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2026年03月06日 22:00
新日本プロレス「旗揚げ記念日」(6日、大田区総合体育館大会)で、マスター・ワト(28)がIWGPジュニアヘビー級王者のDOUKI(10万34)に敗れ、悲願の同王座初戴冠はならなかった。 極悪軍団「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」に属する王者との大一番は戦前の予想通り大荒れの展開となった。SHOがDOUKIに成りすまして入場し、いきなり試合に介入すると、H.O.Tのメンバーが次々と乱入。しかし、本隊からもYOH、矢野通、ウルフアロンらが助太刀に訪れ、何とか1対1の戦いに突入した。 DOUKIの急所攻撃をキャッチしたワトは、アトランティーダの体勢から通天閣ジャーマンで勝負に出る。しかし、これをカウント2で返されると、レシエンテメンテを狙ったところでレフェリーがDOUKIに巻き込まれてしまい、再び無法空間に。TTDを狙うとリング下に隠れていたSHOから急所攻撃を決められてしまう。 悶絶したワトは鉄板上への高角度DDTでグロッギー状態に。最後はスープレックス・デ・ラ・ルナでついに力尽き、記念興行でのベルト奪取はならなかった。 無法ファイトに沈んだワトは怒り心頭だ。「こんなやり方で勝ったって言えるのか? 神がこんな勝ち方で誰がお前を信じると思う。俺はこんなやり方を決して許すことはない。この今の新日本プロレス。今の新日ジュニアヘビー級、俺が変えてやる」とキッパリ。 さらには「(高橋)ヒロムさんがいなくなろうと、誰がいなくなろうと、俺は俺を信じる。だから見てる皆さん、俺を信じて新日本プロレスついてきてください」と呼びかけていた。 一方、試合後のリング上にはYOHが次期挑戦者に名乗りを挙げた。H.O.Tの前リーダー・EVILのTシャツを着用して姿を現すと、EVIL(変型大外刈り)でDOUKIとSHOをKO。勝利者が浴びるはずだったテープシャワーもYOHが浴びるという奇想天外な行動を見せ、54回目の旗揚げ記念日は混沌の結末となった。
2026年03月07日 20:15
女子プロレスラーの太陽神Sareee(29)が7日、株式会社ジェイアール東日本都市開発・総武支社が運営する両国―江戸NORENでトークショーを行った。
2011年4月にデビューしたSareeeは、今月22日に横浜武道館でデビュー15周年記念大会「太陽神Chronicle」を開催する。大会をPRするためこの日Sareeeはタッグ「スパーク・ラッシュ」で組むマーベラスの彩羽匠、エボリューションのChi Chi、T―HEATSの叶ミクと共にトークショーに参加した。
全員が着物姿で登場し観客を沸かせた。15周年記念興行では彩羽とともに、スターダムの朱里&センダイガールズの橋本千紘と対戦するSareeeは、大会に向け「今年はスパーク・ラッシュでもっと上にいきたいと思っているので、やっぱり15周年記念大会ではタッグを組みたかった。これからまたベルトも巻いていきたいし、女子プロレスで、いやプロレス界のタッグといえばスパーク・ラッシュと言われるくらい大きくなりたいので、必ず勝利していい年にしていきたい」と語った。
彩羽も「今まではライバルとしてピリついてるSareeeさんしか見たことなかったけど、組んでみてあ、優しんだと思うことが増えたり、尊敬する存在です。まだまだ上を目指していきたいと思ってます」と意気込んでいた。
そしてこの日のイベントでは両国にまつわるクイズコーナーも行われスパーク・ラッシュ対Chi Chi&叶で激突。これに敗れたスパーク・ラッシュは、罰ゲームで急遽同イベントで司会を務めていた伊藤道場の志真うたが即興で制作した漫才を披露することに。Sareeeの強烈なツッコミに彩羽が吹っ飛ぶ場面もあったが、2人は大会へ向け、絆を深めていた。
