて真ん中を行く」という大岩監督の狙いを体現する形でのゴールが生まれたのは必然だった。
2-0の快勝での決勝進出、そして五輪切符獲得となったが、大会がこれで終わったわけではない。試合後のロッカールームで大岩監督は「おめでとう」と選手たちを労ったあと、すぐにこんなことを続けたと言う。
「ウズベキスタンには2年前に敗れた借りもある。それを返しに行こう」
今大会で決勝進出を果たしているウズベキスタンとは、2年前のAFC U23アジアカップ準決勝でも対戦済み。このとき、日本は大会の年齢制限より2歳若いU-21代表チームで参加していたのだが、ウズベキスタンも同じ条件でチームを組んでいた。つまりパリ五輪世代同士での真っ向勝負となり、0-2で敗れたことになる。
内容もボール支配率こそ日本が上回ったが、シュート数20対6と圧倒され、デュエル勝率も特に空中戦では75対25という大差になった。大岩ジャパンが立ち上がってから最も悪い記憶の残る試合だったと言っても過言ではない。指揮官が「借りを返す」と言いたくなるのも当然だろう。
藤田は五輪切符を「自分たちの最低目標」とした上で、「まだもう一つ目標はある」とアジア王者獲得へ、もう一度照準を合わせ直すことを誓う。また五輪切符獲得後最初の試合は、パリへ向けての最初の一歩とも言える。五輪はたった18名の枠しかなく、今大会に不参加だった欧州組も多数いて、しかもオーバーエイジ選手の起用も予想される現実もある。
チームとして五輪への切符はつかんだとはいえ、個人としての五輪行きを保証されている選手が一人もいないのも、また現実だ。もちろん、五輪で結果を出すために、チームとしてより積み上げていく必要もある。5月3日、23歳以下のアジア王者を決する戦いは、パリへの戦いの始まりでもあると言えるだろう。
取材・文=川端暁彦
AFC U23アジアカップ2024 試合日程
決勝 vsU-23ウズベキスタン代表
5月3日(金) 24時30分キックオフ
DAZN、NHK総合で生中継
2024年04月30日 13:56
サッカーイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に所属するブラジル代表DFチアゴ・シウバ(Thiago Silva)が29日、今季限りでの退団を発表した。
2024年04月30日 13:55
今シーズン限りでアスレティック・ビルバオを退団する主将MFイケル・ムニアインが、ファンとクラブに向け手書きでのメッセージを送った。29日、クラブ公式サイトが映像付きで、その様子を伝えている。
現在31歳のムニアインは、アスレティック・ビルバオの下部組織から2009年7月に16歳7カ月11日の若さでトップチームデビュー。クラブの公式戦最年少出場記録を樹立し、以降は最年少得点記録も更新して同年12月にプロ契約を締結した。その後はワン・クラブ・マンとしてプレーを続け、これまでクラブ歴代2位となる公式戦557試合に出場し、75ゴール57アシストを記録。今月6日には悲願のコパ・デル・レイ(国王杯)優勝を成し遂げ、24日に今シーズン終了後の退団を発表した。
12歳でアスレティック・ビルバオの下部組織に入団してから、約20年間を“ロス・レオネス”に捧げてきたムニアイン。前主将であるマルケル・スサエタ氏からの腕章継承や2度のスーペルコパ・デ・エスパーニャ優勝、そして2度の前十字じん帯の大ケガに主要大会では5度の準優勝と、クラブと苦楽をともにした“王様”がペンを片手に別れの手紙を綴った。
「別れはカップ戦の決勝のPKのようなものだ。ためらってはいけない」
「言葉を受け取り、慎重に置き、足場を固め、6歩後退し、前進し、心を込めて書く。その言葉は『ありがとう』だ」
「エスケリック・アスコ(バスク語で“どうもありがとう”)」
「愛しい、愛しいアスレティック。僕はあなたのことをいつまでも愛している」
イケル・ムニアイン
2024年04月30日 13:37
米国サッカー連盟(USSF)とメキシコサッカー連盟(FMF)は29日、2027年女子W杯(FIFA Women's World Cup 2027)の共催招致の立候補を取り下げ、31年大会の招致を目指す意向を発表した。
国際サッカー連盟(FIFA)は、来月17日にタイ・バンコクで開かれる総会で27年大会の開催地を決める投票を行う予定だったが、あと数週間に迫ったタイミングでの電撃決定となった。
これで招致に名乗りを上げているのは、3か国での共催を目指すドイツ・ベルギー・オランダと、単独開催のブラジルだけとなった。
米国では24年にコパ・アメリカ(2024 Copa America)、25年にクラブW杯(2025 FIFA Club World Cup)、26年にはメキシコ、カナダと共催するW杯(2026 World Cup)が控えている。28年にはロサンゼルス五輪もあり、27年女子W杯の招致が成功していれば、すでに過密な北米のカレンダーに新たな大規模スポーツイベントが追加されることになっていた。
USSFは、31年まで待つことで、主催者側に計画を立てるための余裕が生まれ、さらに26年の男子W杯での教訓も得られると説明した。
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2024年04月30日 13:00
イラク代表は現地時間4月29日、カタールで開催されているU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)の準決勝で、大岩剛監督が率いるU-23日本代表と激突した。
勝てばパリ五輪の出場が決まる一戦で、イラクは28分に細谷真大のシュートで先制点を献上。さらに42分にも、荒木遼太郎にネットを揺らされ、0−2で敗戦を喫した。
これで、イラクはインドネシアとの3位決定戦でパリ五輪の出場権獲得を目ざす結果に。もし敗れれば、ギニアとの大陸間プレーオフに回ることになる。
【動画】細谷が鮮烈フィニッシュで2戦連発弾&荒木が華麗な連係から追加点
中東メディア『winwin』によると、イラクのラディ・シュナイシル監督は、敗れたものの、ポジティブな言葉を述べている。
「選手たちは見事なパフォーマンスを見せた。確かに、結果は残念だったが、我々はそれを忘れなければならない。パリ五輪に出場するという目標に集中している」
また、試合内容については以下のように振り返っている。
「後半になって、チームのプレーは向上した。我々は素晴らしく、リスクを冒してプレーした。攻撃により多くの人数をかけることで、イラクサッカーの良いイメージを見せられた。しかし、日本のレベルが非常に高かった。この言葉は決して誇張しているわけではない」
イラクはリオ五輪以来、2大会ぶりのオリンピック出場を決められるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部