2024年03月29日 06:30
◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 第1日(28日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71) 身長185センチの大型アマチュア・中野麟太朗(20)=早大2年=が1イーグル、8バーディー、ボギーなしで大会コース記録&アマでツアー最少に並ぶ61をマーク。10アンダーで、99年以降では22年の蝉川泰果以来アマ2人目の初日単独首位発進となった。ゴルフ界の「りんたろう」は史上8人目のアマVへ突き進む。前田光史朗(23)=フリー=が64で7アンダーの2位。 シーズン開幕戦初日に、プロを退けトップに立ったのは、大学生アマの中野だった。185センチ、90キロの恵まれた体で存在感が際立った。前半の14番で106ヤードからの第2打でバックスピンを利かせてイーグルを奪うと「あれがきっかけになった」。後半の5番からは5連続バーディーで締め、大会コース記録とツアーアマ最少に並ぶ61。「終わった後は驚いたが、楽しかった。何でもできそうな感覚」とりんとした表情で語った。 早大ではトレーナーコースを専攻。ゼミでスポーツビジネスを学び「毎週プレゼンで大変」と文武両道の生活を送る。このオフは、1月下旬からニュージーランドで約5週間の合宿。ショット力を上げた。午前は英会話学校に通い、その後ジムからコースへ。「練習の成果が出た」と喜んだ。 ツアー9戦目の出場で「レギュラーツアーで優勝が目標」と、昨年ダンロップフェニックスを制した杉浦悠太以来8人目(9例目)&開幕戦初のアマVを射程に捉えた。高校野球で活躍し、名門・スタンフォード大に進学する佐々木麟太郎内野手(18)の存在も気になっており「海外の大学に行く勇気を自分も見習いたい」と同名の「りんたろう」に刺激を受けている。 名前は幕末から明治維新まで活躍した武士、政治家の勝海舟の幼名・麟太郎が由来。母が台湾出身で「『郎』は(母の地元で)あまり縁起が良くないから」と「朗」になった。27日夜はひとり焼き肉でパワーを蓄えたという20歳。優勝した場合のプロ転向に話が及ぶと「行きたい気持ちはあるが、大学の監督や親と相談したい」とした。3打差トップで迎える第2日へ「今日みたいに次の1打を考えてやりたい」と端正なマスクを引き締めた。 (岩原 正幸) ◆中野 麟太朗(なかの・りんたろう)2003年11月11日、台湾生まれ。20歳。ゴルフ漫画「あした天気になあれ」を読んで、7歳から競技を始める。明大中野中、高を経て22年4月、早大入学。昨年、日本アマ優勝。得意クラブはドライバーで平均飛距離300ヤード超。尾崎将司主宰のジャンボアカデミー4期生。趣味は「食べログ検索」。185センチ、90キロ。 ◆中野が達成した記録 ▼アマチュアの初日単独首位 99年の日本ゴルフツアー機構発足後では、22年日本オープンの蝉川泰果以来2人目(首位タイを含めれば3人目) ▼アマのツアー最少ストローク 22年パナソニックオープン3Rで蝉川がマークした「61」に並ぶ ▼大会最少ストローク 同コースの61は昨年大会2Rの細野勇策に並ぶ ▼24年イーグル第1号 今季の男子ツアーで最初にイーグルを達成
2024年04月28日 23:43
ゴルフ・パナソニックオープンレディース最終日(28日・千葉浜野GC=6669ヤード、パー72)――首位から出た天本ハルカ(25)が7バーディー、1ボギーとスコアを伸ばして通算19アンダーとして初優勝を飾った。
2打差の2位は、蛭田みな美、岩井千怜、尾関彩美悠の3人。史上初となる初優勝からの3週連続優勝を狙った竹田麗央は16アンダーで5位だった。
天本はよく「遅れて来た黄金世代」と言われる。畑岡奈紗、勝みなみら1998年度生まれで15人目の優勝者となった。ただ、早くから国内外で華々しく活躍してきた同世代と比べると、その経歴は異色だ。
プロテストでつまずいた。失敗を重ね、3回目では「本当に通るかな」と不安になった。同世代の受験者がどんどん減っていく中、「私は私だ」と切り替え、スイングや体の使い方を徹底的に見直した。そして「通らなければやめよう」と臨んだ5回目でやっとパスした。
「その5年間で培ったものは大きい」という自負がある。オフの間にグリーン周りの技術を固めたという今季は、前戦までの8試合で10位以内が6試合。最終日の混戦の中、8番で7メートルを沈めて波に乗ると、そこから5連続バーディーで一気に抜け出した。
最後は「ラインが見えていた」という2メートル半のウィニングパットを、落ち着いて沈めた。「同世代に並ぶのはまだまだ。これから追いつき、追い越せるような選手になりたい」。遠回りした時間は、未来にもつながっている。(小石川弘幸)