2026年03月07日 19:24
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
秋元強真(19)=JAPAN TOP TEAM=が元ベラトールバンタム級王者のパッチー・ミックス(32)に圧巻の2回TKO勝ちを飾った。これでRIZIN5連勝とした。
4連勝中と勢いが止まらない朝倉未来と同門のホープが衝撃的な強さをみせた。
1回から着実にパンチを浴びせていき、プレッシャーをかけていくと、効果的に右のボディーもたたき込み、終盤は打撃畳みかけてダウン。逃げるミックスに膝をたたき込んで、流血させ、KO寸前まで追い込んだ。ミックスは最後は秋元の膝にしがみついてゴングまで凌ぐ格好となった。
2回も左ストレートでダウンさせ、そのまま畳みかけてレフェリーストップ。歓喜の雄たけびを上げた。圧倒的な強さに1万3307人が集まった会場は騒然となった。
勝利者インタビューでは「今回の相手は強くて、日本人誰も勝ったことなかったので、正直怖かったですけど、勝てて最高です。10代最後の日になるんですけど、もっといい景色みせるんでこれからもよろしくお願いします。この先の10年、俺がRIZIN背負っていくのでよろしくお願いします」と宣言した。
初のKO負けを喫したミックスもマイクを握り「素晴らしい相手だった。プロとして35試合経験がある中で初めてフィニッシュした秋元選手。素晴らしい選手でした」と、脱帽。師匠の朝倉未来は自身のXを更新し「天才!」と称賛した。
2026年03月07日 19:05
女子プロレス「スターダム」の天咲光由(23)が、春の祭典「シンデレラ・トーナメント」1回戦(7日、愛知・中日ホール)で山下りな(36)を破り、2回戦進出を決めた。
2013年11月にデビューしたベテランの山下に苦戦を強いられた天咲だったが、臆することなく果敢に攻めの姿勢を貫いた。粘った天咲は6分過ぎ、コーナートップに上った山下を突き落としオーバー・ザ・トップロープで勝利を奪った。
試合後、マイクを握った山下から「今日はお前の勝ちだ。そして一つ残念なお知らせなんですけど…私、本日をもってシンデレラの名前を終わります。私の思いも背負ってシンデレラの名前を天咲に引き継いでいただいて」と提案された。
これに天咲は戸惑った表情を浮かべていたが、フル無視する山下から「山下シンデレラりなはいないけど、これからもテッペン目指してトーナメントを戦う天咲シンデレラ光由に応援お願いします。頑張ってね、シンデレラ!」とエールを送られ、一方的にシンデレラの名を継承させされた。
バックステージで天咲は「いや、シンデレラはいらないよ…」と改名を拒否していたが、山下にその声は届いていなかったと思われる…。
2026年03月07日 18:56
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
“IQレスラー”と呼ばれたレジェンド格闘家・桜庭和志の長男、桜庭大世(27)=サクラバファミリア=が父が3戦全敗を喫した宿敵ヴァンダレイ・シウバの弟子であるルイス・グスタボ(29)=ブラジル=に2回KO負け。
2026年03月07日 18:55
女子プロレス「スターダム」のワールド王者・上谷沙弥(29)が7日、玖麗さやか(25)の挑戦表明をまたも拒否した。
2月7日の大阪大会で試合中に右手中指を脱臼しながらもV9を達成した上谷は、同12日から負傷箇所の手術のため1か月間の欠場を強いられている。V9戦後から玖麗から挑戦を表明され続けているが、上谷は拒否し続けている。
上谷はこの日の愛知・中日ホール大会前に行われた自伝本のお渡し会に来場し、ファンと交流していた。だが、イベント終了間際に事件が起こった。突然、帽子、メガネ、マスクで変装した玖麗に乱入され「自伝出版、おめでとうございます!」と花束を渡された。驚いた表情を浮かべた上谷だったが、次の瞬間、玖麗から「挑戦させろ!」と花束を振りかざしながら挑戦を直訴された。
これを阻止した上谷は花束を奪うと「お前はいつもいつも何をやってんだ! お前しもべとの時間を邪魔しやがって!」と玖麗を花束で何度も殴打。散らばった花を指さすと「ちゃんと掃除して帰れ!」と命じそのまま控室へ消えていった。
一方の玖麗は上谷がいなくなった後、スタッフからほうきとちりとりを受け取り、花びらを拾い集めていた。
2026年03月07日 18:21
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
“闘うフリーター”として活躍した48歳の所英男は鹿志村仁之介にアナコンダチョークで1回1分6秒で失神一本負けに終わった。
1回序盤にテークダウンに成功したが抜け出され、直後に上から首を極められてそのまま絞め落とされ、失神。呆然とした表情を浮かべた。
この試合を含め2試合で現役引退を発表していた所だが、この試合で全力を出せていれば引退も考えていたという。完敗の内容に「思ってたことができないのがもう現実なんですけど、これは・・・。金原さんとも話ましたけど、ここで・・・。ちょっと考えます」と言葉を紡いだ。今年の大晦日は地元岐阜に近い名古屋決戦。「出たいのは出たい」としたが、進退については保留とした。
2026年03月07日 18:13
東京女子プロレスの荒井優希(27)が、プリンセス・オブ・プリンセス王者・渡辺未詩(26)から初勝利を挙げ、王座戦(29日、両国国技館)へ弾みをつけた。
7日の東京・新木場1stRING大会で行われた前哨戦で荒井はHIMAWARI、鈴木志乃と組み、渡辺&凍雅&高見汐珠と激突。2月28日の刈谷大会では渡辺に直接ギブアップ負けを喫しただけにリベンジに燃えている荒井は、この日試合が始まると勢いよくビッグブーツで牽制した。
だが王者に腰への集中攻撃を浴びせられた上に強烈なショルダータックルで吹き飛ばされピンチに。それでも不屈の闘志を沸き上がらせた荒井は、ジャイアントスイングはさせず。執念のビッグブーツ連打からのフルネルソンバスターを炸裂し流れを奪った。
さらに得意のサソリ固めで絞り上げるとロープをつかもうとする渡辺の腕を押さえてギブアップを奪って見せた。
王者から初白星を奪った荒井は「今日、荒井が勝ちました! 荒井の全て未詩さん伝わってますか?」と問うと、目に涙を浮かべた王者から「伝わった…荒井の本気度は伝わった。悔しい…でももっと私たちで高め合いたい。荒井のもっと全力のプロレス好きを知りたい。だからこそ次は負けない。二度と負けない。まだまだ高め合いましょう」と呼びかけられた。
すると荒井は「荒井が両国でもう一回勝って、今日の勝ちが奇跡じゃないって証明するのでよろしくお願いします」と力強く宣言した。バックステージでは「今日こうして勝てて、できる、やれるって思うことができた。残り1カ月もないけど、自信を持って突き進んでいきたい。確実にチャンピオンになって、この先、東京女子を引っ張っていけるように頑張りたい」と決意を新たにした。
2026年03月07日 18:05
東京女子プロレス29日の両国国技館大会で新たなアイドル戦士が誕生する。
2026年03月07日 17:10
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
モデル級美女として話題のケイト・ロータスは現DEEP&DEEP JEWELSミクロ級女王の大島沙緒里に判定0−3で敗れ、RIZIN連勝は2でストップした。
1回からテークダウンで上になったのが大島。ケイトはコーナに漬けられて、劣勢が続いた。それでもなんとか凌ぎきった。
2回も大島がテークダウンに成功し、コーナーにケイトを追い込む。大島がじわじわと優位な体勢を築いていったが、ケイトが耐えきった。