竹田麗央「(3週連続優勝には)届かなかったけど、3日間悔いなくプレーできた。重圧はそんなになかった」
2024年04月28日 19:45
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
首位タイから出た天本ハルカ(フリー)が7バーディー、1ボギーの66で回り、トーナメントレコードを更新する通算19アンダーでツアー初優勝を飾った。
3番でバーディーを先行させると、8番から12番まで5連続バーディーを奪った。その後、13番でボギーも17番のバーディーで突き放した。渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみ、小祝さくら、原英莉花らを擁する1998年度生まれ「黄金世代」では、3月の臼井麗香に続く15人目の初優勝者誕生となった。
蛭田みな美、岩井千怜(ちさと)、尾関彩美悠(あみゆ)の3人が2打差の17アンダー2位で並んだ。
初優勝から3週連続Vの史上初の快挙が懸かっていた竹田麗央(りお)は16アンダーで、河本結と並んで5位だった。
首位で出た佐久間朱莉は70で、15アンダーの7位となった。
天本ハルカ「なかなか優勝した実感がわかなくて、フワフワしているけど、一言うれしいです。(黄金世代としての優勝)まだまだ同世代にたくさんの選手がいる中で、私は3年目だけど、これからどんどん追いつけるような、追い越せるような選手になりたい。(母が初優勝を見守り)私はプロテストに通る前も長かった。優勝という大きな結果に結びついて、最後あがって母のうれしい顔が見られてホッとしている。(今後の目標)開幕戦から優勝を目指してやってきて、達成することができた。今シーズンはもっと上にいけるという気持ちをもって、複数回優勝を目指してこれからも頑張りたい」
2024年04月28日 17:50
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出たホストプロの桂川有人(国際スポーツ振興協会)が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。
日本勢では青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目の欧州ツアー制覇。同ツアーの今季残り試合と、来季から2026年までの2シーズンのシード権を獲得した。
串田雅実キャディーは桂川を一言で表すなら「漢(おとこ)」と言い切った。「有人はあれだけ謙虚で、背中で語るタイプ。魂レベルが高い、器がでかい。かっこいいし、リスペクトできる」と人間性をたたえた。
最終日の18ホールについて、「淡々と、いつも通り」のサポートを心がけた。優勝が決まると「ヨーロピアンツアーだからね。かっこいいよ。それにしてもパターがよく入ったなと」と笑顔がはじけた。
10番のティーグラウンドで「雅実さん、どう思います?」と聞かれた。「ドライバーで行っちゃえよ」と背中を押した。結果はバーディーで、単独首位に浮上した。串田さんは「少しは力になれたかな」と照れ笑いを浮かべた。
2024年04月28日 17:29
男子ゴルフ、DPワールドツアー(DP World Tour、欧州ツアー)と日本ツアー共催のISPSハンダ選手権(ISPS Handa Championship 2024)は28日、静岡県御殿場市の太平洋クラブ御殿場コース(Taiheiyo Club Gotemba Course、パー70)で最終日が行われ、桂川有人(Yuto Katsuragawa)が「63」のスコアを残し、通算17アンダーで欧州ツアー初優勝を飾った。
2024年04月28日 16:29
「男子ゴルフ・ISPSハンダ欧州・日本トーナメント・最終日」(28日、太平洋C御殿場C=パー70)
8位から出た桂川有人=国際スポーツ振興協会=が7バーディー、ボギーなしの63をマーク。通算17アンダーの263で、初日83位の出遅れから大逆転優勝を果たした。日欧共催となる前の2022年大会を制しており、同大会で2年ぶりの国内ツアー2勝目。今シーズンの欧州ツアーでは星野陸也、中島啓太に次ぐ日本人3人目の優勝だった。
スウェーデンのソーデルベリが3打差の2位。木下稜介、シュナイダー(ドイツ)、ベザイデンハウト(南アフリカ)、カンテロ(スペイン)が3打差の3位に続いた。欧州ツアーを主戦場とする川村昌弘は杉浦悠太らと並び7位。欧州ツアー出場2戦連続優勝を狙った中島啓太は11位だった。
2024年04月28日 16:19
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
8位から出た蛭田みな美(ユアサ商事)は8バーディー、1ボギーの65で回り、通算17アンダーの2位となった。