反撃したいケイトだったが、3回も大島が組み付いて試合をコントロール。耐えきって肘、膝をたたき込むが、大島が再びテークダウン。ケイトが下から肘を連打で反撃。そのままゴングとなった。
“RIZINの前田敦子”を自称する大島は「私のことは嫌いでも、RIZIN、女子格のことは嫌いにならないでください」と呼びかけた。
2026年03月07日 16:24
「プロレス・新日本」(6日、大田区総合体育館)
東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストのウルフアロン(30)が旗揚げ記念日大会で行われた10人タッグ戦で、特別参戦した藤波辰爾(72)と初共闘した。極悪集団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)と対戦し、最後はLEONA(32)が捕まって自陣が敗れたものの、ウルフはコーナーに上って何もせずに降りるという藤波の名ムーブ“ドラゴンリングイン”も披露し、会場を騒然とさせた。
まずは先発した藤波が成田蓮(28)に強烈な張り手を食らわせると、ドラゴンスクリュー2連発で沸かせた。小島聡(55)を経てタッチを受けたウルフは、いったんリングインしたものの、何かを思い直したように首をかしげてエプロンに戻り、おもむろにコーナーに登った。すると、何もせずにジャンプしてリングに降りるという行動に出た。かつて藤波が見せた名ムーブへのオマージュだったが、五輪王者が唐突に見せたまさかのプロレスIQに会場は「え?」と、どよめきと笑いに包まれ騒然となった。
レジェンドと共闘したウルフは「藤波さんと初めて組ませてもらって、72歳で自分のしたいことを追い続けてる人はめちゃくちゃ輝いてるなって思いました。僕なんか30歳で柔道家では往年(の選手)みたいな感じだったが、プロレス界に入って、72歳でも自分の最高のパフォーマンスを目指してやっている方がいるっていうのを見て、すごく勇気づけられました」と刺激を受けた様子。また、衝撃の“ドラゴンリングイン”については「いつも通り1回(リングに)入ったが、なんか違うなと思って、気付いたら飛んでいた。無意識に。体が勝手に。まるで大内返のように…あれ、柔道技は分かんない?」と、高度な柔道ジョークまで飛び出すほどの高揚感をのぞかせた。
1972年3月6日の旗揚げ戦にも出場していた藤波との共闘で54年の伝統を再確認し、「たくさんの先輩たちがつくり上げてきたこの新日本プロレスをもっともっと大きい存在にできるのは現役のプロレスラーだけ。その一員として自分のやるべきことを全うしたい」と発奮。自身は現在シングル2連敗を喫してベルトも失い「どん底」と表現したが、「もちろん負けたくない。昔から負けず嫌いなのが僕の性なので。でも、プロレスにおいてはまだまだ新人ですし、青いところもたくさんあると思うので、試行錯誤しながら最強のプロレスラーを目指したい」と実感を込めた。
一方、五輪王者プロレスラーと初競演した藤波は「いいね。やっぱり(投げ技などの動きに)キレがあるね。実際こうやって間近で見たら本物だね」と太鼓判。ウルフが披露したドラゴンリングインについては、「俺も一瞬『あれ?これ、え?』って思ったんだけど(笑)。お客さんも一瞬戸惑ったような感じだけど、あいつ(ウルフ)は余裕でやってるのか、知っててやってるのか。一瞬俺も目を疑ったけど、それだけ余裕があるんでしょう。でも、あのキレはいい。本当に本物だね。やっぱり金メダルの(実力)」と賛辞を惜しまなかった。
◆ドラゴンリングイン 藤波辰爾がかつて披露したもので、タッグマッチでタッチを受けた際、コーナー最上段に登った後、何もせずに降りてリングインするムーブ。相手の意表を突いてかく乱するなどの狙いがあるが、リングイン直後に捕まって攻撃を受けることも多い。
2026年03月07日 16:04