前半に2つ伸ばすと、後半に5バーディーを重ね、65。17アンダーで終え「最終日伸ばせたので、最後が良ければいいかな」と振り返った。ただ、第2日に71とスコアを伸ばしきれなかった点に触れ「今日は仕方ないと思うが、昨日が悔やまれる。伸ばせなかったので」と話した。
次週の国内メジャーに向けては「まだドライバーが暴れるところがある。左に曲がることが多いので修正したい」と向上を見据えた。
2024年04月28日 15:52
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
3打差8位から出たホストプロの桂川有人(国際スポーツ振興協会)が7バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。「高いステージに上がるために練習してきた。これで欧州ツアーに参戦できると思うとすごくうれしい。欧州ツアーで(ランキング)トップ10に入ると米ツアーに行けるのでそこを目指してやっていきたい」と喜びを口にした。
日本勢では青木功、松山英樹、久常涼、星野陸也、中島啓太に続く6人目の欧州ツアー制覇。同ツアーの今季残り試合と、来季から2026年までの2シーズンのシード権を獲得した。
14番でショットで作ったチャンスをものにし、15番では10メートル超をねじ込みガッツポーズ。16番では第2打をグリーン奥に外しながら、パターで沈めて3連続バーディーを奪い、後続を突き放した。
海外への道が、再び開けた。昨年は米国下部ツアーに挑戦したがポイントランク130位に終わり、シード権を得ることはできなかった。1年での撤退を余儀なくされた悔しさをバネに、オフはトレーニングに明け暮れ飛距離アップにつなげた。
今大会は欧州ツアーとの共催大会。「こういうチャンスをゲットしていくしかないと思うので、頑張りたい」と意気込み臨んだ。欧州のポイントランキングで有資格者を除く10位位以内に入れば、翌シーズンの米ツアーの権利を得ることもできる。桂川にとって、世界につながる大きな1勝となった。
◆桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)1998年10月9日、愛知・清須市生まれ。25歳。祖父の勧めで4歳からゴルフを始める。通信制の愛知・ルネサンス豊田高から日大に進み、2018年に日本学生選手権優勝。20年にプロ転向し、22年のISPSハンダ 欧州・日本トーナメントで日本ツアー初優勝。167センチ、70キロ。
2024年04月28日 14:49
ゴルフのパナソニックオープンレディースは28日、千葉県の浜野GC(パー72)で最終ラウンドが行われ、首位から出た天本ハルカ(25)が7バーディー、1ボギーとスコアを伸ばして通算19アンダーとして初優勝を飾った。
2024年04月28日 14:39
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
初優勝から3週連続Vの史上初の快挙が懸かっていた竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)は14位から出て、1イーグル、6バーディー、1ボギーの65で通算16アンダーの5位に順位を上げて大会を終えた。
1番で6メートル、2番で3メートルの連続バーディー発進など、前半に4つスコアを伸ばした。5つ伸ばして迎えた14番で3パットのボギー。その後、15番パー5で残り50ヤードからの第3打をカップに沈めイーグルを奪い、17番でもバーディー。試合後は「前半で2打差でチャンスはあると思っていたが、トップの人も伸びていた。途中でボギーを打ってしまい難しくなった」と振り返った。
今大会は69、66、65と調子を上げ「3週連続(優勝)を目指して届かなかったが、3日間悔いなくプレーできたので、良かった。昨日、今日と良いスコアで回り、やることはやった」と、快挙は逃したものの内容には満足した様子だった。
次週は国内メジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップ(5月2日開幕・茨城GC東C)。「メジャーで優勝してみたい。頑張りたい」と語り、この3日間で課題として出たという70〜80ヤードの精度を高めていくとした。
2024年04月28日 14:37
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
最終ラウンドが行われ、首位タイから出た天本ハルカ(フリー)がツアー初優勝を飾った。8番から12番まで5連続バーディーを奪うなど、混戦を制した。渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみ、小祝さくら、原英莉花らを擁する1998年度生まれ「黄金世代」では、3月の臼井麗香に続く15人目の初優勝者誕生となった。
今季はダイキンオーキッドレディスで4位に入ると、開幕から3試合連続で1桁順位。前週までの8試合中6試合でトップ10入りと、好調なショットで充実のシーズンを過ごしていた。パーオン率は76・64%(前週まで)と、全体1位だった。第2日後には「今年は早々に初優勝を挙げることを目標にやってきた。今週は思い切ってプレーしているのが、はまっている。とにかく自分のプレーをして、優勝できればベストですね」と語っていた。
◆天本 ハルカ(あまもと・はるか)1998年7月23日、福岡・太宰府市生まれ。25歳。8歳からゴルフを始め、通信制の福岡・第一学院高出身。小6まではストリートダンスをやっていた。高校時代から、2001、03年賞金王・伊澤利光(56)に師事。21年11月のプロテストに5度目の挑戦で合格した。本名は遥香で「覚えてもらいやすいから」と登録名をハルカにした。162センチ、58キロ。
2024年04月28日 14:08
◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ 欧州・日本トーナメント 最終日(28日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
最終ラウンドの最終組が前半を終了。8位から出た桂川有人が11番までに3つ伸ばして通算13アンダーとし、単独首位に立っている。
木下稜介は9番を終えて12アンダー、首位と1打差の2位につけている。川村昌弘と杉浦悠太が11アンダーで後半をプレー中。
2打差3位から出た中島啓太は1つ落として10アンダー、トップと3打差の11位で折り返した。
2024年04月28日 12:38
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(28日、千葉・浜野GC=6669ヤード、パー72)
最終ラウンドが行われ、最終組が前半9ホールを終了した。
2024年04月28日 10:00
アプローチは振り幅が小さいので、明後日の方向に打つことはない。だから大事なのは方向性よりも距離感!
しかし「飛距離の打ち分け方はさまざまな方法やレッスンがあってどれがいいかわからない」「いろいろ試したけど何がいいのか定まらない」。そんなゴルファーには、この発想とテクニックが効く! 「振り幅の大きさを変えて打ち分ける」のがミスの元凶だった! 腰から腰の高さで振るのが“俺の振り幅”。その振り幅で出る飛距離が“絶対距離感”で、これが今回のレッスンのキーワード!腰から腰の振り幅なので、飛距離は30~60ヤードくらいに収まり、このなかで10ヤード刻みの3つの距離感を「同じ振り幅」(俺の振り幅)で打ち分けられる新感覚のレッスンを紹介しよう!
僕も以前は、アプローチの距離感は振り幅の大きさ。よくいわれる時計の文字盤の何時・何時で飛距離を打ち分けましょう、と教えてきました。
しかし、大半の生徒は意図した位置よりも大きく振ってしまうか、ヘッドの位置を気にしすぎて振ることがおろそかになってしまい、それが原因でミスをしていることに気づきました。アプローチは感覚が大事!もっと感覚を活かして打てるのが、このレッスンです(遠藤)
バックスイング
クラブを振り上げる大きさを気にすると、体を回さず手打ちになってしまう人が多い
アドレス/インパクト
飛距離はグリップを持つ長さでも変えられるが、「短く握ると飛距離を落とせますが、前傾角が深くなって振りにくくなる。前傾角が深いとインパクトで大きく伸び上がってしまう人もいます。そのため、グリップを持つ長さも変えずに飛距離を打ち分けられる方法を考えました」(遠藤)
レッスン=遠藤将也
●えんどう・まさや/1994年生まれ、長野県出身。東京国際大学のゴルフ部を経て、PGAティーチングプロ資格を取得。首都圏の練習場やコースでのラウンドレッスンを行なっている。レッスンはインスタグラムアカウント「en. dwu_」のDMで受付中。
写真=相田克己
協力=サザンヤードカントリークラブ
2024年04月28日 09:30
JLPGAツアー「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」が4月27日に行われ、通算13アンダーで佐久間朱莉、尾関彩美悠、天本ハルカの3名が首位に立っています。
その中の尾関彩美悠選手に、昨年単独インタビューを行っていたので、それを再度掲載します。 いいアイアンに出会えて調子が戻った もっと精度を高めようとシーズン中にアイアンを替えることを決断した
――2023年シーズンを振り返ってみていかがですか?