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
かつてのライト級日本人エース、矢地祐介(35)=フリー=がキム・ギョンピョ(34)=韓国=に2回4分25秒でドクターストップによるTKO負けに終わった。
1回から組み合う展開となり、1分過ぎから上に乗られ防戦に。上から左肘をたたき込まれ、右の目上から流血。苦しい展開となった。
なんとか立ち上がって巻き返しを狙ったが、スタンドで強烈な右拳を浴びてダウン。そのままパウンドでたたき込まれ、劣勢のまま1回を終えた。
血が止まらないまま2回を迎えたが、最初の蹴り合いでローブローが入り、試合が中断。再開後、スタンドの攻防から執念でテークダウンを奪ったが、攻めきれず。終盤に切り替えされたところで、残り32秒でレフェリーが中断。無念のドクターストップとなった。
キムは「いい試合をみせたかったが、最悪の展開になった。今日は矢地選手に運がなくて、私に運があった」と振り返った。
2026年03月07日 15:14
新日本プロレス4月2日の後楽園ホール大会でYOH(37)がIWGPジュニアヘビー級王者で極悪軍「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のDOUKI(10万34)に挑戦することが決定した。
2026年03月07日 14:31
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
17歳の女子高生ファイター、NOELは韓国のイ・ボミと対戦し、2分8秒ギロチンチョークで一本勝ち。RIZIN2連勝を飾った。
制服姿で入場し、リングコスチュームに。1回、タックルで相手を崩しにいったが、グラウンドの攻防の中で一瞬の隙をついてギロチンチョークで捕らえ、追い込んだ。そのまま圧力を強め、タップを奪った。
勝利の瞬間に歓喜を爆発させたNOEL。「今年1発目のRIZINで、どうでしたか?すごいトイレ休憩とか女子格興味ないとかいわれるんですけど、面白い試合するんでよろしくお願いします」と宣言した。
2026年03月07日 14:31
「RIZIN.52」(7日、有明アリーナ)
17歳の女子高生ファイター、NOELは韓国のイ・ボミと対戦し、2分8秒ギロチンチョークで一本勝ち。RIZIN2連勝を飾った。
制服姿で入場し、リングコスチュームに。1回、タックルで相手を崩しにいったが、グラウンドの攻防の中で一瞬の隙をついてギロチンチョークで捕らえ、追い込んだ。そのまま圧力を強め、タップを奪った。
勝利の瞬間に歓喜を爆発させたNOEL。「今年1発目のRIZINで、どうでしたか?すごいトイレ休憩とか女子格興味ないとかいわれるんですけど、面白い試合するんでよろしくお願いします」と宣言した。
2026年03月07日 10:00
スーツ姿でリングに上がる“戦うサラリーマン”新橋二郎が、ドラゴンゲートで異彩を放っている。昨年1月2日デビュー。お笑いゲート王座を拍手判定で奪取し話題を呼んだ。2月23日の福岡国際センター大会「UNO! DOS!! TRES!!! DRAGONGATE〜龍の祭典〜」では大鷲透に白旗を振って敗戦。それでもスーツを脱げば濃い胸毛をのぞかせる肉体派というギャップと、徹底したサラリーマンスタイルで博多っ子を熱狂させた。その原点と現在地を聞いた。
スーツにネクタイ、手にはビジネスバッグ。入場すると観客席へ歩み寄り、一枚一枚名刺を手渡す。受け取った観客が思わず笑みを浮かべると、軽く会釈。リングに上がっても同じだ。ゴングが鳴ると、対戦相手にも差し出し、深々と一礼する。その所作はどこまでも丁寧で、営業マンそのもの。新橋二郎にとってリングは「商談の場」だ。試合は闘いではなく交渉であり、勝利は「契約成立」、敗戦は「商談不成立」となる。