尾関:悔しい1年だったと思います。初めてシードでフル出場して、毎日が忙しくて本当にあっという間でした。
――どういう部分が悔しいと思いましたか?
尾関:目標だった2勝目をあげられなかったことと、予選落ちが続いてしまったことです。
――2022年には初優勝を果たし、2023年を迎えたと思うのですが、前半で予選落ちが続いてしまった原因は何だと思いますか?
尾関:アイアンがずっとしっくりきていない部分があって、暖かいうちにいろいろなアイアンを試したくて、シーズン中にアイアンを替えて試打していました。その時期がちょうど7週間連続予選落ちしたときでした。毎週毎週、違うアイアンに挑戦して「やっぱりダメだった」というのがけっこう続いたけど、そのおかげでいいアイアンに巡り合えたから、結果的にはプラスだったなと思っています。
――後半はトップテンに入ることが増えましたよね。
尾関:ちょうど9月ぐらいにいいアイアンに出会えて、それがすごくハマってくれました。
――アイアンの決め手は何だったのですか?
尾関:ずっとシャフトをスチールからカーボンに替えたかったんです。それでカーボンを持ってきてくれて、最初に打った瞬間に「すごくいい!」と思っていました。
――クラブを替えることは、プロにとっても大変な作業だと思います。不安はなかったですか?
尾関:個人的にはシーズン中に替えたくはなかったんですが、コーチである父に暖かいうちに、いいアイアンを探したほうがいいと言われました。冬は気温が違うので、クラブ探しには向いていないと。よりよい精度を求めるなら、替えるのは今年しかないと思って、不安であまり替えたくはなかったんですが、初めて挑戦しました。
――お父様への信頼もあったのでしょうね。
尾関:今までコーチとしてみてくれているので、父が言うなら今かなと思って、一緒に探しました。
――途中で元のアイアンに戻すことは考えなかったですか?
尾関:5週続けて予選落ちしたときは、さすがにメンタル的に焦りもあって、父に元に戻したいと言って戻しました。その後、何カ月かしていいアイアンに出会えました。
――クラブを選ぶにあたって、1番重視した部分は何ですか?
尾関:今年、いろいろと試して思ったのが、練習場で打てても本番とはまったく違うということ。練習場ではすごくよかったクラブも試合では全然ダメだったりして。なのでクラブ選びはとりあえず試合で使って、それでよかったクラブが1番だと思っています。 メルセデスランキングで1位になりたい 試合のときはファンのために練習のときは優勝したいという思いでゴルフをしている
――ご自身の得意なプレーは?
尾関:パターが得意です。
――パットをするときの秘けつはありますか?
尾関:真剣にラインを読んで、信じてそこに打つのみです。 ラインを読むときも、タッチとかでラインはけっこう変わってくるので、 自分がこのパットを強気でいくか、ジャストタッチでいくかっていうのをしっかり決めてからラインを読むようにしています。
――今の課題は?
尾関:ショットの精度をもっと上げることです。とくにショートゲームで、100ヤード以内のアプローチの精度を高めたいです。
――オフシーズンはどのように過ごしますか?
尾関:とりあえず体力をしっかりつけて、筋トレもたくさんして、あとはもうひたすらコースに行って、100ヤード以内のアプローチの距離感を合わせていけたらいいです。
――プライベートでは、どんなことをしたいですか?
尾関:今年成人式で、久しぶりに中学校の友達に会うので、それがすごく楽しみです! 体を動かすのが好きなので、ラウンドワンにも行きたいですね。
――では、これまで長くゴルフを続けてきて、この人がいなかったら今の自分はいないと思う人物はいらっしゃいますか?