「まだ契約が取れていないので、まずは一つでも多く商談を成功させることが目標です。サラリーマンたるもの、どんな状況でも結果を出さないといけない。数字は正直ですから」
その姿勢は徹底している。試合中に電話が鳴れば迷わず応答する。受話器を耳に当てたまま攻撃を受けることもあるが、動じない。むしろ深々と頭を下げながら会話を続ける。
「大事な取引先からの連絡かもしれない。サラリーマンとして、それをないがしろにはできません。リングの上でも仕事は仕事です」
2月23日の福岡大会では、大鷲透とのシングルマッチに臨んだ。入場マイクで会場を和ませ、傘を使ったゴルフスイングで攻撃するなど持ち味を発揮。だが試合中に取引先からの電話が鳴り、応対中に攻撃を受けると感情をあらわにして上着を脱ぎ応戦した。ネクタイを外し、営業マンの装いから闘志をむき出しにする姿へと変わる。客席からは「全裸になれー!」の声も飛ぶ中、最後は6分45秒、ビジネスバッグから白旗を取り出して戦意喪失負けを喫した。
「結果は自分の力不足。ただ商談は一度で終わるものではありません。失敗から学び、次につなげる。それが営業だと思っています」
敗戦をも営業論で語る。その姿はコミカルでありながら、どこか真剣だ。勝率はまだ0%。契約成立もゼロ。それでも前を向く。
「数字だけを見れば厳しいですが、経験値は確実に上がっている。クレーム対応も営業のうちですし、失敗の数だけ強くなれると信じています。いつか必ず成果を出します」
こうした揺るがぬ姿勢の根底には、出身の出雲市での少年時代がある。
「土地が広くて、毎日外で遊んでいました。野球もやっていて、とにかく走り回っていた。あの頃に体力も根性も鍛えられたと思います。今の粘り強さは、あの時の積み重ねかもしれません」
幼い頃、父親の影響でテレビ越しに見たプロレスに衝撃を受けた。
「すごく引き込まれました。画面の向こうの世界が別次元に見えた。自分もあのリングに立ちたいと自然に思ったんです」
特に心を奪われたのがドラゴン・キッドの動きだった。軽快でスピーディーな攻防に目を見張ったという。そして成長するにつれ、オカダ・カズチカの存在感に圧倒された。
「たくさんの選手がいる中で、オカダさんが一番光って見えた。圧倒的なオーラがありました。ああいう存在感を持てるレスラーになりたい」
憧れはやがて明確な目標へと変わる。リングに立ちたい。その思いが、現在の“戦うサラリーマン”につながった。デビュー戦では試合自体には敗れながらも、拍手判定で「オープン・ザ・お笑いゲート」王座を獲得。
「まさか自分がチャンピオンになれるとは思っていなかった。驚きと感謝しかありません。ただ、あの瞬間で満足してはいけないとも思いました」
その後、ベルトは手放したが、観客の支持を受けて立った王座経験は確かな自信になっている。海外のプロレスサイトで取り上げられたことも追い風だ。
「海外の方にまで見ていただけるとは思っていなかった。本当にうれしい。言葉が通じなくても伝わるものがあるのは励みになります。もっと成長した姿を見せたい」
東スポプロレス大賞新人賞に1票入ったことも大きな刺激になった。
「デビューして間もない自分がノミネートされるとは思っていなかった。1票でも評価してもらえたことがうれしい。もっと票が入る選手になりたい」
リング外では「杉原商事の課長」という肩書を持つ。将来の夢は明快だ。
「マイホームを建てること。そして昇進して、ゆくゆくは社長を目指すこと」
それは単なる設定ではなく、人生設計でもある。
「全国のサラリーマンの方々を少しでも勇気づけられたら。サラリーマンでもここまでやれるんだという姿を見せたい。仕事もプロレスも、どちらも本気でやる。それが自分のスタイルです」
敗れても白旗を振っても、商談は終わらない。数字がゼロでも、志はゼロではない。リングという名の“会議室”で、新橋二郎は今日もネクタイを締め直し、次の「契約成立」へ向けて歩みを止めない。