尾関:家族です。家族がいなかったら絶対にプロになれていないですね。
――ゴルフを始めたのはお父様の影響ですか?
尾関:父と祖父の影響ですね。
――ゴルフ以外にしたいことはなかったのですか?
尾関:小学4年生のときにダンスをしたかったんですが、それを言ったら、怒られた記憶はあります(笑)。でもゴルフの試合も楽しかったので、試合のために必死に練習をガンバっていました。そういう面では、ゴルフから離れたいと思わなかったです。
――ゴルフを続けられているモチベーションになっていることは何ですか?
尾関:2つ言ってもいいですか?(笑)
――もちろんです!
尾関:欲張りなんです(笑)。1つは、ファンの方の応援。それが本当に力になるなって思っていて、調子が悪くてもファンがいるかぎりはガンバっていいプレーを見せたいという気持ちがあります。もう1つは、結果が悪くて悔しい思いをしても、優勝したらうれしいとわかっているので、そのためにガンバっています。試合のときはファンの方のために、練習のときは優勝したいという思いですね。
――ゴルファーとして最終的にどのようになりたいですか?
尾関:1番ほしいタイトルはメルセデスランキングの1位。それがずっと夢です。
――2024年シーズンはどう戦っていきたいですか?
尾関:クラブも決まってきているので、来年こそは、2勝目をあげたいです。あと、春は成績が悪いことが多いので開幕からしっかりガンバります!
Profile 尾関彩美悠
●おぜき・あみゆ/2003年生まれ、岡山県出身。2023年シーズンは、Tポイント×ENEOSで3位タイ、ミネベアミツミレディス4位、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで3位タイ、マスターズGCレディースで2位タイに入った。JFEスチール所属。
写真=田中宏幸
取材トーナメント=富士通レディース
2024年04月28日 09:00
「寒い時季はいいスコアが出ない……」と、あきらめないで!
体が動きにくい、真っすぐ飛ばない、を解決して好スコアを出す“冬のラウンドを楽しく回れる”レッスンをお届けしよう。 捻転差を広げる必要なし! 足や腰を固定せず体全体でスイング 捻転差を作ることよりも「腕やクラブが外れない、体の回転と同調させることが大切です」(竹田)
心得の3は「捻転差を作らない」です。寒くて体が固まっているときは、下半身を固定して上半身だけを深く回すことができません。
回転は体全体をひとつの面にして一緒に動かす“ドアスイング”でいいのです。 上半身だけを回そうとしても回りにくいので「振り足りない」と感じてしまう。
すると、それを補おうとして手を使ってオーバースイングになってしまうのはNGだ
イメージ的には、おヘソの前にもった箱を隣の人に渡すときの動作でスイング。自然な動きでスムーズに渡そうとすると、上半身だけを回したり、腕だけを動かして渡そうとはしませんよね。
ニーアクションを使うことも利点で、下半身を止めてしまう動きを防ぎ、回転のしやすさがアップするので、バックスイングも切り返しからフォローまでも箱を渡すイメージで振ってください。ここでも、テンポを落とした「ゆっくり渡す」ことを忘れずに! 箱を渡す動きと同様に、バックスイング時の右回転では左カカトを上げてもOK。
「フィニッシュに向かう左回転では、右カカトを上げるのは必須です」(竹田) クラブの運動量を上げるもGood!手首のリリースを使って打つ!
回転のしにくさをクラブの運動量で補うのも、真っすぐ遠くへ飛ばすテク。
寒くても手首はスムーズに動かせるので、リストワークを使ってクラブをリリースさせるとヘッドの加速力とボールのつかまりがアップする。これもぜひ試してみよう。
いかがでしたか? 上半身と下半身を使ったドアスイングをレッスンに取り入れてみてください!
レッスン=竹田綾人
●たけだ・あやと/1997年生まれ、奈良県出身。168cm。中央学院大ゴルフ部を経て、指導者の道を進み、22年にPGAティーチングプロ資格を取得。エースゴルフクラブ千葉、赤坂と茨城県つくば市のDIVERSE GOLFで多くのアマチュアをレッスン中。
写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール